「良く草薙さん許してくれたな」
伏見が運転する車は海沿いの道を走っていた。リゾートホテルが近くにあるためか観光客らしき人の姿がちらほら見られる。助手席に座るアンナは表情がもともと分かりにくいがいつもより機嫌が良さそうに見えた。
「サルヒコとなら安心、冬の海を見るのもいいなってイズモ言ってた。」
なるほどなと思いつつ、信用されているならそれでいいかと伏見は思った。
「プールがホテルにあるって言ったら水着も買ってもらったし」
嬉しそうに話す櫛名。
「部屋に露天風呂あるのは言ってないよな?」
ハンドルを切りロータリーに車を止めて微笑みかけながら言う。
「もちろん内緒。」
荷物をホテルマンに渡すと伏見は再度車に乗り込み駐車場に停めるとフロントに向かう。
チェックインの手続きを済ませホテルマンから荷物を受け取り部屋へと向かう。
カードキーを差し込み中に入ると広々とした空間が広がっている。
「洋室なのに露天風呂あるとか凄いね!」
2人で泊まるには充分な広さの部屋だった。ベッドルームとは別にリビングがあり、ソファやテーブルなどが置かれている。浴室もガラス張りになっていて廊下から丸見えの状態だが気にしない事にした。
「ジャグジーに近いタイプだった気がしたな……ほらこっち」
伏見が櫛名の手を引き連れて行くと
窓の向こうに海が見えるジャグジー付きの浴槽があった。
「すごい……こんなの初めて見たかも」
目を輝かせて喜ぶ櫛名を見て伏見は満足気に微笑んだ。
「これ隣の部屋の鍵、部屋が別になってるからカモフラージュ用な。」
そう言いながら部屋の鍵を手渡した。
草薙の信頼を失って櫛名が出かけにくくなることだけは避けたかったからだ。
「ありがとうサルヒコ。写真撮ってイズモに送ってくる」
嬉しそうな表情を浮かべてパタパタと部屋を出て行く彼女の後ろ姿を見送った後、ため息をひとつついた後にソファに腰掛けて頭を抱える。
(今日で童貞卒業……喘いだりしたらかっこ悪いけど、どうなんだろう……オナニーしとけば良かったか)
基本的に性欲が薄いため自慰をしてこなかったから快楽への耐性がないかもしれないという不安もあった。
「サルヒコ?どうしたの?」
いつの間にか戻ってきていた櫛名に声をかけられ慌てて顔を上げると心配そうに顔を覗き込まれた。
「いや、なんでもない。プールでも行くか?」
誤魔化すように立ち上がると、バスタオルを手に取り彼女に渡してやる。
アンナは少し迷ったような素振りを見せたが頷いて受け取ると脱衣所へと向かって行った。
その後を追って伏見もまた向かうのだった。
男女が合流するエリアで伏見が待っていると櫛名が駆け寄って来るのが見えた。
「水着どう?」
ワンピースタイプの水着を着た彼女が恥ずかしそうに聞いてくる。
赤い生地に黒いフリルがついた可愛らしいデザインだ。
胸元はリボンになっており、下の方はスカート状になっているので露出は少ない。
「似合ってる」
「ありがとう……でもビキニが良かったけどイズモがダメだって……」
残念そうに俯く櫛名を慰めるように頭を撫でてやる。
「まぁ、それはまた今度だな」
「うん、楽しみにしてる」
それから2人はプールへと足を運んだ。
浮き輪をレンタルするとアンナを乗せ、伏見は支えるようにして泳ぎ始める。
アンナは楽しそうに水ではしゃいでいてその様子を見て安心していた。
(エッチなしで2日間過ごすのも悪くないかもな……)
1時間ほど遊んだあと休憩することにした。自販機で飲み物を買ってくるとアンナに渡す。
「ありがとう」
そう言って受け取るとストローに口をつける。その様子を横目で見つつ、伏見は缶コーヒーを開けて飲む。
「ねぇ、サルヒコ」
「ん?」
「えっちなことしていい?それともまだ早い?」
突然の質問に飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになるが堪えて飲み込む。
(いきなりかよ!?)
驚きつつも平静を装う。
「人が少ないといえどプールだぞ」
「ほら、こうすれば抱っこに見えるでしょ」
そう言うと彼女は伏見の首に腕を回し、腹部に腰掛ける形で抱きついてきた。
柔らかい恥丘の感触を感じる。
「ピッタリした薄い水着にしたの。だからこうやってくっつくと気持ちいいよ」
確かに肌の感触がほぼダイレクトに伝わってくるため心地よかったが、それ以上に羞恥心が勝っていた。
(胸の形も結構くっきり出てると思ったら)そう考えているうちに下半身が反応してしまいそうで怖かった。
しかし、このまま何もしないというのもつまらないと思い始め、彼女を抱き上げたまま立ち上がり座り直す。
所謂お姫様だっこの状態だ。
「胸当てたかったんだろ?」
小声で言うとアンナは黙って頷いた。
「誰もいなかったらここでセックスできたのに」
「監視カメラあるだろう……」
伏見が呆れ気味に言うと頬を膨らませた。
頭をポンポンと撫でると嬉しそうに目を細める。
「部屋戻るか??でもその前に夕食になるからエッチはお預けだけどな」
「むぅ……わかった……」
2人が部屋に戻る頃には日が落ち始めていた。
***
食事を済ませ部屋に戻ると、キングサイズのベッドで横になっていた。
「サルヒコ、勝負下着?とかなくてごめんね」
「12歳でそんな下着売ってないから安心しろ」
苦笑する彼に抱きつくようにして隣に寝転ぶと、彼の腕に頭を乗せる形で向かい合う体勢になった。
「また。ちょっと胸大きくなった」
「ああ、成長期だからな……もっと大きくなるから心配するなよ」
頭を撫でながら言う伏見の言葉に頷く。
櫛名は眠くなってきたのか欠伸をすると目を擦った。
「長時間の移動とプールで疲れて眠いだろ……寝ていいからな」
「ううん……セックスするもん……サルヒコとするんだもん……」
今にも眠りに落ちそうな様子で言いながら身体を擦り寄せてくる姿に苦笑しつつ抱きしめる。
しばらく背中を撫でてやるとやがて寝息をたて始めた。
その寝顔を眺めながら伏見も眠りについた。
***
翌朝、目を覚ますと隣にはまだ眠っている櫛名。
「おーい、朝だぞ」
声をかけてみるが起きる気配はない。
仕方ないので先にシャワーを浴びることにした。
シャワーから出るとちょうど櫛名も目を覚ましたところだったようで目が合った。
「おはようサルヒコ……あれ私寝ちゃった……?」
「おはよ、よく寝てたぞ」
そう言いながら櫛名の頭を優しく撫でた。気持ち良さそうに目を細めている姿が可愛らしいと思った。
「朝食食べたら、外のジャグジーでゆっくりしよう。支度していくぞ」
櫛名は頷くとベッドから降りる。
「海だ!」
「夏だったら、海に行くのもいいかもな」
部屋の外のジャグジーにのんびり浸かり櫛名は伏見の腕に抱きつき甘えてくる。
「胸当たってる」
「当ててる。」
指摘され、あからさまにふわふわとまだ未発達な胸を押しつけてきた。
「サルヒコの腕を胸で挟めるくらいになりたい」
「焦らなくていいのに……マッサージしてやろうか、そこのカゴにオイルがあったけど」
櫛名が立ち上がると、棚に置いてあるボトルを手に取り戻ってきた。
「正面からと後ろからどっちがいいか?」
「じゃあ前からがいい」
そう言われたので、向かい合わせになりタオルを敷いてからデッキに押し倒す。
「寒くなったら言えよ?」
伏見はそういうと手でオイルを温めて櫛名の小さな胸に手を這わせる。まだ膨らみかけだが柔らかく弾力があるのがわかる。
「んっ……ふぅ……」吐息混じりの声を漏らす彼女の表情はとても艶っぽいものだった。
「寒くないか?」
「平気だよ、それよりもっと胸大きくして」少し拗ねたようにいう彼女に苦笑しながら返事をする。
(前より全体が膨らみ始めたな)
少し会ってないだけでも変化はあるものだと思いながら愛撫を続ける。
「あっ……!そこぉ……!」
乳腺をほぐすように揉み込んでいくと次第に声が大きくなり、乳首がピンと勃ってきたのがわかった。
しかし伏見はあくまでマッサージなので決定的に感じる部分には触れないように注意しながら続ける。
「痛かったら言えよ?」
「違う……ここも触って」
手を取りすっかり目立つ乳首に触れさせると満足げに微笑むと口を開く。
「ちゃんと今日はセックスするよ……だからお願い」
「でも、この間痛かっただろ?」
手を止めると不安げに聞いてくる伏見に、首を横に振り大丈夫と答えて再び彼の手を掴み自分の乳房へ持っていくと、耳元で囁くように言う。
「もう我慢出来ないよ……好きなんだもん」
苦しめたくないが、我慢させていた事も同じだったと頭を抱える。
「満足したら、途中でも止めていいからな」
そう言うと櫛名の乳首をそっとつまみ上げた。
ビクッと身体が跳ね上がるが構わずに続けていく
親指と人差し指の間でコリコリと転がしたり引っ張ったりする度に甘い声が漏れ出す。
「サルヒコの全部が欲しいもんっ……んぁ……っ、やめないよ……ベッド行こう」
バスローブを羽織り、ベッドに横たわると櫛名が顔を近づけじっと見つめると頬に触れる。
「サルヒコ優しい……でも私ももうエッチな気持ちになる事増えてきたんだよ?」
能力で伏見の心情を読み取った。身体を思いやる気持ちが嬉しく愛おしさが込み上げてくる。
唇を重ね伏見の舌に自らの舌を絡めるように動かし能力がない伏見にも伝わるように激しく求めていく。
「アンナっ……激しい」
息が苦しくなり口を離すと唾液の糸を引いたまま言う。
櫛名は妖艶な笑みを浮かべ、 伏見の首筋に舌を這わせ、耳を舐める。
伏見の身体が小さく震えると櫛名は嬉しそうに微笑んだ。
「大好きって気持ちをいっぱいサルヒコに伝えるから……」
そういいながら伏見の身体に手を滑らせ首筋へ吸い付き痕を残す。綺麗についた赤い印を見て満足げな表情を浮かべていた。
「アンナ……我慢できないんだな」
熱の宿った瞳、荒い息遣い。
言われなくとも伏見でも理解できた。
自分を求めているのだと。
「うん……だって好きだから……」
恥ずかしそうにバスローブを脱ぎ、まだ日も上りきっていないというのに裸を晒す。
興奮で高揚した頰、汗ばんだ肌は朝日に照らされキラキラと輝いて見え、とても美しかった。
「俺に好きを教えて」
その言葉に櫛名は頷き、伏見のバスローブに手をかけ脱がせた。