アイリ視点
私はアイリ、アイリスフィール・フォン・アインツベルン。
元はアインツベルン家の魔女で、聖杯戦争に勝つためにデンジと性行為をしたわ。
でも、聖杯が邪悪な存在によって汚染されてしまったから、聖杯戦争に勝ち残っても一族の悲願どころか、碌な事にならないことが発覚したから、でもかと言っておめおめとアインツベルン家に帰れなくなったから、今はエキドナの助手として魔女集会にいるわ。
しばらくして、私に娘ができたの。
名前はイリヤ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
何でも、別の世界での私が男の人と結ばれてできた娘らしいの。
私自身は、元々アインツベルン家が聖杯戦争に勝つために創り上げたホムンクルスで、魔女として高い性能を持つように調整されていたから、男の人と結ばれるなんてことはなかったけれど、別の世界の私が男の人との間にこんな可愛らしい子を儲けるなんて、とても幸せでしょうね。
あの子は私のことを、別世界だから本当の親じゃないのにママって呼び慕ってくれているの。
だから私もイリヤには愛情を注いでいて、娘と二人、デンジのお世話をしているわ。
…でもね、ちょっと問題があるの。
それについて、今エキドナに話を持ち掛けてくる所なの。
「イリヤが魘されてる?」
「えぇ、この世界に来て、デンジと行為を終えてからずっと毎晩魘されてるのよ」
そう、イリヤはこの世界に来てからずっと毎晩魘されてるの。
普段は私の前では屈託のない笑顔を見せてくれるけど、どこか無理をしてるようにも思えるのよ。
実際、あの子は私と一緒に寝るけど、泣きながら『美遊っ…、クロぉ…っひぐっ』って魘されてるの。
あの子は別世界の子、それもロストした世界から来た子。
もう二度と帰れないから、この世界で生きていくことは受け入れたけれど、ここにはあの子が知る人たちがいないの。
この世界で一人ぼっちだなんて、それも小さな女の子が、あまりにも可愛そうだわ。
だから、ありとあらゆる知識と魔法を保有する強欲の魔女であるエキドナに相談することにしたの。
「ねぇエキドナ、あの子はこの世界で受け入れたのは確かだけど、やっぱり元の世界に帰すべきだと思うのよ。
だからお願い、ロストした世界を復元したりとかできないかしら?」
「ふむ…」
紅茶を少し含み、少し考えるエキドナ。
ほんの一瞬考えて、はっきりと言った。
「無理だね」
「えっ、どうして!?」
「世界がロストする、文字通りその世界が永久に失われるのさ。
確かに世界を創造するという大魔法は存在するけど、失われた世界を復元する魔法は存在しないんだ。
そもそも復元したところで、それがあの子の知る世界とは違うものになるしね」
「そ、そんな……、じゃあイリヤに何て伝えればいいのよ……?」
「まぁ、待ちたまえ。
話は最後まで聞くものだよ」
エキドナはもう一度紅茶を飲んでから、話を続けたわ。
「確かにロストした世界は復元できないが、元には戻せないが、彼女の存在定義を色濃く残した者なら、もしかしたらこちらの世界に呼び出すことができるかもしれない」
「ほんと!?」
「あぁ、だがその為には触媒となる彼女はもちろんのこと、ボクともう一人この手の魔法が使える魔女が必要だ」
「それなら私が!」
「無理だね。
君の専門、つまりアインツベルン家特有の錬金術だろ?
生憎とこれは錬成するんじゃなくて、別世界それもロストした世界から呼び寄せる魔法だ、君にその適性がないんだ。
適正のない魔法を無理して使えば、この魔法は成立するしないどころか、君は間違いなく死ぬ」
「そんな…!」
「まぁ待ち給え、君にできないのなら、他の魔女を用意すれば良い。
それに、ボクにはこの魔法が取り扱える魔女を一人、心当たりがあるからね。
それまでは、待ってもらえないかい?
こちらとしても、準備が必要だからね」
「……分かったわ。
エキドナ、お願いできるかしら?」
「あぁ、任せ給え。
君には色々と助けられてるからね。
それに、別世界とは言え君の子供がそんな状態なんだ、ボクとしても打てる手は打つさ」
エキドナはそれだけ言うと、紅茶を飲み干してまた思索を始めた。
「ありがとうエキドナ、よろしくね」
「あぁ、任せておきたまえ」
私は、エキドナに頭を下げて、そのまま部屋を後にした。
…イリヤ、もう少し待っててね。
元の世界には帰せないけど、少しでもあなたの悲しみが和らぐ時が来るから。
イリヤ視点
私はイリヤ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
この世界に来て、お兄ちゃんに抱かれてしばらく日が経っちゃった。
最初は元の世界に帰れないって聞かされて、すごく悲しかったけど、この世界のママが私にとても優しくしてくれるから、何とかこの世界で生きていくのを受け入れられたわ。
…でも、やっぱり元の世界に帰れないのは悲しかった。
だって、世界がロストしちゃったから、失われたから、もう二度と美遊ともクロとも会えないもん。
だから私、毎晩魘されちゃうの。
夢の中で、美遊とクロが私を必死に呼ぶから、私も泣きながら二人を探すんだけど、どこにもいなくて、どうしていいか分からなくなって、どうしようもなくて。
でもようやく見つけて、涙を流しながら二人に駆け寄るけど、触る直前に靄になって消えちゃった。
そうして私は、自分はこの世界で一人ぼっちなんだって、思い知らされて目が覚めるんだ。
この世界のママに迷惑かけたくなくて、お兄ちゃんにも心配かけたくなくて、人前で笑って、一人でこっそり泣いてるの。
……そんなある日、ママを通してエキドナさんに呼ばれた。
何の話なんだろう?
そう思って、ママに連れられて私は部屋に入ると、そこには大きな魔法陣があって、その奥でエキドナさんと、それから耳が長い白いツインテールの人がいた。
「やぁイリヤ、待っていたよ?」
「えっ、えと、これ、何ですか?」
「これはね?ロストした君の世界から、君の大切な人をこちらの世界に呼び出す魔法陣さ」
「よ、呼び出す?えっ?」
えっと、何を言ってるのこの人?
そう思ってると、ママが私に説明してくれた。
「あのねイリヤ?
あなたを元の世界には帰せないけれど、代わりにあなたにとっても縁のある人を呼ぼうとしてるの。
あなたが寂しくならないように、私がエキドナに頼んで用意してもらったのよ?」
「えっ、それ、本当!?」
「あぁ、本当だよ」
エキドナさんが言うには、私を触媒にして、ロストした世界から私の存在定義を色濃く残した人をこの魔法陣で呼び出せるかもしれないってことなの。
でもそれってつまり……。
「じゃあ美遊とクロが来るの!?」
「それは保証できないけど、あなたに縁がある人は呼ぶことができるわ」
その言葉に私は胸が弾むのを感じた。
「可能性はあくまでも五分五分だよ。
君が強く願わないと、ロストした世界から縁がある人をこちらに引き出すのは難しいから」
と、耳の長い女の人が言ってきた。
「…あっごめん、会うのは初めてだったか。
私はフリーレン、今回エキドナに頼まれて、この魔法の儀式に参加したんだ」
「あっ、はい、よろしくお願いします」
それから私はフリーレンさんと自己紹介をして、魔法陣の方を向いた。
エキドナさんが私に、魔法陣に向かって手をかざすように言ってきたので、それに従ってかざした。
そこで、フリーレンさんが私にこう言ってきた。
「言っとくけど、あくまでも連れてこれるのは君の存在定義を強く残した人だ。
連れてこれてもよくて一人、二人が最大。
場合によっては、君が言う美遊やクロのどちらか一人だけこちらに来ることになるよ。
それでも良いの?」
「……はい」
「それでもいいなら、始めるよ?
イリヤは連れてきてほしい人を想像して」
フリーレンさんはそう言った後、詠唱を始めた。
エキドナさんが先に詠唱してたみたいだけど、何語なのかは分からなかった。
でも、私は言われた通りに頭の中で来てほしい人たちを想像する。
本当は、元の世界にいた家族、同級生とか来てほしいけど、やっぱり私は、あの二人に来てほしかった。
美遊…、クロ!
お願い!この世界に来て!
強く、強く、想像する。
もうあの二人しか思い浮かばないほど強く。
すると、魔法陣が光って、私は眩しさに目を閉じた。
光が収まり、目を開くとそこには、私のよく知る二人がいた。
片方は黒髪で後ろ髪を結んだ女の子、もう片方は私と同じ顔をした褐色でピンクの髪をした女の子。
「あれ…?ここは?」
「もう!ここどこなのよ!?
…ってイリヤ?あんたどうして泣いてるの?」
「え…?」
同じ顔をした女の子に指摘されて、私は頬を伝う何かを拭う。
汗じゃない、涙だ。
そして、それを自覚した途端、私の涙腺は崩壊した。
あぁ…っ、そうだ!
間違いない!
美遊と、クロだ!
私の知ってる美遊とクロだ!
「みっ美遊~、クロォ~!」
「ちょっ!イリヤ!?」
「どうしたのイリヤ!」
二人は慌てて駆け寄ってきた。
私はもう感情を抑えきれなくて、二人に抱き着いた。
それからしばらく泣き続けた後、ようやく落ち着きを取り戻した私に二人は事情を聞いてきた。
私が全部説明すると、美遊が苦い顔をしクロは頭にハテナマークを浮かばせる。
「……そんなことになってたなんて……」
「世界がロストしたなんて、実感が湧かないわ」
「えっ、二人とも何も知らないの?」
「それは仕方ないよ」
そこへ、フリーレンさんが説明してくれた。
「ロストした世界は、災害で滅んだとかの次元じゃないんだ。
どの別世界に属さない、失われて何もかもが静止した世界。
そこに住む人たちは、その失われた瞬間から時間が止まってるんだ。
彼女たちはそんな世界から来たことで止まった時間が動き始めたんだ。
二人からすれば、元の世界で生活してたら、いきなり別世界に飛ばされたようなものだよ」
「そうなの?」
私が問いかけると、二人は同時に頷いた。
そっか、そうだよね。
いきなり世界から切り離されて、知らない世界に連れてこられたようなものだもんね。
でも美遊は頷いてからこう言った。
「……うん、でも……」
「でも?」
「イリヤが一緒なら、私はそれだけで満足よ」
美遊はそう言うと、私の手を握ってくれた。
「はぁ〜、それにしても美遊だけでなく私も呼び出すなんて、やっぱりお姉ちゃんな私がいないと、あんたはダメね〜♪」
クロもそう言いながら、私の頭を撫でてくれた。
「そ、そんなんじゃないもん!
それに、私がお姉さんなんだから!」
私がそう言うと、二人は笑顔を見せてくれた。
「えぇ、よろしくね、イリヤ」
「しょうがないから付き合ってあげるわよ」
その笑顔に釣られて私も笑顔で返しながら、私はまた二人に抱き着いた。
ママと、フリーレンさんとエキドナさんはそんな私たちを優しく見守ってくれた。
いつもの生活が終わり、世界が失われたけど、そこから二人を連れてくることができた。
それだけでも、私はこの世界に来て良かったと思える。
これからも、こんな日常が続いていけばいいな。
それから、二人にはお兄ちゃんのことも説明しないとね。
そう思いつつ、私は二人を抱き締めた。
作者が考えた中で出してほしいキャラ
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ミィ(防振り)
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リンゼ(イセスマ)
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エルゼ(イセスマ)
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キャル(プリコネ)
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キョウカ(プリコネ)
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ユニ(プリコネ)
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サヤ(魔女の旅々)
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トワ(英雄伝説)
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スイ(ダーウィンズゲーム)
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四糸乃(デアラ)