※この作品はR-18です。

【書籍化】大司教の権力を悪用して純真無垢な聖女とセックスしたら、毎晩イチャラブご奉仕されるようになった話   作:月見ハク

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第32話 第一王子の儀式

「――第一王子、アレク・オリミナスよ、女神より託された豊穣祈願の旅路からよくぞ戻られた。無事の帰還を祝し、聖女より祝福を授ける」

 

 大司教としての長い口上を終える。実際は放蕩の旅だったというのに、ずいぶんな言いようだ。

 

 目の前で頭を垂れる赤髪の青年に、心の中でため息をうつ。

 

 第一王子、アレク・オリミナス。

 

 第二王子よりも筋骨隆々な体躯で、長い赤髪を後ろで縛っている遊び人。

 事前の調べによると、彼は平民を装い王国内の街や村に立ち寄っては、目に付く美人を片っ端から手籠めにしていったという。隠し子も両の手で数えきれないという噂まである。

 

 とんだ問題児で無類の女好き。

 

 にも関わらず、民衆の間では聡明な第二王子よりも人気があるらしい。女たらしなだけでなく人たらしでもあるのだろう。

 

 ある意味で第二王子よりも厄介な存在かもしれない。いや、儀式中に顔を上げないだけあの青年よりもいくらかマシか。

 

 俺は隣にたたずむマイに目配せすると、彼女と立ち位置を入れ替えた。

 

「アレク・オリミナス。旅の役目を終えたあなたに女神の祝福があらんことを」

 

 マイが第一王子に近づき手をかざす。次の瞬間、彼の全身を白い輝きが包みこむ。

 

 見事な聖女の祝福だ。

 

 今の彼女はどこからどう見ても無垢な聖女だ。純真を絵にかいたようなその顔には、清らかな聖女の微笑みを浮かべている。

 

 直前まで何度も犯され、繰り返し絶頂させられ、今は全裸にローブという淫靡な格好をしているなんて誰も信じないだろう。

 

「マイ、いい祝福だったぞ」

 

 俺は第一王子に悟られぬよう、彼女のお尻をさらりと撫でた。

 

「ぁ……っ」

 

 マイが困ったようにこちらを向く。近くでよく見れば金色の瞳は潤み、頬は上気していた。肌もうっすらと汗ばんでいて、どうやら彼女は今も絶頂の余韻に襲われているらしい。

 

 俺のいる位置からしか見えないスリッドの隙間には、魅惑的な太ももの付け根が見え隠れしている。その内股付近は愛液でぐっしょりと濡れていた。

 

 にも関わらず、清廉さを維持したまま儀式をやり遂げたのだから大したものだ。

 

「これにて祝福の儀式を終える」

 

 マイの肩を抱いて舞台袖へ引っ込もうとすると、突然大きな声が響いた。

 

「待ってくれ大司教!」

 

 振り向くと、第一王子が立ち上がってこちらに笑顔を向けている。

 

 体の大きさのわりには幼い顔立ちだ。人懐っこそうな笑みは、人によっては爽やかな印象を与えるのだろう。なるほど、これは人気が出るのもうなずける。

 

「王子殿下、儀式はもう終わりましたが」

 

 あえて突き放すように語気を強める。だが第一王子はめげる様子もなく一歩二歩と近づいてきた。

 

「失礼、大司教に大事な用件があるんだ。文のやり取りでは事が進まない。せっかくお会いしたこの機会に直接伝えておきたくてな!」

 

 言葉遣いもおよそ王族とは思えない粗雑さだ。しかし堂々とした立ち振る舞いは彼が確かに人の上に立つ男だということを物語っている。

 

 この気安さと風格とのギャップに女は堕ちてしまうのだろう。

 

「大事な用件なら、伺いましょう」

 

「ありがとう! では……一週間後、俺は帝国との国境沿いにあるオレンダイ領へ視察にゆく。ついては聖女にも同行してもらう!」

 

「……ふむ」

 

 オレンダイ領、だと。

 

 確かゴーゼ司教はオレンダイ領の出身だった。このタイミングであの男の出身領に行く話が出てくるとは。

 

 第一王子、いや第一王子派の貴族とゴーゼ司教はつながっているのだろうか。

 裏で帝国が糸を引いているとすれば、第一王子派とオレンダイ領を使って王国の転覆を謀っているのかもしれない。もちろん教会にとっても大きな脅威だ。

 

「……視察の目的を聞いてもよろしいですか? 聖女の同行を求めるということは、争いごとの危険があるということでしょう」

 

「その可能性もある、というだけだ。最近王国内で頻発している聖女狩り、その賊どもの根城がどうやらオレンダイ領らしいという報告があってな。とはいえ名目上はただの視察だ。戦闘が起こる確率は低いから安心してくれ!」

 

「聖女狩りの本拠地ならば、余計に聖女を同行させるわけにはいきませんね」

 

「あー、いや大司教、これは決定事項なのだ。すでに王の許可は下りている」

 

(……厄介な事態だな)

 

 思った以上の根回しのよさに、第一王子に対する警戒度を引き上げる。万が一に備え、俺は薄い防護魔法でマイを覆った。

 

 王の許可とはすなわち王命に等しい。

 

 大司教の権力をもってしても断るのは難しいだろう。ゴーゼ司教の襲撃時に御前会議をすっぽかしたのも断りづらさに拍車を掛けている。

 

 そこまで見越して同行を要求しているのだとしたらずいぶんと用意周到だ。

 

 であれば今は頭を切り替え、いかにしてマイを守るかに思考を注力すべきだろう。

 

「……そうですか。では同行する人員や視察の段取りについて、事前に詳細な打ち合わせをお願いします。私たちには聖女を守る責務がありますから」

 

「おお! 話が早くて助かる。だがそこまで心配する必要はないぞ。俺は電撃魔法の使い手だ。聖女マイは、俺が必ず守り抜くと約束しよう!」

 

「えっ……」

 

 突然名前を呼ばれたマイが、キョトンとした顔を浮かべる。

 

「はは、驚いた顔も美しいな! 聞いていた以上の美貌だ。安心してくれ世にも麗しき聖女よ、君の純潔は俺が死守する。ではまた一週間後に会おう!」

 

 大声で叫ぶと、第一王子は身を翻して去っていく。

 

 大聖堂の扉が開いた先に、あの初老の司教の姿があった。にこやかな笑みを浮かべて第一王子を出迎えている。

 

「――このあと一席設けておりますゆえ……」

 

 そう言ったのが、閉じていく扉の隙間から聞こえてきた。

 

 あの司教はどうやら第一王子派とつながっているらしい。

 

 

 まるで嵐のような青年だった。

 

 俺はいまだに呆然と佇んでいるマイの肩を抱くと、今度こそ舞台袖へと引っ込んだ。

 

 

 ◇

 

 

 第一王子、なかなかに底の見えない男ではあった。

 

 ゴーゼ司教の背後関係に、帝国の影、マイに懸想する空気の読めない第二王子、そして無理な同行を命じてきた第一王子と、教会内に今もはびこる貴族や王族との癒着。

 

 問題は山積みだ。

 

 歴代の大司教であれば、心が折れて静観という楽な道を選んだことだろう。

 

 だが。

 

「マイは何も心配しなくていい。君も、君の愛する妹たちも私が守ろう」

 

 確かな決意を口にする。

 

「はい……んッ、あんっ……あの、大司教さまっ……」

 

「なんだ?」

 

「どう、して……そんなとこっ、あっんんッ……ッ」

 

 どうして、無事儀式を終えたのに淫らなことをするのかと言いたいのだろう。

 

 俺は今、舞台袖に引っ込むや否やマイを後ろから抱き締め、服の上から体中をまさぐっていた。

 

 ローブをこんもりと押し上げている胸を揉み、浮き上がってきた突起を指で捏ねる。

 

 魅惑的な腰つきをなぞり、汗で布地の張り付いたお腹を撫で、へそのくぼみを指先でいじる。その手をするすると下ろしていき、スリッドの隙間から鼠径部(そけいぶ)へと侵入させた。

 

「あっ、だめですっ……大司教さま、ここ」

 

「問題ない。大聖堂にはもう私と君しかいないし、君の可愛い鳴き声が外に聞こえることもない」

 

「でもっ……」

 

「マイ、こちらを向きなさい。久々に祝福を放ったのだ、口づけで魔力に異常がないかを確認しよう」

 

「あっ……んッ、んむっ……ふっ、んぅっ……」

 

 小さい顎をつかんで強引に唇を奪う。

 俺はこの極上のキスを、他の誰かに味わわせるつもりはない。

 

(純潔は俺が死守する、か)

 

 笑える。

 

 命を懸けたくらいで聖女を守りきれるわけがない。

 

 静かな殺意を胸に、魔力をこめる。

 

 

『聖騎士長、聞こえるか』

 

『……はっ、聞こえております』

 

『ふむ、成功だな』

 

『驚きました。本当に会話ができるなんて』

 

 正門近くに潜む聖騎士長と、思念を送り合う。

 

 ――念話の術。

 

 ひとまずそう呼んでいる。

 

 防護魔法の範囲内にいる仲間と、魔力を使い意思を伝達し合う。聖騎士長と秘かに実験を繰り返し、やっと完成させた独自の魔法だ。

 

 教会神殿をすっぽり覆うほどの防護魔法を展開できる俺以外には扱えないし、伝達相手も俺と同じく防護魔法の使い手でないと発動しない。

 

 その上、事前にお互いの魔力を同調させておく必要があるという、非常に手間のかかる術だ。

 

 そのため今のところ伝達できるのは聖騎士長だけだが、問題はない。誰にも悟られず聖騎士長と遠隔で会話ができるというだけで、戦略の幅は大きく広がる。

 

『第一王子の馬車が正門を通ったら後を追うんだ。司教も同乗しているはずだからそちらのほうも洗ってくれ』

 

『承知しました』

 

 

 俺は魔力を操作して念話の術を切った。

 

 再びマイとのキスに意識を集中させる。

 

「んっ、ん゛ぅぅっ……ッ」

 

 鼠径部を(いじ)っていた指を割れ目へ移動させると、彼女の喉奥からくぐもった音が漏れた。

 

 ヌチュヌチュと愛液をかき混ぜ指を二本、膣内へと挿入していく。

 

「ぷ、ぁっ……あッ、大司教さまっ……ゆび、あぁんっ……」

 

「少し魔力が乱れているようだ。しばし指で君の中を(あらた)める、いいね」

 

 耳の内側に唇を当てながらささやくと、マイはビクンと肩を震わせた。

 

「ひぅっ、んっ……んうぅぅぅっ――ッ」

 

 外には聞こえないと言ったのに、慌てて手のひらで口を押さえる様子がいじらしい。

 

 何度犯しても、処女のような反応をする子だ。

 

「あっ、んぁっ……」

 

 漏れ出る嬌声を聞いていたくて口に指を差し入れると、彼女の舌が指先をちろりと舐めた。

 健気な反応に股間が熱くなる。

 

「そうだ。そうやって指先の魔力を舐めなさい」

 

 ふやけた耳に唇を押し当てささやくと、マイが震えながら小さくうなずく。ちろちろと指への控えめな奉仕が始まる。

 

 本当はすぐにでも執務室に戻り、今後の対策を思案するべきなのかもしれない。

 

 だが、聖女マイを狙う者たちへの殺意と、彼女への歪んだ欲望が胸の中を渦巻いて、今は冷静に思案することが難しいだろう。

 

 世の下劣な男ども。

 その程度の覚悟で、マイを手に入れられると……俺から奪えると思ったら大間違いだ。

 

 

 薄暗い舞台袖で。

 

 俺は気の済むまで、彼女をイかせることにした。

 




次話、区切り的には新章突入です。

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