※この作品はR-18です。

【書籍化】大司教の権力を悪用して純真無垢な聖女とセックスしたら、毎晩イチャラブご奉仕されるようになった話   作:月見ハク

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第44話 聖女たちとの朝

 ゆっくりと意識が浮上していく。

 

 薄く目を開けると、七色の光に目を奪われた。

 

 高い天井にあるステンドグラスから、虹色の光彩が降り注いでいる。

 

 背中は柔らかいベッドの感触。これは一度味わったことがある。

 

「……聖衾(せいきん)か」

 

 声ともいえない音が出た。長い間、喉を使っていない証拠だ。

 また数日間……いやもしかしたら数週間は寝たきりだったのかもしれない。

 

 甘い匂いに誘われて左を向く。目の前に黒髪の美少女の寝顔があった。

 

(美しいな)

 

 俺の左腕にしがみつき、静かな寝息を立てている。

 豊満な乳房で腕を挟み込んでいるからか、全身が温かい。

 

 まるで全身をマイに包まれているようだ。

 

 少し乱れた黒髪に触れようと、右腕を動かそうとする。

 

「んん……」

 

 マイではない女の声が、右耳をくすぐった。

 右腕をつかまれ、なめらかな肌の感触が押し当てられる。

 

「……」

 

 ゆっくり右を向くと、懐かしい金髪が肩に乗っていた。

 

 ……ロレンティアだ。

 

(ふむ……ということは、この腹に乗っている温もりは)

 

 顎を引くと、俺の腹と毛布のあいだに桃色の頭が見えた。

 俺の呼吸に合わせて、上下している。

 

(どおりで全身が温かいわけだ)

 

 彼女たちはつきっきりで肌を重ね、治癒魔法を掛け続けてくれたのだ。

 

 魔力は……回復している。

 

 全身の骨が砕け、内臓がひねり潰されるような感覚があったが……体のどこにも異常がない。

 今すぐにでも飛んだり跳ねたりできそうだ。

 

 手のひらを開いたり閉じたりしていると、左腕を包んでいるマイの体がピクリと動いた。

 

「んっ……ぁ、リンゼさま……」

 

「おはよう、マイ」

 

 他の者を起こさないよう、声をおさえる。

 相変わらず、マイは寝起きがいい。

 

「……よかった、目を覚ましてくれて……」

 

 彼女もささやくようにつぶやいた。

 金色の瞳がみるみる涙に揺れていく。

 

「ああ、心配をかけて……すまない」

 

 マイも知らない、危険な切り札を使ったことを謝る。

 

 てっきり叱られるかと思ったが、彼女は眉間にシワを寄せて下唇を噛んだだけだった。

 

 左腕にぎゅっとしがみついてくる。

 それだけでマイの強い思いが伝わってきた。

 

「お体に、違和感はないですか……?」

 

「問題ない。前よりも調子がいいくらいだ」

 

「よかった……本当に、よかったですっ……」

 

 ついに彼女の目端から涙がこぼれそうになる。

 

 お互いの鼻先が触れ、視線が交差する。

 形のいい唇が、近づいてくる。

 

 唇が触れ合う寸前、腹のあたりで「ん゛ぅ」と少女のうめき声がした。

 

 眼前の金色の瞳が見開かれる。

 俺たちは慌てて顔を離した。

 

「ん゛……だいしきょう、さま……?」

 

「おはよう、ニーナ」

 

「わぁ……おはようございます……ごほーし、しますね」

 

 寝ぼけているのだろう。桃色髪の少女がちゅ、ちゅと腹筋に吸い付いてくる。それがだんだんと股間のほうへと下がっていく。

 

 隣で、マイが驚いて顔を上げたのが分かった。

 

「ニーナ、少しくすぐったいな」

 

 つとめて平静な声で、ぼさぼさになった桃色髪を撫でる。

 

 小さい頭がビクッと震え、止まった。

 

「あ、ご、ごめんなさいっ!」

 

 がばっと毛布がめくれ上がり、ニーナの細い裸体があらわになる。起き上がった勢いで、なだらかな乳丘がわずかに揺れた。

 

 毛布をベールのように被った聖女見習いが、俺を見下ろす。

 いつもは吊り気味の目元は下がり、負けん気の強そうな若葉色の瞳が、今はうるうると揺れていた。

 

「大司教様、元気になったんですねっ……!」

 

「ニーナ、言葉遣いがなってないぞ」

 

「はいっ、直します……!」

 

 ニーナは両手を握って泣き始めた。

 抱きついてきそうだったが、マイの手前(こら)えたらしい。

 

 俺の腰にまたがりながら涙を流す少女に、左手を伸ばす。

 

「髪がずいぶんと跳ねているな」

 

 花開いたようになっているピンク色の毛先に触れる。

 

「今、直しますっ……」

 

 彼女は俺の手を大事そうに握ると、もう片方の手で髪を整え始めた。

 だがまったく直らないのが面白い。

 

 初めて見るニーナの寝起き姿に、ふっと笑ってしまう。

 

「ん」

 

 右耳に甘い吐息が掛かった。

 

 右腕がするりと解放され、ロレンティアがゆっくりと起き上がる。

 

「あら、おはようございます……よく眠れましたか?」

 

「お陰様でな」

 

「そう、よかった」

 

 昔よく見た、木漏れ日にふわふわ浮かんでいるような寝起きの目。

 

 彼女は肩にかかった金髪をかき上げると、ちろりと俺の顎を舐めてきた。

 男を一瞬で虜にするのだろう、妖艶な朝の挨拶だ。

 

 意外なことにロレンティアは寝覚めがゆったりめで、覚醒まで少し時間が掛かる。特に肌を重ねた翌朝は。

 

「ティ、ティア姉さまっ……!」

 

 左隣のマイが、今度は体を起こした。

 

「……マイもおはよう。ごめんなさいね、ちょっと寝惚けていたみたい」

 

 ロレンティアが俺の頬にキスをして、くすりと微笑む。

 

 その口角が上がっている。もしかしたらとっくに起きていたのかもしれない。

 彼女はたまにこうして、ささいな悪戯を仕掛ける癖がある。

 

「大司教様、起きられますか?」

 

「ああ、おそらく」

 

 起き上がろうとすると、すかさずマイとロレンティアが背中を支えてきた。

 

 俺の体は汗ばんでいるのに、彼女たちの手のひらが温かく感じる。本当に聖女たちの基礎体温は高い。今はそれがたまらなく心地いい。

 上体を起こすと、両隣の聖女たちがピタリと体を寄せてきた。

 

 左側にマイの豊かな乳房の感触、右側にロレンティアの微かな吐息。

 花蜜を何倍にも煮詰めたような甘い香りに包まれ、寝起きの頭がぼうっとしてくる。

 

 すると腰に乗っかったままのニーナが「ぁっ」と目を細めた。

 

「大司教様の、張り詰めてます……っ」

 

 勃起した肉棒がニーナの小ぶりなお尻に当たっていた。お尻の割れ目にぐぐっと埋まっていくのを感じる。

 

 マイ以外では勃たないはずなのだが……おそらく左側に押し当てられている柔らかい乳房が原因だろう。

 

「また、楽にしてあげたほうがいいですか?」

 

 ニーナがつい先ほどまでの無邪気な感じから打って変わり、色香を孕んだ瞳で見つめてくる。桃色の前髪を耳にかけ、艶めかしい吐息を漏らす。

 

 また楽に、ということは、俺が意識を失っているあいだ、たびたびこういう事があったのだろう。

 そして彼女たちはその処理をした。おそらく口で。

 

 マイも、俺の肉棒を……?

 

 

「これは生理現象だ。問題ない」

 

 思わず(たかぶ)りそうになるのを(こら)え、厳かな表情を作る。

 

「……少し目の毒だ。肌を隠しなさい」

 

 ニーナが被っている毛布を下ろし、彼女の肩にかけた。

 

 マイとロレンティアもはっとした様子で、タオルを体に巻き始める。

 

 俺は目を閉じると、小さいため息をついた。

 

 誰も立ち入らない密室で、全裸の娘たちとベッドの上で体を密着させている。それも三人とも絶世の美少女で、おまけに聖女に元聖女に聖女見習いだ。

 

 世の男からしたら、想像すらしたことのない光景だろう。

 天国があるとしたら、この場所がそうに違いない。

 

「ふぅ」

 

 俺は大司教としての理性をまとってから、目を開いた。

 

 

 

 

「それで、私はどれくらい眠っていたんだ?」

 

 誰にともなく問うと、答えたのはやはりロレンティアだった。

 

「三日ですよ、大司教様」

 

「そうか」

 

 彼女がおでこに額を当ててくる。熱を測っているのだろうが、妙に距離が近い。

 聖衾で三日三晩肌を重ねていた名残りなのだろう。

 

 それにしても、驚いた。

 

 瀕死状態で魔力枯れの状態から、三日で全回復するとは。

 ヌべリエの魔道具で奪われたはずの視界も、元通りだ。むしろ以前よりも視力がよくなっている気がする。

 

 以前、ゴーゼ司教の襲撃で魔力枯れに陥ったときは、マイの聖衾で回復するまでに五日掛かった。

 

 聖女だけが行使できる秘儀なのかと思っていたが、元聖女や聖女見習いでも効力があるらしい。

 

 いや、だが聖女でない者がこうした奇跡を起こしたという記録は見たことがない。

 何か、特別な発動条件でもあるのだろうか。

 

 まあ、ともあれ。

 

「君たちには本当に助けられた。ありがとう」

 

 低い声でつぶやき、わずかに頭を下げる。

 

 するとロレンティアが初めて声を震わせた。

 

「お礼なんて、そんな……私たちのほうこそ」

 

 ベッドの縁に座っていたニーナも、胸を押さえて下を向いている。

 大司教にかしこまったお礼を言われるなどという経験に、動揺しているのだろう。

 

 俺はベッド脇の椅子に座っているマイを見る。

 彼女はりんごを剥いていた手を止め、ふんわりと小首をかしげた。

 

 全てを包み込むような、受け止めるような女神の微笑みだ。

 

 三者三様の表情に、なぜか心の奥が温かくなる。

 

「何か礼がしたいが、希望はあるか? 私にできる範囲で尽力しよう」

 

 途端に、三人ともが眉をハの字に下げた。

 

 聖女見習いとして、無欲禁欲を是として育てられた彼女たちだ。お礼と言われても困ってしまうのは分かっていた。

 

 だが、なぜだか言いたかったのだ。

 

「ありがとうございます。考えておきますね」

 

 ロレンティアが澄ました顔で応える。

 

 その口角が悪戯っぽく上がっているのに、俺は心の中で苦笑した。

 

 

「ふぅ……大司教さま、りんごを召し上がってください」

 

 マイが一仕事終えたような顔をして、小皿を差し出してくる。

 

 皿の上には、きちんと原型を残したまま皮を剥かれ、ぱっくり四つに割れたりんごが乗っていた。

 

「ずいぶん綺麗に剥けるようになったのだな」

 

「あ、はいっ、あの……ちょっとだけ練習しました」

 

 きっと、俺の視ていないところで相当練習したのだろう。

 

 聖女見習いは刃物に本能的な抵抗感がある。

 それもりんごを剥くとなると、時には指を切ってしまうこともあったはずだ。

 

 彼女たちは誰かを傷つけることもそうだが、自身を傷つけることも忌避する。

 

 それはすべてにおいて型破りなマイとて同じだ。

 

「ああ、とても美味しそうだ」

 

 ここまで上達するのには、相当な苦労があっただろう。

 

(本当に、生真面目な子だ)

 

 感慨にふけりながらりんごに手を伸ばすと、ニーナが慌てて身を乗り出してきた。

 

「あのっ」

 

「なんだ?」

 

「わ、わたしが、食べさせてあげてもいいですかっ……?」

 

「ニーナ、どうしたの急に」

 

 ロレンティアが聞く。

 

「大司教様、まだ腕が治ったばっかりですし、それに、次のご奉仕は私の番ってっ……」

 

 ニーナが許しを請うようにマイのほうを見る。

 

「……えっと、うん……私はいいけど」

 

 マイが妹のわがままに困ったような笑みを浮かべ、俺のほうを見た。

 彼女の無礼を詫びるような、怒らないでほしいと懇願するような、複雑な表情だ。

 

 それにしても、ご奉仕の順番か。

 

 なんとなくだが、意識を失っているときのことを思い出してきた。

 彼女たちが俺の世話をする順番を決めていたような……。

 

「ああ、別に構わない」

 

「あ、やったっ……じゃなくて、ありがとうございます」

 

 駄々が叶ったことにはしゃぐニーナに、苦笑する。

 

 相変わらず言葉遣いが乱れているが、今日はたしなめるのをやめよう。

 

「で、では、大司教様っ、お口をあーんとお開けくださいっ……あーん」

 

 ニーナに従い口を開ける。そこに一口で含むには大きすぎるりんごが差し込まれた。

 顎に力を入れてシャクとかじる。

 

 瑞々しい甘みが口内に広がり、果汁が喉を潤していく。

 

「美味いな」

 

 シャクシャクと噛んでいると、ニーナがなぜか熱い吐息を漏らした。頬を染め、恍惚とした表情を浮かべている。

 

「大司教様、もう一度……あーんて、してください……」

 

 言われるがままに口を開け、りんごをかじる。

 

「はぁ……大司教様、もっと……食べますか?」

 

 ニーナが自分の指についたりんごの汁を舐め取る。その仕草が妙に色っぽい。

 

「ああ、もらおうか」

 

 なぜだかマイとロレンティアも、りんごを与えられる俺をじっと凝視していた。

 

 

 

 

「じゃあねマイ、大司教様のことを頼みました」

 

「マイ様、あとでお体を清めるお湯を持ってきますねっ」

 

 普段使いの白いローブに着替えたロレンティアとニーナが、扉へ向かう。

 

 一方のマイは、まだ全裸にタオルを巻きつけた姿でベッドに座っている。

 

 ここからは、マイが一人で仕上げの治癒を施すということらしい。

 

「うん、ティア姉さまもニーナも、ありがとう」

 

「大司教様が出歩けるほどに回復したら、また鐘を鳴らしてね。……ごゆっくり」

 

 ロレンティアが意味深な笑みをマイに向ける。

 

「はい、大司教さまにゆっくり休んでもらいます」

 

 マイの素直な返答に、ロレンティアがふっと頬をゆるめた。

 少し意地悪を言ってみたものの、まったく気づく様子のないマイを心から可愛いと思っている感じだ。

 

 その気持ちはよく分かる。

 

「二人とも、ご苦労だったな。君たちも今日は休んでくれ」

 

「ありがとうございます。では失礼しますね」

 

 ロレンティアが頭を下げる。

 

 ふと、ニーナが思い詰めた表情を俺に向けてきた。

 

「ニーナ、どうした?」

 

「あのっ……お礼、のことなんですけど」

 

「ああ、何か希望があるのか」

 

「えっとっ、ちょっと最近、悪い夢を見ることがあって……今度、相談に乗ってほしいです」

 

 悪い夢、か。

 

 魔法はその人間の精神に影響する。

 

 もし悪夢が、心の内にあるトラウマ――ゴーゼ司教に起因するものなら、治癒の力が不安定になる前に取り除く必要があるだろう。

 

「もちろんだ。次に悪夢を見たらマイに言いなさい。相談に乗ろう」

 

「はいっ、ありがとうございますっ……!」

 

 ペコリと頭を下げ、ニーナがロレンティアと一緒に部屋を出ていった。

 

 

 つい今までの賑やかさが嘘のように、室内が静かになる。

 

「あの、リンゼさま」

 

 隣に座るマイが、俺のほうを向いた。

 胸元で手を握り、揺れる瞳で見上げてくる。

 

「なんだ」

 

「私を……みんなを助けてくれて、ありがとうございました」

 

 本音ではいくつもの文句を言いたいだろう。

 

 どうしてあんな危険な術を使ったのか。聖域に飛び込むなんて真似は馬鹿げている。命を捨てるようなことをしないでほしい。

 

 だが彼女はそれらを飲み込んで、感謝だけを口にした。

 

 一緒に闘う者として。

 

 並び立つ者としての覚悟が、金色の瞳を通して伝わってくる。

 

(ああ、美しいな)

 

 本当に、マイは強くなった。

 

 それがどうしようもなく愛おしい。

 

「マイ、無闇に短剣を敵に向けるな。相手が手練れの場合、怯ませるどころか逆に武器を奪い取られてしまう」

 

 だから俺も、謝罪や感謝の言葉を飲み込み、ささいな注意点だけを伝える。

 

 ともに並び立つ者として。

 

「はい……わかりました」

 

 マイが小首をかしげ、心底嬉しそうに笑う。

 

 黒髪がはらりと肩から落ち、彼女の魅惑的な胸元を撫でる。

 

「あ、リンゼさま……りんご、食べますか?」

 

 マイの視線がベッド脇の小机に向けられた。皿の上に、切ったりんごが一かけらだけ残っている。

 

「ああ、もらおうか」

 

「はい」

 

 彼女の白くて細い腕が伸び、りんごのかけらをつまむ。

 

 するともう片方の手のひらを皿のようにして、こちらへ差し出してきた。

 

「あ、あの……私も、リンゼさまに食べさせてみて、いいですか」

 

 おそるおそる聞いてくるマイに、胸がドクンと脈打つ。

 

 俺にとってはこの上ないご褒美なのに、遠慮がちなのがたまらない。

 

「ああ、構わない」

 

「では、あのっ、あーんを……」

 

 恥ずかしそうに言う彼女に、股間が熱くなる。

 

 俺は大口を開けると、シャクリとりんごをかじった。彼女の手には一つまみ分のかけらしか残っていない。

 

「……おいしいですか?」

 

「今まで食べたりんごの中で、一番美味いな」

 

 マイがくっと下唇を噛む。

 彼女が、本当に嬉しいときにする仕草だ。

 

 すると金色の瞳が、何かを思い出すように斜め下を見た。なんとなく、俺の下腹部あたりに向けられている気がする。

 

「あの、リンゼさまは、眠っている間のことを覚えていますか?」

 

 聖衾を施されている間のことを言っているのだろう。

 

 正直に言うと、うっすらと思い出してきている。

 

 何度か、意識だけが浮上する瞬間があった。

 そのとき反射的に遠視の術を使い、自分の置かれている状況を視た。

 

 ロレンティアが吐息を漏らしながら白い肌をこすり合わせ、ニーナが俺のいきり立ったペニスを舐めていた。

 マイは泣きそうになるのを必死にこらえながら、俺に濃厚な口づけをしていて――そんな淫蕩な光景が記憶の中に残っている。 

 

「……さあ、まったく記憶にないな」

 

 彼女がほっと胸を撫でおろす。

 その視線が、俺の腹のあたりを彷徨(さまよ)う。

 

「ニーナが、言ってました」

 

「なにを?」

 

「リンゼさまの、その……腹筋が、硬いと」

 

「そうか」

 

「腕も、太くて……服の上からじゃ分からないくらい、がっしりしているって」

 

「少し鍛えれば、男などこんなものだ」

 

 実際、聖騎士長の体はもっと凄い。

 

 さっきからマイの何を言いたいのか要領を得ないな。

 

 いや、だがこれは。

 

 彼女が、涙目で俺を見つめてくる。

 

「ごめんなさい、私……次リンゼさまを癒すときは、私だけに、させてほしいです」

 

 全身がゾクリと粟立つ。

 

 可愛らしい嫉妬心に、腹の奥から込み上がってくるものがあった。

 

 決して聖女が抱いてはいけない類いの感情。

 

「本当に、君はたまらないな」

 

 俺は彼女の後頭部をぐいと引き寄せた。

 

「え、リンゼさ――んむっ、ぇぁ……っ」

 

 熱情のままに唇をこじ開け、舌を絡ませる。

 

「あッ、んぁっ、ふ、んぅっ……ぇ、ぁ……あぇっ……」

 

 吸引と粘っこい音が混ざり合う激しいキスだ。迎え入れようとした小さい舌を吸い、舌で躍らせ、翻弄する。

 

 柔らかい体を抱き寄せ、その体温を俺の中に閉じ込める。

 顔と顔が密着するほどに口内をむさぼり、吐息すら許さない。

 

「リンゼさま、まっ……んぅッ、んっんぅっ、んく、えぁっ……」

 

 この乱暴なキスに建前などもうない。

 ただ欲のままにマイをむさぼり、彼女を性感で弄ぶためだけに舌を絡ませる。

 

 美しい肌を隠しているタオルの結び目を解き、左右に開く。

 

 そのまま強引に押し倒せば、マイの魅惑的な裸体がシーツの上で跳ねた。

 たぷんと前後に揺れる大きな乳房に、さらに股間が張り詰める。

 

 再び彼女の唇にむしゃぶりつく。

 

「ん゛っ、ふっ、ッ……んぁ、ん、ぇぇ……ぁっ、ん゛んッ……」

 

 長く激しい口づけを終えると、マイは失った空気を取り戻すように荒い呼吸をしていた。紅潮した頬、苦しそうに潤む瞳が興奮をかき立てる。

 

「嫌だったか?」

 

 意地悪く問いかける。

 

「嫌じゃ、ないです」

 

 そう返答するのは分かっていた。

 

「そうか」

 

 獣欲に従い彼女の腕を枕元に押し付ける。それだけで胸元の豊乳が大きく揺れた。

 

 投げ出された小さい手に、一つまみのりんごのかけらが残っているのを見つける。

 それを奪い取ると、マイの口元へ差し出した。

 

「君も食べなさい」

 

「はい……」

 

 わずかに開かれた口内へりんごを入れる。

 

 食べている姿をまじまじ見られるのが恥ずかしいのか、マイは横を向いた。

 シャク、シャクと二度噛んでから、コクリと喉を鳴らす。

 

「ん……」

 

 潤んだ目が細められる。

 りんごの甘みを味わっているようにも、口づけの余韻を感じているようにも見えた。とんでもない色香だ。

 

(なるほど、これはクセになりそうだ)

 

 下半身の疼きを満たすべく、股間をマイの秘所に押し付ける。

 まだキスしかしていないのに、彼女の膣からは愛液があふれていた。

 

「マイ、抱くぞ」

 

 自然と開いた股の間に腰をあてがい、ペニスを挿入していく。小さい体を押し潰すように体を密着させると、マイの口から果実の香りが漏れた。

 

 その甘い吐息を閉じ込めるように、唇で塞ぐ。

 

「んっ、ぁ」

 

 同意を取ることもなく、俺は腰を振り始めた。

 

「ん、ぁっ、はぁッ、ぁっんッ、ぁっあっぁっぁッ……」

 

 肉棒をぎゅっと包んでくる熱い膣内に出し入れしながら、そのたびに喉奥から香ってくるりんごの甘みを口内で味わう。

 

 上半身でも彼女を押し潰す。豊満で柔らかいおっぱいが潰れ、俺の胸に吸着してくる感じが心地いい。可愛らしく立った乳首がピストンのたびにこすれて気持ちがいい。

 

「ぁっ、んッぁっ、んっんっ、んぁっ――ッ」

 

 膣中を犯され、乳首がこすられる快感でマイがイったのが分かった。

 もっと悶えさせたくて、腰の振りを小刻みにし、胸板でピンと立った突起をこする。

 

 細い両手首を押さえ、正常位で彼女にのしかかるようなセックスを続ける。

 

 んっんっ、という彼女のうめき声とギシギシというベッドの唸り音が室内を満たしていく。

 

 執拗に舌を絡ませていると、彼女の口内がいっそう熱くなった。

 その熱が伝播するように、俺の股間も火照っていく。

 

 三日ぶりのマイの名器に、精巣がぐつぐつと煮えたぎってくる。

 

(ぐっ、出る……!)

 

 グチュグチュと膣奥を突いた瞬間、全身が震え上がった。

 

「んぐ、うぅぅぅっ……!」

 

 ドビュルルッ、ドビュルルッ――と肉棒から精が発射されていく。一瞬で意識を失うほどの快感。マイの柔らかい体をさらに押し潰し、股間を押し付け最奥へと精液を放つ。

 

(なんて、気持ちよさだ)

 

 俺は密着した口内で呻きながら、三日分の精子を膣中に注ぎ込んだ。

 

 

「ぐ……うぅ……」

 

 情けない声を発しながら、俺はマイのうなじに顔を埋めていた。

 いつの間にか彼女の腕から手を離し、小さい体をかき抱いている。

 

 全身から力が抜け、全体重でマイを潰していた。

 このベッドが厚みがあって柔らかくなければ、今ごろ彼女を窒息させていただろう。

 

 ふと、背中を温かい手のひらにさすられた。

 

「んッ……リンゼ、さまっ……たくさん、出ています……」

 

「すまない、夢中で抱いてしまった。重いだろう」

 

 体を起こそうとすると、やんわりと彼女が抱き返してくる。

 

「へいき、です……リンゼさまに乗っかられるの……慣れてますから」

 

 嬉しそうにつぶやくマイに、再び膣内でペニスが強張っていく。

 

「わたしの魔力は、正常でしたか……?」

 

 彼女がふんわりと微笑む。

 

 マイのほうから、建前を口にした。

 

「……ああ、異常はないな。……いや」

 

「んっ、あ……リンゼさまの、またっ……」

 

「マイ、ロレンティアはあとどれくらい安静にしろと言っていたんだ?」

 

「え、えっと……丸一日くらいって」

 

「そうか」

 

 つまり明日の朝まで、俺はこの密室でマイをたっぷり抱き潰せるということだ。

 

「あっ、あんッ……!」

 

 俺は口端を歪ませ、再び腰を動かし始めた。




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