「おはよう」と教室に入った。相変わらず女子からは「おはよう」と挨拶はあるが男子からの殆ど無い。
「清隆、おはよう」「鈴音、おはよう」
清隆
「おはよう龍司」
鈴音
「おはよう九頭くん」
朝のHRを終えて授業が始まり、昼休みとなった。
もう恒例化してしまっている、清隆、平田、軽井沢、松下、佐藤、篠原、小野寺、王といったメンバーで食堂へと向かった。
当然、話題は勉強会の話しとなった。
軽井沢
「ねぇ九頭くんが勉強みてくれるんでしょ」
佐藤
「えっそうなの」
篠原
「良かった、私結構わからない所あるんだよね」
松下
「ちゃんと教えてね九頭くん」
平田
「九頭くん、場所はどうしたら良いかな」
「メンバーは何人になるんだ」
平田
「そうだね、テスト1週間前には部活も無くなるから最終的には半数は行くと思うな」
「なら、どっかの空き教室を借りればどうだ」
平田
「そうだね、そうしようか」
「借りる為のPtは俺が出すよ」
平田
「それは、悪いよ。参加者で割勘でどうかな」
「何、Ptなら有るから俺が出そう」
平田
「そうかい、なら今回はお言葉に甘える事にさせてもらうよ」
「ああ、そうしろ」
放課後に俺は清隆に付き合わさせ、茶柱に空き教室の使用許可を取り付けたが、便宜を図ると言っておきながら確りとPtを請求された。
まぁこれで、場所は確保出来た。後はテスト範囲がわかれば勉強会となる。
「茶柱が言っていた、『退学者が出ないと信じてる』って何だと思う」
清隆
「多分だが、今回の中間テストに関しては攻略法が有るんじゃないかと思う」
「そうだよな、でなけれは『退学者が出ない』何て言わないよな」
清隆
「龍司でもわからないのか」
「まぁカギはあの小テストだろうな」
清隆
「最後の3問か」
「その通りだ、うん┈┈なる程な」
清隆
「何かわかったのか」
「ああ、清隆。お前に頼みが有る」
清隆
「龍司の頼みなら何でも良いぞ」
「Ptを渡すから、Ptに困ってそうな二年と三年の先輩に小テストと中間テストの過去問を売ってもらってくれ」
清隆
「なる程な、過去問か」
俺は清隆に10万Ptを送った。
「言い値でも良いし設定は清隆に任せる。余ったら好きに使ってくれ」
清隆
「良いのか龍司」
「ああ」
端末に連絡が入った、画面には茶柱佐枝と表示されていた。
「はい、どうしたんです」
茶柱
「部屋の用意が出来たみたいだ、1階の管理室で507のCardKEYを受け取れ。それだけだ」
「へぇもう用意出来たんだ、もう少しかかると思ってたよ」
茶柱
「クリーニングは1度完了しているからな、じゃあな九頭。お前ならもう既に対策をたてていると思うが約束を忘れるな」
「へいへい」
電話を切った。
清隆
「誰からだ龍司」
「茶柱からだ、それより新しい部屋を見に行こうぜ」
清隆
「ん、新しい部屋」
学生寮の1階の管理室からCardKEYを受け取り、5階に上り507号室鍵を解錠して中に入る。
「すげぇ広いな、流石教師が使用していた部屋だな」
清隆
「どうしたんだこの部屋は」
「茶柱と取引して、もらったんだ」
清隆
「つくづくお前は大した男だな。それで前の部屋はどうするんだ」
「ん~そのままかな」
清隆と2人で4階に下りて清隆は自室に戻り俺も荷物を取りに自室へと戻った。
翌日、清隆は昼休み別行動をしていた。放課後に清隆は用事があると先に帰り2年と3年生から過去問と小テストの問題を買い取った。
俺は鈴音に呼び止められた。
鈴音
「九頭くん少し話がしたいのだけど、いいかしら」
「別にいいけど、何話って」
鈴音
「そのぅここではちょっと」
「静な場所がいいのか」
鈴音
「出来れば、誰にも聞かれない場所で」
「俺の部屋にでも行くか」
鈴音
「┈┈┈そうね」
俺達は学生寮の俺の部屋へと向かった。勿論、新しく茶柱と交渉した部屋に。
鈴音
「この階も男子の寮なの」
「いや、違う。ここだ」
俺は解錠して鈴音を部屋に入れた。
鈴音
「何、この部屋┈┈ここ、本当に男子寮なの」
「だから違うって言っただろう。ここは最初教師が住んでいた部屋だ。今は教師は教師専用の寮があってそっちに住んでいる。空き部屋を俺が借りた。ここに来て初めて女子を部屋にあげたよ」
鈴音
「そ、そう初めてなの┈┈それにしても、この部屋をね。まぁあなたならおかしくはないわね」
「まぁ適当に座ってくれ、何か飲み物でも出すよ。ジュース、コーヒー、お茶どれが良い」
鈴音
「そうね、コーヒーをもらおうかしら」
「コーヒーな、良い豆が入ったんだそれを入れるよ」
俺は豆を挽いてお湯を沸かしてドリップして鈴音に出した。
「砂糖とミルクは?」
鈴音
「いえ、結構よ。良い香りね┈┈美味しい」
「良かった。それで何だ話って」
その時、端末に着信があった。画面を見ると綾小路清隆と表示されていた。
「鈴音悪いな、ちょっと出るな」
そう告げて俺は清隆からの電話に出る。
「おう、オレ┈┈うん┈うん┈それで┈そうか┈データか了解┈今、5階の部屋だけど┈それで┈ホントか三年生の分も┈┈┈後で飯でも喰おうか┈こっちから連絡する┈ああまた後でな」
電話を切ると端末にはデータが送られてきた。
「鈴音悪かったな、それで話って何だ」
鈴音
「電話誰からだったの?それにデータって」
「電話は清隆からだ、データの件は後で教える」
鈴音
「そう綾小路くんから、後でちゃんと教えなさい┈┈昨日色々あって考えを改めたの。私はどうしてもAクラスに行きたい。それには九頭くん、あなたの協力が必要なの。私とAクラスを目指して欲しい」
「それで、鈴音は俺に協力を求める訳だが、見返りは何だ」
鈴音
「┈┈┈見返りは、わたし自身よ」
「へぇ、鈴音は見返りで自分を俺に差し出すのだな」
鈴音
「ええそうよ、不服かしら」
「いや、鈴音を自由に出来るのなら申し分無い提案だ」
鈴音
「┈そう、なら問題は無いわね。それで、データって何かしら」
「鈴音は昨日、茶柱が言った『退学者が出ないと信じてる』の意味を考えたか」
鈴音
「いいえ、普通に勉強をすればいい話だわ」
「まぁそれも大事だ、だが、コレには裏がある」
鈴音
「裏、何かしらその裏とは」
「小テストを覚えているか鈴音」
鈴音
「ええ、最後の3問でわたしは1問しか答えられなかったから、覚えているわ」
「それがヒントさ」
鈴音
「どうして、その問題がヒントになるのかしら」
「今から見せるデータには、過去同じ問題が出題されている。見てみろ」
俺は端末に送られてきたデータを鈴音に見せた。
鈴音
「えっ本当ね。それも少なくても3年間は同じ問題ね」
「どうだ、わかっただろう。従って中間テストに限って言えば過去問が有効だとな」
鈴音
「┈┈┈┈流石ね九頭くん」
「過去問を使って、問題集を作りそれをベースにみんなにはやってもらい、3日前に過去問をやってもらう。同じ問題が出るんだ赤点は避けられるだろう」
鈴音
「その問題集の作成だけど、わたしも手伝うわ」
「そっか、なら頼もうか。それと、過去問の事は平田と櫛田には知らせるが、他には知らせない」
鈴音
「その方がいいわね」
その後、過去問をベースにして鈴音と2人で問題集を作成に取りかかった。腹が減ってきたのでキリの良いところで作業を中断して清隆に連絡して3人で、モールに食事をしに出掛けた。
帰りに鈴音がスーパーに寄りたいと言って、食材を買い込み荷物持ちにされた。寮に戻って清隆と別れ、食材は俺の部屋の冷蔵庫や棚にしまい、鈴音は自室へと戻っていった。