※この作品はR-18です。

アダルトMOD入ってるせいで超やりにきぃ   作:姫鼠まりあ

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新たなる奴隷(G度無し)

 剣を振る。魔法を使う。バックステップ等々体を動かす。

 別にこのゲームVRでもなんでもなかったから、この辺の細かい動作どうなってんだろうな、とか思ってたところの解消を終えた。やはりマイホームとなると人目を気にせずにできるから良い。

 ついでにいうとゲームにおけるホームポイントシステムも生き残っていたので、最悪の場合ここに転移できるはず。加えて倉庫も設置してハウジングも完璧になった。いつまでもボロ屋じゃまぁな。

 

 ハルフィーさん……ポーション屋の姉ちゃんにも居を構えたことを連絡して、本格的に帝国人生活一日目を開始しよう、としたところで、重大な問題に直面した。

 

「……この雑草、魔物マジ?」

 

 家周辺に生えていた根の強い雑草。初めは炎魔法で燃やそうとしたんだけど、なんかイヤーな予感がして引き抜いてみれば、そこには頭から腰までが緑で、足は根っこになった全裸少女の姿が。

 確認のために他のも抜いてみたら全部がそう。いくつかは抜いた瞬間精神攻撃してきたけど精神耐性カンストしてるから効かなかった。うるさかったので埋め直した。

 

 厳しい。

 ヒトガタだとわかった瞬間に燃やせなくなった。除草剤……も、想像力が働いてしまって色々エグい。

 

 鑑定スキルで見てみると、それが魔薬と呼ばれる……なんだろうな、ただ体力を回復させるとか状態異常を治す、とかだけじゃなくて、攻撃力上がったり防御力上がったりする特殊ポーションの材料であることが判明。

 これをハルフィーさんに全部譲渡する、というのは全く問題ないんだけど、流石に生きたままの魔物を一般人である彼女の元に届けることはできない。

 

 ……仕方がない。

 

 

 

「はい、プラント系を含む魔物の雑草抜き依頼ですね。報酬額はどうされますか?」

「銀貨五枚でどうだろうか」

「……少し高すぎですね。高くても銀貨二枚が相場かと」

「わかった、それで頼む」

「了解です。依頼料は前払いになりますが、一週間以内に受領者がいなかった場合、その九割は依頼主であるあなたに返金される仕組みとなっていますが大丈夫ですか?」

「問題ない」

「はい。ご利用ありがとうございました」

 

 ギルド最高位の白銀章持ちが何してんだ、というツッコミはごもっともなんだけど、無理なものは無理。なので他力本願寺だ。E~Dランクの雑草抜き依頼としてギルドに依頼を出し、あれら雑草が普通に見えている冒険者にやってもらう。

 ああそうそう、このアダルトMOD、どうにも適用されているのは俺だけというか、他の人間は全裸少女たちにあまりにも無頓着なのでちょっと調べてみたのだ。

 結果、考えられるのは二通り。

 一、俺以外には普通に見えている。

 二、俺以外にもアダルトMOD仕様に見えているけれど価値観が全く違うので気にされない。

 

 一が妥当だろうな、とは思っているけれど、他人の価値観にまで踏み入ったことが無いのでまぁ答えは保留だろう。いつか全部を打ち明けられるような最高の仲間に出会えたら相談してみることにする。

 

 さて、ギルドへの依頼を終えて──その後の予定は立てていない。元から予定をしっかり組む人間ではないので、どっかぶらつきに行こうか……とか考えて踏みとどまる。

 市場はダメだ。エグい。ギルドもダメだ。エグい。

 ポーション屋を始めとして、店も大体ダメだ。武器防具も魔物の素材を使っていることが多いので、それはもうそれはもうになっている。

 

 癒し。

 癒しが欲しいザマス。

 

「……待てよ?」

 

 逆に、なんじゃね?

 

 

 

 そう思ってやってきました奴隷市場。

 下卑た笑みの奴隷商人とテント、その奥には檻。

 そこには当然首輪のつけられた衣服の無い奴隷が数多くいる──が、最低限の扱いは受けている。そう、魔物みたいにエググロになっていないのである!

 

 アダルトMODを入れるくらいだ。俺は普通にエロが好きである。激痛系が無理なだけで、可哀想は可愛いもイケる派だ。

 だからこうやって奴隷の女の子たちを眺めているだけでも満足できる。

 

 いやしかし、こうして考えると奴隷商人ってすごいな。足切ったり腹搔っ捌いたりしねーもんな。ちょっと市場の良い匂いのする屋台に近づいてみろよ。まんま美少女の丸焼きとかあるぞやべーだろ。

 

「おやおや、身なりの良いお兄さん。奴隷がご入用で?」

「ん? ……まぁ、そうだな。メイド……までは求めないが、家事の出来る奴を探している。見た目や欠損はあまり気にしない。何か見繕えるか?」

「へい! それなら幾人か心当たりがあるんで、連れて参りやすね!」

 

 こういう接客は苦手なんだけど、そういえばマイホームを持ったのだからハウスキーパーは必要な気がした。普通に人雇うのもいいんだけど、単純に奴隷の方が安くて使い勝手がいいんだよな。従順で裏切るとか言う思考が脳内に無いから。従属の呪いも初めから付いてるし。

 言っちゃなんだが俺は超金持ちで超優良物件だ。白銀章持ちで且つ欲しいもの無いから。

 そんなのがメイド募集してみろよ。わんさかだぜ絶対。ハニトラが。

 

 そういう点と、あと……俺ができない魔物の対処をやってくれる奴が欲しい。俺も料理できなくはないんだけど、流石にずっとベジタボーはキツい。肉は食べたい。今んとこ知ってる肉全部魔物だからキツいんだけど、原形分からないくらいに調理されて、その材料を知らされなければ食える。はず。

 サイコロステーキ的な。

 

「お待たせいたしやした! んじゃ早速説明を」

「いや、いい。自分で見ればわかる」

「おお、そうですかい。んじゃ決まったらお声がけを」

 

 屈服の呪い、従属の呪い、あと眷属の呪いがかかっているNPCはID的にはアイテム扱いになる。だから鑑定が効くようになる。アダルトMOD君が鑑定スキルに経験回数だの処女であるだのいつ捨てたとかまで記載してくるのが邪魔いけど、まぁまぁ見ないように努めればいい話。

 

 連れられて来たのは三人。全員人間……じゃねーな。一人魔族がいる。

 ……魔族なら従属の呪いレジストできるはずだから、コイツ適当な主人に買われてその主人ぶち殺して、みたいなことやろうとしてんな。論外。

 んじゃ残りの二人。十二歳くらいの少女と、ニ十歳前半くらいの女性。

 

「……エグ」

 

 やべー称号見えたけど。

 まず少女の方。こっちは生粋のアサシンって奴だ。生まれた時から暗殺者として育てられ、けれど組織に捨てられて奴隷化。潜入目的のために家事スキル全般いけるし戦闘もいける。ステータスで見るなら圧倒的にこっち。

 だが女性の方。家事スキルは当然として、ステータスは平凡。ただ称号が「亡国の哀姫」。

 

 亡国、という言葉が指すのはつまり崩壊した国のことなんだけど、ことこのゲームに至っては少し違う。

 帝国から南西に行ったところにめっちゃ雷降ってる山があって、そのさらに先に亡霊の国アンダーテイカーってとこがある。その名の通り死霊系魔物の温床だからぜったいに行きたくない場所なんだけど、ゲーム開始以前に滅んだってだけで、少し前までは普通の国だったそうだ。

 故に亡国の、ってついてる称号、武器の類はそこ産で、よーするにこの女性はマジの姫だろう。なんで姫が家事できるのかはさておいて、どちらを買うべきか。

 

 よし。

 

「店主。こいつ以外……この二人、どっちも買う。いくらだ?」

「おお、太っ腹で! あー、お値段の交渉は受け付けていやすぜ? その二人、家事以外は特別優れたところもない奴隷でさぁ、見た目も……まぁ、お世辞にも良いとは言えねえし」

 

 そうか? 

 普通に美少女と美女だけど。……ってああ、アダルトMODか。あ、これで仮説一が立証されたな。

 

「いや、構わん。金には困っていない。定価で買おう」

「こりゃまた失礼を! それじゃ、チビが金貨20枚、こっちが30枚になりやす」

「ああ」

 

 別に計算する機会がないので言わなくても良いことだとは思うけど、金貨一枚十万円くらいね。だから二百万と三百万と。あー、人身売買の相場知らんからアレだけど、安いんじゃね?

 その場で金貨50枚を渡し、店主から二人の従属の呪いを受け継ぐ。

 最初に見た印象より下卑た感じのない……何つーか、普通の商人だったな。もし次があったらまたここを使おう。

 

 奴隷もちゃんと洗浄してあるようだし好印象。臭いってかなり悪印象与えるからなー。

 

「ケルとリア……だな」

「……」

「はい。買っていただき、ありがとうございます」

 

 リアの方はもう少し長い名前だったけど、多分言ったら姫だってバレるので言わないでおく。

 アサシン娘の方は反応なしか。もうどうでもいいと思ってんのかな。それか命令ないと動けない系か。

 

 しっかしゲームのストーリーにこの二人出てきてないから、どういう性格かわからんのがな。

 ……いやそれ普通では? そういうもんだろ、人間関係って。

 

 とりあえず首輪をつけた全裸状態で奴隷市場を抜ける。ここで服着せると逆に浮くんだよね。TPOって奴ヨ。

 

 そんな感じで出てきて、いい具合にひと気が無くなって来たあたりで──インベから適当な女性用の服を二人に着せる。自分の奴隷だからな。着せ替えは自由自在だ。

 

「……?」

「これは……」

「なんだ、好ましい色じゃなかったか? 文句があるなら先に言え。いくらでも替えはある」

「いえ、その……私達は奴隷で」

「奴隷市場を出たんだ。市街地でお前らみたいなのを引き回してみろ。俺の印象が悪くなるだろうが」

 

 これはマジな話。

 奴隷市場周辺以外で全裸の奴隷を引き回してる奴はいない。首輪引っ張ってるのはたまにいるけど、それでもたまにレベルだ。

 アダルトMODが入っていても、そういうトキトバ関係はしっかり誹りを受けるのである。

 

「……」

「あ、ありがとうございます、ご主人様」

「お前らに求めるのは家事と炊事だけだ。食材の買い出し含めて一任する。従属の呪いがあるからそうそうには無理だとは思うが、逃げようだの裏切ろうだのとは考えないでくれると助かる。出来ることならお前達を斬りたくない」

 

 言いながら見せるのは白銀章。

 それだけでケルもリアも生唾をゴクリと飲み込んだ。

 

 威圧感パねぇわ白銀章。

 

 さて、二人の呪いがしっかり発動していることも鑑定スキルで確認したので──ホームポイントに帰還する。

 

 一瞬の光。

 直後、そこは俺の家になっていた。

 

「……転移魔法?」

「さ、流石は白銀章持ち……」

 

 エ。

 ホームポイント帰還ですらロストテクノロジーなの? ……あぶねー、今まで人前でやって来なくて良かったー!

 

 って、あ。

 

「む? 今の光は……まさか転移魔法か?」

「あー。そうか、アンタにも屈服かけてるから、同パーティ扱いになるのか。面倒くさいな」

 

 皇妃巻き込んだわ。

 うんまぁ平日の昼間だからちゃんとした服装でいてくれてよかったよ。これでラムナザール四世とのおせっせ中とかだったらエグかったし。

 

「お主が呼んだのか? ヴェルグ」

「巻き込み事故だ。呼んだわけじゃない。……が、まぁ丁度いいだろう。定住する予定はあまりなかったんだがな、この国が気に入った。だからもう少し長い間ここに住まうつもりだ。で、そのための家がここで、さっき買って来た労働力がこの二人。仮にこの二人がラムナザール四世に不敬を働いたとして、その場で斬り伏せようものなら俺が飛んでくるから、そういう認知をしといてくれ」

「それは中々の爆弾じゃのぅ」

 

 皇妃様ことミミカは全く動揺していない様子だけど、奴隷二人はバリバリ警戒してる。これ多分皇妃様の正体もわかってるから余計警戒してるな。

 

「紹介が遅れたな。ケルとリアだ。公務が嫌になった時にでも遊びに来て、相手してやってくれ」

「お主……皇妃を何だと思っておる。じゃが逃亡先があるのは大歓迎じゃ。コホン。改めて、私はこの国の皇妃ミミカ。この者に屈服の呪いをかけられた悲劇の姫じゃよ」

「……ケル」

「り、リア、ですわ。……あっ、申し訳ありません! 頭も下げずに……」

「構わん構わん。ここでは同じ呪われ仲間同士。……じゃが、そろそろ帰らねば。流石に私が突然消えたとあらば、城が騒がしくなってしまう」

「ああ、それについてはすまなかった。未だ魔女を倒せていないのなら武具くらいは融通をするとラムナザール四世に伝えておいてくれ」

「む? 転移魔法でパパっと返してはくれんのか?」

 

 ……どうするか。

 ホームポイント帰還と転移魔法は全く別のスキルだ。ホームポイント帰還に至ってはスキルでも何でもない。バグで地形に嵌った時とかに使う奴だし。

 が、こちらの不手際は不手際か。

 

「今現在絶対に人がいないと言い切れる場所はあるか?」

「無いのぅ。私を探して城中を兵士が走り回っておるじゃろうし」

「なら転移魔法でパパっと、は危険すぎる。俺が連れて行く。……ケル、リア。ある程度の金を渡しておくから、これから二人で買い出しに行ってこい。ああ、計算はできるか?」

「は、はい! できますわ!」

「できる」

「オーケーだ。もう何日も肉を食っていないからな、がっつり肉を食いたい。だがあんまり血生臭いのはダメだ。できれば元の食材の形がわからないような料理が良い。思いつくか?」

「だ、大丈夫だと思いますわ」

 

 良さそうだな。

 じゃあ奴隷二人に金貨袋を分配して……五枚とかでいいか?

 

「……いきなり腰に袋が付いた」

「転移魔法、乱用し過ぎでは……」

「すまんな、いつも一人だから、その癖が抜けん。できるだけ驚かせないよう善処する」

 

 アイテム分配もロストテクノロジーかー。

 これ手渡し以外は全部ヤバいっぽいな。

 

「私は放置か?」

「まぁ待て。鍵は自動で閉まる。お前たちがドアに近づけば自動で開く。悪意ある誰かに無理矢理連れて来させられた、とかの場合は開かん。その場合は脳内で強く俺を念じろ。助けてやる。そういえば自己紹介してなかったか。俺はヴェルグだ。じゃ」

 

 言いたいことを言い切って、皇妃様を抱える。

 姫抱きという奴だ。たとえ皇妃様が本来もうそういうことをされる年齢でないとしても、他の担ぎ方を知らんからな。俵抱きは流石にナッシングだろう。

 

「情熱的じゃのぅ」

「喋ってると舌噛むぞ」

 

 三周目ステータスを遺憾なく発揮し、ぽーんと飛ぶ。

 屋根へ。そして屋根から屋根へ。まだ地図覚えてないから地上ルートは無しだ。

 

「おお! おお! 中々に楽しいぞ!」

「今回はこっちの不手際だからこんなことをしているが、もうやるつもりはない。やってほしかったらラムナザール四世に言え」

「おー……言ってやってくれるかのぅ」

「知らん」

 

 案外やってくれそうだけど。

 

 そんな感じで城へ直線ルートをぶっちぎって、一瞬で到着した。

 門番の目の前に。

 

「──皇妃様!? いったい今までどちらへ……いや、それよりも貴様何者だ! 皇妃様を離せ!」

「ってなるよな。流石に失敗した」

「当然の帰結じゃのう」

 

 どっか適当な窓とかから入るべきだった。

 

 まぁ言われた通り皇妃様を降ろして。

 あー。

 この悪戯っぽい顔、庇ってくれる気とかサラッサラない感じね。OK、それならこっちにも考えがある。

 

「伏せ」

「ちょぉ!?」

 

 まるで犬のように伏せる姿勢となる皇妃様。

 フフーフ、屈服の呪いは生きているんだ。制限全解除してるとはいえ主人の命令は絶対だぞ。

 

「こ……皇妃様?」

「選ばせてやる。普通に庇うか、ここで辱めを受けるか」

「今回の件は全面的にそっちが悪いとお主が言ったんじゃろうが!」

「勘違いを一つ訂正しておこう。──俺は案外言葉に責任を持たない」

「最悪じゃな貴様!?」

 

 犬みたいに伏せて、それでも怒りをぶつけてくるばかりで俺の弁解をしようとしない皇妃様。

 ほほう。まぁ他人からどう見えてるかは知らないが、俺からは薄着美女に見えているので、あーんなことやこーんなことを衆人環視のもとやらせちゃ──。

 

 命剣でその斬撃を受け止める。

 お、ちょっと重くなってる。まだ成長するのかこの爺さん。

 

「戯れはそこまでにしていただこう、ヴェルグ殿。此度は兵が礼を欠いた。だが先に手を出してきたのはそちらだ。これ以上をするというのなら、余は余の全力を以て歯向かう!」

「いや結構だ。それより左腕、骨折しているだろう。魔女はそんなに強かったか?」

「……見抜かれたか。いや、魔女めはすぐに倒し得たのだがな、八つ当たりで魔女の棲み処周辺を破壊しまくっている時にアダマンチウムの鉱脈に思いっきり腕をぶつけてしまって」

「あー。なんだ、戦闘で折れたんならエリクシールの一本でもやろうかと思ったけど、そんなアホな理由ならどうでもいい。ラムナザール四世、此度は騒ぎを起こして済まなかった。が、そうだな。俺も模擬戦闘なら付き合ってやれる。さらに上を目指す気があるというのなら、今度一手試合うというのはどうだろうか」

「それを詫びとするか! はっはっは、気に入った、それで成立だ!」

 

 オーケー、マジで今回全部俺が悪いからこういう形で収まってくれて感謝だ。

 皇妃様への命令も解く。めっちゃ睨まれた。けどアダルトMODでジト目がとってもかわいい仕様になってるからめっちゃ可愛い。

 

「日時は後程、そうだな、スイあたりを通して連絡してくれ。そっちも多忙だろうし」

「あいわかった。──とはいえ、あまり余裕面で終わられても困る。覚悟はされたし、だ」

「楽しみにしている」

 

 ふ――三周目ステータス+ラスボス裏ボスコンプ済みの俺にそうそう一泡吹かせられると思うなよ。

 まぁ数日前まではマジでただの素人中年だったから戦術のセの字も知らないあたりがそれなりに危ないんだけど、ま大丈夫だろガハハ。

 

 ……これはマジのお願いなんだけど、刀身が全裸の女の子、みたいな魔剣とかだけはやめてくれよ?

 

 

 

 

 

 帝国の地図を覚えるためにマッピングがてら屋根の上を飛び跳ねていたら、結構な時間が経っていた。

 ので帰宅してみたら、おやおやまぁまぁ。

 

 とても良い匂いが。

 

「今戻った」

「あ、お帰りなさいませ、ご主人様」

「……ヴェルグで良い。その呼び方は好かん」

「わかりましたわ」

 

 意外にも今調理を行っているのはケルの方らしい。

 さて──良い匂いがするから、と調理風景を見に行くのは自殺行為だ。絶対足とか手とか、色々グロいもん煮込んであるに決まってる。

 

 よってここは。

 

「リア」

「は──はい」

「少し、話がしたい。俺の部屋に来てくれ」

「……!」

 

 多分「ついに夜伽の時間が来てしまいましたのね」とか思っているんだろうリアには悪いけど、少しばかり真面目な話をするつもりだ。

 

 それは。

 

「リア。──アンフェルミーナ・リアライズ姫。聞きたいことは一つだけだ。国を取り戻したいか?」

「──!」

 

 彼女の返事は。

 

 

 

 追記。

 ケルの料理は美味しかった。食材の形もわからないようにしてくれてあった。

 けど食材の名前を彼女が言ってしまって、偶然俺が知ってる魔物だったので、今度その魔物に会った時これを思い出すんだろうなぁ、とか。そんな締め。

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