真・女神転生〜ジャッジメントデビルサマナー〜 作:葉隠小太郎
罪人の話をしよう。
彼女はとある学校で教師をしていた。
俺は彼女と出会い、一瞬で好きだと感じた。
彼女は担任であったし、クラス内で行う委員会にも所属していたから一緒に居ることが出来た。
何時しか彼女へ告白し、卒業までは絶対に純情な関係を保つことを考えながら、話そうとした時。
『私、学校を辞めるの』
呆然としてから続けて話が出た。
『良い人が居てね?その人の会社に勤めることにしたんだよね』
左手薬指に付けたエンゲージリングの光が目を焼いた気がする。
そんな素振りは見えなかった。
そんな筈はなかった。
俺は声を張り上げた。
『貴女が好きだ!!』
でも。
『ごめんね。貴方とはそうなれないの…』
打ち砕かれた。
粉々に、打ち捨てられる様に。
相手にも心がある以上、恨むのは甚だしい。
彼女の婚約者がどれほど自分よりも幸せに出来るのか陰ながら見守るしか無かった。
『ほほぉ…君は物凄くイイネ♪一丁…願いを叶えたいと思わないかい?』
その日までは。
「さてっ♪そろそろこの人の頭の中…覗いて見ましょうか?」
今から悪戯をする子供の如く、真耶のシャドウは笑みを浮かべ、人差し指の腹を舐める。
未だに魅了がかかっている宮本の滑稽な姿を見たならば、恐らく啞然とするだろう。
何がとまでは言えないが、確実に。
「一夏くぅ〜ん♡」
「はい」
そうとは露とも知らないシャドウがパレスの主である織斑一夏を呼び、ある物を手にする。
其れは形状的に、理科の実験等に使われる顕微鏡のような物。
プレパラートと呼ばれる強化ガラスに検査物を乗せ、カバーガラスで覆う事で、観察を行う器材である。
但し、その大きさは大人一人分の頭部を乗せられ、各部には固定用のベルトや器具が繋がっている。
「固定開始♡さてさて〜中にはどんな
宮本の腕などを台に固定。
足も専用のベルトで縛られ、頚椎及び頭部も金具で固定される。
観察用レンズがキリキリと音を立ててその都度調整が行い、鮮明な状態になるよう微細に動かしていく。
「ふふふっ…♡見えてきた♡」
ぼやけた視界がシャドウの目に映る。
カチカチとゆっくりピントを合わせていくと、人物像と思われるシルエットが浮かび上がる。
「ふぅ〜ん?女の子?」
映し出されたのはポニーテールの少女。
全体的に見たならば、10人の男の内8人が振り返る位に美人と評する立ち姿を持っている。
『女の子にだって心にチンポくらいあるわ…!!』
しかし、口元に咥えられた明らかに未成年が吸ってはならない
「…えっ?なに…?えっ?ええぇぇ…!?」
驚きが隠せない。
着ているドレスのような薄手のワンピースや一片たりとも隠そうともしない豊かな肢体、艷やかな髪質とその美貌は、誰がどう見たとしても下心無しには見ることは難しいだろう。
───一体何者?
本人同様、調べてみたいという欲求が滾らせてくる。
不倫報道を逐一探る噂好きのように自らが正しい事と見るように。
シャドウは覗く。
「〔宮本〕。君はいいオンナの条件というものを知っているかね?」
「……何を藪から棒に。唐突すぎる」
学校の屋上。
普段は危険防止のために鍵が掛けられているが、隣の女が何処かで合鍵を複製しているので全く意味が無い。
ただ、それにあやかっている自分も、女の行いを咎めるつもりは毛頭なく、ただ女の口に咥えられた紫煙を眺めていた。
「簡単な事だよ。タバコと屋上、そしてヒラヒラの服だわ」
「成る程。では風でチラチラと見えるゴシックワインレッドのショーツが見えるのも致し方無い」
「見るなバカ!?」
理不尽に殴られる。
指摘したように、女のスカートがたなびく度に見えてしまうのは身長的に致し方ない。
一端に性欲があるのかと思うが、あまり湧き立つものも少ない為に何とも言い難いが。
「デリカシーの無い男は嫌われるぞ!!もう少しムードとか考えろ!!」
「本当にすまない。だがハイソと合わせたならばナイスチョイスと言っておく」
「あ…ありがと…んがぁぁぁぁ…!!」
一応目に写ったファッション誌に載っている【男をイチコロにするハートショット下着集】にあった物にそっくりだったから、多分参考にしたのかも知れない。
頭を抱えて悶絶の声を鳴らす姿は何とも愉快な気持ちが出てくるものだ。
「………良し。本来なら金を徴収する所だ。しかし私とお前の仲だからな!見るくらいならプライスレスにしとこう!!」
「……ほう。では失敬」
「…ん?…ほわっ///!?」
スカートの端を指でつまみ、しゃがんでその中を見る。
今読んでいるポルノノベルには秘宮と表現する女性器を隠す為の下着。
其れを眺めてみる。
若干腰元のラインから下に位置し、ローライズと呼ばれるタイプで、黒の生地を基調とし、ワインレッドの糸で刺繍を施された芸術品と言える出来栄え。
黒のハイソックスと下着の間に見える太ももと鼠径部の肌色が良いコントラストを決めている。
「…amazing…」
「ちょっ…///!?わぁ…まっ…まてぇ…///」
んむ?少し湿り気が…。
膝が顔面に入った。
こればかりは痛い。
「馬鹿!!本当に馬鹿ぁ!!?」
「すまなかった。知りたい衝動に駆られて本当にすまない」
「謝って済むか!!」
「では代わりに俺のを見せる」
「いらんわっ…!!」
赤面とした顔も悪くない。
人生の1ページとしてこの光景を焼き付けておこう。
「……〔由岐〕」
「…何だ宮本」
後悔だけはしたくない。
だからいつも通り、伝える。
「やはり君が"好きだ"。〔水上由岐〕」
「……ふっ、物好きだなお前は…」
彼女はいつもニヒリズムに笑い。
「私もだよ。〔宮本真之介〕」
俺も精一杯の笑みを作った。
「…下手くそだな。まるでロボコップの敵ロボットみたいな顔してる」
「………むむ」
こればかりは心外だな。
「何これ?凄くラブコメしてるじゃない」
宮本の脳内に残っている記憶の一部、それにアクセスした際に見えたのはまだ未成長な部分が多く見られた少年期の姿であった。
同世代よりも背が低く、他と比べてもやや痩せぎすな少年は、隣りにいた少女と淡く青々しくもほのかな果実の芳香がする日常を過ごしていた。
「………もっと覗いてみよ」
所々強引さが見られる部分はあれど、其れを許される位には仲の良さを持っている。
思春期特有のモラトリアムが感じられる記憶はシャドウの精神に大きく
『はいっ、
「えっ?」
自分以外が居るはずのないこの場所で、誰かが耳元で囁いた。
「誰っ…!?出てきなさっ…ギャッ!?」
振り返り、問いただそうとした時、心臓を鷲掴みされたかのように突然左胸に痛みが生じ、その場にうずくまる。
「がぁ…かはっ…!?」
一体何が起こっているのか。
其れを把握する事が出来ず、ただ絞り上げられる感覚のみが身体中に走らせられた。
『此処から先は有料サービスなので、見たいのならある程度やって貰いたい事をして欲しいのよね?』
「だ…だ…れっ…?どう…して…」
『あー…それはねぇ〜』
目に見えぬ存在は言葉を選び、少し間延びした声で答える。
『
「……えっ…?」
『この認知世界も空間も私が創ってあげたのに
まるで少女の様な笑みを浮かべながら当たり前の事と述べる。
シャドウの顔が恐怖に歪む。
目に見えぬ存在は自分という
そして、その創造主はこの男に御執心であること。
カタカタと歯が鳴り、震えが大きくなる。
『そんなに怖がらないで?貴方を苛めるつもりは無いのよ?』
「…そ…それはっ…」
『今日は無かった事にしてあげるから♪大丈夫』
何が大丈夫なのかと疑問に思えてくる。
見えない筈なのに何故かそう伝わってくるボディーランゲージ表現に、寒気しか感じられない。
『それじゃあ〜!楽しいアポカリプスライフを〜♪』
そう言い放ち、スッと圧が消える。
忠告をしにきたらしい存在にただ身体が硬直するだけだった。
────恐ろしい。
一体何者かと問うことも、聞くことも出来ずに終わってしまった。
あれ程までに恐ろしい存在が居たのかと思うほどに。
「……気を…引き締めなきゃ…!」
幸いな事、それはまだシャドウには〔織斑一夏〕が居ること。
先程、宮本によって倒されかけたものの、其れを挽回する方法は存在する。
「…一夏君」
「ああ…」
名を呼べばすぐに現れる大事な■■■■である彼にシャドウは口を開く。
「………"私"を食べて」
「…ああ」
女が身を晒す。
男は其れに従い。
バリバリ、ボリボリ、ムシャムシャ、ゴックン。
女の身体を貪ったその身に大きく変化が起ころうと全ての関節からおどろおどろしい音を響かせ始めた。
正直に言って、懺悔室に入るのは初めてで、しかも聴く側に入るのも初めてです。
助言をすれば良いのか、ただ聴くに徹するべきなのかだいぶ悩ましいもの。
頭を捻り、考えた後にウリエルさんから何かを手渡された。
「マニュアルというものだ。参考にすると良い」
V(ブイ)なのかⅤ(ファイブ)なのか∨(?)なのか分からない表紙の文字が書かれた分厚い本に少々気圧されつつも、懺悔室の中に入ります。
中は小さな窓から光が入るのみの暗い空間で相手の姿は発した声を遮らない程度の鉄格子越しでしか見ることは叶わない。
他の教会の懺悔室とは違うのだろうか?
素朴な疑問を思いつつ、締め切るための戸を閉め、今此処で告発者と自分だけしか聴こえなくする。
────これで良いのかな?
中にある椅子に座り、先ず。
「……ラビアンさん?」
問い掛けてみる。
小さくカタンッと木の軋む音が鳴り、中に人が居ることを示す。
「………聞いて下さい、司祭様」
すると彼女の方から告白する。
聞くつもりでいたから好都合であるけれど流石に用意が遅れて少し慌ててしまったが其処ら辺はマニュアルを見て対応していく。
────とりあえず耳を傾ける…か。
ラビアンさんの言葉を遮らない様に此処は聞くに徹しておこう。
「…私は罪を犯しました。ある人を死に追いやり、私は今まで何の罰も与えられずに生きてきたのです…」
何時も聞き役をしているのか、テンプレートにテンプレートを重ねたような文言だと思う。
「ある人…とは?」
「………育ての親です」
死に追いやった。
その言葉にどの様な意味があるかまで1つずつ問いてみる。
「その人はとても素晴らしい方でした」
良い人なのだろうか?
「皆から慕われていて…柔和な笑みと優しさがあって…少し煤けた感じの叔父様…というイメージがあって…」
若干惚気てないでしょうか?
「余裕ぶっててもチラチラと私の胸を見てたりとかちょっとかわいいなぁ〜と思ったり…」
ちょっと殴りたくなりました。
いえ?どうせ動き鈍くなるくらいならぺったんこで良いんですよーだ!!
「………好きだった筈なのに…」
……から元気だったのが消えて無くなる。
本当に好きだったのだろう。
義父という立場が無ければ、もしくは。
「考えてみれば不思議でも無いでしょう。裏ではまともじゃない人なんて大勢居るのに、あの人だけは違うなんて…」
震える声で、彼女は吐露していく。
「もし突き落としたりしなければ。あの人を救えたのでは?ずっとそう思いました」
でももう其れは叶わない。
「…どうすれば良かったの?」
嘆きが聴こえてくる声を私はどう答えるか?
一つ息を吐き、今までの事を全部吐き出す事にした。
「…
「…進む?」
「ええ。其れ以外無いです」
キッパリと伝えなければならない。
「どうしようも無かった。過去は変えられない。大体そんな感じに言うべきでしょうけど…」
そう言って思い出す。
「…去年お父さんが亡くなったのでその喪失感は分かります。日々の鍛錬する度に「お父さん!」って声を掛けちゃいますし、料理もお父さんの分も作っちゃった時ありますし…」
「……そう…ですか…」
「頭では分かってます。故人はいないから故人なんだって…でも、切り替わらなかったです」
ラビアンさんにアドバイスなんて出来ない。
だからせめて、本音を伝えたい。
「もうお義父さんの呪縛から脱出しても良いと思います。死んでる人間が生きてる人間に呪いをかけるって、結局死に際だけですし、そんなの苦しみ損だと思います」
お父さんが言ったことを思い出す。
「どうせ想うなら楽しかった思い出を」って言ってくれた事を。
父〔鳴海〕は笑顔の不器用な人だったけれど、素晴らしい人だったと。
「…苦しみ損、ですか…」
この一言から一つ、ため息をこぼし、向こう側の扉が開かれる。
「…また、来ても良いですか?」
少し笑みが溢れたかの様に問われる。
其れに私は。
「ええ。だって…」
「友達ですから」
笑顔で答えた。
迷宮と化したパレスの中を1人、案内表示を見ながら顔を顰める者がいる。
『………分からなくなった』
主席連合所有の特殊部隊、裁定人によって離反者や違反者を殺害する目的の執行部隊の隊員である彼女は、ひらがなカタカナ漢字で構成された文字列に苦戦する。
『…ファック』
ひたすら目で追い、指でなぞって読もうとするも、そもそも読み方すら知らない故に諦めるしか無かった。
彼女はそのまま不貞腐れる様に、突き当りの部屋へと入り、近くの椅子へ座る。
『………』
万事休す。
その言葉が今の状況を言い表し、ため息が出た。
『……はぁ…』
これでは生き残った仲間と共に脱出するおろか、自分の命すら危うい状態。
半ば諦めを付けるかと考えた後に、其れを鼻で笑い飛ばす。
『…あのガキンチョが諦めてないならやるしかないな』
思い出すのはなけなしの装備から自分の手当と仲間の治療をしてからいなくなった友奈である。
色々と物申したい気持ちはあれど、今は飲み込んでおき、立ち上がる。
最後の最期まで足掻いて生き残り、この元凶に対して拳一発叩き込まねばと右手に力を込めて誓った。
『さて、何か見落としがあるかも……ん?』
脱出に必要な鍵を見つけるべく背筋を伸ばし、軽くストレッチをした時、ふと天井に目が行く。
『……彼処だけ違う?』
目に入ったのは、天井の一箇所のみ若干違う色になっている部分。
明らかに何かがおかしいと見えるその部分に疑問が浮かび上がり、周りを見渡す。
『……これなら届くか?』
見つけたのは用具入れ内の掃除道具である長いモップの柄。
丁度天井へ届く長さであり、その箇所を押してみる。
ガチャリと音が鳴り、開かれた。
『………何だ?』
次に現れたのは丸いアイスクリュー状の金具が一つ刺さっている。
『………回すのか?』
考えつく限り、金具に引っ掛ける道具があるのだろう。
そう思い、再度用具入れを探り、フックの付いた棒を見つける。
先には滑り止めと傷を付けにくくする為のゴムが付けられており、元からこれで開閉させていたと思われる。
早速フックを金具へ引っ掛けては時計回りに回していく。
長らく使われていなかったせいか、一回一回回す度に耳に残る甲高い軋み音が響いては顔を顰めさせる。
其れは嫌な音だけではなく、跋扈しているシャドウ達を呼び寄せる可能性を秘めた危険な行為だと理解していた。
が、それでも何かがあると見て、出来る限り音を立てぬように回し、何処かで変化を探る。
何かが音が発された。
『……何処だ?』
音からして近くであることは間違いない。
もう一度辺りを見回し、隣の部屋へと続く扉を見つける。
音がしたのはその先だと気が付き、進んでいく。
ドアノブを持ち、ひねって開けるとどこか他の部屋よりも豪勢な造りをした内装の部屋に入る。
するとすぐ目の前に、天井へと続く"階段"があった。
『……これか?』
階段の足元は長年使われなかった為に、埃が分厚く降り積もっており、湿気によって錆が浮いている。
そして、カビと思われる綿毛のような胞子がふよふよと宙を舞っては下へと落ちていく。
それを見ると登ることを躊躇させたが。
『………行かないとな…!』
唯一の脱出手段かもしれない。
そう考え、彼女は落ちぬように手摺りと足場を一歩ずつ確認しながら、足を進めて登っていく。
たとえ脱出とは行かなくとも、何かがあるに違いない。
其れを信じながら、ゆっくりと警戒しつつ登り、天井裏へ顔を出し、目を凝らしながら確認していく。
『………何だこれ?』
最早数える事も出来なくなるほど疑問が尽きない中、登りながら天井裏の状況を確認する。
見つけたのは木製の箱一つのみで後は何もない。
上部の蓋は丸く、下部は四角の何処かで見たことのある形状の箱。
其れが海賊物の物語に出てくる宝箱だと理解するまで然程時間は掛からなかった。
『……開けてみるか?』
ポツンと置かれた奇妙な雰囲気の箱を開ける為、唯一の武器として所持していたシースナイフを腰から抜き、箱の蓋との隙間に差し込む。
だが、予想していたよりも容易に隙間があく。
どうやら鍵は掛かっていなかったと考えられるが、此処で別の罠がある可能性を示唆し、手に持っていたままの棒で箱の側面側から直接何かが飛び出しても浴びない位置に立ち、そっと上へ持ち上げた。
『…開いた』
蓋が開き、重力に沿って後ろ側に倒れる。
何かが飛び出す気配はなく、見えないガスや其れ等を想定して直ぐには中を覗かずに少し待つ。
1分程待ち、最低限安全を確保した後、近付いてから中を覗き見た。
『……何だこれは?』
あったのは一冊のノートブック。
中高生が利用する筆記用具の一つで、少なくとも大手で生産され、流通している物。
何の変哲もないそのノートには表紙にNameと記載されている部分へ名前が書かれている。
『………持ち主の名前か?……さっぱり分からん』
持ち主の名前が分かるわけもなく、悩み、唸る。
すると。
「……へぇ…〔山田真耶〕さんのかぁ〜。"オタカラ"の気配がしたと思ったらそれなのね?」
『……いつの間に!!?』
彼女のすぐ脇から知らず内に誰かが覗き見ていた。
『ハローハロー。こんにちわ〜♪』
立っていたのは少女。
膝下程度のスカートと白のトップススエット、そして髪留めとして大きなリボンを付けている。
明らかにおかしい。
如何に通用しなかったとはいえ、彼女自身は厳しい訓練を積んできた精鋭。
其れに勘付かれず、まるで普通に立って歩くが如く平然とした態度を取っている事に驚愕を覚えた。
『あれ?通じてる?一応英検2級位は出来るつもりだけど?』
『……誰だお前は!?一体いつから!!』
『おお〜。通じた通じた。良かった』
なんの屈託もない笑みをし続ける少女に奇妙な感覚を覚えるも、何か気が抜けてしまう。
『………なっ…何だ?』
『大丈夫。ちょっとだけ神経を鎮めたいだけだから』
『はっ?』
少女がそう言って唇を尖らせ、息を吹きかけるように女へと向ける。
『
その声色は女の脳へゆらぎとして響かせる。
心の内側からまるで安心させるトーンは、次第に目線を下に向けさせ、身体から脱力感を覚える。
『……分かった』
女は陶酔状態に落ちる。
其れを確認し、少女は先ず。
『じゃあ…貴方方の目的は?』
質問をし始める。
to be continued