※この作品はR-18です。

真・女神転生〜ジャッジメントデビルサマナー〜   作:葉隠小太郎

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終幕 全体的幸福論

 

 

「…………ふぅ…」

 

空の上、帰りの飛行機内では青い顔で冷や汗をかく男がいる。

 

宮本真之介、行きと同じく帰りもこの移動を行う事に苦言を問おうと思うも、琲世からは。

 

「いや、時間的に問題ありますので」

 

と至極真っ当な意見を呑み込むしか無かった。

 

「宮本さん、どうして飛行機苦手なんですか?」

「………色々とあるんだ、色々と…」

 

これほど口を開かない宮本の姿に、隣に座る友奈も心配の表情で見る。

 

何かがあったのか、その顔も若干不平不満を抱えており、飛行機嫌いも相まって更に険しく感じられる。

 

(………とはいえ)

 

此方が何が出来るかと問われると難しく、此処は静観する事に決める。

 

彼女達の一週間の校外学習も終わり、明日から期末テスト期間が始まる。

それが終われば夏休みだが、一応進学校でもある為、夏季実習や宿題がやって来る事は間違いない。

 

(忙しいなぁ…)

 

あくまでも必要になるかも知れない知識を詰め込む事が目的。

 

使うかどうかは本人次第故に容易く必須不要では片付けられない。

 

古文漢文なんて使うか?と考えるかも知れないが、使う以前に覚えようとする姿勢も無ければ一生覚えないであろうし、必要のない仕事という限られた選択肢にもなるだろう。

 

そんな学習の在り方を知るのは少なくとも学習中では考えることもないだろうとこの場にいない人物が思いつつ、ジェット機はそのまま羽田へと向かい続ける。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

互いの一撃を寸止めすることが出来るならばそれは達人の証とも言えるだろう。

 

幾千もの退魔を行ってきた斧槍の鋭さと代行者が扱う【黒鍵】と呼ぶ投擲剣を首の皮1枚分押し当てられれば止まらざる得ないだろうが。

 

「………お話しを聞いてくれる方々で何よりです」

「ハッハッハッ、麗しい美貌の女性からの誘いに乗らない男は既婚者か不能かな?と思いますよ?」

「……俺は既婚だが、"ソレ"に刎ねられたら死ぬ」

 

止まったことへの賛辞を述べつつ、張り詰めた圧が霧散し、三者構えを解いた。

 

つまり、やる気が削がれたという意味になる。

 

「では簡潔ながらお話しを致しましょう」

 

先ず最初に語るは斧槍の使い手から。

 

「我々教会側はこの件について既(・)に(・)把(・)握(・)し(・)、(・)事(・)の(・)事(・)態(・)は(・)此(・)方(・)で(・)解(・)決(・)す(・)る(・)故に我々が出した報奨金は回収ということになります」

「姉畑先生に賞金掛けてたのがメシアンな理由か。随分と大金はたいたもんだなぁ…」

「原理が理解出来たので姉畑支遁を捕まえる意味がなく、我々は一旦引く事とします」

 

通りでと宮本は高額に設定された額を見て一つ納得する。

 

ただ。

 

「此方が引けと言う理由にはならないな。ガイア教としてはメシアンのやる事を邪魔する事も意義の一つだ」

 

納得出来ないのはこれから対峙するであろう猗窩座である。

 

猗窩座自体、賞金に何ら興味は無い。

だが、死闘を邪魔された事については正直頭に血が上っており、下手な回答次第では頭部を対物ライフルで撃ち抜いたスイカの末路と同じ状態にされかねない。

 

其れについて、溜息を吐いては呆れる様を見せ。

 

「………貴方の上司から伝言です」

「何?」

 

気持ち強めに言葉を綴る。

 

「…『その男との殺し合いは許可出来ない』。もしご不満でしたら直訴するのもありです」

「………」

 

一言、猗窩座の上司から命じられたであろう言葉に額や目の周りから強張るように顔を引き攣らせ、血管が浮く。

 

その様子から確実に吐き出すことも晴らすことも難しい怒りを内封させたものと感じ取れた。

 

「意味は分かりませんが、充分伝わると聞きましたが?」

「どうやら伝わってるみたいだな」

 

茶々入れられ、憤慨し切っているのはよくよく理解出来ると腕を組み、頷いて分かる表情を見せる宮本。

 

一頻り、怒りを近くの木にぶつけて破壊してから、息を吐き、宮本側に目を向ける。

 

「………次の機会にしよう。今度は全力で壊すつもりで行く」

「ああ、未定だが予定には入れておくよ」

 

若干眉間に青筋が残ってはいるものの、不満を呑み込み、その場を後にする。

その速さも目で追うにも厄介だと感じ取った。

 

「……ちなみにそちらさんのご予定はこれで終わり?」

「ええ、調停が目的なので」

「ではお茶でもしませんか?生憎未明の時間でやってる店は近くのコンビニ位かって所ですが?」

「何故故に?」

「いやぁ〜、見た目麗しい女性との逢瀬は大事ですから!」

「フンッ!」

「おっう!?脛がぁ!!?」

 

理由が理由により、安全靴以上に頑丈な爪先が宮本の弁慶の泣き所に直撃し、思わず目玉が飛び出るような衝撃に襲われる。

 

「生憎貞淑と清廉さが我々の教えですので一度祈りを捧げて身を清めてからが第一歩です」

「マジかぁ…そんなぁ…」

「…全く、上はどうしてこの男を…ヒャッ!ンッ!?」

 

宮本の助平な部分に思わず溜息を溢していると、突然臀部に奇妙な接触が起こる。

 

「ほほう…肉付きよろし、丸みとラインは素晴らしい…まロい選考に応募すべき出来栄えだ」

 

理由は明白。

回復した宮本によるフェザータッチで価値のある陶器の触り心地を確かめるコレクターの如く撫で回していたからである。

 

「一辺地獄に落ちろ!!!」

「ぎゃーーー!!やられたーーー!!」

 

尚、複数回殴られてからの蹴りによるふっ飛ばしにより、両手両足を広げたポーズ(所謂るーみっく飛びと呼ばれる)で彼方へと消えるのだった。

 

 

 

「馬鹿ですか?」

「いや…ないすひっぷ…でしたので…」

「分かります。子鹿の可愛さには思わず飛び出しちゃいますよね♡」

「次元が違い過ぎる…!?」

 

飛ばされた先に居た琲世は呆れ、支遁は細目で頷いて同意を得るも、そもそも比較対象が違うのでは?と思われたり思われ無かったり。

 

その後、支遁は北海道を中心に活動するヤタガラス支部に引き渡し、何も無かった事とし、元の刑務所へ帰ることとなった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「………何故だ〔無惨〕。俺を派遣したのはお前じゃないか…!!」

 

とある施設、とある部屋にて猗窩座が顔を歪めては溜まっていた不満をぶちまける。

その意味をその場にいる人物へ向けるには早々難易度が高く、下手をすれば一つ首を刎ねるのも容易いと言える。

 

しかし、猗窩座の視線に向けられた人物はキィキィと椅子を鳴らして一回転させてから机へ手をつき。

 

「あの男は非(・)常(・)勤(・)だ(・)が(・)、(・)当(・)院(・)所(・)属(・)の(・)医(・)師(・)だ(・)」

 

出た言葉に猗窩座は唖然とする。

 

「……何故言わなかったそれを!!?」

「ヤタガラス直下からの依頼では中立の立場である我等が直ぐに把握出来るか?」

「報連相!!せめては報連相をしてくれ!!間に合わなければどちらかが死んでいた可能性あったんだが!?」

「無茶を言うな」

 

上司の一言には思わず焦りと驚きが折り重なって積み上げられていく。

せめて猗窩座と宮本のブッキングが起こらない手筈もあったのでは?と考えられるが、スピード的に言えばこれが限界で、少々無茶な様子。

 

「…そもそも会った事が無いぞ?」

「非常勤かつ夜間病院勤務と夜しか活動時間のない貴様ではファーストコンタクトをセッティングしないと顔合わせも無理に等しい」

「それを言われたら何も言えぬではないか…!」

 

顔すら交わしていないのも、宮本が夜間の仕事をして居る故、真逆の時間に動いている猗窩座とは沖縄のハブとマングースと同じ。

つまりは今回が想定されていないレアケースということになる。

 

「というわけで今度菓子折り持って謝罪に行け。ヨックモックのシガールや市松サブレが好みだから其れの大容量品がベストとなる」

「…くっ…!!」

 

まともな大人のやるべき事を述べられ、アドバイスも受けた以上、猗窩座は苦悩に歪む。

 

「では奥方にも協力を…」

「やるぞ無惨。内密に」

「であるなら最初からやれ」

 

正論に正論を重ねた後に妻への連絡という脅しには屈するしか無い。

 

「今の時間ならば新宿高○屋の地下一階で売っているから早く買ってこい」

「そうさせてもらう…!!」

 

幸いにして日は沈んだ時刻。

謝罪を早くに終わらせるべく猗窩座は即座に部屋から出ていき、目的のデパートへ向かうのだった。

 

「………全く」

 

椅子を半回転、背もたれに力を入れてはリラックスをする。

 

西新宿にある私立総合病院の院長こと〔北原月彦〕。

 

又の名は、極東ガイアーズ穏健派兼中立地帯の主〔鬼舞辻無惨〕である。

 

「………あっ、今日確かBSで懐かしアニメベストがやる時間だったな…。準備せねば…!!」

 

尚、人生エンジョイオタクでもある。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

???

 

ぶちゅぶちゅと音が鳴る。

 

パンッパンッと肉を叩く音が響く。

 

「     !!!?」

 

言葉にならない声が響き、肉同士が絡み合う場へと沈み込む。

 

「おっ、おっ、おっ…!締まる締まる!」

「そろそろ射精るそっ…!!」

 

男達が寄って集って女を嬲っていた。

 

一切の遠慮もなく、己の快楽だけを理由に女の身体を貪り食う様に陰部同士を結合させ、摩擦と肉の感触を愉しんでいく。

 

「だ…す…げぇ…んぶぉ…!?」

「口空けンな馬鹿。ほれっ!喉奥どーん!!」

 

どんどん消耗していく体力と呼吸がし辛くなり、ぽかーんと口が開くと、次に来た男が自身の陰茎を無理矢理挿し込む。

閉じることも出来ず、嘔吐することも難しい状態に晒されながら、口内の柔らかい粘膜が刺激を増す。

 

「ふひぃ゛!ふひぃ゛っ゛!!孕めぇ!!お、おでっ!の子孕めぇ!!」

「だぁ!駄目ぇっ゛!?な、ながっ出さないっ…!でぇっ…!!」

「おでっ!の孕みぶぐろ!!ちゃんと!沢山産むまでぇ!おでっが育ててやるがらぁ!!」

「あぁ゛ぁ゛〜あ゛ぁあ゛あ゛あ゛〜〜!!!」

 

他の男よりも一周り二周り背が大きく、肉づいた家畜のように肥えた男が異常肥大させた陰茎で抱える女の秘部へ押し拡げていく。

其れはオナホールを使って発散する行為と同じく、人を道具程度にしか感じていない状況。

 

逃れることの出来ない女はそのまま異常に吐き出される白濁液によって、子宮や膣の中を目一杯に詰め込まれるのだった。

 

「………いやはや。この様子だと結構早いですね」

「あら?貴方もそう思います?」

 

この背徳的な退廃的な光景を見て、一人男は目深く被ったフード越しに笑みを浮かべ、其れに習うよう女も笑う。

 

男はボロキレの様な布を纏い、その身体を晒さない姿は俗世から隔絶された人間性を表している。

 

女は対象的に、極めて薄いビロードの様な素材のドレスと長いオペラグローブを着け、一つ間違えば裸婦とも言える姿を晒す。

 

どちらも異なる格好はある種この場の異常性を表したと見た者の中にはそう感じ取るであろう。

 

男は口を開く。

 

「土に養分が行き渡れば次は種を芽吹かせる」

 

女が口を開く。

 

「そして、花開いた後に大きく実を付けて生らせる」

 

何を持って其れがなるのか。

一人は訝しみ、一人は恐れ慄き、一人は自身が総てを捧げるべき信奉主と祈る。

 

「さて諸君、あと少しだ」

 

 

 

「あと少しで人(・)類(・)す(・)べ(・)て(・)を(・)幸(・)福(・)に(・)導(・)け(・)る(・)」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ではこれで」

「おう、何時でも連絡してくれよ」

 

羽田空港から三者送り届けて夜に差し掛かった頃。

歓楽街である神室町の天下一通りに降り立った宮本、友奈の二人は去りゆく琲世、千景の二人を見送り、帰路へとつく。

 

「シノアちゃんいつの間にか帰ってきててビックリしましたよホントに」

「引率の身としては夜中に出歩くの禁止と言いたいが、やらかしの多い俺には駄目かと思ったり…」

「宮本さんの場合、〔内山田〕校長の車爆発させたって話聞きますけど…」

「俺だけじゃないから!?〔青崎〕とか〔トニー〕とかも爆発させてるからね!?」

(爆発させたことは事実なんだ…)

 

初任給からコツコツ貯め続けた貯金とローンを組んで漸く購入出来た高級車を数度廃車へと進んだ経緯は後ほど語る。

 

柊シノアについて、宮本はある程度何かを察しつつも今後どうするべきかまでは特に考えては居らず、とりあえず保留という形で落とし込むこととした。

 

「今どきの若い娘は色々としがらみも多いと思うんだよね。青少年期に必要なモラトリアムとか其れを考える暇なく状況がコロコロ変わってくし」

「うーん…私にはちょっと実感沸かないというか…。何なんでしょうね…」

 

とは言うものの、彼女の事について知っている事が少ない所や、無意識に距離を取る所が見え隠れしており、測るべき部分が見えない事がネックとなっている。

 

少なくとも、シノアという少女の肩には重い物が見える事だけは何となしに理解は出来ているが、それだけとも言える。

 

「シノアちゃんの家は結構名家らしくて、その筋だからプレッシャーが大きいのかな?って思うんです」

「成る程…」

「って、宮本さんあんまり興味無いんですか?」

「う〜ん。其処まで考えたこと無いから尚更」

「えぇ…」

 

知識の幅は広く、ある程度深いものの興味のない所は全く知ろうともしない人間性持ちの宮本には若干ながら呆れが溢れる。

 

「柊家はそれこそ数百年…室町の頃から京都御所の見廻組を任命され、多くの優秀な人材を血筋に迎えたと聞きます」

「ふむふむ…まぁ、良い所のお嬢さんではあるわけか」

「興味ないみたいですね」

「変な絡まりとかそんなヤツが見え隠れするのはアレだからねホントに」

「………はぁ…」

 

イッツフリーマン。

 

それが宮本である。

 

「まぁ、兎も角…夕飯まだだしこの辺で軽く寿司でも行くか?」

「寿司って……散々食べませんでしたっけ?」

「いやいや、やはり寿司はこの辺で食べるのがベストでしょ!彼処結構ぼってる癖に魚の目利きは下手くそだったからな!」

 

うがぁーと声を上げて怒りを思い出す。

恐らく旅先あるあるであろう、ガイドブックやグーグルレビューで選んだ食べ物が期待外れだったケース。

宮本の場合、特上海鮮丼を選んだものの、イクラは人工かつ旬の過ぎた魚がチラホラと見え、マグロの刺し身は極端に薄っぺらかった。

 

「友奈ちゃんだって、『ウニが消毒臭い』って言ったでしょ!?ミョウバンに浸けっぱなしだったヤツだろあれ!?」

「…………確かに」

 

食事満足度の低さは宮本のみならず友奈も感じ取っていた。

北海道に来てウニが不味いのは遺憾の意を示したくなる事は間違いない。

 

「というわけで今日の所は寿司だ!寿司吟の極み特上20人前と行こうじゃないか!!」

「やーーー!!」

 

すっかり寿司の気分になりつつ、宮本は電話で注文をし始める。

 

「へい大将!極み特上40人前出来次第診療所にね!」

「炙り大トロ5貫追加で」

「炙り大トロ5貫とウニ、イクラもお願いします!」

 

あらかた注文を終え、通話を切った後。

 

「さて、では寿司を迎えるために帰ろう」

「ですね」

 

急ぎ過ぎずかと言って遅すぎないスピードで通りを縫いながら診療所へと向かうのである。

 

 

 

…………

 

 

 

「………?」

「どうしたんですか?」

「あっ、いや?……俺診(・)療(・)所(・)の(・)電(・)気(・)点(・)け(・)っ(・)ぱ(・)な(・)し(・)だ(・)っ(・)た(・)か(・)?(・)」

「………えっ?」

 

チャンピオン街入口手前に構える古いビル一つ丸ごとの診療所を見ては宮本は疑問を吐く。

 

その理由は友奈もすぐに分かった。

 

「……電気点いてる」

 

そして同時に。

 

「何だあの爺様方は?」

 

何故か2階の玄関に続く階段に年配男性の待ち行列が出来ている。

その顔も今か今かと皆が笑みを浮かべていた。

 

「何なんですか?あれ?」

「……ちょっと聞いてくる」

 

これには宮本も奇怪な心境であり、友奈をその場に待たせ、行列の後方に立つ人物へ聞き込みを行う。

 

「なぁ、どうしたんだこの行列」

「あっ?アンタ知らんのか?凄いサービスしてくれるナースさんの診察劇場演るんだよ」

 

何かとんでもない言葉を聞いた気がする。

 

「はぁ?此処は診療所だぞ?」

「うんにゃあ、めっちゃセクシーなねぇちゃんが採血でもデッカイぱいぱい腕に押し付けてくれるし、勃起不全で悩んでたあんちゃんのタマキンマッサージして復活させたって聞いたぞ?」

「何じゃそりゃ!?」

 

詳細を聞く辺り、少なくとも医療行為であろう其れ等であるが、下手をすればファッションヘルスに該当しかねない過激さを内封している。

 

このままでは自身の経営状況等の問題になりかねない。

 

「どけぇい!!」

「「「「「ぎゃあぁあああ!!!」」」」」

 

急ぎ宮本は順番待ちのプレイ待ち客を薙ぎ倒し、張っ倒しを行っていく。

 

「待てぇい!」

「我等変態四重奏(ヘンタイカルテット)!!」

「如何なる理由があろうとも!!」

「我等が理想郷(アヴァロン)を…」

 

「「「「壊させるかぁ!!!!」」」」

 

診療所入口にて陣取るは、様々な場面で多くのプレイヤーをドン引きさせてきた存在。

 

ドローンを使い、女性用下着を盗んではその匂いを嗅ぎ分ける技能の持ち主〔パンティ教授〕。

 

道行く女性の臀部を撫でて痴漢を行い、向いている陸上競技を指南する〔お尻マイスター〕。

 

ラブホへ入るカップルの行為を盗撮し、あまつさえ勝手に裁判を行い、判決を下す〔デバガメ判事*1〕。

 

そしてその変態達を取り纏めるリーダー。

葉っぱ一枚あれば何とかなると言いたげに股間に一枚着けただけの露出狂。

恐らくでもなく友奈を置いてきて正解だと思われる人物。

その名も〔ジャイアント・インパクト〕。

童貞を拗らせ過ぎた悲しくも同情できないモンスター。

 

この四人がプロのお風呂屋さんでは味わうことの出来ない悦に浸れる理想郷を護る社会的に抹殺されるべき守護者(ガーディアン)である。

 

尚。

 

「黙ってろ変態共!!【銀河烈星拳*2】」

「「「「ぎゃーーーー!!!!??」」」」

 

己の小宇宙(コスモ)が轟き叫ぶが如く、打ち倒されるのであった。

 

「誰だ馬鹿もんが!!」

 

最早怒り心頭。

 

何度目の修理か忘れるほど蹴り飛ばされては破壊した両開きの玄関もブリーチングされたように吹き飛ばされると。

 

「えっと、〔ない世〕。こうか?」

「オーケー!オーケー!!ナイスでぇす♪」

 

診察室はいつの間にか様変わりしている。

 

ボディコン顔負けに身体を強調する密着素材で出来たスリット入りミニスカートワンピースに今は無きナースキャップとウサギの耳が合体したカチューシャを着ける魅惑的な肢体を持つ女性と。

同じ様な色合いで、対象的に黒を基調とするミニスカートワンピースを着ながら、ハンディカムで撮影とポージングを指示する〔生江ない世〕の姿があった。

 

「あれ?まだ準備中……げっ…」

 

撮影し続けているない世が家主の存在に気が付き、顔を青ざめさせた。

 

「んっ?どうしたない世」

「………ごめんなさい〜!ちょっと急用を思い出してぇ〜!」

「何が急用かな?」

「あばばば…」

 

逃げようとするない世だが、時既に遅く、宮本の無想転生が如くの早業で背後を取られると。

 

「あいだぁぁぁ!!?」

 

脳天一発拳骨が入るのだった。

 

「…………いだい…」

「何やってんだ人んちで…」

「おちんぎん……欲しいのぉ…」

「全く…」

 

思わず頭をおさえてこの状況をどうするべきかを考え始めると。

 

「……あっ、ごめんね。コンパニオン利用料金はキチンと払うから帰って良いよ?」

 

そう言えばとイメクラのコスプレ衣装らしきナース服を着る女性へ手持ちの現金を財布から取り出して数えつつ、渡そうとすると。

 

「………"私"が分からないのか?」

「……へっ?」

 

突然、何を聞くのか女性は唖然とした顔で宮本へ問い掛ける。

 

宮本も唖然とした顔で何を言っているのか分からない為、初対面で失礼と感じつつ、目線で女性の身体を調べていく。

 

腰から下まで伸びた白銀のロングヘア。

欧州出身と思われる綺麗な顔立ちはトップモデルと並ぶおろか確実に頂点に足を踏む実力を持つ。

そして、衣装が似合い過ぎる程優れたプロポーションには金時も怒張を極める逸品と言える。

 

(おかしいな…こんな美人を忘れる事は無いと思うんだがなぁ…)

 

ここ最近で出逢った女性には無いタイプの凛々しさを忘却するとは思えない。

 

こればかりは宮本もうんうんと唸って頭を悩ませる事となるが、これには女性の方もご立腹になり。

 

「……そうか…やはり私の事を覚えていないんだな…〔ミヤモト〕…」

「…………ん?」

 

怒るよりも悲しげに呆れ、目元に涙が溜まる。

しかし、宮本は自身の名前を独特のイントネーションで呼ばれ、何かに気が付く。

 

(…銀髪…南(・)フ(・)ラ(・)ン(・)ス(・)訛(・)り(・)…あっ)

 

およそ3秒。

 

メトロノームの音が三拍子鳴る様に時間が過ぎてから宮本は口にする。

 

「〔ニアス〕?」

 

唯一該当する人物。

 

何せ最後に会ったのは"11年前"という7歳の子も選挙が出来る歳になる期間。

 

宮本が彼女に向けて述べた名に〔ニアス・グローリア〕は気が付いたことを嬉しそうに涙を浮かべ。

 

「……馬鹿…!」

 

宮本へと抱き締めるのであった。

 

 

 

           Chapter3 【完】

*1:
尚、有罪の場合はそのままSNSサイトにアップする非道下劣

*2:
敵全体ランダムで15回小威力物理攻撃

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