【書籍化】大司教の権力を悪用して純真無垢な聖女とセックスしたら、毎晩イチャラブご奉仕されるようになった話 作:月見ハク
第二王子と面会を始めて、どのくらいが経っただろうか。
体感では半刻も過ぎていない。だが彼にしてみたら悠久の時を過ごしたに等しいだろう。
俺とマイ、そして王子の茶をすする音だけが談話室に響いている。
カチャリと、王子がカップを受け皿に置いた。
「では私はこれで失礼します」
隣にたたずむヌベリエの存在がよほど不気味なのだろう。早々に部屋を出ていこうとする。
俺もまだ半分ほど残っているカップを置き、引きつった顔の青年を見上げた。
「疲れは取れましたか?」
「ええ、十分過ぎるほどに」
「それはなによりです。ヌベリエ、殿下を送ってさしあげなさい」
「あ……いえ私は」
王子が見るからにうろたえる。
「ふふ、王子殿下、参りましょう。正門までご案内いたします」
顔を強張らせた王子が、ヌベリエに寄り添われて出ていく。その後ろ姿が、神殿に来たときよりもやつれて見えた。
再び室内に静寂がもどる。
「マイ、不快な思いはしなかったか?」
「あ、はい。ヌベリエさんのお茶、とても美味しいです」
第二王子と接して嫌な気分にならなかったのかを聞いたのだが、マイはピンときていないようだ。
いや、違うな。わずかだがほっとしたように体の緊張を解いている。
俺に無用な心配をさせまいと、気にとめないフリをしているのだろう。本当にいじらしい子だ。
「そのお茶を煎じたのは俺なのだがな」
「え、リンゼさまが……?」
マイが驚いたように、空になったカップを見つめる。
「なら、もっとゆっくり飲めばよかったです」
「これからは毎日淹れてあげよう。今後は君にますます魔法の修練を施すつもりだからね」
「はい……あの、よろしくお願いします」
彼女の顔がほんのり染まる。
嬉しそうに目を伏せ下唇を甘噛みする仕草は、まるで贈り物を待ちわびる少女のようだ。
俺はマイの下半身に手を伸ばすと、ローブの上から太ももに触れた。生地の感触を確かめるように、やんわりと撫で上げていく。
「んっ……」
彼女はもう、俺にどこで何をされようと抵抗しない。ただ身を火照らせ、性感に震えるだけだ。
俺は立ち上がるとマイの背後に回った。
恥ずかしそうにうつむく横顔を楽しみながら、肩のラインを撫でる。
「ぁ……リンゼさま、んッ……」
見下ろすと、儀式用のローブを着てもなお大きさを隠しきれない巨乳が、こんもりと布地を膨らませていた。男の手でも余りある乳毬を手のひらで覆い、生地の表面だけにピタリと触れる。
「あッ、ん……」
厚手の布越しでもマイの体温が伝わってきた。服の下はさらに火照っているのが分かる。
俺だけの熱。俺だけが味わえる感触だ。
もう誰も彼女に触れさせない。俺は今以上に、マイを鳥籠に閉じ込める。
「ふむ、魔力に異常はないようだ。さっそくだが修練を始めよう。執務室に来なさい」
「はい……リンゼさま」
マイが泣きそうな声で返事をする。
聖衾で抱き潰して以来、俺たちは二週間もセックスをしていない。そのせいで、焦らされた彼女の体は過剰にむつみ合いを欲しているのだろう。
俺も、我慢の限界だ。
マイを立たせ、俺たちは無言で執務室へと向かった。
執務室の鍵を掛けると、その音だけで彼女は小さく震えた。
「こっちだ」
執務机の近くにある小さな扉。
取っ手に俺の魔力を流すと、カチと鍵が開く。
中に入るとそこは殺風景な部屋だった。
「リンゼさま、ここは……?」
「神殿大工たちに作らせた私の仮眠室だ。そして君がこれから修練を積む部屋でもある」
ようやく完成した鳥籠。俺が好きなだけマイを抱き潰すための密室だ。
天井に近いところにある明かり取りの小窓から、午後の陽光が差し込んでいる。
ベッドが一つに、申し訳程度の小さいテーブル。その上には魔導ランプが置いてある。この部屋の家具はそれだけだ。
ベッドは人一人が手足を広げて寝られる程度の大きさで、男女で寝るにはやや窮屈だろう。だがそれでいい。
「この部屋は防音で、集中を必要とする修練にはうってつけだ。基本的には毎日ここに通うことになる」
「あ、はい……分かりました」
マイが物珍しそうに室内を見回す。ふと、何かに気づいたように木造りの壁に触れた。
「若木の匂いがします」
「ああ、このほうが君も落ち着くと思ってね」
「……ありがとうございます」
マイが感じ入ったように下唇を噛む。
実際には、木壁の後ろに俺の防護魔法を浸透させた大理石が敷き詰められ、気配や魔力を遮断する魔道具もあちこちに埋め込まれている。
この部屋を作るのに、温室の修復よりも金を掛けた。
「ここは俺の防護魔法によって何重にも守られている。君にとって聖域よりも安全な場所だ。何かあったらここに避難しなさい、いいね」
「はい。……なんだか、リンゼさまの魔力に包まれているみたいです。あったかくて」
彼女が湯に浸かるときのようなため息を漏らす。
「……あの、リンゼさま」
「なんだ」
「このお部屋のことを知っている人は、ほかに」
「神殿大工を除いたら知っているのは君だけだ。他の者をここに入れるつもりはない。君と俺だけの、秘密の場所だよ」
「リンゼさまと、私の……」
嬉しそうに目を伏せたマイの瞳が、テーブルに置かれた手ぬぐいを捉えた。
五枚の細長い布が、畳んで置かれている。
何かを察知した彼女は慌てて目を逸らすと、今度は俺の背後、天井から垂れ下がっている一本のロープを見て固まる。
ロープの先、ちょうどマイが手を伸ばせるくらいの高さに鉄の輪が付いていた。
これまでの情事の経験から彼女は思い至ってしまったのだろう。
五枚の手ぬぐいが、自分の手足と目元を縛るものであることを。
鉄の輪が、縛り上げた手ぬぐいの先をくくるものであることを。
ここが彼女を閉じ込め、ひたすら俺に犯される部屋であることを。
マイは戸惑うように瞳を揺らし、まぶたを閉じて下を向いた。
下唇を強く噛み、何かを飲み込むように小さく喉を鳴らす。その頬はもう真っ赤だ。
やがて覚悟を決めたように顔を上げ、金色の瞳を開き、細める。
「うれしいです、リンゼさま」
小首をかしげて微笑む彼女は、何も気づいていないようにも、すべてを受け入れたようにも見えた。
俺は美しく艶めく黒髪を撫で、耳元に告げる。
「いい子だ、マイ。さっそく修練を始めよう。ローブを脱ぎなさい」
「……はい」
耳まで朱く染めたマイが、ゆっくりとローブを脱いでいく。
相変わらず処女のように恥じらう様子がたまらない。
「脱ぎました」
彼女は純白の、露出の多い修練服を着ていた。面会の後は修練があるからと俺が言いつけていたからだ。
久しぶりの淫らな衣服に、火照った股間が勃起を強める。
「修練服は俺が脱がしてあげよう」
「はい……ん、ぁっ……」
肩口から布地の下に手を滑り込ませる。
マイの素肌はいつ触れてもきめ細かい。
俺はなめらかな肩を撫でるようにしながら、修練服を下ろしていった。
◇
「――あぁっ、ンっ、はぁッ、リンゼさま、はげしっ……あッあぁんっ――ッ」
マイの可愛らしい嬌声と、ギシギシというベッドの軋む音が鳴り響く。
俺は正常位で彼女を欲望のままに犯していた。
全裸で肌をこすり合わせ、汗を塗り合う。ピストンのたびに愛液が飛び散り股間を濡らしていく。
うねって絡みついてくる膣内が気持ちいい。肉棒をきゅうきゅうと締め付けてくる圧迫に促され、尻奥から精子が上ってくる。
「マイ、本当に淫らな体だ。重ねるたびに馴染んでいくな」
「んぁッ、ん゛ぅっ……リンゼさまの、も……前より、んっく、ぁッ、あつい、ですっ……」
「ああ、君の中がよすぎるんだ。この二週間、ずっとこうして抱きたいと思っていた」
「んっぁっ、わた、わたしもっ、あぁッ、んっ……ずっと、リンゼさまに、してほしくてっ……ん゛うぅッ」
首筋に吸い付くとマイの体がブルリと震えた。
彼女の白い柔肌にはもう至るところに赤い印が刻まれている。ほっそりとした肩にも先ほど付けた甘噛みの痕がくっきり残っていた。
俺は抽送のたびに胸元で揺れ動く乳房をつかまえ、豊満な乳肉にしゃぶりついた。
「あぅっ、んうぅぅっ……ッ」
すでに乳首がふやけてしまいそうなほど舐め回していたが、まだ足りない。付着した唾液を上塗りするように舌を躍らせる。
すると膣奥がキュンと亀頭を吸引し、膣内が肉竿に吸着してくる。改めて想像を絶する名器だ。
「リンゼ、さまっ、あッ、おっぱい、だめっ……ん゛ぅっ、また、イっちゃっ……ああぁんッ――」
「いい声だ、マイ。ここなら誰にも聞こえない。存分に鳴きなさい」
マイの腰をつかみ、突き上げるように挿入する。
「はあぁッ――、くっ……ああぁぁんっ――ッッ」
バチュンッと音が鳴り彼女の尻と腰、それから背中が浮く。体が反り返った弾みで大きな豊乳がたぷんと揺れた。
バチュバチュと角度をつけた抽送をお見舞いし、彼女のお腹の裏側を亀頭でこする。
マイは涙を流し、後ろ手で枕をぎゅっとつかんでいた。快感を必死に耐える姿に熱いものがこみ上げてくる。
「マイ、出すぞ。濃厚な子種汁を奥で受け止めるんだ」
腰を小刻みに振ってピストンを加速させていく。
「あぅっあっ、あっあっあっあッ……リンゼさまっ、おくっ、あっ――」
「ぐっ、ううぅぅぅっ……!」
膣奥にぐうっと押し込んだ瞬間、精液が尿道を流れ出ていった。ビュルルルッと凄まじい勢いで種付け汁がマイの中に放たれていく。ほとばしるような射精の快楽に白目をむきそうになる。快感で全身がビクビクと痙攣し、今にも意識が飛びそうだ。
喉奥から乾いた空気が漏れ、尻奥がぎゅっと締まる。精巣からひり出すように肉棒を押し込むと、マイの顎が上向いた。
「はぁッ、あっ、あああぁぁああっ――――ッッッ」
マイが叫ぶような嬌声を上げる。鼓膜が痺れるほどの絶叫なのに、甘美な響きで脳が蕩けそうだ。
「ぐおっ……!」
膣中が収縮し、根こそぎ搾り取られるような快楽が襲ってくる。
体の力が抜けて彼女に倒れ込む。すんでのところで、突き出した両手で体を支えた。
両手の間にあるマイの顔が、絶頂に歪んでいる。閉じたまぶたがピクと動き、そのたび眉間にシワを刻んでいた。
(快楽に悶えてもなお、美しいとはな)
彼女の淫らな美貌に見惚れていると、長いまつ毛がうっすらと開く。
「……リンゼさまの、わたしのなか、に……出てるの、感じます」
「そうか……それはいいな」
二週間分の精子を一気に射精したのだ。マイが腹奥に感じてしまうほどの勢いと量だったのだろう。
最愛の女に種付けしたという雄の本能が満たされていく。
だが、俺の情欲はこの程度で収まらないようだ。一度しぼんだペニスが、彼女の中に挿入しているという実感だけで再び硬くなってきた。
第二王子のマイに対する卑しい視線を見たせいだろうか。嫉妬心や独占欲がない混ぜになった感情がどんどんあふれてくる。
「マイ、もう一度だ」
「ぇっ……」
彼女の体を転がすようにうつ伏せにする。
「尻を上げなさい」
「は、い……」
差し出された桃尻の狭間から、出したばかりの白濁液があふれて太ももをつたっていく。
俺は柔らかい尻を鷲掴みにすると、まじまじと鑑賞した。
白くて張りのある尻肉だ。
触れられるだけでイってしまうのか、指に力をこめるたびにマイが体を震わせる。
尻の丸みにカプリと甘噛みしてみると、彼女が「ひぁっ」と可愛らしく鳴いた。
「んぅッ……リンゼさま、お尻、食べないでっ……」
「すまない。あまりに可愛くてな」
お詫び代わりに尻肉に吸い付くと、マイがたまらず顔を上げる。
「んぅぅぅっ……」
感じ入ったような嬌声に、俺の股間がさらに滾ってしまう。
この瑞々しい尻も、すらりと伸びる肉感のある太腿も、見事にくびれている腰も、艶めかしい背中も、乱れてなお美しい黒髪も、全部——。
「君は、俺のものだ。王子なんかに、誰にも……触れさせるものか」
「わたし、は……リンゼさまの……」
「ああ、俺だけの聖女、俺だけの女だ」
「……はい、リンゼさま……」
彼女が涙混じりの声でつぶやいた。震えながらコクンと頷いている。
うつ伏せなので、マイが今どんな表情なのかは分からない。
だが、彼女の心が満たされていくのだけはなんとなく伝わってきた。
「挿れるぞ、マイ」
「あっ……ん゛ぅ、んんんんッ……ッ」
俺は後背位で奥深くに挿入すると、股間で尻肉を打ち始めた。
◇
明かり取りの小窓から、月の淡い光が差し込んでいる。
もう外はすっかり夜だというのに、俺は執拗にマイを抱き続けていた。
「んむっ、ぁ、ぇぁっ……んちゅっ、ぁ、リンゼさまっ、んぅっ、ん゛んんっ……はぁ、っ……」
対面座位で腰を振りながら、嫌というほど舌を絡ませ合う。
舌を躍らせるたびに、俺の背中に回された彼女の手にビクンと力が入る。それがさっきから心地いい。
あれから後背位で射精したあと、うつ伏せでへたってしまったマイに覆いかぶさって犯した。それからまた仰向けにして正常位で種付けをし、抱き起こして今に至る。
休みなく、もう四度も彼女の中へ吐精していた。
「あっ、ぅ、あんっ、リンゼさまっ……もっと、口づけ……してください」
マイの求めるような声を聞くと、どんなに果てても再び精巣が煮えたぎってしまう。
彼女の綺麗な口端から漏れる涎れを舌ですくい、半開きの唇同士を密着させる。マイとの求め合うキスは、唇が性感帯になったように気持ちがいい。
「マイ、またイきそうだ。奥に出すぞ」
「んっ、リンゼさま、きて……」
懇願するように涙を流す彼女に、射精衝動がこみ上げる。
「ぐっ、うぅッ……!」
「あぁっ……ッ、んっううぅぅぅっ――――ッッ」
ビュク、ビュクと尿道がわずかな精子を送り出す。乾いた射精感が全身に広がり、獣じみた声が出てしまう。目の前が真っ白になるほどの絶頂に襲われ、肉棒の脈動に合わせて体がブルブルと震えた。
「――ハァ、ハァ……マイ、すごくよかったぞ」
「あっ……ん……私も、とても、気持ちいいです……」
「気を失うことなく、よく耐えたな」
汗でしっとりとした黒髪をポンポンと撫でる。
「はい、ありがとうございます……リンゼさま」
彼女の火照った体を抱き締めれば、「んッ」と愛らしいため息が聞こえた。
しばし、肌と肌を密着させる。互いの熱が溶け合うような気持ちよさだ。
俺の胸板で潰れた乳房からトクトクと小刻みな心音が伝わってくる。
狭い室内には、爽やかな木の香りと甘いマイの匂いが充満していた。
まるで淫らな楽園にいるようだ。
「あの、リンゼさま」
「ん?」
俺の首元に顔を埋めていたマイが、わずかに体を離して見つめてくる。
「私、リンゼさまが気持ちよくなっている顔……好きです」
「……そうか」
「はい……私で、リンゼさまが気持ちよくなってくれてるんだって思うと、胸の奥が温かくなって……幸せな、気持ちになります」
「ああ、俺も君の感じている姿が――」
いや……姿が、ではないな。
「俺は君が好きだ、マイ。君を心から愛おしく思う」
「え……」
言葉にしてみると、驚くほど腹の奥になじんだ。
なるほどな。
自ずと感じるという意味がやっと分かった気がする。
「ぁ……ぇ」
マイは口を開いたまま固まっていた。
彼女のこんなにポカンとした顔を見るのは初めてだ。それが可笑しくて、つい口角が上がってしまう。
「マイ、もう夜も遅い。そろそろ別棟に戻りなさい」
「は……ぃ」
マイはそれからしばらくの間、うつむいてしまった。
「では、失礼いたします。大司教さま」
儀式用のローブに身を包んだマイが、静かに微笑む。
さっきはうつむいて固まってしまった彼女だが、避妊の丸薬を飲み、浄化の術で体の汚れや吸引の痕を消すころには、いつもの優しげな少女の顔に戻っていた。
服を着るころには、もうそこにいるのは清廉な聖女だった。
「ああ、おやすみ。明日も修練を行う。朝食をとったらまた執務室に来なさい」
「はい、明日もよろしくお願いします」
涼やかで、どこか神秘的な聖女の微笑みだ。
大司教として厳かにうなずき、執務室を出ていく彼女を見送る。
扉が閉まると、俺はどっかりとソファーに腰を埋めた。
――遠視の術。
習慣的に、マイの姿をまぶたの裏に映し出す。
静かに歩く彼女の先、廊下の角にヌベリエが待っていた。
「マイ様、別棟までご一緒いたします」
「ありがとうございます、ヌベリエさん」
側仕えとして頭を下げるヌベリエに、マイが聖女の微笑みを返す。
「ふふ、私のことはどうぞヌベリエ姉さんとお呼びくださいな」
「二人きりのときは、そう呼ばせていただきますね」
ヌベリエも冗談のつもりで言ったのだろう。人懐っこい笑みを浮かべるマイに、彼女が「はぅっ」と奇妙な声を漏らす。
一時は襲う者と襲われる者として対峙した二人だが、少なくともマイのほうにわだかまりは無いようだ。今後もヌベリエを側に配置しておいていいだろう。
黒髪の聖女と紫髪の聖女見習いが、夜の外廊下を歩く。
中庭の花壇の近くに差し掛かったあたりで、不意にマイが立ち止まった。
両手で胸を押さえ、苦しそうに下を向いている。
「ど、どうされましたマイ様、ああっ、ご気分でも悪いですか、それとも修練の疲れでしょうか」
ヌベリエが慌てて治癒魔法を掛けようとすると、マイは小さく首を振った。
「ごめんなさい、大丈夫です……」
金色の瞳から一筋の涙がこぼれる。
「胸が、苦しくて……あったかくて……」
「え、胸……え?」
「ヌベリエ姉さま、誰かに好きと言ってもらえるのって、こんなに嬉しいものなのですね」
それは、息をのむほどに美しい笑顔だった。
微笑みながら涙を流すマイの、この幸せそうな表情を俺は一生忘れないだろう。
文字通り息をのんでいたヌベリエが、やがてマイの頬に優しく触れる。
「そうですね」
黒髪の美少女と、紫髪の美女がふんわりと微笑み合う。
嬉しそうなマイの泣き顔に胸がぐっと張り裂けそうになった俺は、慌てて遠視の術を切った——。
「……」
心を落ち着かせるために、仮眠室の小さい扉を見つめる。
明日から、昼も夜もマイを抱き潰す日々が始まる。あの小部屋で愛欲にまみれたセックスに耽るのだ。
考えただけで股間が再び熱くなる。
「……魔力が、また増えたな」
聖衾で抱き潰したとき以上に、魔力が増大している。
以前の俺が魔力増強剤を飲んで全力で展開する防護魔法を、今なら何重にも重ね掛けできそうだ。
たとえば帝国の軍隊が一斉に攻撃魔法を放ったとしても、俺の結界には傷一つ付かないだろう。
――防護魔法。
「さて、仕事を片付けるか」
俺は強固な結界で教会神殿を覆うと、溜まった書類を片づけるために執務机へ向かった。
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