見滝原市に引っ越してきて四年、あの魔法と奇跡に触れた一ヶ月が既に遠い過去のように感じられるようになっていた。
本当に一時の夢だったような非日常の時間。もう二度と見たくない悪夢だ。
僕は見滝原中学を卒業して、高校生へとなり、その高校生活もそろそろ終わりが近付いていた。
少年ではなく、青年へと移り変わっていく。
そして、それは僕だけに限ったことではない。
あの頃魔法少女『だった』皆も、幼さが抜け落ち、立派な女性へと様変わりした。
特にほむらはその中でも一番と言っていいほど、成長していた。
病弱な体質は昔と変わらなかったが、明るく笑うようになり、積極的に人と関わり合いを持つようになった。
もしも、四年前の仏頂面の彼女の写真を見せたとしても、誰もほむらだとは分からないだろう。
恋人である僕としては非常に喜ばしいことだったが、やたらと活発になったせいで少々自分の体力を考えずに動き回ることだけは困っている。
今はお互いに志望する大学にも無事推薦が取れて、順風満帆な高校三年の夏休みを過ごしていたのだが……。
『ねえ、政夫。温泉に行きたくはないかしら?』
四時間前、唐突にこんな電話がかかって来て、なぜか今僕は温泉旅館の一室に居る。
理由は簡単だ。行きたいかもしれないとぽつりと呟いた十五分後には、ほむらが僕の家にキャスターバックを持参して訪ねて来て、すぐさま旅行の用意をさせると、その足で旅館まで連れて来たからだ。
凄まじい行動力だと思う。おかげで僕は父さんやニュゥべえに別れの挨拶さえ告げられなかった。
流石、中学生にして自衛隊駐屯地から兵器を平気で盗み出す女である。ちなみにその駐屯地の自衛官たちは総辞職を余儀なくされたことを後々、ニュースで知った。
その時のほむらのコメントは、
「悪い事をしたわね」
という淡々とした一言のみだった。
多くの人間の人生を台無しにしておいて、平然としているその様子に自分の彼女が悪魔なのではないかと心底感じた。
何というか、良くも悪くも自分の中でのルールで動いているため、法律や道徳、マナーを軽んじている気がする。
テロ行為こそしなくなったが、反社会的思考回路は相変わらずだった。
そんなこんなで半ば強引に温泉旅館に連れて来られた僕だったが、自分の彼女のむちゃくちゃな行動にはこの四年間で慣らされてしまったために怒りも湧いてこなかった。
むしろ、巻き込まれたのが僕だけで良かったと思えるほどだ。去年は大学受験を控えていた巴さんたち三年生まで連れ立って海水浴に行ったせいで呉先輩が浪人してしまった。
今も織莉子姉さんが勉強を見てもらい、泣きながら個人授業をしているらしい。
その時のほむらのコメントも
「悪い事をしたわね」
であったのは言うまでもない。
どこまでも自分の都合を優先する女である。
まあ、今更ぼやいても性格が変わらないのは長い付き合いの中で嫌と言うほど思い知らされている。
僕としても風呂は好きなのでこの旅行自体は結構嬉しかったりする。どうせなら、ニュゥべえも連れて来てあげたかったが、致し方ない。
先に大浴場に行ってしまったほむらに
服を脱いで、中へ入ると夏休みももう終わりに近いからか、それともこの旅館が単純に人気がないせいか、若者の姿はなく、大多数が老人ばかりだった。
温泉宿独特のあまり市販では見かけないようなボディソープで身体を隅々まで洗い、同じく変わった香り付きのシャンプーで髪を洗い流す。
湯気がもうもうと立ち込める中、湯船に浸かろうと思ったところ、露天風呂があるのを発見した。
せっかく、温泉に来たのだから露天風呂に入ろうと、ガラス戸をあけて外に出る。九月も近いせいか外の気温は涼しいというより、やや寒かった。
小さなタオルを畳んで頭に乗せて、年期の入った木製の風呂枠に手を置いて、湯船を揺らさないようにゆっくりと浸かる。
「ああ~……気持ちいい」
入浴剤とは違う本物の匂いを感じながら、外気で冷えた身体にじんわりと染み渡るお湯に身を委ねる。
ふっと身体の力を抜き、空に輝く星々を見上げて、穏やかで幸せな気持ちになった。
「遅いわよ、政夫」
そして、聞き覚えのある声により、その穏やかな気分は
男湯では聞こえてはいけないはずのほむらの声がすぐ傍から耳に侵入してくる。幻聴だろうか。流石の傍若無人の元テロリストでも最低限のマナーを弁えていないはずがない。
祈るようにくるりと声のした方を向くと、ほむらがお湯に使っている姿が目に映った。
「え!? 何でここに居るの!? 男湯だよ、ここ!」
批難するように語気を強めて突っ込みを入れるが、ほむらは不敵に笑うだけだった。
「あら? 知らなかった。ここ、この時間帯は露天風呂は混浴になるのよ?」
知る訳がないだろう、このスカポンタン。僕がこの温泉旅館のことを知ったのは連れて来られてからなのだ。詳しいことなど把握できるはずもない。
文句を言おうにもほむらの方を直視することはできなくなり、視線を逸らすために顔を真横に動かそうする。
しかし、湯船から現れた二本の白い腕に阻まれ、顔をほむらの方に固定されてしまう。
「ちょっと……その、見えちゃうから……」
「四年間も付き合ってるのよ? 別に政夫になら見られたって構わないわ」
そう言われてしまえば、僕の方が照れるのも何かと思い、大人しく彼女を見やる。
そして、その格好に気付いた。
「って、何だ。普通に水着着てるんだ……」
「貴方以外の男性に裸なんて見られるのは嫌だもの。がっかりしたかしら?」
ほむらは淡い紫色の生地のビギニを身に着けていた。
悪戯大成功とほくそ笑むほむらに、裸が見られずちょっとだけ残念な気持ちになった僕はいやらしいことを考えていたと自分に気付かされて落ち込んだ。
こいつなんかの裸を見たいと思ってしまった己が恥ずかしい。人として切ない気持ちさせられる。
僕のその反応が
高校生になり、昔に比べて女性的になった身体つきが嫌でも感じ取れる。
「ちょ、こら!」
「胸も大きくなったでしょう? 随分、苦労したのよ? 貴方が大きい方がいいって言うから」
バストアップ体操というものや豊胸にいい食品などに手を出したと聞いた時には一笑していたのだが、お腹辺りに当たる柔らかな膨らみから想像するに効果のほどは十分あったようだ。
中学時代の巴さんには適わなくても、美樹くらいには大きくなっている。
僕の方も海綿体に血液が上り、四年前よりも大きく成長した部分がらさらに大きくなる。
しかも、こっちはほむらと違って水着など着けてはいないので、その様子は手に取るように分かってしまう。
温泉特有の白く濁ったお湯のおかげでどうにか直視されないだろうが、ほむらの身体に触れてしまいそうになっていた。
ほむらは僕の様子に気付いて、にまっと頬を弛めていやらしく笑うと僕のそれに手で触れた。
「ばっ!! 手、離してほら!」
慌てる僕を余所に棒でも握るように掴み、親指で上部の亀頭部分を擦り始めた。
「私でここまで元気になってくれたのね……嬉しいわ」
「正気に戻れ。人が少ないって言ってもゼロじゃないんだよ!?」
怒張する股間を愛しげに触るほむらを
「なら、人が居なければいいのね?」
その言葉に口ごもりかけた僕にほむらは真剣な口調で言う。
「私はずっと政夫と繋がりたいと思っていたわ。……中学の時から何度貴方を思って自分を慰めたか分からないほどにね」
冗談やふざけた乗りで言っているのとは違う、真摯な響きがそこにはあった。
彼女自身、内心で葛藤があったのかもしれない。これまでそういう性的な行為は一切なく、ディープキス以上のことはお互いにしないことが暗黙の了解と化していた。
恐らく、この旅館に誘ったことも、今の二人の関係を打破したいという目論見があって企画したのだろう。
僕は黙って、彼女の肩を掴み、優しく押して距離を離した。
「政夫……」
拒絶されたと思い、悲しげに僕の名を呼ぶ。
けれど、そんなつもりは毛頭ない。いつだって僕は彼女の気持ちに真っ向から答えて来た。
今度も同じだ。
「続きは部屋で、ね」
そう言って頭に乗せていたタオルを取って、ほむらの頬を拭う。
言葉の意味を理解したほむらは、嬉しさを押し隠したような声で尋ねる。
「それじゃ……」
「先に上がって待ってるから」
それには答えず、僕は湯船から出た。
腫れ上がったそれは自分でも呆れるくらいに硬直して収まりがつかなかった。
傍に居た一際年配のお爺さんは僕のそれを見て、「元気そうで、ええのう……」しょぼしょぼの目で羨むように呟いた。
*
部屋に敷かれた枕が二つの布団に浴衣に着替えた僕は座り、先ほどほむらのことを考えた。
ずっと前から僕が性行為をしてくれることを待ち望んでいた彼女に、知らず知らずの間我慢させていた。
そういう思いを持つのは別段おかしいことではない。好きな人と身体を重ねたいと思うのはむしろ、人として健全とも言える。
問題なのは、それを女性の方に言わせてしまった僕だ。
草食系の男だとは自認していたが、これは流石に最悪だろう。こういうデリケートなことは男の方から言うべきだった。
また彼氏として、これまで性欲を否定するような対応もよくなかったと今更ながらに思い知った。
僕もほむらも今年で十八。成人はしていないものの親の同意があれば婚姻できる年齢だ。
責任を持って、彼女を抱こう。
そう胸に覚悟を決めた。
その時、部屋のドアが
ふらふらとした足取りで僕の方まで来ると、よろめいて腕の中へ倒れ込む。
「……どうしたの?」
「のぼせたわ……」
触れた彼女の体温はいつになく、高く顔も真っ赤に茹っていた。
確かに長いなとは思っていたがまさかのぼせるまで湯に使っているとは……。
呆れた目を向けるとリンゴのように赤い顔で僕に文句を垂れる。
「貴方があんな事言うからよ……」
「誘ってきたのは君でしょうに」
「それでも……色々あるのよ」
僕の胸板に顔を埋めてぐずるように言う。
皆と居る時はそうでもないのだが、僕と二人きり時は幼児のように甘えてくる時がある。今がそれだ。
部屋にあるちゃぶ台の上に置いてあった内輪を手を伸ばして取ると、それで茹ったほむらを
「具合悪そうなら止めようか?
そう聞くと顔を埋めたまま、自分のキャリーバックを指差した。
「一番外側にあるチャック……」
一旦、ほむらを布団の上に仰向けに寝かせてから、言われた通りにキャリーバックの端に付いているチャックを開く。
そこには新品の避妊具の二、三パックが入っていた。
既に用意していたらしい。それも三つもある。どれだけ期待していたのだろうか。
若干、ほむらの行動力に引き気味になっていると、布団の上で寝た状態のままでほむらは浴衣を脱ぎ始めていた。
浴衣がはだけ、温泉に入ったおかげで血行のよくなった肌が露出する。
しかし、寝転んでもぞもぞと
愉快な甲殻類、ホムラエビを眺めていると、急に僕を睨んで命令してくる。
「……見てないで脱がせて」
仕方がないので傍に寄り、帯を外して浴衣を脱がすのを手伝う。
恋人同士の艶のある行為というよりは手間のかかる近所の小さな子供の着替えさせてあげているみたいだ。
興奮するどころか、性的な感情が萎えてきた。ちゃんと
浴衣の下からは出てきたのは上下共に黒の下着、ワンポイントで上部にレースのような飾りが付いてる。
ようやく、少し色気が出てきたので下半身が
「どう、かしら……? 勝負下着のつもりで穿いてきたのだけれど……」
恥ずかしさのせいなのか、のぼせているからなのか赤い頬で僕に自身なさげに尋ねる。
横になっているせいで普段よりもしっかりとくっきりと分かる育ち盛り胸はもちろん、ふっくらとした柔らかそうな股の間の
「すごく、いいよ。とっても綺麗だ」
「よかった……」
安心したように微笑むほむらは今までよりもずっと可愛く見えた。
僕も我を忘れたように浴衣を脱ぎ捨て下着姿になると彼女に覆い被さる。
背中に手を回してフロントホック式のブラジャーを取り去り、遠慮なく両手で触れた。
「ん……強引ね」
「嫌だった?」
「ううん。ずっと……政夫に触れてもらいたかった」
首を振って答えるほむらに僕は性欲ではない、熱さを胸の奥で感じた。
この子を気持ちよくさせてあげたい。思い出に残る初体験を送ってあげたい。
そう願い、胸を優しく、でもしっかりと揉み解していく。
指を吸い込むような柔らかで、弾力のある胸は温かく、心地がよかった。
しばらくそうやって揉んでいると、手のひらに当たっていたピンク色の乳首が固くなっていった。
ショウさんに聞いたのだが、女性の乳首は男性の股間のように性的快感により、固くなるのだという。
そして、固くなったら――。
「んぅ……!! だ、駄目、口でなんて……」
しゃぶり付く。
口内に含んで絶対に歯を立てないようにして、舌で捏ねくり回す。
まずは先の方を舌先で擦るように舐め、次に乳首の周りを円を描くように舐める。
「ひもひいい? (訳・気持ちいい?)」
「咥えた、まま……あぅ……喋らないで……」
目を瞑り快感に
「はあぅうっんっ……!!」
大きな
口の中の唾液で汚れた乳首を舌先で味わい尽くす。ほむらから匂うボディソープの香りが僕の理性を徐々に溶かしてくのが分かった。
胸から口を離すと、今度は下に移動してほむらのショーツを弄る。
盛り上がった頂点の部分は既に湿っていて、指で触れるとクチャリと卑猥な音がした。
「そ、そっちは……あんまり見ないで……」
首を起こして恥じらい顔で弱々しくに言うほむらにサディステックな思考が刺激され、布地をずらしてじっくりと眺めた。
切れないな曲線を描く彼女の恥丘は生命が作り出す美のように感じられた。スターリン君の家で前に鑑賞したAVの女優よりずっと美しい桃色の肉ビラをしている。
「大丈夫。ここも綺麗だよ。でも、ほむらさんて下の毛、薄いんだね?」
「言わないで……恥ずかしいんだから」
十八の女の子が平均でどれくらい陰毛を生やしているのかは知らないが、それでもほとんど産毛のような細く薄い毛しかないほむらは珍しいと思う。
指先で少し弄くった後、僕はそこを舌先で舐めた。
「あっ……あぁ!!」
「ほむらさんのここ、酸味が……あるね」
真顔でそう言って顔を上げるとほむらは無言で内輪を手裏剣の如く投げてきた。難なく避けると涙目で抗議の視線を向けてくる。
本人は凄く怒っている様子だったが、こちらからすれば可愛らしさしか見受けられない。
僕の方もトランクスの中でパンパンに膨れ、テントを張って、自己主張してくる肉棒を取り出した。
こちらも我慢限界だ。ほむらの恥丘もひくひくと小刻みに脈動している。
「……
亀頭を露にしてほむらに聞くと、頷いてくれた。
「私は待ってたわ。四年も前から、ずっと」
ほむらとしては真面目に言っているつもりだろうが、僕としても中学生の時に性行為をせがまれても確実に断ったと思う。
流石にあの歳で恋人を傷物にする気は欠片もなかった。
避妊具を肉棒に付けて、外れないように固定する。まだ高校生の身分で父親になるのは勘弁だ。
それではほむらを幸せにできない。少なくとも就職して生活が安定するまでは子供は作るつもりはない。
「来て……政夫……」
「うん。挿れる……っよ」
挿入しやすいように広げてくれたほむらの股の間にある陰部に自分の亀頭を差し入れた。
処女膜を突き破ったせいでじんわりと肉棒の突き刺さった陰部から血が流れる。痛みからほむらが顔を
しかし、僕はそれに気遣う精神的余裕は存在していなかった。
かつて感じたことのない快感が肉棒から脳髄に伝わる。一瞬にして理性的思考が完全にショートして性欲に支配された。
ほむらの太腿を抱えるように掴み、猛り立つ己の肉棒を深々と突き刺す。
「ああぁっ!! ……ま、待って……激しっ……!」
ほむらの制止の声も艶色に塗れ、興奮させる材料にしかならなかった。
貪るように彼女の肉壷を味わうために腰を振る。
擦れれば擦れるほど快楽は増大していき、結果的に腰付きは加速していった。
布団を濡らすほむらの愛液もそれに合わせるように量を増やして、垂れ流している。
「ほむらさんっ……! ほむらさんっ……! うっく、ほむらっ!!」
自分でも気が付かない内に熱に浮かされ、ほむらの名前を呼んだ。いつもは敬称を付けていたが、欲望に身を任せているせいなのか内心で呼んでいたのと同じように敬称が外れていた。
「政夫! もっとっ……お願いっ!!」
制止を求めていたはずのほむらも快楽に思考を焼かれ、次第に自ら懇願するように肉欲を求めた。
どちらともつかない嬌声が部屋に響く。肉棒と肉壷が擦れ合い、汗と愛液の混ざり合う音を隠すようにして、二人は獣のようにお互いを感じ合った。
腰の振りが最大になった頃、耐えていた肉棒が射精間近の合図を脳に送る。
ショウさんが言っていた『達する』という奴だ。
僕はほむらに喘ぐように言った。
「ほむらっ……もう僕出そう……」
「政夫っ、私も! 私もイキそう……ぅんんっ……キス、して。最後にキス!」
発情しきったとろんとした顔でキスをねだるほむらに言われるがまま、唇を吸い付く。
舌と舌を絡め合わせて、お互いの口内に溜まった唾液を飲ませ合う。
時々するディープキスとは気持ちの良さが段違いだった。
理性の欠片のない雄と雌の口付け。それに合わせるように腰が唸る。
「イクっ! イクっ! あっああああああーーーー!!」
ほむらの中で僕は果てた。子宮口に押し当てた亀頭から精液が流し込まれる。
処女膜喪失による痛みか、それとも快感によるものか、あるいは両方の理由にによりほむらの目からは涙がこぼれていた。
僕はそれを舐めた。
塩辛い味が急激に気だるくなった頭にちょうどよかった。
「色んなところ、舐めるのね」
「好きな人の身体だからね。どこだって舐めたくなるよ」
ふざけた調子で笑い合って、またキスをした。今度は大人しい唇を触れ合わせるだけのキスだ。
ほむらに抱き着いてた身体を起こして、刺さった状態の肉棒を抜こうとする。
だが、鋭い声がその行為を止めさせた。
「駄目っ!」
荒い呼吸を整えながら、
「まだ、抜かないで……貴方とまだ繋がっていたいの」
いじらしいその台詞に精液を一通り吐き出して、縮小を始めた僕の股間がまた膨張を始めた。
今のほむらは僕の股間に悪い。いやらしくて、可愛くて、ずっと性行為を続けていたくなる。
「ならさ、続けて……繋がろうか?」
避妊具の箱を持って彼女の前で小さく揺らす。
それを見たほむらは涙を拭った後、微笑を向けた。
「……馬鹿」
**
それから何時間が経っただろうか。
三パックもあった避妊具を全てに空にした頃、布団の上でお互いの身体に手を回して、僕とほむらは寝転んでいた。
日はとっくの昔に明けていて、ちゅんちゅんとスズメの鳴き声が聞こえてくる。
僕の腕を枕にして、ぐったりとした様子のほむらは僕に恨みがましい目で呟いた。
「随分と性欲旺盛だったわね、貴方……これじゃあ、どちらが誘ったのか分からないわ」
休憩も挟まずに結構強引に続けたせいか、少し怒っていた。
自分でもここまで弾けるとは思ってもいなかった。何せ、数時間前まで童貞だったのだ。配分など分かっている訳もない。
「いや、ごめんね。ここまで嵌るとは思ってなかったよ。伊達に何年も続いている訳じゃないんだね。人類が滅ばない訳だ」
天井を見上げて、他人事のようにしみじみと感慨深くそう吐くと、ほむらは僕の頬を引っ張ってきた。
「私が気を失うまでやっておいて、その態度は何なのかしら……? 私が病弱だって事忘れているの?」
「ひゅみまへん(訳・すみません)」
「まあ、いいわ。誘ったのは私の方で、何より……私も気持ちよかったから」
機嫌を直してくれたほむらは恥ずかしげにそう付け足した。
あれだけ盛大に喘いでおいて今更羞恥を覚えることがあるのだろうか。
僕としては露天風呂で一物を握り始めた時の方が、よほど恥ずかしがるべきだと思う。この女の子の思考は相変わらず、どこかずれている気がしてならない。
「それから、政夫……」
さらに何か言いたいことがあるようで僕の瞳を見つめてきた。
「うん? 何?」
「その、してる時に名前呼び捨てにしたでしょう……?」
「あ、ごめん。あの時はつい」
「いいの! 別に咎めてる訳じゃないから……むしろ、これからはそう呼んでほしいの」
おずおずとした調子で何を言い出すのかと思えば、まさかそんな可愛いことを言い出すとは。
こいつは付き合えば付き合うほど可愛い部分が見えてくる女の子だ。
突拍子もないことをするかと思えば、乙女のように愛らしいところを見せてくる。
本当に噛めば噛むほど味わい深い、スルメのような奴だ。
「なら、遠慮なく……『ほむら』」
「何かしら?」
「そろそろ朝食の時間だと思うから、さっさとこれ、片付けよう。チェックアウトもしなくちゃいけないし」
部屋に所構わず散乱している口の部分が縛られた精液入りの
ほむらは無表情で瞬きを二、三度すると、僕の腕枕から普通の枕に頭を移して寝返りを打つ。
「政夫が出した
「君ねぇ……」
夫にゴミだしを任せて、怠ける主婦のようなことを言いながら、そっぽを向いて布団に包まり始める。
もう一度無理やり犯してやろうかと、半分くらい本気で思ったが、流石にもう出し尽くしているのでこれ以上やると僕の方がダメージを負うので断念した。
旅館から帰って、回復した後部屋に連れ込んでたっぷりとこのお返しをしてやる。
よほど眠たかったようですうすうと寝息を立てるほむらを余所に、僕は今夜の予定を頭の中で立てながらビニール袋に使用済みの避妊具を入れていく。
布団の中にある白くて綺麗なほむらのお尻を思い出して、後ろから突いているのを姿見で本人に見せながらするという鬼畜なプレイに思い馳せた。
……駄目だ。僕も疲れているらしくて頭の悪いことしか考えられない。
ゴミを捨て終わった後、僕は寝入ったほむらに近寄ると髪を優しく
「愛しているよ。ほむら……」
恥ずかしいのであまり口に出さない
色々のことがあったが、困ったことに僕はこの女の子がこの世で一番好きらしい。
もしも、ほむらを選ばずにまどかさんと付き合っていたら、この関係はなかっただろう。
自分の選んだ道に後悔はなかった。
今はただ、ほむらを好きになれて良かったと心から思う。
今回は政夫とほむらの二人だけに焦点を絞った短編なので、他のキャラクターは出しませんでした。
メインはエロ描写の練習なので。……出したところ、そこまで力を割り裂けないと思いますし。
流石に中学生のままではまずいと思ったので四年先の時系列で書きました。
挿絵がないのが残念ですが、特に政夫は髪や身長も伸びて大分印象が変わっている事でしょう。