アダルトMOD入ってるせいで超やりにきぃ 作:姫鼠まりあ
動き出す剣呑(G度無し)
それは土砂降りの雨の昼下がりのこと。
シーファの魔素への研究結果──研究院、ひいてはレジーナに渡すもの──を書いていた時のことだ。
「主様。少し、よろしい、ですか?」
「ん? なんだアウラニ」
「先ほど、私の、パッシブスキルである、予兆が、発動いたしました」
予兆。
天使にはプレイヤーにはない天使スキルというのが備わっていて、これらは結構な凶悪性能を誇る。相手の意識・感覚だけを残して封印状態にするスキルや、魂を縛り付けることで相手がどんな状態になろうとも枷を嵌めるスキル、一度この世から完全に消えることで敵の意識の外に消え、その後強襲を仕掛けるスキルなど……様々。
その中にある予兆。これは文字通りのスキルだ。
「良からぬことか?」
「はい」
「そうか。わかった、留意する」
「ありがとう、ございます」
アウラニはハーフだけど、ハーフゆえのメリット・デメリットを抱えている。
デメリットの一つは天使としての格が落ちること。シーファの種族階位を上げる程度で抵抗できる……
デメリットの一つは、本来長命種であるはずの天使が、人間程度の寿命に収まってしまっていること。本人曰く「それは、幸せな、ことですよ?」らしいけど、異種族の多いこの世界ではある程度の寿命があった方がいいはずだ。長命のデメリット……看取ることが多くなる、がこの世界では発生し難いのだから。
メリットとしては、天使には使えない、けれど人間には使えるスキルを使えること。そして聖気を抑えられること。
やろうと思えば人間として振る舞えるのが最大のメリットだろう。本来強い奴が自分を弱く見せられることの強みなんか、今更説明する必要はないはずだ。
ただ、アウラニが天使スキル以外を使っているところは未だ見ていない。
使えないのか、使う気がないのか。戦闘奴隷じゃないからいいけど、多少気になりはする。
しかし。
「良からぬ予兆、ね」
まーた精霊関連とか……いややめておこう。
挙げれば挙げるほど、フラグが立ちそうだから。
雨は尚も続いている。
ケルは雨が嫌いらしい。自分の足音を消してくれるけれど、敵の足音も消してしまうから。晴れている時に自分の意思で足音を消した方がよほどメリットがあると。クセになってんだ。
ツバナは雨が好きらしい。風情があるとかで。ただ帝国の雨は魔物の接近の予兆とかなんとか言ってたような。ま、仮にフロストドラゴンの襲来があっても魔化してなけりゃ帝国冒険者の敵じゃないだろう。
シーファとメアリーに雨は関係ない。あの二人風邪とか引かないし。体温も濡れた程度でどうにかなることはない。
強いて言うなら「雨の日にレインコートで下全裸は……ご主人様でもエロいと思うよね?」とシーファに言われた時に頷いてしまったことくらいか。いやそりゃエロいだろ。
アウラニには聞いていない。ただアイツが天気を気にするのって「メアリーの洗濯が大変かどうか」くらいの時だけだから、多分興味がないんだろう。
雨は未だ──。
ん。
「おや、誰か来たようじゃな」
「……ああ、だが出るな。敵の可能性がある」
「なんじゃと?」
突然ポツンと、家の前に赤点が出現した。ミニマップさん最強!
なので奴隷たちに出迎えの必要はないことを伝える。……が、確か今ケルが外にいたか。帰ってきた時に危ないから俺で対処しておくべきだなコレは。
んでもってアウラニの予兆。
一応フル装備でいくか。勿論鉱石系の装備だから上限はあるけど。
出る。
「あ、ヴェルグ。良かった」
「──ケル?」
ミニマップを見る。赤い。仲間と言っても常にパーティを組んでいるわけじゃないから、緑枠表示はない。
赤い。赤点。
つまり。
「ごめん。今すぐ私を殺し」
「次元スキル:時間停止」
止める。
……赤は変わらない。悪いとは思うが、その場で服を剥く。
「……魔族化、ではないのか。じゃあこれは」
ケルを抱えて家に戻る。
こちらを窺っていた奴隷たちは、裸に剥かれたケルを抱く俺に猜疑の目を向けてくる……が、すぐにシーファが声を上げた。
張り上げた。
「ご主人様! それマズい! ケルち、
「ああ大丈夫だ。時間を止めてある」
「……いやそんなサラっと言っていいスキルじゃないけど」
だが、溜息が出そうになる。
自爆の呪い。呪詛スキルは何も従属、屈服、眷属の三つだけじゃない。NPCを従わせるスキルがこの三つだけであるというだけで、他にも呪いは存在する。
その一つが自爆の呪い。文字通りの呪いであり、ゲームにおいては所謂「捨て駒」にそれをかけて突貫させてドーン、あるいは自身に遅延蘇生をかけて突っ込んでドーン、が常套手段だった。
「シーファ。他に何か呪いが見えるか?」
「……屈服もかかってる。あとこれ、色情魔……それに、言いたくないけど……精液の臭いもする」
「呪いは自爆と屈服だけか?」
「待って……これ……アウラニち、ちょっと来て。これってさ」
「はい。……そう、ですね。天使スキルとは、系統が違いますが、魂を縛る、スキルで、間違いありません」
「解呪は可能か? 屈服は一度俺が眷属の呪いをかけることで解呪できる。自爆とその魂を縛るスキルとやらは……」
自爆の呪いを解呪するってやったことないな。
呪詛スキルはどれも系統の最上位みたいなのがあって、NPCは基本的に最上位のを使ってこないので、主人公が最上位スキルを覚えていれば、あるいは上位スキルを覚えていれば解除可能、というのが大体の呪いイベントの流れだった。
皇妃様の奴とかもまんまそれだしな。で、覚えてなけりゃ元凶潰してくる、が鉄則。
「ご主人様、消滅の呪いって使える?」
「ああ。呪詛スキル:消滅:遅延。呪詛スキル:消滅:解除。……これでどうだ?」
「躊躇なさすぎて一瞬びっくりしたけど、うん、解呪できたみたい。だけどこっちのは……ごめん、私じゃわかんない」
「申し訳、ありません。私も、初見で……ただ、血の契りに、似ているような、気もします」
「ああ確かに! でも血の契りって本人同士の同意がないとできない、よね?」
「はい。だから、似ている、です。ケルさんが、同意するとは、思えない、ですし」
「待て。血の契りとはなんだ? スキルか?」
「え、珍しい。ご主人様知らないんだ。ってゆか、そんなことある? 知らないワケなくない?」
プレイヤーの使えるスキルと仲間にできるNPCの使えるスキルは大体知ってるけど、専用スキルとなると途端に疎くなる。俺別にゲームの解析とかハックとかやってない勢だったから、隠されていたモンについてはてんでさっぱりだ。
資料室にすら置いていない知識となると、もうお手上げ。
「血の契りは婚姻や義兄弟など、家族の証明に使われる契約スキルです。効果としましては、どこにいようと相手の位置を知ることができる、相手のステータスなどが手に取るようにわかる、などでしょうか」
「……血の契り、ってスキルを使える奴は、どういう奴だ?」
「
──……。
成程。そりゃ知らんわけだ。
それで、スキルの内容を聞く限り、ちょいとアダルトMODのおせっせシステムに似てるな、と思った。別名結婚システム。仲間にできる全NPCとおせっせできるようになるっていうこのMODの一番の売り。
「解除方法は?」
「互いが互いに解除を望むことです。ですが、血の契りが成立する時点で相当仲が良くなければ無理なので、解除されることは……まぁ大喧嘩した時くらい、でしょうか?」
「外部からの解除方法はないんだな?」
「私が知る限りでは。魔族、天使視点ではどうですか?」
「ないねー。ガッチガチの法則だし」
「ない、ですね。天使でも、そこには、手を出せません」
「口を挟む必要はないとは思うてはおるが、鬼の国にも血の契りを外から断ち切る方法など伝わっておらん、はずじゃ。私が箱入り故何とも言えぬが」
ふむ。
屈服の呪いを解除したのに、ケルの表示は未だ赤点。つまり敵だ。
その血の契り……結婚システムが悪さをしているとしか考えられない。
「ご主人様。ケルちの時間停めたままにしておける?」
「ああ、一年くらいなら余裕だ」
「そこまでして欲しいとは言ってないけど。……悪いとは思うけどさ、ケルちのナカに入ってる精液、全部掻き出しちゃっていい? 不快」
珍しいな。シーファのその声のトーンは。
「構わんが、掻きだしたところで着床が済んでいたらあまり意味はないぞ」
「……ご主人様ってホント、そういうとこだよね。何とも思わないの? ケルちがレイプされてて、その上良い様に……自爆の呪いまで付けて突っ込まされててさ」
「レイプかどうかわからんだろ。娼館に行ったのかもしれないし、ワンナイトの可能性もある」
「無いって! 絶対ない! 気付いてないの!?」
「……あのな、ケルが俺に好意を抱いていることくらい知っているし、それがあるいは、結ばれたいだとか、抱かれたいの域にまで発展しつつあることも知ってる」
「じゃあ」
「だけど俺はちゃんと断ってる。匂わせるようなことはしていない。だからこそケルは執拗なアプローチをしてこないし、自分の性欲解消はどっか別の場所でやってると」
「そういう話じゃないんだって!」
今度はまた感情的だな。
……というか。
「あー。……お前らも今シーファに同調してる、か?」
「そう、ですね。……ごめんなさい」
「ううむ、前々から思ってはおったが、お主……根本的な部分に欠落があるのぅ。そういう話ではないことくらい、普通はわかるものじゃが」
「ご主人様。確認を取りたいのですが、よろしいでしょうか」
「ああ、いいぞ」
アウェーだ。凄く。
でもこれ多分男女差ってより俺の性質が最低野郎だからなんだろう。
「ケル様はご主人様にとってどんな存在でしょうか」
「仲間だな」
「仲間がレイプされた、あるいは意に添わぬ形で契りを結ばされたことについては、どうお考えですか?」
「ケルの意思次第だ。誰かを想い、誰かを偲び、あるいは俺のためを思って、とかの行動だったらちゃんとブチ切れてるが、そこの確認が取れてない。ケル自身の感情でこれをしていたら、それがどれほど悲惨な運命に見えたとしても、俺は否定しない」
「……そうですか。はぁ、では時間停止を解除してみてはいかがでしょうか。アウラニ様、調停、でしたか? 言葉を発することができるままに、身体を固定するスキル。あれをお願いいたします」
「主様」
「ああ、いいぞ。やってくれ。スキルがかかり次第時間停止を解く」
「では──天使スキル、調停」
ガチン、と。
何か檻のようなものが下りた音がする。
それを見て時間停止を解除。
すると。
「て……今すぐ、私を……」
「ケル。とりあえず今お前の身体に自爆の呪いはかかっていない。そしてお前は身動きのできないよう固められている。どうだ。その状態でなら話せることはあるか?」
「……無い。ヴェルグ、私を殺して」
「じゃあこっちから質問する。お前の膣にあった精液。あれは同意の上のセックスによるものか?」
「そう」
どよめきが走る。
が、無視。
「現在お前にある血の契り。これはお前が本心から同意したものか?」
「そう。なんなら、私から言い出した」
「……最後に聞く。今のお前は、俺の敵か?」
「うん。だから早く殺してほしい」
「次元スキル:時間停止」
ふぅ。
MPを仙人スキル:瞑想で回復しながら、と。
「らしいが」
「あ──りえないよ。あり得ない! ご主人様、ケルちはこんなことしない!」
「これは、難しいのぅ。シーファ、アウラニ、そしてメアリー。確認するが、ケルに血の契りらしきもの以外の呪い、あるいは洗脳の類は見受けられないんじゃな?」
「これはメアリー・スーの言葉ではなく
「……」
さて。
じゃあ。
「え……ご主人様? なんで剣抜いて……」
「元仲間。ソイツが殺してほしいって嘆願してんだぞ。聞いてやるのが人情ってもんだろ」
「──馬鹿なの!?」
シーファがケルを抱く。封印棺と違い、時間停止された対象は別に持ち上げたりなんだりが可能だ。
「アウラニち、ツバナち、メアリち! ごめん、時間稼ぎお願い!」
「また無茶な願いじゃのう。相手はヴェルグじゃぞ?」
「天使スキルを、全力で、行使、します」
「おや私にまでご依頼ですか。それではまぁ仕方がありませんね、ここは本領発揮といたしましょうか」
ケルを抱えたまま雨の中を出て行くシーファ。
そして俺の前に立ちはだかる三人。
……。
「……」
「……」
「……ふむ。完全に行ったようじゃな」
「ああ、こっちでも確認した。――さて、作戦会議の時間と行こうか」
シーファには悪いが、敵を騙すには一人味方を切る必要があるんだよ。
「召喚士スキル:サモン:セイントバード。サモン:グリムスレイヤー。サモン:オルゴールゴーレム」
光ってる全裸少女、ローブを纏っているのに前だけ開いてて結局何も着ていない女性、ハープを抱く全裸の女性が召喚される。
……今は突っ込まないけども。
「セイントバードはまた周囲の魔素反応の監視、グリムスレイヤーはセイントバードの護衛、オルゴールゴーレムは最大範囲での脳霧音楽を頼む」
「くるっぽ!」
「……つまらん仕事だな」
「対象は~全員で~いいのかしら~?」
「ああ。だがレジストされても気にするな。俺がやってるだけだ」
「は~い」
ハープから落ち着いた音楽が流れ始める。
急ぎ奴隷たちの各メニューを開いて精神耐性を上げ、俺も同じように精神耐性系の装備を付ける。
「まったく、お主も人が悪い。途中まで完全に騙されておったぞ」
「でなきゃ困る。こういう搦め手使ってくる手合いはまず仲間割れを望む。今回の作戦が功を奏したと本気で思ってくれなきゃ尻尾すら出してこないだろう」
「私も、途中まで、この方は、本当に、こういう方なのかな、と……思って、しまっていました。ごめんなさい」
「謝る必要はありませんよアウラニ様。ご主人様は割とそういう人なので」
「否定はしないが、仲間に剣向けられて黙ってる程鈍感じゃねえよ流石に」
アサシンスキル:霧隠れ。
この家そのものの認識を若干阻害して、と。
「まず率直な感想を聞きたい。メアリー、心当たりはあるか?」
「残念ながら。先程も申し上げたように、血の契りはこの世界に住まうほぼすべての存在が使えるスキルです。ただ──未だ血の契りであると確定したわけではない部分に光明はあるかと」
「それは俺も思っていた。シーファとアウラニをして"これが血の契りである"と断定できなかったのに、ケルは応答で血の契りであることを否定しなかった。ここに何か認識の齟齬のようなものを感じた」
「あー、水を差すが、アウラニ。お主が血の契りと断定しなかったのは、ケルがそんなことをするはずがないから、が根拠か?」
……その可能性もあるのか。
そっちは、確かに考慮してなかった。地頭の悪さが出るな。
「いいえ。血の契りなら、血の契りであると、確信が持てます。特に私は、天使ですので、契約スキルには、敏感です」
「契約スキル。……契約スキルか」
「──ノズヴェルガー様ですか?」
「思考を先取りするな。だが、そうだ。ノズヴェルガーなら何か知ってるかもしれん。あいつは北の孤島出身で、契約に関しちゃ俺より詳しい」
「ですが、ケル様は現在シーファ様が持っておられます。ノズヴェルガー様に診せに行くには契約のかけられた本人が必要ではありませんか?」
「ここに、お前は絶対に映りたがらないだろう"真経津鏡"というアイテムがある」
咄嗟に鏡の死角に入るメアリー。
だろうな。
「既にケルの魂は映してある。これを診せればいいはずだ」
「また摩訶不思議なアイテムを持っておるのぅ。それで? ノズヴェルガーに会いに行くのはお主だとして、私達は何をしておくべきじゃ? 敵がケルだけを狙っておるとは限らん以上、私達もむやみな外出は控えるべきかの?」
「いいや? お前達には今から俺と戦ってもらう」
「は?」
いやだって。
そういう話だったじゃん。
「安心しろ、ボロボロにするだけだ。傷だらけにするだけ。殺しはしない」
「……仕方、ありません、ね。そうなって、いなければ、シーファさんが、怪しんでしまう、可能性も、ありますし」
「ああそういう……い、いや偽装工作とかできんのか!? ホントに戦わんとダメなのか!?」
「俺だってお前達を傷つけたいって願望はないんだ、我慢してくれ。あああとそれぞれをそれぞれの場所に吹き飛ばす予定だから、あらかじめ行きたい場所があるなら聞いておくぞ。ハプニングバーの中とかでも行けないことはない」
「では、私は、山の、中で」
「それでは私はこういうことをして」
「んなぁっ!?」
「こういう風になっておく、というのは如何でしょうか」
「ど、ど、どうなっとるんじゃそれ! なんで生きておる!?」
いや俺にはメイド服姿のままだから何にもわかんないんだけど。
ツバナの反応を見るに、上半身と下半身が泣き別れくらいはしてそうだな。
「じゃあお前は家の外に捨てる。その方がぽいだろ」
「ええ、ぽいです」
「で最後にツバナ。どうする?」
「……雨風の凌げる場所がいいんじゃが」
「どっかの厩でいいか。了解」
「だーから言いたくなかったんじゃ。この性格最低男め」
なんだよ厩を馬鹿にするなよ。馬さんの生活スペースだぞ。
……ちなみに俺には馬も牛もアダルトな方々に見えるので……うん、そういう、うん。
「いいか、今回基本的には俺単独で動く。お前達は完全に俺と仲違いした風にしていろ。怪我の理由を聞かれたら俺の名を出していいし、俺が家でお前達に暴力を振るっている、なんて話を出しても構わない。とにかく俺の印象を下げれば下げるほど、相手の思うつぼ……相手にとっていい展開が出来上がる」
「心は、痛みますが、了解しました」
「心は痛みませんのでガンガン吹聴いたしますね」
「あとは私達が怪しまれないようにしなければいかんのぅ。ここからバレたら、シーファが浮かばれん。ああ、予め言っておくがな主。コトが終わったらシーファのメンタルケアはしっかりするんじゃぞ。勿論ケルもじゃ」
「その辺はお前らに一任したいんだが」
「ダメじゃ。はぁ、全く。本来箱入りの常識知らずの私こそがこういう説教をされる立場じゃろうに、どうしてこうこの家の住民は……」
そうだな。
お前がリアの常識人っぷりを引き継いでくれてんのはありがたいよ。顔を合わせた程度のはずなのにさ。
「んじゃ──半殺しにするから、悪く思うなよ」
「天使スキル、痛覚軽減。――どうかご存分に、やってください」
「なら折角じゃし、最近エイルニルス公国で鍛えられている分の成果を見せるとするかの! 戦士スキル、重剣!」
「私は自らバラバラになって先に出ておきますね痛いの嫌なので」
さて。
早めに尻尾を出してくれると助かるよ。さもなくば、一度帝国を消し飛ばすことも考慮する。ああ、エイルニルス公国より国土が広いから、五、六回に分けて、だが。
──怒ってないはずないだろ。そこまで欠落人間じゃねえよ。