アダルトMOD入ってるせいで超やりにきぃ 作:姫鼠まりあ
懸念だった王国暗部の件が一旦片付いて、落ち着いてきたあたりで、本格的な供養祭が始まった。
帝国は一気にお祭りムードで、奴隷やケル、ツゥらの仕事を取っ払って遊びに行かせている。こんな日まで仕事だの家事だのってのはナンセンスだ。どのような立場の者であれ、息抜きは必要だからな。
逆に俺は家でのんびりと……は、しない。
「酒気覚ましに酒気増幅ポーション……そういうのもあるんだな」
「お酒はあんまり飲めないけど騒ぎには混じりたいって人もいれば、酔い過ぎてこの楽しい時間がすぐに終わっちゃうのは勿体ないって人もいるからね。需要は結構ある方だよ」
久しぶりのハルフィーポーションでの手伝いだ。
調合風景にこそ目を瞑れば、ここはかなり快適だから。ポーションになっちゃえば原料とかわからんし。
「あと胃薬に……避妊薬?」
「そりゃねえ。このムードに乗じて行きずりでヤる、なんてのも珍しい話じゃない。が、そんなテンションで作られたら子供の方だって堪ったものじゃないでしょ? だからこういうところはしっかりするの」
男性用も女性用もあるあたり、ヤる気がある奴は飲んでいくのがマナーなのかな。
ま、デキ婚でハーフとか最悪だからな。特に異種族多いこの世界じゃ、エグい未来しか見えん。それを事前に防ごうって気概があるだけマシ……というか倫理観高めな方だ。いやそもそも倫理観はある方なんだけど。俺の見え方がおかしいだけで。
集中のいる作業なのか、ザリザリとかゴリゴリという音が響くだけの時間が訪れる。
なお、アダルトMOD君はあくまで視覚に作用するMODなので、仮に今引き潰されているのが少女だとしても、音は普通に聞こえる。普通に植物の種、あるいは骨的なのをすり潰しているんだろう。見なければ大丈夫。あと生きてなければ大丈夫。
……前の話だけど、いつも通り調合風景見ずにポーションの棚の整理手伝ってたら、ハルフィーさんの方から「ケテ……タス、ケテ……イヤ、グ、ギャ……アアアア!!」みたいなのが聞こえてきた時があったからなぁ。
生きてる素材、そうだよね、使うよね……ギリギリまで新鮮な方が良いことあるもんね……ってなった。
「来たよ……とと、ハルフィーいますか?」
「ああ、中で作業中だ。呼んでくるか?」
「いえいえ、お仕事の邪魔はしない主義なので。どれくらいかかるか、とかわかりますか?」
「一概には言えないが、そこまで時間はかからんはずだ」
「なら待ってます。ありがとうございます~」
「ああ」
なお、一応俺はハルフィーポーションの従業員として認識されている。先も述べたように棚の整理とかよくやってるから、お客さんに見られることが多いのだ。
ただ先日のグノーシスの件なんかを鑑みて、装備の類は全部外している。それのあるなしで大分印象変わるからな。
この子は常連の一人で、よく生育ポーション……植物の育成促進ポーションを買っていく子だ。性別は多分女。まだ子供の段階だからよくわからん。声の高い男の可能性はゼロじゃない。
「そういえばお兄さんって、ハルフィーの彼氏さんなんですか?」
「いや。ただの従業員だ」
「じゃあ私にもチャンスあったりします? お兄さんカッコいいですし」
「……流石に幼すぎる。すまんな」
「幼いって、私もう二十七ですよ? って、あぁ、長命種の方だったりします? それならごめんなさい、不躾過ぎましたね」
「いや人間だが……そっちこそ長命種なんじゃないのか? 二十七は無いだろう、どう見ても子供だ」
「……」
「……」
あ、気まず。
こんだけ童顔でこんだけちっこくて普通に大人は……まぁあるか、あるよな。そうだな俺が悪いわ。
「こらエルシータ! ヴェルグさん困らせるんじゃないの!」
「あ、ハルフィー」
会話が聞こえたのか、はたまた調合が終わったのか。
ハルフィーさんが調合室から出てくる。……独特のこの匂いには流石に慣れた。
「特に困ってはいないから大丈夫だ。何か話があるのなら、俺は倉庫整理の方をしているが」
「あーっと、まぁちょうど良い機会だから紹介しておこうかな。こいつはエルシータ。私の姉」
「姉でーす」
!?!?!?!?!??!!?
……あり得ん。ハルフィーさんは普通の女性だ。普通に大人で身長もある。
それの、姉が、コレ??
義姉、ってコト……?
というかいつも来てた時は普通に店員とお客さんのノリだったと思うんだけど、仕事だから割り切ってた感じか?
「ハルフィーこそ困らせてるじゃん。じゃ、改めまして。私はエルシータ、ハルフィーの姉です。ただ私達の一族って昔どっかでハーフリングの血が混ざったみたいで、お母さん達もお祖母ちゃんたちも人間なんだけど、私だけ先祖返りみたいなのが出てて、こんな小さいの」
「ああなるほど……」
隔世遺伝にも程がありそうだけど。生まれた時がどうだったのか知りたい。あと寿命どうなってんだろ。ちょっと悲しい妄想もしちゃうな。
「ということで、私はホントに大人。で、お兄さんはフリー! ……どう? 私手に職持ってる優良物件だよ?」
「すまんが答えは変わらん。小さいのは性的対象に見れん」
「……そこをなんとか!」
「初対面でこそないが、なんだその押しの強さは。今名前を知ったばかりの間柄だろ」
「さっきも言ったけどもう二十七だからさー、婚期もうギリギリで、これ以上行くと貰い手が……」
いや……三十でも全然行き遅れだとは思わない派だからそんなことは無いと思うし、何より見た目が若いから大丈夫じゃないか? まぁ子供過ぎるからロリコンにしか刺さらんだろうけど。
「どう? 供養祭の今日だけでもしっぽりさ。それで相性良かったら、考えが変わるかもよ?」
「まず小さいと勃たん」
「そこは私のテクで! ちっちゃくてもコッチのテクはあるよ~私。どう? どう?」
「……ハルフィーさんからもなんとか言ってやってくれ。それともこの人は元からこんなか? 供養祭の雰囲気に酔ってるとかじゃなく」
「残念ながら」
そっかぁ。
「あそーだハルフィー、媚薬ちょうだい! 買うから! それなら流石のお兄さんも勃つでしょ?」
「それで勃ったとして、考えは絶対に変わらんが」
「わかんないじゃん。お兄さんがこういうちっちゃいのに目覚めるかもしれないじゃん。ね? ね?」
「ハルフィーさん」
「まぁ……いつもなら突き放すなりなんなりするんだけど、確かに姉の貰い手が無くて困ってるのは事実だし、姉の立場を考えればヴェルグさんにも釣り合う……可能性があるから、私としては割と応援気味かもしれない」
「バックスタブは聞いてないなぁ」
うーん。
本気でそそられないんだけど、まぁ媚薬がどんなもんなのかは試してみたさあるんだよな。精力剤の類なのかって前に聞いたらそういうのとはまたちょっと違うって言われたし。
「まぁ、萎えていていいなら、いいぞ」
「よっしナイスハルフィー!!」
「じゃあとっとと行ってきなよ二人とも。本格的に忙しくなるのは夜だから、今のうちに」
「オッケーじゃあ行こうすぐ行こう! お兄さんの家? それとも私の家? 宿取る?」
「好きにしてくれ」
「じゃあ私の家行こう」
「わかった」
とんとん拍子に進んでいく話。
本当の本気で俺はロリコンじゃない。子供には一切勃たないしそそられない。ケルもツゥも元の姿のシーファも、ぜんっぜんそそられない。
……傷つけかねんぞ。こんなに自信ある子だと尚更。
「……お兄さん、よく目を瞑ってこんな人混み歩けるね」
「慣れだよ」
当然だけどエルシータの家に行くのに街中を通る必要があったから、俺はいつも通りの心眼モードである。心の眼でみれば人混みなど余裕──!
じゃじゃーん、ここ! と言われて目を開けたそこには。
「……でっか」
「へへん、さっきも言った通り、私はお金があるのです。帝国での立場もそれなりだよ? どう? 気が変わった?」
「全然。個人の財産で言えば多分俺の方が持っているしな」
「じゃあなんでハルフィーのとこで雇われなんかしてるの……?」
「働いていないのが嫌だからだ」
「ほへぇ、ウチの従業員に見習わせたい姿勢だわそれは」
少しでも文化的な最低限度の生活を保っていないとすぐに堕落するのが人間だからなぁ。特に俺みたいなステータスゴリ押しマンは、やろうと思えば野山で果実食って日中ずっと寝るだけ、が通用してしまう。
こうやって人間社会に馴染むのは堕落防止にとても有効なのである。
さて、でっかいでっかいエルシータの屋敷。その重厚な門をくぐると──。
「この人お客様だから。やめてね?」
「──これは失礼いたしました」
一瞬で増えた赤点が、これまた一瞬で青に戻る。
……護衛、警備、他にもいるな。思ってた以上に重要人物か?
「気にしないで、ってのは無理、だよね?」
「いや。この程度障害にもならん。ヤるならさっさとヤろう。そんで俺は仕事に戻る」
「仕事人間が過ぎない?」
だってこの家、豪華そうだからさ。
絶対あるでしょ、虎の毛皮一枚使った絨毯、みたいなやつ。それが俺目線どう見えるかって話。よーわからん鹿の頭の飾りとか、絶対あるでしょ。
「ま、いいや。じゃあ入って入って」
絶対ある──いやホントにあるわ……。
無いんかい! のつもりでフラグ建てまくってたけどあるわ……壁から突き出る上半身だけの少女。階段の手すりに加工されている胸と尻のそぎ落とされた女性。顎が外れるほどに口が開かされ、そこにランプを入れられている少女の頭部。
だよなぁ、としか。
「あ、ウチの調度品が気になる? 気に入ったのあったら持って行っていいよ」
「要らん」
「一個で白銀貨一枚はくだらないのにナー」
ただ、それら女体家具のせいで、少しはオティヌティヌ様が反応している。
結婚を迫ってくるロリには一切興味を惹かれないのに家具に反応するの結構エグいよね。
……見た目がグロすぎないのだったら、ウチの家具にも一つくらい……。
「ここが私の部屋! さぁ入ろうさぁヤろう」
「テンション高ぇ」
入れば、やっぱり想像通りだった。
床に敷かれた、皮を限界まで引き延ばされた少女。頭部はぺちゃんこに潰されている。
他にも「金持ちの家にある調度品や家具」が全部アダルトMOD仕様で、もう溜息しか出ない。
「シャワーとか浴びる?」
「そのままでいいならそのままでも構わん」
「んじゃそのままで。んー、はい、じゃじゃーん!」
じゃじゃーん! といいながら、その複雑そうな魔物素材服を全部脱ぐエルシータ。想像通りの貧乳、想像通りのほそっこい身体。毛も生えていない局部。
……ホントに二十七か? やっぱりハルフィーさんもグルで騙してないか?
まぁ、相手が脱いだからには俺も脱ぐ。
オティヌティヌ様はぶらーんとしたままだ。
「うひゃあ、でっか~」
「お前が小さいだけだよ」
「まそれはそうなんだけど。まずは口からするから、こっち来て」
ベッド脇。
そこに座らせられて、股を開かされて。
その股座に、エルシータは顔を突っ込み、じゅっぽじゅっぽとフェラを始めた。
テクありというからどんなもんなのかな、と期待していた部分もあったのだが、普通のフェラ。
「ふぇふーん」
「お」
……かと思いきや、突然亀頭にざらりとした感覚が。
これは……喉のストロークじゃなく、舌の根を使って亀頭攻めを……おお、器用だな。舌がまるで別の生き物かのように動いて、前後ストロークだけで飽きさせない刺激を与えてくる。
舌使いが圧倒的に上手い。子供とは思えな……ああ子供じゃないんだった。
「むー。
「いや気持ちよくはあるぞ。全然続けてくれていい」
「……っぷはぁ」
「ん、疲れたか?」
「んーん。違う。ね、お兄さんって前立腺責められたことある?」
「あぁ、尻からか。まぁ無いとは言わんが、やめといた方が良いぞ」
「なんで?」
「俺の括約筋の方が強いからな、尻に腕突っ込んだりすると最悪折れる」
「……今までいろんな人とヤってきたけど、そんなこと言われたのは初めて」
俺も言ったの初めてだよ。
でも事実なんだよね悲しいことに。
「仕方ない、ハルフィーの媚薬に頼るかぁ」
「正直俺はそっちの方が楽しみだった」
「中々酷いねーお兄さん。……それじゃ、ん」
ん、と。
何故かエルシータの方が媚薬を呷る。俺に飲ませるんじゃないのかソレ。
──精神耐性が何かをレジストする。
「ほぉ……呪詛スキル:魅了を再現するポーション? こりゃまた、ハルフィーさん……やり過ぎじゃないか?」
「ありゃ効いてない? ……もおおお! じゃあどうしたら勃つの!」
奥の手だったのだろう、媚薬が効かないことを悟った瞬間、エルシータは引き延ばされた生皮の上でジタバタと暴れ始めた。
あー。精神耐性はパッシブなんだよなぁ。すまんが切れんなぁ。
「諦めろ、もう」
「いや待って! 最終手段を使わせて!!」
「……何かに依る」
「ウチの事業の製品! 俗称エロ魔物!!」
衝撃走る。
エロ、魔物……だと。
なんだそれは。いや既に俺の眼には魔物はエロく見えているとはいえ、じゃあ実際にエロくしたら何になるんだ。
興味が! 興味があるぞ流石に!!
「ちょっと持ってくるから待ってて!」
そのまま裸で駆けて行くエルシータ。部屋の外から「お嬢様!? また裸で、裸で走り回るのをおやめください!」という声が響く。いつものことなんだ。
しかし、ハーフリングの特性出過ぎだろ。ハルフィーさんはあんなに落ち着いてんのに。ホントに姉か? 妹の方がまだ信じられるぞ?
「持ってきた!」
「おお。……お?」
全速力で来たのだろう、肩で息をするエルシータの手にあるのは、小さな植木鉢。その上にちょこんと座る小さな少女。
……ということは、成程確かにこれは魔物なのだろう。多分。
「一応説明求む」
「これはウチで開発した新魔物で、その名も触手ちゃん!」
「ほう」
「この子の生殖機能は主に女性の子宮、男性の直腸を対象にするんだけど、このウネウネした蔦の部分で対象がもっとも体液を分泌する部分を勝手に探して出して、そこを刺激しながらの繁殖行為をするの。ただ繁殖用の子種は抜いてあるから、実質ただ身体のナカの気持ちいい部分を刺激するだけの魔物になっているのである!!」
「ほうほう。じゃあまずは実演してくれ、エルシータ」
「えっ」
このウネウネした部分、って言われても俺の目には何も映らない。
ただこのゲームに触手が実装された、というだけで俺の心は有頂天に近い。ロリを性的対象として見ることはできないが、触手に絡めとられてイかされているのならロリだろうがなんだろうが関係なくエロく見える。
世の中の男子は大体そんなもんだ。主語はデカくして生きて行こうと思う。
「えっ……と。わ、わかった。じゃあ見せるよ!」
「おう」
エルシータが生皮の上にぺたりと座り、股を開き、その正面に植木鉢を置く。
「あ……き、来た」
「……」
少女はこちらをじっと見続けている。その奥でなんかエルシータがよがってる。
「流石、奥まで届くの……速い! ふぅ、ぁ、し、子宮こじ開けられ」
「……」
「ふひゃぁっ! そこ、そこ! 内壁のその、ああ、子宮もだけど、やっぱりそこ好き!!」
「……」
じぃっと。
植木鉢に座る少女は、俺を見続ける。
「アッハァ!」
大きく仰け反って昇天……じゃない、絶頂するエルシータ。そのまま失神した。
「……あの」
「ん。なんだ」
「あ、やっぱり見えてますよね私のこと。声も聞こえてるみたいで」
「ああ、俺はちょい特殊でな。魔物の言葉が分かる」
「それは良かったです。……その、助けてもらえたりしませんか」
「何か酷い扱いを受けているのか?」
「いえ……お水も食事も美味しいのですけど、その……空撃ちの痛みって、人間さんにも伝わります、よね?」
ああ。
あー。
「私はその、もう、生まれた時から種を作れないような体にされてて。ただ良いお水と良いお食事は貰えるんですけど、本能的にこうやって繁殖をしてしまう時に、空撃ちだと……痛いし、虚しいしで、萎えが勝るといいますか」
あー。
いやもう「あー」としか言いようが。
「助けるのは無理だが、空撃ちがつらい、というのを伝えることはできる。少しでも射精感……というとちょっとおかしいかもしれんが、ナニカを出している感覚があれば痛みは消えるだろう?」
「そんなことお願いできるんですか? ……えっとじゃあ、お願いします」
「他に、今の境遇に不満は?」
「あ、その、今私という種の株分けの最中で、私が希少だということも重々承知なんですけど、できれば一日一時間ほどは日光を浴びたいな、って。ずっと地下に安置されていると気が滅入るといいますか……」
「確かに。植物だもんな」
「はい。……もう一個いいですか?」
「いいぞ」
「あの……もう、そういう道具として使われることには慣れました。存在理由がそれみたいなところありますし。けどその、夜中こっそり私の前に来て婚活の愚痴を話していくの、面倒だし眠れないしでうるさいのでやめてもらえないかなって……」
「世知辛いな」
「まぁ、魔物ですから……世界の奴隷か、魔素源王の奴隷か、人間の奴隷か。どれもあまり変わりないですし、定期的なご飯にありつけるだけ恵まれているといいますか」
「マジで世知辛いなぁ」
「あぁあと、この人なんか私が枯れた時はサンプルとして乾燥させて保存するとか言ってるんですけど、そんなことされたら絶対ゴーストになって出ちゃうので、燃やしてほしいなぁ、って」
「魔物の供養方法は知ってるよ。大丈夫、それも伝えておく」
「すみません、何から何まで……。えと、どうしますか? 私の触腕使いますか?」
「ああいや、流石にこんなに世知辛い話聞いた後だと気分が乗らん」
「ですよね……ごめんなさい」
ミラージュオウルの時に思ったことではあるけれど。
なんだろう、全ての魔物が人間を見下しているってわけじゃないし、こうして話の通じる魔物もいるし。
そういえばドゥームス殺したところで魔族はいなくなっても魔物はいなくなってなかったから、魔化してなければ共存できる種族なのかもしれないなぁ、とか。
ただフレイムドラゴンフロストドラゴンのようにはじめっから敵対してて人間を餌にしか思ってないのもいるから、まぁ種族次第なんだろうけど。
ちょっと、何か光明のようなものが見えた瞬間だった。
ハルフィーポーションに帰還。
俺の帰りに気付いたハルフィーさんは、作業を中断して俺の方へ速足で来る。
「大丈夫だった?」
「その聞き方はなんか姉を信用しなさすぎだけど、特にこれといったことはされていない」
「……姉はやっぱり貰えない?」
「というか、自分で持ってきた自社製品とやらでオナって気絶してしまってな。起きた時には結構時間が経ってたから、植物魔物の改良点だけ伝えて帰って来た」
「あの馬鹿姉、折角最高級媚薬まで売ってやったのに……!」
ああやっぱ普通の媚薬ポーションは普通にあるのね。
呪詛スキル:魅了と同じ効果を発揮するポーションが普通に買える値段であったらヤバすぎるからな。
「ハルフィーさんはエルシータの事業内容とか知ってるのか?」
「ああ、エロ魔物とかいうくだらない奴でしょ? 独り身救済用の魔物を作る! とか言って息巻いてて、毎回毎回私の所で植物の育成促進ポーションを買ってさ。妹としては早く誰かとくっついてほしいんだけどね」
くだらない。
まぁ、くだらないかぁ。……普通の触手がロリ襲ってるところなら見たかったけど、触手まで美少女に変わっちゃうのは聞いてないよアダルトMOD君……。しかもなんにも見えなかったし。
これで触手だけがっつり見えてたら「最高の研究だ!」って言って出資までしたくらいなのになぁ。
「……ま、そのくだらない無害魔物を買う層がごまんといるから、姉はあれだけ儲けてるんだけどね」
「あー、まー、なー」
いるだろうなぁ、としか。
そりゃいるだろうなぁ、としか。
「ああそうだ、結局ヤらなかったっていうんならね、今供養祭で娼館がセールしてるはずだから、行ってきたら? 姉の独りよがりのテクなんかより上等なモンを受けられるよ」
「いやぁ、今の街中に行くのはちょっと。そんなことより俺はここで在庫整理してた方が気楽だよ」
「ホント、ヴェルグさんは変わってるねえ。そんなこと言われたらまるで私に気があるように聞こえちゃうから気を付けなよ?」
「前にも言ったけど、ハルフィーさんならいいよ俺は。大人だし、綺麗だし」
「はいはい。んじゃ私はまた調合してくるから。棚と倉庫の整理の続き、お願いね」
「はいよ」
エロ魔物。
可能性の塊ではあると思うんだけど……惜しい。本当に惜しい。
もしもうちょっとマトモなのができたらメアリーあたりにぶつけたい。行動制限した上で。シーファでも可。
……いや、触手が触手として見えるなら、全員アリだな。ケルもリアもからめとられている姿は普通に見たい。ツバナは引き千切りそうだから触手が可哀想だけど。
ふむ。
触手……デフォルトで、なら。
「次は海、か?」
触手そのものは俺の目には見えないとしても、ヤられてる奴隷たちのあられもない姿は見られるんじゃないか説。俺はアウラニに期待している。
「海行くのかい? なら水中行動ポーションを持っていくと良いよ。遊びの幅が広がる」
「ありがとうハルフィーさん。だがまぁ、とりあえずは供養祭だ。ここを乗り切らなきゃ話にならん。そうだろ?」
「勿論だよ。いいかいヴェルグさん、アンタが今思ってる数千倍の人数が来るからね、捌きは任せるよ」
「任された」
野球とかサッカーの試合の受付スタッフとかバイトでやったことあるからな。
どんと来いだ。
──なおこれは、魔物素材着たお客さんばっかりなのを忘れていた頃の俺の心持ちである。