※この作品はR-18です。

アダルトMOD入ってるせいで超やりにきぃ   作:姫鼠まりあ

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遺憾の叫び(G度無しR18ほんのり)

 結果から言えば、「取りこぼし無し」の契約は達成できた。

 バルクスが立ち上がることはなく、被害らしい被害といえば王国を四度ほど襲った地震によるものくらい。バルクスは完全に解体され、素材は全部俺のインベントリに入った。悪用の危険性を考えて、だそうだ。確かに。

 死にまくった一行はまぁまぁ疲弊していたけれど、鋼鉄の精神なのか、トラウマを負っている様子はなく。

 俺の転移で帰り道全部すっ飛ばしたあと、お疲れ様という形で一旦解散という次第になった。無論報酬や説明、そして契約違反のどーたらこーたらはカローライナ……オリランカ第二王女がやらねばならないことなので、明日にでもイグニスやラヴ・グラットルらに行われることだろう。

 

 んでまぁ、俺は。

 

「……バルクスの魔本。まさか手に入るとは。一応あるって噂はあったけど、流石に馬鹿だろ」

 

 宿を取ろうにも全部魔物素材だったので辟易して野宿。

 遮断結界を張って、バルクス討伐時のドロップ品を今読んでいる。

 

 実際、攻略wikiに噂として載ってはいた。検証が難しすぎるからコメント欄の「らしい」程度に収まっていた話だけど、やった奴は多分いたんだと思う。

 

 王国地下ダンジョンソロクリア、及びレイドボスバルクスソロ討伐時のみのドロップ品、バルクスの魔本。

 トラーヴァの魔本と同じく、レシピ……終末防衛機構B.A.R.C.U.Sの作り方が記載されている本である。

 

 いやぁ。

 ……手持ちの素材で作れるんだよね。どうすっかな。

 なんか魔本によれば、そんな巨大じゃないのも……つまり俺が見ていたマザーコンピューター程度の大きさのものも作れるらしいんだけど。

 

 でもこれアレでしょ? 俺好みの姿にしたって、意思を持った瞬間にアダルトMOD適用されてあの幼女になるんでしょ?

 スワンプマンを例えに出した手前、復活させたい気持ちは山々なんだけど……俺ロリに興味ないんだよなぁ。いや別に必ずしろもエロいことさせなきゃいけないってわけじゃないんだけど、人語を解せる魔物扱いで家に置くとしたら、こう……ね?

 シーファの全裸加減には流石に慣れて来たけど、ロリが全裸で、しかも俺のことマスターマスター言ってくるのは……周囲から見たら特に不思議ではないとはいえ、俺の倫理観的に色々さぁ。

 

 んー。

 

 作るか。他者の記憶をアイテムとして持ち歩いてるってのも、なんかヤだしな。重い重い。

 

「スミススキル:クラフト:バルクスの魔本」

 

 なんか手作業でも作れるっぽいんだけど、どうせ同じになるならと自動で作れるスキルを使う。

 魔本はこうやってスミススキルに読み込ませることで、自動で素材を消費して自動でクラフトしてくれるのだ。魔本自体は消費アイテムじゃないから、一度取得してしまえばあとは素材さえ持ってりゃいつでもどこでもそれを創れる。矢とか投擲用の武器とかは無くなったらその場で補充、ってのが普通だった。

 

 さて、組み上がっていくメカ娘。

 この時点ではマジでただのメカ娘だ。なんならまだ皮膚が生成されてないから、マジでメカメカしい。

 クラフトが素材をカチャコチャ組んで行くのを見ること十五分くらい。やっぱり複雑な機構なのだろう、普通スミススキルのクラフトは長くても五分くらいで終わるものなので、十五分はそれなりにエグい。

 

 メカ娘が出来上がり。

 その表面に、人工皮膚のようなものが張られ……おや、この時点ではまだ裸の少女。

 そこに武装だろうか、装飾がいくつか追加されて行く。おー、おー。え、いいじゃんいいじゃん。これがそのまま来るなら大歓迎なんだけど。

 

 メニューウィンドウが出る。「メモリーオーブを読み込みますか?」。はい。

 特に何も考えずに「はい」をおせば、インベントリから消費されて行くメモリーオーブ達。……こういう機能があるってことは、ゲームの時から出来たんだろうなぁ。んであれか? バルクスの魔本で素体作って、どっかにまだあるメモリーオーブを読み込ませれば、別のメカ娘が作れるとかそういう?

 飲まれて行く。

 白いオーブが、次々と。

 

 そして。

 

「……ああ。ダヨネ」

「起動……終末防衛機構B.A.R.C.U.S。識別コードVelgrを確認。おはようございます、マスター」

 

 デスヨネ。

 ……ロリになったよ。全裸ロリに。なんでだよ。今の今までそこそこタッパのあるメカ娘だっただろうがよ。なんならメカ娘の方がエロいまであるよ。メカバレ好きだよ俺。

 なんでロリにすんだよ……。

 

「メモリーオーブの照合を開始。……照合中」

「照合したくなかったらやめていいぞ。トラウマ入りだからな」

「……」

 

 読み込みは遅くないらしい。

 バルクスは──すとん、と膝をついて。

 

 涙を流す。

 

「……マスター。メモリーオーブの一部削除を許可してください」

「許可しない。忘れてもいいし蓋をしてもいいし見なかったことにしてもいいけど、削除だけはさせない。なんのために持って来たと思ってんだ」

「説明を求めます。なぜですか、マスター」

「お前が別人になるからだよ。だったら最初から組み上げないっつーの」

 

 死にたがりはコレだから困る。

 踏ん切りつくまで泣いときゃいいだろ。機能的に涙を流せないのだとしても、見えている限りのお前は泣いてんだからさ。

 

 何がつらかったとか、何に憤っているのかとか。

 知ってるけど知らんよ。お前が狂った原因も知ってるけど知らん。

 

 勝手に処理しろ。

 俺が勝手に連れて来たけど、勝手にやってろ。俺をマスターに選んだのはお前の生存本能だからな。恨むならそこを恨め。

 

 さーて、そろそろ帰りますかね。

 報酬は支払われた。仮面と、ラヴ・グラットルを間近で見るという報酬。実際実のあるダンジョン攻略だった。カラジェット君がいたから、というのは勿論あるんだろうけど、もう確実に彼女は三人目のフレースヴェルグだろうポテンシャルを見せてくれた。

 なんで女なのかは知らん。フレースヴェルグがいてヴェルグがいて、最後の一人がフレースじゃダメだったのかとか思わないでもない。けど知らん。世界の選択なんざ俺が理解できるわけもなし。

 

 未だ蹲ったままのバルクスを持ち上げる。おっも。三周目ステータスゴリ押しマンでこんだけ重く感じるって相当だな。ワォスタクライン相手とかでもコイツ投げるだけでそこそこのダメージ与えられそう。

 

 ……ん?

 ミニマップに青点が。ものっそい勢いで近づいてくる青点が。

 

 青、だよね。

 赤が突っ込んできてるわけじゃないよね。

 

「──た──」

「ふ──残念だったな。俺は察しの良いことで有名なんだ。どこの界隈かは知らんが」

「──の──」

「はいはい転移転移。じゃあな、俺そういうの受け付けてないから」

「も──!!」

 

 それは明らかに戦士スキル:突進だよね、って勢いで突っ込んでくるラヴ・グラットルを避けて、転移を敢行。ふ、バーグの変装を解いてなくて良かった。じゃあな三人目。お前は正当な道を辿って強くなれ。俺に弟子入りとかしたらファントムが泣いちゃうからな!

 

 これは完全に幻聴だけど、「わかってるよね君! ほんと! ありがとう!!」って全裸包帯の喜ぶ声が聞こえた。

 

 んじゃ──さいならさん、シアルル王国。

 色々あるだろうけど、後は頑張れ。

 

 

 

 

 アスガードにある大きめの民家。あるいは屋敷、と称されてもおかしくない程度には大きいそこで、メイドが一人……それはもう影を背負った背中で掃き掃除を行っていた。

 ずぅん。そんな擬音とギザギザでぐるぐるな真っ黒いエフェクトが目に見える程に落ち込んだメイド。

 時折自身の背から不可視な何かをズルリと出しては、その口となる部分をグバァと開いて、何かを確認するように覗き込み……また溜め息を吐く。

 

「……ご主人様。流石にメアリち可哀想だから、早く声かけてあげて」

「もうちょっと見てようぜ。俺アイツの落ち込んでるトコ好きなんだよ」

「ほんっとうサイテー。……バルクスち、でいいんだよね? ほんと、よくご主人様みたいなのを主人に定めようと思ったよね。この人人格破綻者だよ?」

「搭乗者としての機能に問題はありません」

「搭乗者……? 男が上の騎乗位が好きなの? へぇ、珍しい。それ気持ちいいの?」

「理解不能。言語データベースの更新を行う必要があります」

 

 丁度近くにいたシーファを抱き込んで、霧隠れを行いながらメアリーの様子を観察する。

 シーファ曰く、俺がいなくなってからのメアリーはそれはもう落ち込んでいたらしい。それはもう。本当に、だ。

 

 やってしまったと何度も嘆き、一時は自殺まで図ろうとしたとか。マスカルウィン以外の全員が全力で止めたから事なきを得たけれど、それくらい責任を感じていたらしい。ただ同時に自分たちの屈服、眷属の呪いが解けていないから、生きていることはわかっていた。

 つまり夢の世界から取り出せなくなったことを悔やんでいて……であればやはり、自身が死ねば出てくるのではないかと一縷の望みに賭けて。

 

 なんとか説得して、今は落ち着いている……らしいけど。

 

「意外だな。メアリーにとっちゃ俺は寄生先程度の扱いだと思ってたけど、そこまで責任感じてんのか」

「ご主人様って死ぬほど察し良い時と死ぬほど察し悪い時あるよね。……メアリちはさ、確かに私とかアウラニちとかと違って、一生における岐路、みたいなものに立ち合ってもらってないから……そう見えるのもわかるけど。でも、メアリちはこの家のことすっごく気に入ってくれてるよ?」

 

 いやそう。その通りで。

 なんというか、大イベント……ツバナなら鬼の国関連とか、供養の話とか。シーファとアウラニは種族関連、ケルとツゥは組織関連、マスカルウィンは……まぁアイツはまったくの別枠にしても。

 そういう「この家に拘る理由」みたいなのが、メアリーだけ薄い。アイツはただ俺の奴隷であるというだけだし、俺の視界について誰よりも理解している、というだけの関係値だ。

 だから俺を飲み込んじまった程度で、あるいは俺を殺してしまった、俺が死んでしまった程度でどうこうなるタチじゃないと思ってたんだけど。

 

「ご主人様はさー、私達がご主人様をどう思ってるか、って考えたことある?」

「あるよ。恩人だのなんだの、そう思ってんだろ」

「それがわかってて何にも分かってないのが意味わかんないんだけどさ。……メアリちがご主人様をどう思ってるか、ご主人様はなーんにもわかってないってことだけは今わかった」

 

 まぁ。 

 そうだな。見当違いなことを考えていたんだ、そう言われたらそうだ。

 知らん。俺はメアリーが俺に対し何を考えているのか、全く知らん。でもツゥが俺の事どう思ってるのかも知らないし、似たようなものでは?

 俺はまだツゥの事仲間だとも家族だとも思ってないぞ。ケルが一緒に居たいっていうから一緒にいさせてるだけだし。

 

 そういう、なんでもない居候、あるいは同居人、みたいな関係じゃダメなのか?

 

「マスター。……前方の生物は、マスターの仲間ですか?」

「ああ。お前にはあれが何に見える?」

「……超危険生物、です。宙から降り立ったものとは違いますが、人類の敵に近いモノであるかと。ただ宙から降り立ったものが隣にいる状況であるため、判断は難しいです」

「あ、宙から降り立ったものって魔族のことだったんだ。いぇーい超危険生物だよー」

 

 バルクスは一度悲しみのメモリーに蓋をすることにしたらしい。

 いずれ解凍して咀嚼するつもりはあるらしく、とりあえずは、という感じだ。

 

 召喚契約するかどうかは未定。召喚獣扱いにすれば死者蘇生できなくても召喚士スキルで蘇生ができるようになる。魔物扱いだからそれが一番なんだけど、召喚獣扱いにすると今度は何もしてなくても魔力食ってくるっていう問題が発生する。俺の総MPからしたら何にも問題ないんだけど、万一俺がまた消費MPALLとかやった場合に強制送還が発生して、これまた面倒なことになる。

 だからここも話し合い中って感じ。

 

「……なぁシーファ。お前ストレス溜まるとオナるよな」

「え、何急に。オナるけど」

「メアリーってオナるんだろうか」

「……どうなんだろ。メアリちのアレがオティヌティヌみたな感度持ってるのは知ってるけど、アレでズリズリするのかな」

「言語データベースを更新中……」

 

 男女の差はそこまで知らんけど、悲しいことがあったり落ち込んだりすると、そのストレスの発散のために自慰をする、って奴は多少なりとも存在する。

 

 しょうみ。

 俺にとってメアリーの感情がどうとか、あんまり興味ない。

 ただメアリーという生物への学術的興味は結構ある。

 

「呪詛スキル……は、使うと流石にバレるか。色情魔化が一番良いんだけどな。シーファ、なんかいいスキルないか? ポーションでもいい」

「媚薬ポーションならあるけど」

「……バルクス。ポーションを装填して噴霧装置で噴射、とかできるか?」

「少量の鉄素材を頂ければ、自己改造可能です」

 

 ナイスゥ!

 バルクスに鉄インゴットを渡せば、その小さな口にインゴットを放り込んで咀嚼し始めた。……これアダルトMOD通さないとどう見えてんの?

 

「わ、本当に機械なんだ……そんなところが開くんだ」

「はい。ここが一番改造炉に近いので、物質の摂取はここから行います」

 

 どこかなのかはっきり言えよ! わかんないだろ!

 

「……完成しました。媚薬ポーションを装填してください、マスター」

「装填って、どこに」

「今作ったスプレー・ボトルにです。……マスター?」

 

 まずい。

 えっと……どこだ。わからんぞ。俺には全裸の幼女にしか見えん。

 

「今日のご主人様本当に察し悪い感じ? というかどこ行ってたの?」

「王国で世界救ってた」

「ちなみに王国から世界を破滅させようとしていたのが私です」

「……つまり疲れてるんだ。うん。そういうことにしておこう。バルクスち、私がいれてもいい?」

「はい。問題ありません」

 

 こういう冗談を言えるくらいには「悲しいメモリー」に蓋をしているバルクス。

 中々言えないぞ。人類を愛していた機械が、こんな冗談。

 

 そしてシーファのありがたい助け舟。こいつもこいつでちょっとは何か察してそうではある。

 

 ──シーファは。

 自然な手つきで、媚薬ポーションをバルクスの肛門に挿入した。

 

 マジ?

 

「あ、ああ、そこだったのか。本気で見えてなかった」

「こんなわかりやすいのに? ……これでちゃんと入った? バルクスち」

「はい。装填完了。噴射します」

「神官スキル:『オール耐性』」

 

 光の鐘楼の『ひれ伏せ』と同じ、batコマンドの一つ。

 元のゲームに媚薬耐性とかないので、とりあえず全部の耐性をつける。

 

 これでよし。

 さてメアリー。──見せてくれ。お前のオナニーを。文字通り自分を慰めるその行為を。

 

 

 

 

 まず一つ。

 これは前々から述べられていることではあるが、メアリーに生殖機能は存在しない。彼女は分裂によって増える上位種族であり、その際に性感の類を必要としないため、彼女に備わっている膣に実用性など欠片も無い。

 だから媚薬ポーションが噴霧されたところで彼女には何の関係も無い──はずだった。

 

「……もし、このまま……戻って来なかったら」

 

 ぽつり。

 呟きが零れる。先程までは胸中で渦巻いていたソレは、やはりどうしようもなく脳裏を巡るもの。

 

 食べる気などサラサラなかった。ただ、夢の世界という自身のための領域で、さらにその最奥で──ちょっとした反省をしてくれたらそれでいいな、と。反省というか、なんというか、かんというか。

 本当に軽い気持ちだった。無論自身のソレは捕食にも使えることをメアリーは知っている。実際使っている。けれど、食べる食べないは分けられる。自身の身体をしっかりと操れる。

 

 そのはずだったのに。

 

「食べて、しまった……としたら」

 

 あるいは彼の防御力が消化を遅らせているのだとして。

 帰ってこない彼。二日、三日、四日と……経て行った頃合いに、突然呪詛スキルが解除されたら。

 

「出さないと……どうあっても、それだけは、私は」

 

 死ぬのはダメだと全員から言われた。否、ルウィンだけは冷ややかな目を向けてくるばかりだったけれど、他全員からは止められた。メアリーとて彼女らまでをも悲しませるのは本意ではない。

 だから他の手段を探す必要があった。

 もう何度も夢の世界には潜っている。けれど、探しても探してもいない。お気に入りの世界を一度消して、再構築してもいなかった。

 仮に一度、この肉の塊を崩して本体を出して……出したとしても、吐き出す、という行為はできない。機能が無い。彼女のソレは出すと言う機能を持たない。腹を掻っ捌けば出せるのやもしれないけれど、それは結局死ぬのと同じだ。

 

 できない。

 

 はらり、と。

 涙がこぼれた。泣くという機能。初めはつけていなかったそれをつけるようにしたのは、よく泣く彼女らを羨ましいと思ったから。

 感情の発露など簡単にコントロールできるメアリーにとって、暴走していると言っても過言ではないそれら感情は、あまりにも眩しく映ったから。

 

 だから、とりあえず反射的に涙を流せる機能をつけた。

 それが今、牙を剥いている。反旗を翻している。ただの機能であるはずの涙が、嗚咽が……彼女の頬を伝う。喉の奥に痛みを発す。

 

 大きく息を吸い込んで。

 

 メアリーは──不可視のそれを、ぺろりと舐めた。

 どうしてそうしたのかは彼女にもわからない。襲い来る不可思議な感覚。肉を固めて作った舌が、自身の触肢をざらざらと舐めさする感触は、不快か、快か、どちらにもとれぬ強烈な刺激を持っていた。

 舌を伸ばして、触肢の口に入れる。その内側をぞりぞりと穿つ。

 

「ん……ふ……ぅ」

 

 漏れ出でる呼気。

 透明ながらに巨大で、太く硬くなってきたソレ。まるで彼女が飲み込んでしまった主人を探すかのように、メアリーは舌どころか顔までをも触肢の口の中に突っ込んで行く。

 つややかな髪が口腔を撫でる。耳や鼻といった、メアリーに必要のない造形物がでこぼことその道を撫で穿つ。

 

「ふぅ……ぅううう。この、この……この!」

 

 段々と。

 少しずつ。

 声を荒げて……メアリーは触肢の口を広げて、押して、自身に来る刺激や快楽を甘んじて受け止めて、けれどどこか暴力的な「拡張」を行う。

 あるいはそこを、出口にできるようにと。

 

 この口がちゃんと言うことを聞いていれば、こうはならなかった。

 この口が出し入れ自由なら、こうはならなかった。

 この口が捕食なんてものをしなければ。この口が、この口が、この口が──。

 

 ストレスと性感は比例して上がっていく。発散などされない。溜まるばかりだ。

 大きく拡げて、感じて、殴って、感じて。

 顔はもう完全に入った。いいや、肩、腕……へそ。

 そこまで、今にも入ろうとしている。

 

 果たしてそうしたらどうなるのか。彼女の主人の読み通り、もう一つの触肢の口はへそにある。いいや、そもそも彼女の主人を飲み込んだのはこのへその方だ。どちらにせよ同じ場所に繋がっているけれど、悪いのはこっち。

 

 なら。

 こっちをそっちで飲み込んでしまおう。

 悪いものは食べてしまおう。

 

 そうしよう。

 

「オートファジーっつーかホヤか? いやエロいの期待したんだけど、そっち行くとは思ってなかった。帰ってこい馬鹿」

 

 声は。

 

 

 

 

 ずるりとメアリーの身体を透明なソレから抜き出す。

 ぬらぬらと体液が全身に付いた彼女は……涙目で。

 

「ご主人、様……?」

「おう」

「……本物、ですか。夢の世界……?」

「テーレッテレー。帰り道に見つけた魔物じゃない単純植物の多分エノコログサっぽいやつ~。ずぼっ」

「~~~ッ!??!?」

 

 シアルル王国に生えていた、魔物じゃないけど魔物なんじゃないかと疑う程に大きいエノコログサ。多分こっちの世界ではこっちの世界なりの名称があるんだろうソレを、今の今までメアリーの肉体を食んでいたオティヌティヌに突き刺す。

 フッサフサの、ファッサファサの毛が彼女の透明で巨大で硬くなりつつあった尿道を通り抜け──。

 

「や──やめてください、わかりました、わかりました! こういうことするのはご主人様で間違いないです!」

「でもやめない」

 

 押し込んだり抜いたり、押し込んだり抜いたり、押し込んで回転させたり回転させながら抜いたり。

 それはもう面白いくらいビクンビクン反応するメアリー。やっぱりオティヌティヌだろこれ。

 

「なんだっけ、怪異スキル:賢淵だっけ。アレワンチャンどびゅるって出したら射精に似た快感得られると思うんだけど、どう?」

「な、にっ……が……どう、なんです、か……!」

「え? いやだってお前、このオティヌティヌが射精す機能ないことを嘆いてたんだろ? 安心しなって、それくらいは言わなくてもわかるよ。こういう時の察しは良いんだ俺」

「怪異スキル! 蛇睨み!」

「残念だったな。さっき神官スキルで全耐性上げてんだよこっちは。効かん効かん」

 

 そして逆に、アサシンスキル:弛緩を声に出さずに使う。

 

「っ……もうわかりましたから、やめて……お願いします」

「ああ、この責めはやめる。おーいバルクス、そろそろ出来たか?」

「はい、マスター。ご要望通りの直径を持つブラシノズル。ブラシはできる限り柔らかい素材を用いました。回転速度は後から変更可能です」

「オゥケィ。んじゃシーファ、そっち持って」

「はーい。……メアリち、ごめんね。私も興味あるから!」

 

 透明であるソレ。

 メアリーのオティヌティヌが──バルクスの作ったオナホ、もとい洗車装置みたいなものに挿入される。

 

 最早絶望の表情をしているメアリー。さっきの落ち込みはどん底じゃなかったってことだ。だって今の方がエグい顔してるもん。

 

「あ、そうだ。コイツはバルクス。シアルル王国で出会ってな。今日からこの家の住人になる」

「初めまして、超危険生物さん。私は終末防衛機構B.A.R.C.U.Sです。気軽にバルクスとお呼びください」

「……あの、初めまして、メアリーと言います。よろしくお願いいたします。……その、で、そのですね。初めましてですし、あまり過激なことは、その」

「申し訳ありません、メアリーさん。私はマスターの道具ですので、マスターの命令には逆らえません。どうぞマスター、強度やON/OFFを外部から操作できるコントローラーです」

「待、」

「今俺自殺には敏感になってんだよね。ってことでGO!」

 

 ブラシが回転を始める。

 メアリーが声にならない声を上げる。

 

 ……しかし、オナホールか。

 これエルシータあたりに持って行けばいい感じの商品にしてくれそうだな。

 

 

 この後、めいっぱいメアリーで楽しんだ。

 

 

 

 

 その夜。

 バルクスは歓迎され、俺も……歓迎っつーか「あ、帰って来たんだ」くらいのインパクトだったけど、帰還を喜ばれ、夕食の時間となる。

 

 出てきた食事は。

 

「……メアリー? なんじゃこれは」

「独創的だな、異族の娘」

「食欲はあまり湧かない。明日は普通のにして」

「あら? 味は美味しいわ」

 

 ──そそり立つ剛直。

 その造形は……記憶違いでなければ、俺の。

 

「色々、抵抗感が、ありますね」

「アウラニちのはこのへんの抉れ方エグいからねー。ちょっと違モガ」

「シーファさん、余計なことは、言わないように」

 

 ……ケルに同意。

 食欲が。

 

「なんですか。元の魔物の形が分からなければいいんでしょう。元の魔物が何なのかはお伝えいたしませんし、元の魔物の形も残っていません。──何か文句が?」

 

 肉のパテ。

 で、作られた……オティヌティヌ。ご丁寧に先端からホワイトソースらしきものが飛び出ている。多分パテの内部に包んであるのだろう。

 

 エグい。

 

「燃料の残量に問題はありません。私は失礼します」

 

 うん。

 そう、なんだよな。メアリーって食事担当してるから、あんまり虐めすぎるとそうなるよな。

 

 うん。

 

「ほら、ご主人様。謝ろうよ。私も流石に毎日これは無理だって」

「ヴェルグが悪いの? なら早く謝って」

「ヴェルグ。お主も学ばんのう」

「あら、上手ね。ちゃんと精嚢の部分にコリコリした触感のものが入ってるわ。これ何かしら」

「いつものように先端から咥えてやろうか? 人間。何、味は美味だ。毎日これでも構わんぞ」

「ヴェルグさん、謝り、ましょう。……恥ずかしい、です」

 

 謝るのは別に良い。そこまでプライド高くないし俺。

 ただ……ここで屈するのはなんか違う気がする。ここは屈さずに耐えて、さらに酷い……もといエロいことをした方が効果的じゃないか?

 折角バルクスという機械姦のできる奴が来てくれたのだし、こう、もっと……ドエロいことを。

 

「ヴェルグ」

「ヴェルグ」

「ご主人様~」

「ヴェルグ、さん」

 

 非難囂囂である。

 いいや!

 いいや!

 屈さないね!!

 

 コレだってソーセージだと思えば別に食えるし!

 

「……ルウィンさん。あれ、子供の喧嘩よね」

「ふふ、子供のお前に言われてはオシマイだな、奴も」

 

 うるせー。

 元はと言えばメアリーが……いや、どっちが悪いとかは忘れたけど、まぁメアリーが悪い!

 俺悪く……なくはないかもだけど、ここで負けを認めて反省とかしたら、一生メアリーにエロいことできなくなるだろーが! エロいことするたびにこの食事になるってびくびくしてたら何もできなくなるだろーがよー!

 

 俺は負けねーからな!

 

「しかし、良いのか? 異族の女。"帰ってきたらお帰りなさいと言わなければ"……などと、しんみりと言っていたように記憶しているが」

「ルウィン様には後でまた尊厳破壊調教をします。覚悟しておいてください」

「ふふふ、図星だなぁこれは」

 

 尊厳破壊調教……?

 え、そっちの方が気になるんだけど。

 

 え、何? 何やってんのお前ら。

 

 え?

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