山内の部屋から出た櫛田は後ろを振り返らずにただ必死に廊下を走りそのまま、エレベーターのボタンを連打する、ドアが開くと其処に軽井沢を送った俺がいた。
「どうした、櫛田。何かあったのか?」
櫛田
「全部あんたのせいよ」
櫛田は後ろを振り返るとエレベーターに乗り込みドアを閉めたエレベーターは上昇しガラスの小窓に山内の姿が見えた。階段は内側からしか開けられない仕組みになっていた。
5階に停止しドアが開く俺は櫛田を下ろして適当にボタンを押して上昇させ櫛田を部屋に入れた。
「何があったか話せ櫛田」
櫛田
「山内のヤツがあの日、あんたが胸を揉んだの見てたのよ」
「ん、あの日ってどっちの日だ」
櫛田
「両方よ、しかも今日あの後、わたし───見られたのよ、しかも動画まで撮ってて拡散するって脅されてアイツらに胸を揉まれた─全部あんたのせいだからね」
「いや、違うだろ。お前がしでかした事を俺のせいにするな」
櫛田
「あんな事さえしなければこんな事になって無いのよ」
「それで、お前の事だタダで揉ませたわけじゃないんだろ」
櫛田
「当たり前よ、何であんな屑に揉ませるかっての。バッチリ証拠を録画したし録音もしたわよ」
「流石だな櫛田。では、ひと安心じゃないか」
櫛田
「そうね一応ね、あのまま山内の部屋にいたらヤバかったわ」
「どうやって抜け出てこれたんだ」
櫛田
「池が山内の身体を押えてくれたからよ」
「ふ~ん、なら池もその動画とやらを持っている可能性はあるよな」
櫛田
「そうね、アイツらなら共有するでしょうね。どうにかしてあの映像を消させないと」
「協力してやろうか櫛田」
櫛田
「はぁ何言ってるのよ、そんなの当たり前でしょ。あんたにも責任有るんだから」
「はいはい、ならその証拠の動画と音声とやらを俺に送れ」
櫛田
「映像は直ぐに送れるけど音声の方はデータ処理しないと送れない」
「なら映像だけでいいや」
櫛田
「ねぇホントにどうにか出来るんでしょうね」
「まぁ俺に任せておけ」
櫛田
「ねぇそれと、もう少しだけここに居させて」
「俺は、山内の所に行くから20時過ぎたら部屋に戻れよ」
櫛田
「って言うか、何この部屋。こんな部屋あったんだ、どうしたのこの部屋」
「初日にSシステムを沈黙する条件でもらった」
櫛田
「ふ~ん、そうなんだ。ねぇあの女堀北を退学させてくれない?」
「断る」
櫛田
「だよね、仲良いもんね」
「理由は─まぁいいか、そのうち聞いてやるよ。さぁ俺は山内の部屋に行く」
俺は部屋を出て山内の部屋へと向かった。エレベーターで1階分降りて山内の部屋の呼鈴を押す。
勢い良くドアが開かれ俺は山内を部屋に押して土足のまま上がり込んだ。
山内
「テメェ、何しやがんだ九頭」
池
「何しに来たんだよ─おま、土足じゃないか」
「それは、おまえらが良く知ってるだろう」
山内
「俺達が何したってんだよ」
「へぇとぼけるのか、ネタはあがってるんだよ」
池
「何の事だよ」
俺は端末を出して操作して先程の動画を再生した。
山内
「な、何でだよ」
池
「ウソだろ」
「どうだ!まだシラを切るか」
山内
「何でだ──何でお前がそれを」
「さて、お前達は櫛田に何の動画だが知らないが脅して無理矢理、櫛田の胸を揉んだんだよな、お前達に女の兄妹はいるか?いたらその女の子は可哀想になお前達のせいで世間からは白い目で見られるだろうな。性犯罪者の身内としてな」
池
「そ、そんな─なぁ九頭、訴えないよな」
「さぁそれは櫛田次第じゃないのか。まぁ先ずはお前達が持っている動画、俺に見せてみろ」
池
「こ、コレだよ」
池が見せてくれた動画は、昼間別れた後、櫛田が自慰をして派手に潮を噴いている動画だった。
俺は池から端末を奪って俺にその動画を送ってから削除した。
「それで元ネタは、山内お前が持っているのか?」
山内
「し、知らない。俺は知らない、悪くない全部テメェのせいだ九頭」
「はぁ何言ってるのか、わからないのだが」
山内
「元はと言えばお前が櫛田ちゃんの胸を揉んだのがきっかけだ」
「俺の場合は櫛田が揉ませてくれた、だが、お前達は櫛田を脅して強制的に櫛田の胸を揉んだんだ。お前達性犯罪者と一緒にしないでもらいたいものだな。まぁ山内お前が動画を全て削除したら俺からも櫛田に訴えないよう頼んでやってもいいぞ。だがもしも、その動画を拡散したり隠し持っていたのならお前達は間違いなく退学になって警察に捕まるよ、どうするか今すぐに決めろ」
池
「なぁ春樹、九頭の言う通りだ。俺、退学になりたくないし性犯罪で捕まりたく無い。動画はお前の端末に有るだけだよな」
山内
「───寛治、そうだよ。俺、お前にしか送ってない」
「山内、今すぐに端末を俺に貸せ俺が削除するから」
山内
「なぁホントに、櫛田ちゃんに頼んでくれるんだよな」
「ああ、約束する」
山内は端末を俺に渡し俺は動画を削除した。
俺は櫛田が絶対にもう一つボイスレコーダーを仕込んでいると直感的に思ってイスにかかっていた制服の上着のポケットを調べると案の上ボイスレコーダーが入っていた、しかも録音中になっていてそれも回収した。
山内
「な、何だよソレ─じゃあさっきまでの会話全部録音されてたのかよ」
「そうみたいだな、コレは櫛田には返さずに俺が預かっておく」
山内
「九頭、お前ソレどうするんだ、なぁソレ消してくれるんだよな」
「それは、おまえらの今後次第とでも言っておくよ。まぁ試験も近い、こんな事してる暇あったら勉強でもしろよ、おまえら赤点で退学になるぞ。じゃあな」
俺は山内の部屋を出て自分の部屋に向かった。