※この作品はR-18です。

アダルトMOD入ってるせいで超やりにきぃ   作:姫鼠まりあ

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新たなる研究(G度薄い目)

 今俺は。

 俺がいるべきではない場所に居る──!

 

 

 

 

 先日ギルドに提出した魔素と武具に関する報告。

 これを受けて、研究院……正式名称を帝国魔科学研究学院という場所が「この報告者と実際に会って話をしてみたい」という文面を返してきたそうだ。

 実際のところを言うと、魔素そのものの研究や魔化についての詳細な話、というのはゲーム本編にはほとんど関りが無い。ラスボス倒せば大体のことが解決するストーリーだったから。たまに各地の書店や雑貨屋によると、フレーバーテキストとして長ったらしい報告書や論文が置かれている、くらいのものだった。

 

 だから研究院の中になんて入ったことはないし、そこで働いているNPCにも会ったことはない。なお、よくありがちな「研究所で飼っていたモンスターが暴走して~」みたいなのも、こと帝国においては無いと思う。あったとしても即殺されるんじゃね。

 というわけで初見も初見。ただギルドより研究院の方が些か地位が高いとかなんとかで、スイは断ることに失敗したらしい。そもそもなぜ断ろうとしたのかと言えば、「ヴェルグが耐えられる環境じゃないと思う」から、とのこと。

 

 大体想像つくなぁ、とか思いながら──ただ、こと魔化においては俺の好き嫌いとか関係なく研究を進めるべき事柄だと思うので、その招待を受けることにしたわけだ。

 

 で。

 でですよ。

 

 まーまー、あるわあるわ。

 応接室っぽいところは小奇麗にしてあったのに、一歩研究棟に入れば全部ですわ。

 

 どうやらミロクガエルさんはここでも大活躍しているらしく、その保存液に浸かった美女美少女幼女……そして胎児まで。まぁ、そうだよな。幼体の研究くらいするよな。そっちはもうエグすぎるからガン無視することに決めたけど。

 また保存液だけじゃなく、何らかの液体、気体、そして機械、空間。

 ありとあらゆる様々なもので「ナニカヲサレテイル」少女たちがそこにいた。

 

「ああ、そうか。すまないな、ギルド長からのオーダーを忘れていた」

 

 俺に会いたがっていたという研究員は案内役としても買って出てくれていたんだけど、その人が壁のスイッチをぽちっと押すと、一瞬だけ魔力反応が走って、直後ガシャンガシャンとシャッターが下りる。研究内容が見えなくなる。

 

 え、神配慮なんだけど。忘れてなければ。

 

「ここだ。中には実験材料もいないから、安心してくれ」

「わかった」

 

 通された部屋に入る。

 中は、確かに何もない部屋。幾らかの資料棚があるくらいで、それが無かったら取調室なんじゃないかと見紛うほどに何もない部屋だった。

 

「すまない。魔物の死体が無い部屋、というとこの独房のような部屋しかないんだ。気を悪くしないでほしい」

「いや、こちらの特異性を最大限考慮してくれているのだから、礼をこそすれど気分を害したりはしない」

「ありがとう」

 

 まぁそうか。普段人を招き入れることのない研究院なんだ、こんな空き部屋作っておくのは勿体なすぎる。あるいはある程度人を招いても問題ないくらいまで片付けてくれてたりすんのかな。

 

「まずは研究結果……ではないな。自己紹介からだ。私は帝国魔科学研究学院で主に魔素、魔化の研究の取りまとめをしているレジーナ・イングリディアナという者だ」

「俺はヴェルグという。少し前に帝国に流れ着いた旅人だ」

「あー、予め言っておく。私は幼い頃より研究一筋で来たから、礼儀や配慮と言った部分に著しい欠けがある。気を害させることが多々あると思うので、初めに謝っておく」

「流れの旅人だと言ったばかりだろう。何を気にすることもない。楽にしてくれ。俺もそうする」

 

 手を差し出せば、恐る恐る、といった様子でレジーナはその手を握り返した。

 なんだ、握手も初めてか?

 

「お前たちのスタイルで良い。研究結果を聞かせてくれ」

「承知した。ではまず、お前の上げた『高位魔物素材が魔素を吸収する現象について』。これの立証は早かったよ。各高位ランクの冒険者に依頼を出し、こちらの作った武具で戦ってもらい、サンプルを数千程取った。その全てにおいて、魔素の吸入が確認された」

「中二日もない内に数千とは。行動が早いというレベルじゃないが」

「帝国の雑務を引き受ける冒険者は、他国で言う銀章、金章の者が多いからな。数には困らなかったよ」

 

 あー、繰り上がってんのね。インフレっつーか。

 

「ただ、アイテムボックス持ちがそもそも希少であることと、魔化の危険性からもう一つの検証については目途すら立っていない」

「当然だろうな。そこまで堕ちたる実験など、ラムナザール四世が黙っていないだろう」

「皇帝が怖いというより、私達にも倫理観は存在している、と言ってくれた方が救いになるがね」

「ああ……そうだな。これからはそう言おう」

 

 一瞬、さっきまで見えていた魔物たちへの悪逆非道を見て「いまさら何を」とか思ったけど、そうだった、あれらが美女美少女に見えてんのは俺だけだったわ。

 モルモットへの実験と人体実験を同列に語るのは流石に愚かだって俺でもわかるよ。命に優劣はない、とは思わないしな、俺は。

 

「そこで、だ」

「"なぜ魔化とアイテムボックスが関係していることに気付けたのか"、だろう? 研究院(お前たち)が俺に直接会ってまで聞き出したかったのは」

「っ……流石だな。いいや、当然か。報告書に上がっていなかった……意図的に消されていた部分はそこだけだった。あるいは故意か?」

「研究院に入り込むことが目的であるか、という問いならNOだが、報告を上げなかった、故意に隠したという意味であればYESだ」

「……一応聞いておく。これはお前も言った言葉の焼き増しになるが、魔化、魔素に関する問題は全人類が対抗すべきもの。その進歩となり得る可能性のある事象を隠す理由は、なんだ」

「神官スキル:遮断」

 

 この部屋を結界で覆う。

 レジーナは、特に動揺しない。秘される話が来るのならこういうことをするとわかっていたか。肝が据わってる研究者だことで。

 

「これは、私の失態だな。先に機密レベルを聞いておくべきだったか。……お前が有している機密情報の開示階位は、幾つだ」

「最上位」

「成程。私には第三階位権限までの開示が許されているが、その相手には無理か?」

 

 開示権限というのは、まぁ「どこまで喋っていいか」のラインの話だ。一般人は基本的に存在自体知らない話で、少し前に述べた「所属派閥」の極一部に所属してからその階位というものが説明される。

 早い話、どんだけ口が堅いかの保障みたいなもんだな。

 で、今俺って「帝国」にしか所属して無いから、口の堅さは全く保障されていない。だから機密情報なんか一切教えてもらえない立場なんだけど、俺側から出せる情報が機密過ぎるから「最上位」という嘘を吐いた。これが嘘だとバレるのは、レジーナが最上位になったときだろうな。

 

「開示は可能だ」

「なら……!」

「だが、実現は俺以外無理に等しい」

「どういう……いや、そうか。お前は魔化した魔物から魔素を剥がす、なんてことをやってのけるのだったか。特殊な……何か特異な技術が必要なんだな?」

「条件は三つ。一つ、最大主教まで昇りつめていること。二つ、躊躇なく生物を殺し得る気概と術を持っていること。三つ、魔族化が始まった瞬間を見抜けること」

 

 立ち上がりかけたレジーナが、がくんと脱力し、座り直す。

 今出した条件。

 

 二つ目だけなら、行ける人間は多いだろう。だが一つ目と三つ目は。

 

「……まて、最大主教まで昇りつめているだと? お前は、ヴェルグ殿は」

「聞きたいのは俺の個人情報か?」

「……違う。……たとえ技術的に無理でも、開示を願う。技術とはある突出した個が産み出し、周囲がそれに追いつかんとして発達していくものだ。今はお前にしかできなくとも、将来、多くの人間が力を合わせればできるようになるかもしれない」

 

 ふむ。

 まぁ、言わんとすることはわかる。アニス・ウォーズマンにやったことだって、誰かが魔族化の兆候を一瞬で見抜き、誰かが彼女の時を止めるなり聖水なりなんなりをかけるなりして魔化進行を遅らせ、誰かが心臓をぶち抜き、誰かが心臓だけの状態の人間を完全再生させればいいだけの話だからな。

 

 本当に「だけの話」だと思っているのなら、俺の口はもっと軽いが。

 

「良いだろう。だが、"そんなことはどうやったって無理だ"などという泣き言を言う覚悟をしておけよ、レジーナ」

「研究者はその言葉を使わん。なんとしてでも実現して見せる」

 

 俺は、アニス・ウォーズマンを魔化から救った際の話を洗いざらい話した。

 

 

「そんなこと、どうやったって無理じゃないか……!!」

「これが未来予知というものだ」

「魔族化の兆候を見抜くだけでも今の技術では無理だというのに、そこから心臓だけをくりぬいての完全再生? ……あああああ無理だ。無理過ぎる。どれ程優れたチームでもそこまでのことを一瞬でやるのは……いや、私が戦闘者ではないからか? 研究者ゆえに無理だと言っているだけで、上に報告を上げて、精鋭を募れば……いや無理だろう!!」

 

 だから言ったじゃん。

 すんげー荒業なんだよアレ。あとイグニスメンバーだったし目の前だったから流石にやったけど、俺顔も知らん相手のために身を捧げるつもりはないぞ。

 

 ……とはいえこのままだとレジーナが狂って壁に頭を打ち付けそうな勢いなので、ヒント、というか助け舟を出しておく。

 

「時間停止、という禁呪を知っているか」

「っ……それは、まぁ、知ってはいる。私は使えないが……、いや、成程そうか!」

「ああ。魔族化の兆候が見られた者、アイテムボックス持ちで且つ数日以内に魔化した魔物と戦った者、及び実験動物を使ったこれらのサンプルデータ。……魔化の進行速度や魔素の吸収範囲を理解しているお前達ならば、問題点のクリアにはなるだろう」

「……一見非道には見えてしまうだろうな。魔化の兆候が見えた人間の時を止め、心臓をくりぬき、教会総本山へ行って完全再生をしてもらうことで魔族化を防ぐ、か」

 

 そう、それなら俺と同じことができる。

 ただし。

 

「時間停止が……禁呪過ぎる上に、行使可能な人間も限られてくるなぁ」

「俺は機構になるつもりはない」

「わかっている。わかっているとも。いや……だが、そうか。待てよ? 心臓をぶち抜いて再生させた、と言ったな」

「そうだ」

「つまり魔素が心臓にさえ達しなければ完全な魔族化は為されないんだな? たとえ……そう、全身が、脳が魔素に浸されていたとしても」

「恐らくは、だ。俺もそこまで遭遇経験がない。そのサンプル集めはそっちの領分だろう」

 

 だが、実際にそうかもしれない。

 魔素中毒を聖水で振り払えるのも、魔素が心臓に達する前だからなのかもしれないし。そうなると心臓ぶち抜きとか時間停止とかって物騒な話がなくとも、進行してくる魔素さえどうにかできればどうにかなる、ということになる。

 どうやってどうにかするのかは研究院がこれから調べるんだろ。

 

「ただし、水を差すようで悪いが、今回の魔族化は報告書にあげた通りアイテムボックスを由来としている可能性が高い。研究院はアイテムボックスについてを完全に理解しているのか?」

「いや……それは違う研究院の分野だ。我々が知っているのは精神と密接にかかわっていることくらいで……」

「人は力を合わせればなんだってできる、だったか」

「そう……そうだな。いや、そうだ。できるはずだ。だってヴェルグ、お前は人間だろう?」

「ああ」

「一個人にできることに、何千、何万の知恵が届かないはずがない。いやあったとしても、何十万何百万の智者に助力を乞えばいい!」

 

 ラムナザール四世もだし、リアもケルもだけどさ。

 ポジティブだね、ほんと。「そんなの絶対無理だ」って一回はなっても、希望が微かにでも見えたらすぐに立ち上がんだもん。偉すぎるだろ。

 

「ありがとう、ヴェルグ殿。私は早速今日中にでも上に掛け合ってみることにする。それと、また何か魔化についてわかったことがあったら、どんな細かいことでもいい、教えて欲しい。報酬も払う」

「了解した。……了解したついでに、そうだな。ヒント、というには烏滸がましいが、一つくれてやる」

「?」

 

 インベントリから取り出すは──透明な箱。

 ただし、中にまっくろくろすけみたいなのが入ってる。顔とか目とかは無いよ。

 

「それは」

「魔素だ。だが安心しろ、この箱は絶対に魔素を漏らさない。開けたり壊したりしない限りな」

「……貰えない。危険すぎる。私達の管理は……杜撰だとは決して言わないが、万一が無いとも言い切れない。私達は研究者であると同時に、人々を守る研究をしているという誇りを持っている。その私達のミスで誰かが死んだとあらば、私達は自死を選ぶやもしれん」

「そうか。ならこうしよう」

 

 箱をパカァと開けまして。「んなっ!?」とか言って壁にまで思いっきり後退するレジーナを余所に、聖水をドビシャバァとかける。

 雲散霧消する黒。

 

「そ、そういうことをするなら初めにだな!」

「ほら、これをやる」

「……魔素を散らした聖水? いや、聖水ならこちらにもいくらか在庫が」

「気が動転して冷静さを欠いているな。俺がやると言っているのはコレだ」

 

 コレ。

 

 ──先ほどまで完全に魔素を封じ込めていた箱。

 

「!」

「これの材質が何であるかは開示権限が足りない。だが、別にこの箱を開示権限下位の者に与えてはいけない、などと言われた覚えはない。──調べ尽くすのは、得意分野だろう?」

「……ああ! ありがたく頂戴する!!」

 

 ちなみにアレはラスボスのドロップ品なので、俺の中でもマジで希少だったりする。

 けど別に用途わかんねーし、わかる奴が使った方がいいだろ。わかるようになるかもしれない奴らが、か。

 

「重ね重ね感謝する。ヴェルグ殿、今日は話せて良かった」

「こちらもだ、レジーナ殿。その箱や、今日得た情報をもとに、もっと広く、もっと多くの人々が安寧を手に入れられることを願っている」

「ふふ……私はできないことは言わない主義なのだけどね。──約束しよう。必ず役に立てる。必ず人類の足を一歩前に出す」

 

 へぇ。おんなじ主義持ってると聞くと、一気に親近感湧くな。

 

 頑張ってくれ。陰ながら応援してるからさ。

 

「ではまた」

「また」

 

 今度の握手は、ちゃんとがっしりとしたものだった。

 

 

 

 

 料理ができる奴。

 ツバナの問題、グレイスの問題。シーファは……まぁいいとして、それらの問題は多く在れど、まずケルだ。

 ケルの休日が無いのはマジで問題だ。たとえケルが「そんなの要らないけど」と言っていたとしても、俺はそれを設けたい。仲間だし。仲間ってそんなもんだろ。

 

「というわけだ、二人とも」

「まぁ、サンセー。ケルち、ちょっと働きすぎだし。ツバナちの相手もしてるからちょっと疲労困憊って感じでやばそーだったし」

「うむ、私が弱いばかりに申し訳ないのじゃ。ゆえ、私としてもケルに匹敵する料理の腕を持つ者を雇う、というのは賛成じゃ」

「だが困ったことが一つだけある」

「なに?」

「なんじゃ?」

 

 それは。

 

「家事スキルはさ。スキルじゃないじゃん。だから俺見抜けないんだよね」

「ああ」

「何を言い出すかと思えば、当然すぎて言葉もでんわ」

 

 サーチ系スキルの最上位に「看破」というものがある。これレベル差が20以上下の相手なら問答無用でステータスと保有スキル見れちゃうプライバシーもへったくれもないスキルなんだけど、残念ながら家事炊事スキルは技能であってスキルじゃないのでこの一覧に出て来ない!

 だから探しようがない!

 

「ご主人様ってさ、結構馬鹿だよね」

「うむ……なんというか、常識がない? 非常識な事ばかり知っておるくせに、一般常識に欠けておる」

「返す言葉は持っていない。俺はそもそもが特殊な出だからな」

 

 というか、だから一般常識と一般じゃないにしても一般人の目線に立てそうな二人を選んだんだ。

 

 どうしたらいいのか、と。

 

「ギルドで募集すればいいじゃん。ご主人様なんか勘違いしてるけど、ギルドって冒険者以外も来るよ?」

「ついでに言うと、冒険者にも家事能力のある者もごまんとおるのぅ」

「……だが、気後れされないか? 俺はこれでも白銀章持ちの冒険者だぞ」

「あーまー、確かにそこは……結構ビビるかも」

「一日だけ、とかならともかく、長期で雇うとなるとのぅ、難しい話になってくるのじゃ」

「だろ?」

 

 もう身内認定した奴にはヴェルグ口調じゃない、本来の俺のクソ適当軽い口調で喋っちゃってるけど、まぁ今周りに人いないからでーじょーぶだ。

 

「じゃあまた奴隷買う? お金はたんまりあるんでしょ?」

「シーファ百人買っても何も困らないくらいには」

「私が安いことを怒るべきなのか、ご主人様の財産の多さに驚くべきなのか」

 

 後者だよ後者。お前十分高いよ。

 

「奴隷……が一番かぁ」

「一番楽なのはそーだよね。ま、安心してよ。私もついてったげる。それで家事がどれくらいできそうか、とか見てあげるからさ」

「なら、私は家に戻るべきじゃの。欠損奴隷として安く買われたものを治されたとあっては、あの商人も良い顔をせんじゃろう」

「ノズヴェルガーはそんなことで顔を顰めたりしないとは思うが、まぁグレイスの世話も必要だしな。結局今ケルにグレイスの世話をさせてしまっているから、そっちを手伝いにいってやってくれ」

「承知したのじゃ」

 

 ツバナを家に帰して、さて。

 じゃあ、奴隷市場にいくとなれば。

 

「シーファ。──脱げ」

「あ、やっぱり?」

 

 そうなっちゃうんですよねぇ。

 

 

 

 全裸のシーファの首にゴツい首輪を嵌めて、そこについた鎖を持って、奴隷市場を歩く。

 ノズヴェルガーの店に向かって歩きつつも、一応いろんな店を冷かす感じで。

 

「しかし……グレイス程じゃあないが、目の死んだ者が多いな、流石に」

「そりゃねぇ。奴隷に身を落とすってそういうことだし」

「そろそろ男の奴隷も買うべきか迷ってるんだが、シーファ的にはどうなんだ?」

「あー。男の奴隷は、あんましじゃない?」

「そりゃまたなんで」

「いや男の奴隷ってさ、目的がある時に使うものなんだよね。建設とか採掘とか、力のいる仕事させる、とかさ。あんまり家で飼う人いないんじゃない? あぁまぁ色狂いの女貴族サマ、とかならわからないけど、帝国に貴族制度ないし」

「そんなものか」

「私の見てきた限りはそだねー」

 

 だから店頭に並んでるのが女の奴隷ばっかなのか。アダルトMODの弊害だと思ってたわ。

 

 ……うーん、やっぱり掃除が行き届いていなかったり、傷がそのまま放置されてたりすると買う気失せるな。ノズヴェルガー基準で考えすぎか?

 

「ん?」

「お、誰かみっけた?」

「……ああ。ちょいと気になるのがいるから、こっからは主人と奴隷モードで行くぞ」

「……はい」

 

 一瞬で目からハイライトを無くすシーファ。マージで演技派。コイツ、何人殺して逃げて来たんだろうね。あんま興味ないけどさ。

 

 

 小太りな男が店主を務める店に入る。店主はこちらをちらりと一瞥したが、接客はしてこない。多分シーファを連れているからだろうな。

 こうやって奴隷を連れまわす主人ってのは大体二タイプに分かれる。シーファ談。

 一つは奴隷を見せびらかしたいだけの奴。美貌だったり希少価値だったり、買う気ゼロで自慢だけしたい奴。シーファ談。

 もう一つは片時も奴隷を離したくない奴。他人が触れる、局部や乳首を注視するだけでも激怒するくらい溺愛してる奴。の、どっちかなんだと。シーファ談。

 

 だから基本声はかけないで、買い手側から声をかけてきて初めて対応する、って店主が多いとのことで。

 ぜーんぶシーファの受け売りだけど、コイツマジで色んな奴隷商渡り歩いてきてるから信用に値する。

 

「……」

「……ご主人様。この女が気に入、」

「黙れ。喋るな」

「は、はい……」

 

 要らねーっつってんのにこういうコント挟んでくるのだけは面倒。ああほら、小太り店主が顔逸らしちゃったじゃん。アレ絶対「怒らせちゃいけないタイプね、ダル」って思ってるよ。

 

「さて……」

 

 どうするか。

 えーと、今まず二人目についてて。片方はいつも通り称号がエグくて目に入った奴。

 そしてもう一人が。

 

「……そういや奴隷上がりだ、とか言ってたなぁ」

 

 主人公パーティの候補──何故か檻の中でメイド服着てる見るからに異常者、メアリーだった。

 これ、アダルトMOD通さないグラどうなってんだ??

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