【書籍化】大司教の権力を悪用して純真無垢な聖女とセックスしたら、毎晩イチャラブご奉仕されるようになった話 作:月見ハク
視界が暗い。
体がまったく動かない。
どうやら俺は寝入ってしまったらしい。
確かさっきまで執務室の机に座り、決裁資料の山と格闘していた。最近は徹夜作業が続いていたから、ふと寝落ちしてしまったようだ。
「——ティア姉さまっ、大司教様はとこに寝かせればいいですかっ」
頭の中に、桃色髪の聖女見習い——ニーナの声が響いた。
「そこのベッドへ、仰向けに寝かせて。骨折しているから慎重にね」
「はいっ……」
金色髪の元聖女——ロレンティアの声も聞こえる。冷静な口調ながら声が震えている。相当に焦っているらしい。
すると、脳梁を溶かすような美しい声が聞こえた。
「リンゼさま、
黒髪の聖女——マイだ。
ほとんど涙声で、だが俺を安心させるような声色だ。自分のほうがよほど不安だろうに。
背中がベッドに沈み込む。それだけでだいぶ楽になった。
(夢……いや俺の記憶か)
どうやら俺は今、ヌベリエの襲撃で重傷を負ったときの夢を見ているらしい。
切り札である守護転換の術——生涯に一度だけ大司教と聖女の位置を入れ替える秘技を使ったことで、俺は自ら聖域の中へ移動し、その膨大な魔力に押し潰されて全身の骨と内臓を損傷して意識を失った。
その後、ロレンティアやニーナ、マイに聖衾へ運ばれ、3日間、彼女たちにつきっきりで治癒を受けていたらしいが、そのあたりの記憶はほとんどない。
それが今、意識の奥からよみがえってきたようだ。
「マイ、これから聖衾を行うわ。魔力は残ってるわね?」
「はい、ティア姉さま」
ロレンティアの問いかけにマイが即答する。二人とも声に焦りをにじませているが、その口調は凛としていた。
どんな状況でも平静であろうとするところは、さすが聖女と元聖女だ。
「ティア姉様っ、わたしにも手伝わせてください」
「もちろんよニーナ、あなたの力も貸してちょうだい。ここにいる三人で大司教様を治します」
「はいっ……え、ティア姉様、どうして大司教様の服をっ」
「
「わ、わかりましたっ」
素早く俺のローブが脱がされていく。この手際はロレンティアだろう。彼女は俺の服を脱がすのが昔から上手かった。いや、上手くなったというべきか。
すぐ近くで、マイが俺のローブを丁寧に畳んでいる気配がする。
目を閉じていて見えないはずなのに、なぜかそれが分かった。
金色の瞳に涙を溜めながら服を畳んでいる姿を想像するだけで、無性に胸が締め付けられる。
素肌が外気にさらされ涼しい。最後に俺の下着が、ゆっくり脱がされていく。おっかなびっくりな手つきは、おそらくニーナだろう。
「え、二人とも、服をっ……!」
「ニーナも早く脱いで。肌を直接触れ合わせます」
「は、はいっ」
すぐ近くで衣擦れの音がした。彼女たちが急いでローブや下着を脱いでいるのだろう。
やがてベッドがきしみ、体の両側が温かくなった。
左腕が、マイの柔らかい乳房に包まれる。
右腕にはロレンティアのなめらかな肌が密着する。
「ティア姉様、わ、わたしはどこにっ……」
「ニーナはそうね、大司教様のお腹を温めてあげて」
小柄だが、ひときわ体温の高い体が腹に乗ってくる。
「では、治癒を」
ロレンティアがつぶやいた瞬間、全身が燃えるように熱くなった。
体の芯に治癒の魔力が浸透してくる。疲労困憊で湯に浸かったような……それよりも何倍も心地よい感覚だ。
細胞が活性化し、体内の損傷個所をすさまじい速度で治していく。それが分かる。
まるで昇天してしまいそうな心地の中、俺は意識が消えていくのを感じた。
朝の、独特の空気で意識が浮上する。
まぶたは開かない。手足もまだ動かない。
だが体はずいぶんと軽くなった気がした。
どうやら俺は丸一日以上、聖女たちの聖衾を受けていたらしい。
「……んっ、リンゼさま……治って」
一瞬で目が覚めるような、気持ちのいい唇の感触。かすかに甘い吐息。艶やかな髪先が頬をくすぐる感覚。
マイが、俺に口づけをしていた。
口内で力の抜けた俺の舌を、彼女が懸命に舐め、舌を絡ませ、治癒の魔力を送り込んできている。
「リンゼさまっ……んっ、れぁ……ぇぁ、んっ……ぇぁっ」
くちゅくちゅと淫らな音がする濃厚なキスに、股間が熱を帯びていく。
両隣からマイとロレンティアがぎゅうぎゅうと乳房を密着させてきている。
みぞおちのあたりにはニーナが頬を当て、下腹部には彼女の細い体がすりすりと擦りつけられていた。
全身が心地いい柔らかさと熱に包まれている。彼女たちの甘い香りが鼻をつく。
絶世の美少女たちに——それもこの大陸で最も清らかな存在である聖女と元聖女、聖女見習いに、全裸でくっつかれている。
そんなことを考えられるほど、俺は回復したようだ。
(……信じがたいな)
以前、マイに聖衾を受けたときよりも治りが早い。しかもあの時より、俺は重傷を負ったというのに。
マイの魔力が上がったからだろうか。
いや、この異常な治りの早さは、明らかにロレンティアとニーナの助力も関係している。
本来、聖衾は聖女しか発揮することができない奇跡だ。以前、ロレンティア自身がそうマイに説明したらしい。俺も古い文献を調べてみたが、聖女見習いが聖女と同等の奇跡を起こしたという記録はなかった。
(聖女見習いでも聖衾を発動できる、なにか特別な条件でもあるのか……?)
——片時も離れずに肌をこすり合わせ、治ってほしいという思いを口にする。
ロレンティアが言っていた聖衾の発動条件だ。
思い。
魔法は、扱う者の精神に大きく左右される。
もし聖女見習いでも何か特別な、たとえば恋慕の情のような強い思いがあれば——。
「マイ、少し休みましょうか」
「ん……あ、はい……」
マイの舌がおずおずと引き抜かれ、しっとりした唇が離れていく。
「すごいわね。大司教様、お体のほうはもうすっかり治っているわ」
ロレンティアが俺の胸板をさすりながら、魔力で異常がないか確かめている。
「本当ですかっ? あ……ほんとだ。よかった、リンゼさま……」
マイが震える声で安堵のため息をつく。きっと今、初めての涙をこぼしているのだろう。それが手に取るように分かる。
つい涙をぬぐい取ろうとして、腕がピクリとも動かないことを思い出す。
「大司教様はまだ深刻な魔力枯れの状態よ。それが治るまでは聖衾を続けます。でも……よかったわね、マイ」
ロレンティアが自身も安心したような声で、おそらくマイの頬の涙をぬぐう。そういうシーツのすれる音がした。
「あ、あのぉ、ティア姉様」
ニーナが俺の腹の上で遠慮がちにつぶやいた。
「なぁに?」
ロレンティアも、俺の峠が超えてよほど安堵しているのか、姉のような優しい声で応える。
「その、どうしてマイ様は大司教様に……口づけを?」
「あぁ……ふふ、治癒魔法はね、粘膜の接触でより力を発揮するのよ」
「そ、そうなんだっ…………粘膜の、接触」
下腹部で、ニーナがゴクリと唾を飲んだのが分かった。
そのときコンコンと、扉を叩く音がした。
「どなたかしら?」
ロレンティアが一転して凛とした声を上げる。
『ぺ、ペトラですっ……あのそのっ、お食事をお持ちしました』
ペトラ——マイと同じ黒髪が特徴的な、新人の聖女見習いだ。
「あら、ありがとう。今行くわ」
右腕にしがみついていた感触が離れ、少し肌寒くなる。
ペタペタと裸足の足音が扉のほうへ向かっていく。ギィと扉が開くと同時に、「えぇ!?」とペトラの驚いた声が響いた。
「ロ、ロレンティア様っ、どうして、裸っ」
「あら、ごめんなさい。今は特別な治癒を行っていたところなの」
「そ、そそ、そうなんですか……」
「持ってきてくれてありがとう、ペトラ。ここでいいわ。あとは私がお盆を持つわね」
ロレンティアは努めて平静な口調だが、その声色にほんのりと焦りの色を感じた。
うっかり全裸のまま扉を開けてしまったことに、自身も今気づいたのだろう。いつも冷静沈着で、俺以外には一切隙を見せない彼女にしては珍しい失態だ。
それほど俺が回復したことに気を取られていたのだろうか。
いや、それにしては彼女の声がどこか甘ったるい。口調もどこかゆったり、まどろんでいる感じだ。
(媚薬の影響か)
そういえば、ロレンティアは襲ってきたヌベリエに、口移しで媚薬を飲まされていた。それがまだ抜けきっていないのだろう。
あのロレンティアをここまで翻弄するとは、あらためて媚薬の強力さに驚く。
「さぁ、食事よみんな。治癒には体力を使うから。……大司教様も回復には栄養が必要だし、スープを飲ませてあげましょう」
テーブルにお盆を置いたらしいロレンティアが、ベッドに腰掛ける。俺のすぐ横でシーツが沈んだ。
俺の口元にスプーンが触れる。わずかに傾き、甘くて薄い味が口内に落ちてきた。反射的に喉が動き、野菜を煮込んだのだろう汁が胃へと流れ込んでいく。
(美味いな)
体が次のスープを欲したタイミングで、またスプーンから汁が流し込まれる。
「ふふ、大司教様……たくさん召し上がってね」
ロレンティアが俺の耳元で、ぞっとするほど妖艶な声でささやく。声音の甘ったるさが増している。
俺の左側で、マイが小さく息を飲むのが分かった。
「あら」
何十回とスープを飲まされたころ、汁がこぼれて顎へとつたっていった。
れろりと、ロレンティアの舌がそれを舐め取る。
「ティ、ティア姉さまっ」
たまらずといった感じでマイが体を揺らす。多分、ちろちろと俺の顎を舐めているロレンティアに手を伸ばしたのだろう。
「どうしたの、マイ? そんなに焦って」
「あのっ、ティア姉さま、そういうのは……えっと」
「マイも舐め取っていいのよ。聖衾はね、こうして舌を当てたり、体に口づけをすると治りが早いの。マイも知っているでしょう?」
「そ、そう、ですけど……あの」
「ふふ、マイもずうっと大司教様に口づけしていて疲れたでしょう? 私が代わってあげましょうか」
ロレンティアが俺の口端を舐めた。
(まったく……いたずら好きな元聖女だ)
声色からして、彼女がマイをからかっているのが分かる。本当に口づけするつもりもないのだろう。だが——。
「あのっ……その、口づけは私のっ……聖女の務めなので」
「ふふ、そうね。ごめんなさい、マイが可愛くてちょっとからかっちゃった」
「もう、ティア姉さまっ……」
こういう砕けたやり取りができるのも、俺が命の危機を脱したからだろう。
まだ魔力枯れを癒す必要があるとはいえ、彼女たちの中で緊張の糸が解けたようでよかった。
再び、マイの柔らかい唇が重なってくる。
さっきよりも深く、濃厚なキスだ。口内で小さい舌が必死に絡んできて、ねろねろと舌を舐め回してくる。
彼女のほうからこんなにも情熱的な口づけをされたのは、初めてかもしれない。視界が真っ暗なせいか、余計にマイの舌の気持ちよさや、熱い息遣いを感じる。頭の後ろが快感でぼうっとしてくる。
右隣で、ロレンティアが小さく微笑んだのが分かった。今の彼女はさぞかし悪戯が成功した少女のような顔をしているのだろう。
「はぁ……リンゼさまっ、んっ、れぁ……リンゼさま」
マイが誰にも聞こえないような微かな声で、何度も俺の名前をつぶやく。彼女の小さい手のひらが俺の胸板に触れ、愛おしむように撫でてくる。なんとか俺に思いを伝えようとしているみたいな触り方だ。
俺もマイの黒髪を撫でたい衝動に駆られる。動かない体がもどかしい。今すぐこの愛おしい聖女を抱き締め、安心させてやりたい。できればそのまま彼女を押し倒し、愛撫をしたい。
悶々としていると、ちゅっ……とロレンティアの唇が俺の右肩に吸い付いた。ちゅ、ちゅと音を立てながら、鎖骨をちろりと舐め、乳首の周りをれろと舐め回し、最後に乳首をちゅうと吸ってくる。
かつて毎晩ベッドを共にしていたとき、よく彼女はこうして甘えながら奉仕をしてきた。
マイの淫らな口づけの音と、ロレンティアのキスの音があたりに響く。
「あの……あのっ、ティア姉様」
俺の下腹部でニーナが顔を上げたのが分かった。
「なぁに?」
ロレンティアがさっきと同じく姉のような口調で、しかしそれを極限まで甘ったるくしたような声色でささやく。
「っ……え、えとっ……その、大司教様の、ものが、すごく立っ……じゃなくて、ご立派に」
気づけば、俺の肉棒は燃えるように熱を帯び、張り詰めていた。
ニーナはなぜか俺の股下へ移動したらしく、かすかな吐息が裏筋に当たっている。
まさかこんなに勃起していたとは気づかなかった。
俺はもう聖女——マイ以外では股間が反応しないから、これは間違いなく、マイの情熱的な口づけの結果だろう。
ロレンティアはともかく、ニーナの前にさらしてしまっていることに、大司教としての良識が痛む。
鎮めなければと思うが、口内でマイに舌を躍らされ、胸板をマッサージするように撫でてくる手つきが気持ちよすぎて、勃起が一向に収まらない。むしろますます血流が集中してしまう。
すると俺の乳首を舌で転がしていたロレンティアが、はぁと蠱惑的なため息をついた。
「きっと、おつらいわね」
「おつらいって、大司教様がですか?」
「えぇ、男の人はこうなってしまうと、とてもつらいものなのよ。だから鎮めてあげないと」
勃起すると男はつらい——それはかつて、俺がロレンティアに吹き込んだものだ。彼女はそれを素直に信じ……たかどうかは分からないが、毎度、律儀に応じてくれた。まあ実際つらいので嘘はない。
ロレンティアが俺の乳首を舐めながら、細い腕を伸ばしてペニスにそっと触れた。優しい手つきで撫で回してくる。手淫の前の
不意に、俺の視界が明るくなってきた。
ステンドガラスから虹色の光が差し込み、彼女たちを照らしている。
仰向けになった俺の下半身で、肉棒がそそり立っていた。全裸のロレンティアが俺の胸板にしがみつきながら、右手でペニスを撫でている。
俺の股下でうつ伏せになったニーナが、それをじいっと見つめていた。
(これは……ニーナの記憶か)
夢見の術。
ゴーゼ司教に刻まれたニーナの呪いを打ち消す際、俺は彼女の体内に大量の魔力を流し込んだ。それで魔力的な結びつきが生じたのか、以来、俺はニーナと夢を共有できるようになった。
きっと今、眠っているニーナが、夢で聖衾のことを思い出しているのだろう。
彼女がなぜ、夢でこの時のことを思い出しているのかは考えないでおく。
ロレンティアがいい子いい子をするように撫ですさっている肉棒に、ニーナの視線が注がれている。時おりビクンと鋭い快感が走り、ペニスが震える。その裏筋を見つめながら、ニーナの喉がコクと動いた。
「ティア姉様、わたしも……大司教様を楽にしてあげたいです」
「ふふ、いいわよ。どうやって楽にしてあげるの?」
「えとっ……粘膜の、接触……あの、口で、ご奉仕したいです」
「そう……治癒の魔力を送るのを忘れないようにね」
「はいっ……!」
ニーナが元気よく返事をする。
するとマイのキスが止まり、ニーナのほうに顔を向けて「えっ」と小さくつぶやいた。金色の瞳が大きく見開かれている。
ニーナは俺に口淫をするつもりだ。少し恥ずかしそうに自身の唇を舐めて湿らせている。
マイはそんなニーナを見て、信じられないという表情をしていた。
性の知識に疎いマイには、男のペニスを舐めるという発想すらなかっただろう。
瞬間、股間が痺れる。
ニーナが裏筋を一舐めしたのだ。
ペニスが動かないようやんわりと手を添え、二度、三度と小さい舌で舐め上げている。次第に舐める範囲が広くなり、肉棒の根元かられろぉと舐め上げたり、カリ首のくぼみを舌先でちろちろと
「大司教様の……太くて熱い……」
ニーナが自分にしか聞こえない小声でつぶやく。表情も、声色と同じくうっとりとしている。
いつものあどけなさは消え去り、この場の誰よりも色香を含んだ顔をしていた。そのギャップが凄まじい。れろ、れろと舌を走らせるたび、桃色の髪先が揺れ、彼女の口からは色っぽいため息が漏れる。
きっとこの表情を見たら、どんな男も一瞬で魅了されてしまうだろう。唯一俺を除いて。
ニーナが肉棒の根元にピタリと舌を当て、舌腹でねろねろと舐め回す。舌を密着させながらゆっくり舐め上げていき、最後に亀頭を舌先で弾いた。
ゾワリと痺れるような感覚が股間からこみ上げてきて、動かないはずの体が震えた。それほどの性感だった。
あの醜いゴーゼ司教に相当仕込まれたのだろう。どうにか本番行為を回避しようと、必死に男を悦ばせる性技を磨いたのかもしれない。
それを思うと胸がチクリを痛む。ニーナにとって口淫はそうしたトラウマを想起させるものなのかもしれない。
だが今のニーナに、悲壮感めいたものは見て取れない。心底嬉しそうに……というか物欲しそうに、俺のペニスに舌を這わせている。よかったと安堵するが、少し複雑な心境だ。
そんなニーナをマイが、そしてロレンティアまでもが固唾を飲んで見守っていた。
彼女たちも、ニーナがゴーゼ司教の手籠めになっていたことに勘付いている。だからか二人とも、どうしてそんなに口淫に慣れているのかと聞くことはなかった。
ニーナが亀頭の先端を舐め回しながら、ロレンティアに視線を向ける。
「ティア姉様も、一緒にしますか?」
「……え、ええそうね。私も、大司教様を早く楽にして差し上げたいし」
「ティア姉さまっ!?」
マイが信じられないという声を上げる。
ロレンティアが俺の股下へと移動すると、ニーナが横にずれた。絶世の美女と美少女が、一心に肉棒を見つめる。
「ティア姉様は、どのように舐めますか?」
「ふふ、そうね……お口に、含んでみようかしら」
まるで初めて口淫に臨むような素振りで、ロレンティアが長い金髪をかき上げる。
整った唇が開き、んっと亀頭を咥えた。
ビクリと、またも俺の体が震える。
小さい口で懸命に亀頭を咥え込み、口内で舐め始める。熱くて狭い粘膜の中で、ロレンティアの舌が亀頭の形に沿ってゆっくり動く。
円を描くように、焦らすように舐め回し、鈴口を舌先でやんわりほじる。最後にゆっくり吸引し、射精感を高める。かつて俺が教え込んだ、俺の性感を最も刺激する口淫のやり方だ。
「すごい、ティア姉様……なんだか、すごく淫らです」
ニーナの口から、あどけない彼女には本来似つかわしくない言葉が飛び出す。だが今の熱に浮かれたような彼女には違和感がない。
「わたしも……大司教様のこと、気持ちよくしたい」
独り言のようにつぶやいたニーナが、ロレンティアの邪魔にならないようにペニスの根元を舐め始めた。さらに空いた手で睾丸をふにふにと揉んでくる。精巣を刺激し、射精を促す手つきだ。
(これは、まずいな)
今はマイが彼女たちの口淫に気を取られ、口づけを中断しているから射精することはない。
だがひとたびマイがキスを再開したら、俺はその瞬間に精を放ってしまう自信がある。
いつの間にかロレンティアは亀頭から口を離し、俺の肉棒の側面を舐めていた。そして反対側の側面をニーナが舐めている。
マイの視界には今、ロレンティアとニーナが夢中でペニスを舐めている姿が映っているだろう。
俺にとっても衝撃的な光景だ。元聖女と聖女見習いから、交互に肉棒を舐められる経験をした者など、歴史上いないはずだ。いったい俺は禁忌をいくつ破っているのだろうか。
ふと、ロレンティアがれろぉとペニスを舐め上げながらマイを見た。
「マイも、ご奉仕してみる?」
「えっ……あの、私はっ……」
マイの頬の赤みがますます色濃くなる。
「ふふ、口づけと代わってもいいのよ?」
ロレンティアがまたも口端を上げ、悪戯っぽく微笑む。
「だ、だめっ……口づけは、私の役目だから」
マイの口調が聖女らしからぬものになる。初めて会ったときや、浴場でロレンティアと話しているときのような、少女っぽい言い方だ。ついムキになってしまったのだろう。
そんな彼女に、ロレンティアは慈しむような笑みを向けた。
「そうね」
可愛い妹を愛でるような眼差しを送ると、再び口淫を始める。だがその舐め方はさっきよりも俺の性感を刺激するものだった。
肉竿に吸い付きながら、徐々に先端へと上っていく。俺を射精させるのに特化したその動きだ。なんとなく、彼女なりのささやかな仕返しなのだろうと思った。
ふと、マイの黒髪が俺の頬をくすぐる。
「リンゼさま……口づけ、します」
そう小さくささやいてから、マイの顔がゆっくり降りてくる。そして。
「んっ……ちゅ、ぁ……リンゼさまっ、んぅっ……ん、ぇぁ……」
思いの乗った、濃厚な口づけだ。まるで気持ちをぶつけるように唇を押し付け、舌で俺の唇を開いてくる。彼女の舌が歯列を舐め、歯の裏をくすぐり、歯茎をなぞってくる。
俺の口内を
マイに口内を思うまま貪られる快感に酔いそうだ。舌を絡ませながら、はぁはぁと吐かれる甘い息が顔にかかって温かい。今にも泣き出しそうな息づかいだ。
すがるような舌遣いから、彼女の切ない感情が伝わってくる。胸が、締め付けられる。
(マイ……)
安堵させたくて、俺は舌へ意識を集中させていた。
動かないはずの舌の根がかすかに動き、マイの舌を舐め返す。
「んッ……」
彼女の舌が強張り、次の瞬間には甘えるように俺の舌を舐め回していた。
口端から
時おりマイは俺の顎にも舌を這わせ、こぼれた唾液を舐めすくった。そうしてまた唇を舐め、口内に舌を入れてくる。
気持ちがいい。
そう思った瞬間、股間に強烈な快感が走った。
ニーナが肉棒を握り、裏筋にじゅうっと吸い付いている。ロレンティアも根元をつかみ、上下にしごきながら側面をしつこく舐めている。
マイの求めるようなキスの快楽と連動して、二人の口淫による性感が倍増してしまう。
「リンゼさまっ……好き、です」
かすれた涙声。無意識に出た言葉。
それだけに俺の理性をたやすく突破する。熱情が足先から脳天までを貫き、ペニスが大きく跳ねた。
(ぐ、ぅっ……!)
ビュルルッ、ビュルルッと鈴口から大量の精液が飛び出す。性感のシャワーを浴びているような快楽が全身を駆け巡る。誰に受け止められるでもない精子が、ビュルッビュルッとこぼれ出ていく。
あまりの気持ちよさに舌がビンと突っ張る。それをマイの舌が何度も舐め回してきて、さらに快感が増幅する。
股下では、ニーナが俺の肉棒を見て目を丸くしていた。
「すごい……大司教様の、いっぱい出てる……」
「そうね……お口で受け止めればよかったかしら」
「なんだか、一生懸命に出されてる大司教様のって……かわいい」
「こら、ニーナ」
「あ、ごめんなさいっ!」
「ふふ……でも、そうね……お可愛い」
ロレンティアがささやくように言葉を紡ぐ。
その横顔を見たニーナがはっとした顔を浮かべ、すぐに目を逸らして見なかったフリをした。
マイだけが、俺が射精したことに気づかず夢中で口づけを続けている。
それをぼうっと見ていたニーナが「あ」とつぶやく。
「大司教様の、き……綺麗にしてあげないと、ですよね?」
すると何かに気づいたらしいロレンティアが表情を強張らせる。
「そうね……お股がよごれてしまったから、綺麗にして差し上げないと」
いつもの柔和な笑みを浮かべる彼女だったが、その声には若干の緊張がにじんでいた。心臓を高鳴らせているのが分かる。
ロレンティアは愛おしそうなため息をつくと、俺の肉棒を口に含んだ。
「んっ……ぅ……」
口内で亀頭を舐め回しながら、じゅうと吸い上げる。尿道にこびりついた精液が吸引され、尻奥から快感が込み上げてくる。ちゅう、ちゅうとじっくり吸い出され、精巣内の汁まで流れ出ていきそうな感覚に陥る。
「わ、わたしもっ……!」
ニーナが俺の股間に顔を埋めた。肉竿に付着した白濁液を舐め取り、股間や太ももに飛び散ったそれも余すことなく舐めていく。
信じられないほど淫靡な光景なのに、どこか神聖な儀式のようにも見えるのは、元聖女と聖女見習いの神秘性と清らかさゆえだろう。
しばらくのあいだ、ロレンティアは俺のペニスを咥えたまま喉を動かし、ニーナは股間のあちこちにれろれろと舌を走らせていた。
気づけば、場面が変わっていた。
正確に言えば時間が飛んで、ステンドガラスから差し込む明かりが赤く染まっている。
おそらく俺は射精の快楽で気を失い、ニーナも同じく寝入っていたのだろう。だからこの間の情景がスキップしたのだ。
床にはタライが置かれ、お湯が張っている。
「次は、わたしにやらせてください」
ニーナがそう言うと、全裸のままタライに近づき、手ぬぐいをお湯に浸した。今度はそれを自身の体に当てると、お湯で肌を濡らしていく。
いそいそとベッドの上に戻ると、裸で仰向けになっている俺の体にゆっくり寝そべった。
「ぁッ……んっ……大司教様のお腹、ぶよぶよしてない……」
ニーナが小声でささやくと、俺の上でうつ伏せのまま肌を滑らせていった。彼女のなだらかな乳丘が俺の胸板で潰れる。
見れば、マイもロレンティアも体が濡れていた。
おそらく順番に俺と肌をこすり合わせ、体を洗ってくれているのだろう。身を清める際もこうして体を密着させ、治癒魔法を送り込んでくれている。
本当に、彼女たちには感謝しかない。
「ニーナ、あまり大司教様のお体について言うものではないわ」
ロレンティアが優しくたしなめる。
マイはニーナを見つめながら、もどかしそうな顔をしていた。それをロレンティアは察したのだろう。
だが当のニーナは、なぜか甘い吐息を漏らしながら俺の体のいたるところに肌をこすり付けている。
「ごめんなさいっ……でも、ぁッ……大司教様の腹筋、たくましくて……んっぁっ、腕も、太いですっ……服の上からじゃ、こんなにがっしりしてるなんて、思わなくて」
まったくもうと言わんばかりに小さく息をついたロレンティアが、マイの肩に手を乗せた。
また、場面が変わる。
室内は夕闇に染まり、薄暗くなっていた。
少し空気が冷えてきたのだろう。聖女たちの吐く息が白い。
いや違う。彼女たちの火照りが増しているのだ。
部屋が暗くなったぶん、興奮と淫らな空気が醸成されているようだった。
ロレンティアのシルエットがもぞもそと動き、俺の腕や肩を舐めている。やがて定位置となった右腕にしがみつくと、俺の首筋に舌を走らせてきた。
キスをしていたマイもそれに気づき、負けじと反対側の首筋をおっかなびっくり舐め始める。
ゾクリと体が震え、同時に下腹部の性感に気づく。
小さいニーナの影が、俺の股間のあたりで頭を動かし、ちゅぷちゅぷと音を立てていた。
「んッ、ふっ……ぁ、大司教様の、おっきい……」
顔を上げてため息を漏らすと、再び股間に顔を埋める。マイの愛撫のおかげで硬くなったペニスが、狭くて熱い口内に包まれる。
ニーナは小さい口で、めいっぱい俺の肉棒を咥え込んでいた。
懸命に頭を上下させ、じゅぶじゅぶと水音を発している。その音にマイもロレンティアも気づく様子がない。彼女たちもまた、熱に浮かされているようだった。
ほとんど寝ずの番で治癒魔法を行使していた疲労と、俺が回復した安堵、そしてあたりが夜に包まれたことで、何かのタガが外れてしまったのだろう。まさに清らかな聖女たちの、夜の秘め事といった様相だ。
下腹部の音が、じゅぼじゅぼと激しいものになる。
ニーナは俺の肉棒を真ん中あたりまで咥えていた。彼女が頭を振るたび、亀頭の先が喉奥に当たる。これもゴーゼ司教に仕込まれたのだろう。
途端に罪悪感が湧いてくる。俺に意識がはっきりしていたら急いで止めさせただろう。いや、そもそも聖衾への参加自体を断っていたはずだ。
(苦しくないのか……?)
そんな俺の心配をよそに、ニーナは俺のペニスを熱心にしゃぶり、時おり顔を上げては感じ入った吐息を漏らしていた。
「はぁ、っ……大司教様っ、もっと……楽になって」
ゾッとするほど妖艶な声色でつぶやく。
射精していないのは、この時の俺の意識がおぼろげだからだろう。もし先ほどと同じくらい意識があったら、今ごろニーナの喉奥に精を放っていたはずだ。
よかった。
誰よりも純粋な聖女見習いを、これ以上穢したくはない。
まあ、ロレンティアとマイ、二人の聖女を穢しておいて何を言うのかという話だが。
ニーナが再びペニスを咥え込んだところで、また場面が飛んだ。
さっきよりも、さらに夜が深くなっている。
空が曇っているのか月光も差していない。ほぼ完全な暗闇だ。
体の両側が熱されているように温かい。マイとロレンティアがぎゅうと柔らかい肌をくっつけている。
マイは俺の左腕をその豊満な乳房に挟み、ゆっくりと上下に動いていた。まるでおっぱいで腕をしごいているようだ。心地よい圧迫感がたまらない。
彼女は俺のほうを向きながら、しきりに「リンゼさま」とつぶやいている。俺の左肩を撫で、俺の顎先を熱っぽい瞳で見つめる。
俺の顔がマイのほうを向いているのは、彼女がそちらを向かせたのだろう。多分、キスがしやすいように。
「んっ……リンゼさま、口づけを……しますね」
そう言ってから唇を重ねてくる。
俺はこのとき反応できない状態のため、いちいち許可を求める必要はないのだが……こういう律儀で健気なところが、マイのたまらないところだ。きっとこの時以外でも、彼女は口づけのたびに同じことを口にしていたのだろう。
彼女が体を動かし、俺の顔に覆いかぶさりながらキスを深めてきた。
入り込んできた小さい舌を、かろうじて舌で迎える。「んッ」と震えたマイが、慌てたように舌を絡ませてきた。
なるほど。
いちいち聞いてきていたのは、俺が反応するのを期待してのことだったようだ。
きっとこの一日、反応しないことのほうが多かったのだろう。彼女のここぞとばかりに甘えるような舌の動きから、それが伝わってくる。
ふと、股間がぬめっていることに気づく。
うっすらと、ニーナのシルエットが俺の腰にまたがっていた。彼女が騎乗位のような体勢で腰を前後に動かしている。そのたびに挿入しているときのような感触が襲ってきた。
(まさか……!?)
一瞬焦るが、よく見るとニーナは、反り返ったペニスの裏筋に自身の割れ目を当て、こすっているだけだった。高級情婦が金払いの悪い客におこなう、いわゆる素股というやつだ。
聖女見習いにあるまじき淫らな行為だが、挿入をしていないことに少し安心する。
彼女は俺の腹筋に両手を置き、夢中で股をスライドさせていた。濡れそぼった割れ目を通して治癒の魔力が流れ込んでくるのを感じる。
粘膜の接触のほうがいいと聞き、この行為に思い至ったのだろうか。それとも、彼女もまた親愛と信頼を超えた、恋慕の——。
俺はそこで思考を止めた。
「あっ、はぁッ……大司教様っ……大司教様の、硬いの、こすれてっ……」
ニーナが俺の腹筋から手を離し、背中を反らせて天井を向く。
「んんッ……んッ、あぁっ……ッッ」
ビクンビクンと痙攣し、それでもなんとか奥歯を噛みしめて声を我慢している。
今ニーナは、狂いそうなほどの絶頂を味わっていた。夢を——彼女の記憶を共有しているせいでそれが分かってしまう。
苦しそうに肩を上下させるたびに、彼女の小ぶりな胸がささやかに揺れる。その中心では薄桃色の蕾がピンと張り詰めていた。
ニーナは絶頂に果てながらも、あふれる愛液を俺のペニスの裏筋へ塗り付けるように、腰を小刻みに動かしていた。
もしかしたら、俺の意識が浮上する前から、ずっと同じことを繰り返していたのかもしれない。
(……ロレンティアは)
右側にいる、金髪の元聖女へと意識を向ける。
俺の右手の甲が濡れていた。
ニーナと同じように濡れそぼった膣の感触が、手の甲を往復している。
ロレンティアは俺の右腕をぎゅうと抱き締めながら、俺の手の甲を、自身の股下へとあてがっていたのだ。
「ぁっ……ぁんッ……リンゼ、さま……」
耳を澄ませば、ロレンティアは声を殺して喘いでいた。
きっと意識がはっきりしていても、俺はこの行為を止めなかったと思う。
彼女は強力な媚薬に冒されている。おそらく平静を装うのも辛かったはずだ。理性で性的な衝動を抑え込んでいた彼女も、この夜は我慢の限界だったのだろう。
ロレンティアが俺の腕を握っている力を強め、手の甲を股の奥深くにこすり付け始める。控えめな嬌声が甲高くなっていく。彼女が絶頂を迎える直前の、懐かしい声音だ。そして——。
「ん゛ぅッ……くッ、ぅぅ……ぁっ、ぅ——ッ」
ロレンティアの体がわずかに跳ね、手の甲に当たっている膣がきゅうと収縮した。俺の肩に顔を押し当て、震えながらも懸命に声を漏らすまいとしている。
わずかに落ち着いてきたのか、そっと口を離す。
「ごめん、なさい……リンゼ様」
彼女が小さくつぶやく。静かに泣いているときの震え声だ。
(……すまないな、ロレンティア)
もう、艶やかな金髪を撫でて慰めてやることはできない。きっとこの時の俺の体が動いたとしても、しなかっただろう。
情景がぼんやりとしていく。
おそらくは、絶頂を繰り返したニーナの意識が薄らいできたのだろう。
耳元のロレンティアも切なげな息づかいも、マイが舌を絡ませる水音も遠くなっていく。
どうやら俺もまた、意識が沈んできたようだ。
そうして視界が完全な闇に閉ざされた。
胸板をこする柔らかい感触で、意識が覚める。
視界は暗いまま。
体も動かない。
どうやら俺はまだ、記憶の中にいるようだった。
何も見えないのはニーナが寝入ってしまっているからだろう。小柄な肢体が、太ももあたりにしがみついているのを感じる。
気づけば、右隣にいるロレンティアのすうすうというかすかな寝息が聞こえる。彼女も眠っているようだ。
「……リンゼさま、肩を……舐めますね」
マイの声だ。
髪先が肩をくすぐり、次いでしっとりとした唇が肩に吸いついてくる。どこまでも柔らかい乳房の感触が、俺の胸板とのあいだで押し潰された。
どうやらマイは俺の体の上にうつ伏せで寝そべり、可愛らしい愛撫をしているようだった。
遠くで早朝の小鳥の鳴き声が聞こえる。
つまりこれは、俺とマイしか知らない朝の……情事の記憶なのだろう。
「えっと、リンゼさまの、ち……胸を、舐めます」
彼女がちゅうと、俺の乳首を吸ってきた。おそるおそるといった感じで舌先を走らせ、乳首の周りを控えめに舐め回している。
きっとロレンティアがそうしていたから、自分もやってみようと思ったのだろう。
本当に、可愛らしい子だ。
「指も、舐めていいですか……?」
俺の左腕がゆっくり持ち上がる。体に乗っているマイの体が力むのを感じた。力の抜けきった男の腕は重い。
やっとこさ自身のもとへ俺の腕を持ってくると、彼女は人差し指をれろりと舐めた。
ビクと俺の体が震える。
「あ、リンゼさまっ……これ、気持ちいい? もっと……しますね」
ほんのり嬉しそうな声色のマイが、再び俺の指を舐め始める。指の側面を舐め上げ、指のあいだも舌先で舐める。最後に俺の指先を咥えると、ちゅうと吸ってきた。
ん、ん、と声を漏らしながら、頭を軽く振っているようだ。
おそらくニーナの口淫にならっているのだろう。このときの彼女には、これが精いっぱいだったらしい。
(本当に、可愛い子だ)
もし体の自由がきけば、黒髪がくしゃくしゃになるほど撫でていたに違いない。
やがて五本の指をすべてしゃぶられたころ、俺の股間は破裂しそうなほど膨らんでいた。マイが再び俺の胸板を舐めようと体の位置を下げたとき、ちょうど肉棒の先端が彼女の尻に当たった。
「ぁ……」
マイが小さく息をのむ。
彼女の体が固まる。なんとなく、ロレンティアやニーナが寝ているのを確認しているのが分かった。
「リンゼさま……つらい、ですか」
自身に何かを言い聞かせるように、マイがつぶやく。
「今、楽にしてあげますね」
俺の耳元にささやくと、体の上を股間のほうへ移動し始めた。
「んぅッ……ぁっ、リンゼさまの、熱い……」
腰の上に、マイがまたがる。彼女の柔らかいお尻が股間を包む。下半身がシーツに沈み、騎乗位で抱いているときの、馴染みのある体重を感じる。
反り返った肉棒の裏筋が、マイの大事な割れ目に埋まっていく感覚。
だが挿入はしていないようだった。素股の体勢で膣をペニスにこすり付けている。
さすがに聖衾という神聖な治癒行為の最中に、淫らなセックスに及ぶという発想はないらしい。
聖女としては正しい判断だが、俺としてはもどかしくもある。
昨夜のニーナの真似をしているのかと思ったが、マイがそれに気づいた様子はなかった。気づかなくても、持ち前の奉仕精神でこの行為へと思い至ったのだろう。
泉のように愛液を
「あっ……ん、リンゼさま……も、気持ちいい、の……?」
(ああ、信じられないほど気持ちいいよ)
心の中でそう応答する。声を発せないのが、やはりもどかしい。
やがてマイはおずおずと、腰を前後に動かし始めた。
「やっ、あんッ……ん、だめっ……声、出ちゃう」
ヌチュ、ヌチュと控えめな水音が鳴り出す。
(これは……たまらないな)
柔らかい陰唇に肉棒を挟まれながら、ぬるぬると裏筋をマイの膣口が滑る。すぐに肉竿が愛液まみれになった。あふれた汁が根元まで流れ落ち、股下のシーツに染み込んでいるのを感じる。
「あっ、んぁっ……んッ、ふ、ぅッ……ぅっ、ぁッ……」
マイが手で口を押さえたのが分かった。懸命に声を抑えている様子が容易に想像ついてしまう。そのせいでさらにペニスが硬さを増す。
「んッ、あぁんっ……ぁっ、だめッ、だめっ……んぅッ——」
彼女の切羽詰まった小声に、俺の射精感も高まっていく。股を強くこすりつけているのか、挿入しているのかと思うほどの圧迫感だ。素股でもこれほどまでに気持ちいいとは知らなかった。
「あんっ、ぁっ、リンゼさまっ、あッ……んッ、んっんっんっんッ……」
裏筋をマイの膣がこするたび、尻奥から熱いマグマが込み上げてくる。愛液が潤滑油の役目を果たし、陰唇がペニスをきゅっと挟みながら肉竿を往復する。凄まじい快感だ。膣が滑るたびに射精が促されていく。
「んぅッ、あっ、あぁぁっ————ッッ」
マイが絶頂を迎えた瞬間、精巣から
(うっ、ぐぅっ……!)
頭の中で情けない喘ぎ声を発してしまう。
いよいよ気を失ってしまいそうな快楽の中、俺はマイの素股に促されるまま、何度も先端から精を発射した。
やがて、ゆっくりと彼女が腰の動きを止めた。
俺の下半身が、マイの荒い吐息に合わせてシーツに沈んだり上がったりしている。
はぁはぁと、彼女の可愛らしい息遣いが聞こえる。
「……あっ……リンゼさまの、いっぱい出てっ……どうしよう、よごしちゃった」
心底困ったようなつぶやきが面白い。マイの指が俺の腹筋に触れる。指先で、腹に付着した白濁液の感触を確かめているようだった。
「拭かないと……リンゼさま、お腹、拭きますね」
股間にまたがっていた彼女の体重が軽くなる。腰を上げたのだろう。別のところでシーツが沈み、マイが床に足を下ろしたのが分かった。
これから手ぬぐいをお湯で濡らし、お腹や股間を拭いてくれるのだろう。
その奉仕を堪能したいが、この時の俺は射精の性感でまたも意識を朦朧とさせているようだった。
次第に感覚が薄くなっていく。
ぴたりと、お腹に濡れた手ぬぐいの感触が当たり、俺の意識は完全に沈んだ。
場面が変わる。
今度は視界が明るい。
相変わらず全裸で仰向けになった俺を挟むように、マイとロレンティアが寝そべっている。ニーナは俺の上でうつ伏せになり、胸板をマッサージするように撫でていた。
そんな彼女の細い背中を、虹色の光が照らしている。まるで日向ぼっこだ。陽の角度からいって昼過ぎくらいだろう。
こうして俺と肌を重ねていると、彼女たちの肌の白さが際立つ。
神殿に籠りっぱなしの俺もたいがい肌は白いほうだが、彼女たちはそれ以上だ。
聖女や聖女見習いは日に焼けない。
いくら日光を浴びても、肌が焼ける前に治癒の魔力がそれを抑えるからだ。
そんなことを考えていると、俺の右隣にいるロレンティアがちゅ、と首筋にキスをしてきた。
聖衾が始まって3日目の午後。
確か俺は3日間、意識を失っていた。つまり俺が起きるのは翌日の朝。
それまでもうしばらく、この淫らな処置は続いたのだろう。
「マイ、少し眠って。私とニーナが寝てしまってからも、一人で治癒を続けてくれていたのでしょう?」
「あ、はい……でも、もう少し、続けたいです」
「そう。でも無理はしないでね」
ロレンティアが手を伸ばし、マイの黒髪をさらさらと撫でる。
いつもの慈愛に満ちた、涼やかな表情だ。
媚薬が抜けたのだろう。昨夜のあの、切なそうな面影は微塵もない。
「そうですよ、マイ様っ! 少し無理をし過ぎですっ、大司教様のことはわたしたちに任せて、マイ様は仮眠をとってください」
「ありがとうニーナ。でもね、私に……聖女にできることは、これくらいしかないから」
「マイ様……」
ニーナが、まるで姉のことを心配する妹のような表情を浮かべる。
確かにマイの顔にはほんのり疲れが見える。まぶたも少し重そうだ。
すると見かねたらしいロレンティアが小さいため息をついた。
「聖女マイ、休むこともあなたの大事な務めよ。それに大司教様が目を覚ましたとき、マイが疲れきっていたらきっと心苦しく思ってしまうわ。それはあなたも嫌でしょう?」
「……はい、ティア姉さま」
しょんぼりと目尻を下げるマイに、ロレンティアがくすりと笑う。
「ふふ、大丈夫よマイ。ちょっと耳を貸して?」
「え……はい」
体を起こしたロレンティアに合わせて、マイも上体を起こす。俺の顔の真上で、二人が頭を近づけた。
ロレンティアが、ニーナに聞こえないほどの小声でささやく。
「あなたが眠っているあいだは私もニーナも、大司教様に淫らなことをしないと誓うわ」
「あ、えっとっ……」
「だから安心して休みなさい、聖女マイ」
顔を離したロレンティアが、またも悪戯っぽく微笑む。
「もう、ティア姉さまっ……」
すべてを見透かしたように笑うロレンティアに、マイが頬を朱くしながら困り顔を浮かべる。
「え、お二人だけずるいですっ! わたしにも教えてください」
「そうね……この聖衾で、大司教様への口づけは聖女だけに許された行為なのよって、そんなふうなことを言ったの」
「……そう、ですよね。はい、わたしもそれは分かってますからっ」
「ふふ、ならマイも安心ね」
ロレンティアがマイの髪を撫でながら、ゆっくりと寝かせていく。
その様子を見ながら、ニーナが小さくつぶやいた。
「わたしも……聖女になりたいな」
すると、まぶたを閉じたマイの黒髪を撫でながら、ロレンティアがニーナに微笑む。
「ニーナならきっと、マイのように立派な聖女になれるわ」
「……はいっ……」
ニーナの瞳に大粒の涙がにじむ。
ロレンティアはマイの頭をポンポンと撫でると、姉が愛する妹に向けるような、慈愛に満ちた顔を浮かべた。
ニーナも、妹が心から慕う姉に向けるような、憧れに満ちた表情でマイを見つめる。
そこに妬みや嫉妬めいたものは一切ない。
本当に、彼女たちは美しい。
この醜く穢れた世界で唯一、嘘のように透き通った心を持ち続けている。
だから俺は——聖女と聖女見習いの守護者である大司教は、絶対に彼女たちを護らなければならない。
たとえ、どんなに汚い手を使ってでも。
——意識が、ゆっくり遠のいていく。
どうやらこの甘美な記憶も、そろそろ終わりを告げるらしい。
視界が暗くなっていくのと同時に、俺はゆっくり夢から覚めていった。
気づけば、俺は書類だらけの机に突っ伏していた。
顔を上げれば、見慣れた執務室の風景。
椅子に座り過ぎていたせいで、尻がジンジンと痺れている。
「……思い出してしまったな」
まさか聖衾が、あれほどまでに淫らなものだったとは……さすがに想像以上だ。
聖女と聖女見習いが大司教と、それも厳かな聖衾において性的な行為に
だからこそ、これは秘め事なのだ。
そもそも彼女たちは俺がすべてを思い出したことを……いや、断片的に意識がよみがえっていたことすら知らない。
だから彼女たちは、俺と二人きりになっても聖衾であったことを話さないし、俺も今後話すつもりはない。
きっと彼女たち同士でも話さないだろう。
これは俺たちが墓まで持って行く秘密。
できれば記憶からも消したほうがいい。
(まあ……それは無理な話か)
忘れるには、あまりに刺激的すぎた。
「……ふぅ」
気を紛らわすようにため息をつき、再び書類の山へ意識を集中させる。
そのうちの、直近で最も優先順位の高い資料を手に取る。
『聖女と聖女見習いの学院視察における護衛体制の立案書』
昨日、聖騎士長が持ってきたものだ。
俺はもう一度ため息をつくと、立案書をめくり始めた。
このお話の後に44話・45話を見返すと、趣深いかと思います。そして少し先になりますが続きも更新していく予定です。
そしてなんとコミカライズの2巻がこのほど発売されました! 内容は二度目の処女検査。初めて遠出をしたマイが、馬車の中で大司教に体をまさぐられたり、宿屋でイかされまくったり、外に聖騎士たちがいる中で窓際に立たされ何度も中出しされる……あのお話を60ページの大ボリュームで描いたものです。
ぜひご購入いただけると幸いです…!
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