イソップ童話に『金の斧』という話がある。
掻い摘んであらすじを言うなら、泉に斧を落とした木こりが泉に棲む女神に「あなたが落としたのは金の斧か、銀の斧か」と実物を見せてくるのに対し、木こりが「自分が落とした斧はただの斧だ」と正直に伝えて、誠実さに感心した女神に金の斧と銀の斧をもらう話だ。
この話の教訓は正直さは美徳であるというものなのだが、僕としては、唐突に純金製の斧や銀製の斧などいきなり渡された木こりは、ただただ困惑していたと思う。
ろくな脈絡もなく、高価なものを手に入れたとしても、それを受け入れるまでにはきっと時間がかかる。
なぜなら――実際、今の僕がそうだからだ。
あの後、記憶を失う前の自分に代わって、僕の立派な恋人になると息巻いていた眼鏡のほむらだったが、残念ながら彼女の恋人像は入院中に看護師が貸してくれた一昔前の少女漫画で止まっていた。
とりあえず、『恋人=デートをする関係』という安直な構図から、彼女はしどろもどろになりつつもデートを提案し、僕たち二人は街へと繰り出していた。
「政夫さん! 政夫さん!」
僕の服の
何だ、この可愛い生き物は……。
眼球に録画機能があればと思うほど魅力的な映像だが、返事もせずに見惚れると不安にしてしまう。
名残惜しくも応答をする。
「はい、こちら政夫さんです。どうしたの? ほむらさん」
「あれ何ですか? あの白いマスコット」
「ああ、あれね」
眼鏡のほむらが指差す方向には白くて長い尻尾を持つ、四足歩行のマスコットのオブジェが歩道のあちこちに
「“みたきーくん”だよ。ちょうど四年前の災害復興の時に見滝原市が掲げたご当地マスコットさ」
夜な夜な見滝原市の復興を手伝ってくれる妖精という設定なのだが、恐らくこれはこっそりと魔法を使ってビルの鉄骨を組み上げたり、捲れ上がったコンクリートブロックを直していたニュゥべえたちを目撃した魔法少女予備軍の子供たちの噂を取り上げたせいだろう。
普通の人間には見えないように認識阻害をしているニュゥべえも相変わらず、魔法少女の素質を持つ少女には見えてしまうらしく、ちょっとした都市伝説として語り継がれている。
本人にこの話をすると、ニュゥべえは「ボクの胴はこんなに太くないし、手足ももっと細いよ」と抗議を受けた。
確かに言われてみれば、みたきーくんは本物よりもずんぐりむっくりとした体型で顔も白目があって、どちらかとデフォルメしたイタチを太らせたような見た目をしている。
まず気にするのが顔ではなく体型な辺り、ニュゥべえも女の子といったところか。
「へぇー、そんなマスコットが居るんですね」
「最初の頃は復興の旗頭としてぬいぐるみとかも出してて、県外からの人気も上々だったんだけど、思いの外復興が早く終わった後くらいに市長が欲をかいて『見滝原フェアリーランド』とかいう遊園地を作ってからは人気も下火になっちゃってねー」
あくまで災害を陰ながら手伝ってくれる健気な妖精というコンセプトが受けていた訳で、お金の匂いが色濃く出た後に人が離れて行くのは道理でもあった。
一年くらい前、ニュゥべえと一緒に散歩に行った時、おもちゃ屋前のワゴンでぬいぐるみが投げ売りされていたのを見た時は何とも言えない気持ちにさせられたものだ。ちなみに値段としては一二〇ミリリットルの缶ジュースの半額だった。
「よかったら行ってみる? 来月には閉園予定だからチケットも
「何だか世知辛いですね。でも、遊園地か……。入院していた頃、一度は行ってみたかった場所です」
そんなこんなで僕は眼鏡のほむらを連れて、見滝原フェアリーランドへと向かうことになった。
道中、バスに定期券で乗り込んでから、そういえば学生証を持ってくればよかったと後悔したが、それは
入園チケットを購入時、受付のおばちゃんが快く学生料金で売ってくれたからだ。
「いいのいいの。どうせ、今月しかやってないんだから楽しんでって」
「ありがとうございます」
「こんな可愛らしいカップルさんの甘酸っぱい思い出になるなら、みたきーくんも喜ぶと思うわ」
「カップルさん……えへへ」
眼鏡のほむらは照れてもじもじと俯く。
視線を足元に落としていたが、時折、僕の横顔を覗き込むように上目遣いをしていた。
僕としてもこの初々しい可愛さの化身と、普段のほむらの落差にどう接したらいいものかと思案する。
このほむらからすると僕は四つ年上の恋人になるのだろう。いつものほむらはふてぶてしさが天元突破し、目上の人間に敬意も払わないが、この子は違う。
だとすれば、当然僕がこの子をリードしていかなければならない。
受付のおばちゃんはそんな僕らを微笑ましく見送ってくれた。
「じゃあ、行こうか」
「あ……は、はい!」
そっと手を差し伸べると、一瞬の間の後、握り締めてくれた。
数えきれないほど握ったほむらの手とは思えないほど、緊張した手付きで掴む。
「う、腕も絡ませますか?」
やや
「絡ませてもいいけど……大丈夫? 男子の手を握った経験はどれくらい?」
「今日が初めてです! 今の私は」
「じゃあ、止めておこう。徐々に慣れていったら腕組みもしようか」
「はい!」
本当に中学生くらいの女の子とデートしているような気分になる。
若干背徳感にも似たような気持ちになりつつも、園内を軽く見回した。
休日だというのに入園客の入りはかなり少ない。流石に十数人という訳ではないが、見渡せば大体の客の顔が把握できてしまうくらいには少なかった。
これはかえって大型アトラクションは定員が集まらずに待たされるかもしれない。
そう思っていると、園内に見知った
向こうもこちらに気付いたようで手を振ってから近付いて来る。
「政夫じゃん。奇遇だね。あ、隣に居るのって……ひょっとしてほむら!?」
青く澄んだ水面のような長い髪が駆け寄る度に左右に揺れる。
高校に進学してからは長く伸ばしたロングヘアーは少し背が高くなり、大人に近付いた彼女に似合っていた。
「久しぶりだね。美樹さん。そっちは一人?」
行っている高校が違うのでこうして顔を合わせるのは夏休み以来になる。
「そんな訳ないでしょ。流石に一人で遊園地なんて来ないわよ」
「それ、巴さんの前で言える?」
既に大学一年生の巴さんは今年の夏休み、受験を控えた僕らとどうしても予定が噛み合わず、余暇を潰すために一人で遊園地巡りをしていたらしい。
何で知っているかというと本人がSNSで遊園地の画像をアップロードしていたからだ。独自レビューのようなものを書いていたから、あれはあれで楽しんでいたのだと思うが。
「マミさんは……何でああいう寂しい真似するんだろうね。美人で人当たりもいいし、大学でも声掛けられまくってるだろうに」
言葉を選びつつ、苦笑する美樹。
あの人もあの人で過去の経験から共有する話題が見つからないと無意識で壁を作ってしまうタイプだからなぁ。
そんなことを話していると、走り寄ってくる足音が響く。
「おい、バカさやか! お前が代わりに並ぶって言うから、代わりに私がジェラート買って来たっていうのに!」
文句を吐きながら走り寄ってくるのは黒髪のショートカットの少女。
両手にコーンに乗った
「お久しぶりです。
「政夫! 君も来てたの!? あ、そうだ。このジェラートあげる」
怒りの表情が一瞬で喜色満面に変えた呉先輩は、自然な動作で僕にジェラートを手渡そうとする。
「いや、キリカさん。それ、私の分! 私の分だから!」
慌てて、美樹がそれを防いで呉先輩から奪い取った。
呉先輩は残った方のジェラートを舐めながら、そんな美樹に呆れた目で呟く。
「ケチだな、さやかは」
「じゃあ、自分の分を上げてくださいよ。まったく、この先輩は……」
お互いにじゃれ合いのような言い合いをしている二人を見ていると、こちらまで笑みが
「珍しい組み合わせですね。お二人だけで来られたんですか?」
「本当は
「いやいやいや! どうしても行きたいって駄々こねたのキリカさんでしたよねっ!? 私、来週にしましょうって提案しましたよねぇっ!?」
「何かさやかが煩いけど、あれ、嘘だから気にしないで」
恐らく、美樹の方が正しいのだろうが、深く追求せず、苦笑いでその場を流す。
中学時代からそれなりに仲良くしていた様子だったが、こうして二人だけで遊びに出かけるほど親密だとは思わなかった。
意外な組み合わせに見えるが、こうしてお互いに好き勝手言い合う姿を見るに相性は悪くないようだ。
濃すぎる二人のトークのせいで紹介が遅れてしまったが、隣の眼鏡のほむらに伝える。
「こっちの青い髪の方が美樹さやかさんで、黒髪のショートの方が呉キリカ先輩だよ。二人とも前の君と接点があった人たちだけど、やっぱり思い出せない?」
「え、あ、はい……。何も覚えてないです」
申し訳なさそうに首を横に振る。
対して、対面する二人はほむらのその反応の意図が
「どうしたの? 格好もそうだけどさ、敬語なんて使うの、らしくないじゃん」
「そうだね。いつもなら『貴女たち、本当に会話のレベルが中学生の時と変わらないわね』くらい、嫌味を言って来るのに」
「ええ、わ、私、そんな失礼な事をお二人に言ってたんですか……? すみません! すみません!」
米つきバッタのように眼鏡のほむらは何度も頭を下げた。
それを見た、二人の目が点になる。
視線をぐっと彼女から僕に向けると、動揺した様子で尋ねて来た。
「な、何があったの、政夫……なんかこのほむら、まとも過ぎて怖いよ……」
「周囲を仏頂面で見下しているこいつが、ペコペコ私たちに頭を下げるなんて……壊れたの? それとも壊れてたの?」
ああ、やっぱり二人ともほむらに対してそういう認識だったのか。
いや、気持ちは分かるけども。
コホンと小さく咳払いをした後、彼女たちに今のほむらの身に起きていることを分かる範囲で伝えた。
「という訳で、原因は分からないけど、今のほむらは十四歳以前の記憶しかないらしいんです」
「へえ~」
「ふ~ん」
魔法だの奇跡だのを昔散々見てきたせいか、記憶喪失という日常ではお目に掛かれない事象にも
むしろ、ちょっと面白そうだとばかりに美樹は眼鏡のほむらに話しかける。
「ねえねえ、ほむら。本当に全然、私の事覚えてないの?」
「はい、すいません。えっと、美樹さんは前の私とどういう関係だったのか聞いてもいいですか?」
おずおずと質問する眼鏡のほむらに、美樹は少し考え込んでから言った。
「まあ、友達だったよ。中学の時は同じクラスで、そんで同じ魔法少女だった……」
「えっ! つ、つまり美樹さんも魔法少女の妄そ……」
「まあ、アンタに比べれば随分短いけど、魔法少女として魔女と戦ってたよ」
「魔女と戦う……そういう設定だったんだ。うう……」
眼鏡のほむらは助けを求める目で僕を振り返る。
美樹からすれば、割と真面目な内容を話しているつもりだろうが、彼女にとってはかつての自分との間で作り上げられた黒歴史妄想の設定を聞かされている状態だ。
羞恥心に打ちひしがれ、今にも泣き出しそうにしている。
「美樹さん。魔法少女の件はそれくらいにしてあげて」
「あ、そっか。ほむらにとっては辛い日々だったよね。ごめん、気が利かなくて」
「いえ、美樹さんにとっても同じだと思いますから……」
「そう、だね……悪い事ばかりじゃなかったけど、あの時、魔法少女辞められたから、こうして普通の女子高生やれてるんだろうし」
両者の認識に
すごくシュールだが、余計なことを言っても今のほむらを混乱させるだけだろう。
まずは黙って見守るのが正解だ。
「呉さんの方も私と友達だったんですか?」
「友達? 冗談だろう? 私と君とは殺し合った仲じゃないか」
「ええー‼ こ、殺し合った……?」
「ストップストップストーップ!」
前言撤回。黙って見守れるか、こんな物騒な会話。
しかし、呉先輩は止まらない。
「言葉通りの意味だよ。そもそも君は初対面の私に拳銃を向けて……」
「あー。ジェラート溶けそうですよ! 呉先輩」
「あ、本当だ」
「僕らの方も何か買って来ようかな! それでは!」
もはやこれ以上この場に留まるのはまずいと判断した僕は瞬時に呉先輩の気を逸らし、眼鏡のほむらのを連れて、彼女たちの前から退避した。
取りあえず、距離を充分に取るために一際空いている回るティーカップのアトラクションにそのままの勢いで乗り込んだ。
みたきーくんが縁と真ん中のハンドルに寝そべるようにくっ付いているデザインだが、それ以外はさして独創性が
眼鏡のほむらは終始無言で俯いている。
まずいな、さっきの話は少し彼女には刺激が強すぎたみたいだ。
ティーカップが回り始めると僕は沈んだ空気を変えるために話しかけた。
「あのさ、ほむらさん。さっきの呉先輩は
実際はヤクザの事務所から盗んだとかいう、本物の拳銃で呉先輩を亡き者にしようとしていたが、あえて正直に話す必要はないだろう。
「……もしそうだとしても呉さんに初対面で嫌な態度を取っていたのは事実ですよ」
「色々あったんだよ、前の君にも。あまりにも嫌なことが積み重なって、それが態度にも出ちゃったってだけで」
「いいんです、そんな風に気を遣ってもらわなくても。記憶を失う前の私が酷い人間だって事は分かります」
……どうしよう、まったく否定できない。
いや、まあ、確かに最近はマシにはなって来たが、それでも振り返れば犯罪行為が目に余る。
ストーカー行為、住居不法侵入、窃盗、銃刀法違反、殺人未遂……などなどざっと思い返してもこれくらいはある。
自衛隊の駐屯地から重火器を盗んできたことはもはや窃盗の一言で括っていいのかも怪しい。
あの一件で職を追われた自衛官は確実に居たことだろう。人生設計が狂った人間も片手では収まらないはずだ。
「その、あれだよ……以前のほむらさんは、もうそういう存在だから。人間の価値基準とは別枠に位置するというかね」
“魔法少女”ならぬ、“触法少女☆暁美ほむら”とでも言えば良いのだろうか。
実際にはあの時、既に十四歳だったからアウトなのだが、法で裁けない何かと認識しておこう。
「何ですか、その邪悪な妖怪みたいなカテゴライズ……」
素で引いている彼女にちょっと笑ってしまう。十四歳時のほむらにはきちんと倫理観が備わっていたのだなあ。
それにしても邪悪な妖怪って……まあ、さして間違いではない気もする。
「それよりさ、せっかく遊園地来たんだから少しは楽しんで行こうよ」
「そう、ですね。ちなみにこれはどういうアトラクションなんですか? 大きなティーカップみたいですけど」
話題の転換に成功した僕は軽く説明をしながら、中央にあるハンドルを捻って回す。
すると、緩やかな速度で僕らの乗るカップが回転し始めた。
「わあ。回り出しましたよ、政夫さん」
「回り出しましたねぇー、ほむらさん」
驚いた顔でキョロキョロと周囲を見回す無邪気な彼女に思わず、口元が綻んだ。
それからジェットコースターやメリーゴーランド、お化け屋敷など主だったアトラクションを回った。
頭に矢の刺さった甲冑を付けた“落ち武者みたきーくん”包帯でぐるぐる巻きなった“ミイラみたきー”が出迎えてくれるお化け屋敷は怖いというよりはキャラクターバリエーションを増やすために作ったのだろうなと思わせてくれる可愛らしいデザインだった。
どれも目をキラキラさせて愉しんでいたが、特に眼鏡のほむらが気に入ったのは観覧車だった。
「いいの? 三回も乗るほどこのアトラクション代わり映えしないと思うけど」
「いいんです。高いところから外を見られるのが嬉しくって……あ、退屈してしまったなら、すみません」
ゴンドラに乗って上へと昇って行く感覚も新鮮さを感じなくなる三回目の観覧車。
窓の外を眺めていた眼鏡のほむらは、ハッと気が付いたように僕に振り向いて頭を下げてくる。
「いいのいいの。元々、君のために来たんだから。でも、そろそろ次は別のアトラクションに行きたいかな」
「次は……あ、じゃあ、あのピンクのお城みたいなのに行ってみたいです」
「どれどれ…………んん、あれは」
彼女が指差したのはフェアリーランドのすぐそばに建つ、ラブホテルだった。
本当にすぐ隣に建設されているため、ファンシーな外観も相まって遊園地の一部に見えてしまうのも無理はない。
僕は言葉を選びつつ、眼鏡のほむらにそれを伝える。
「あー、あれは遊園地のアトラクションじゃなくて外部の施設だね」
「え、そうなんですか? でも、あの可愛いお城はどんなところなんですか?」
無邪気な質問の返答に
「大人の男女が行く施設だね」
「恋人同士とかですか?」
「まあね」
「じゃあ、行きましょう!」
「ええ!?」
君、自分の発言の意味分かって行ってるの?
内心でそう突っ込みたくなるのをぐっと
「……なぜに」
「私たちは恋人同士で今は十八歳ですし、もう大人と言っても過言じゃないです」
過言だよ。また学生だよ、僕ら。
どうにも大人の施設というところが彼女の
ゴンドラが頂点に達し、ゆっくりと下降し始める。
まずい、このゴンドラが真下に行くまでに説得しないといけない。
少なくとも
「ほむらさん……あそこはね、ラブホテルという名前の場所なんだよ」
「ラブホテル。可愛い名前の場所ですね」
名前は可愛くてもその実態は全然可愛くないんだよ!
叫びたくなる衝動を呑み込み、平常心を保ちつつ説明を続ける。
もう僕の表情は真顔だった。漫画だったら陰影が付き、劇画調になるくらいの真顔。
「その主な用途はね、男女がエッチすることなんだ……」
「えっち……? …………そ、それって!」
一瞬、意味を捉えるのに時間がかかり、その後、鼻や口元を押さえて真っ赤になる。
よし! いや、全然良くないがこれで彼女をラブホテルに行くするということは避けられそうだ。
「わ、分かってくれた? だから、あそこは……」
「ま、政夫さんは前の私とはそういう事、してたんですか!?」
「えっ?」
「その、つまり、え、エッチをしてたかというのを聞いてます!」
「いや、言葉の脈絡が分からなかった訳じゃないから。う、うん。して、たよ……?」
何だ、この妙な強情さは。こっちの方がたじろいでしまう。
眼鏡のほむらはそれを聞くと意を決したように答えた。
「じゃあ、私とも、しましょう!」
スカートの端を手で握り込み、目を瞑ってそう叫んだ。
「………………はい?」
それから少しの沈黙の後、僕らを乗せたゴンドラは地上へと辿り着いた。
代わりに僕の思考は宇宙の彼方へ飛んで行きそうだった。