【書籍化】ヤニ吸う寿音さんのお口が疼く~仕事を辞めたら長身デカパイヤニカスイケメンお姉さんに拾われて甘々セフレ生活が始まってしまったお話 作:37級犬築士
パソコンに張り付いてひたすらデータを打ち込み続ける日々、上司が作ったミスだらけの資料を手直しして、押し付けられて、また押し付けられて、ずっとパソコンの画面に張り付いて、もはや光る画面に目を見開いて眼球を乾かすことが仕事だとすら思っていた。
以前の僕にとって、眩しくしかる画面はテレビですら嫌気がする、なんてのは言い過ぎかもだけど、とにかく電子の光に良い思いは持っていなかった。文明なんて後退してしまえと愚痴る程度だ
とまあ、歪んでしまっていた僕の話はもう過去のもの。
今はもう、文明を後退するべきなんて危険な言の葉を吐いたりなんてしない。
だって、今日初めて僕は、液晶から目を離したくないと、瞬きするのが惜しいとすら感じられた。
「これ、すごく楽しい……あ、死んじゃった……仲間、やった……ありがとう、ありがとうございます」
顔も知らない味方の親切に助けられた
「もしも~し、ちょっと夢中過ぎないかい?」
「……チャンピオンです」
「成長が早いねぇ」
顔も知らない協力プレイヤーからの賛辞の言葉。寿音さんからのアドバイスもあるけど、我ながら楽しくそして迅速に遊び方を学んでしまった。
リコイルの抑え方、偏差撃ち、立ち回り、ウルトの切り方。仕事以外の知識が頭を巡っていくこの快感。
遊んでいる。そして、今自分が遊んでいる時間というのは、かつては労働の範囲だった。
社を去った今も、彼らは同じ文明の光を見ながら、過去に僕が抱いていた辟易で息がつまっていることだろう
……今も死にながら働いている上司や同僚のことを思うと
「た、楽しい……あはは、もう一回」
罪深い楽しさ。美味しくもない、ヤケで買い込んで無理矢理流し込んでいたお酒なんかよりもずっと、遥かに、最高だ
もっと、もっともっと
「ストップ」
「ひゃぶ!?」
強制停止、寿音さんに抱き着かれておっぱいで頭部を収納されてしまった。
電脳空間を駆け抜ける勇ましい頂点捕食者な僕は、寿音さんというより上位の存在に食べられてしまったのだった。
「……あたまが冷えました」
「よしよーし、リラックスリラックス」
……むにゅ、もにゅるり
「はふん……ふうぅ」
「いい子いい子、ゲームは1日1時間おき……頭を休めて目も休めて、遠くを見るかおっぱいを見なさい」
〇
~PM.8:23~
夕食時、今日の主菜は揚げ物だった。
寿音さんの作った2度上げのから揚げ、そして他にも副菜がたくさん。
つまみのチー鱈をつかったグリーンサラダ、うずめ飯で残った野菜と出汁で作ったあんかけのふろふき大根。
そしてこれまたつまみ料理、山芋とメカブの酢の物、カラシ多めの納豆入り醤油ダレをかけた冷奴、あとは自家製の漬物。
味の濃いもの薄いもの、甘辛塩、酸味、どれもご飯の進むおかずで箸が止まらない。
けど、寿音さんは違うようで
「ん、ん、ぷっはぁあああ、くぅううう……ぁ、あぁ、きもちぃ、おいしぃ~♡にゃははは~♡♡」
ご飯ではなくそれらのおかずをつまみにしてお酒を流し込んでいる。
煙草もそうだけど本当にお酒が好きな人だ。お酒とから揚げ、見ていてもほんと美味しそうに堪能している。
「ん、ん……あぁ……ん、いひひ……どう、おいしいかな?」
気持ち良さそうに揺れる寿音さん。
どれもこれも本当に美味しい料理。頷く以外の解答はない。
「……美味しい、揚げたてのから揚げってすごくおいしい」
「そっか、それならよかった……あ、ティッシュどうぞ」
「ぐすん、すみません」
美味しい、美味しすぎて、幸せ極まって泣いてしまった。よくある、あるある
「ほら、もう……っと、ちゃんと拭いて……ふふ、仕方ないなぁ……料理がしょっぱくなっちゃうじゃない」
美味しくて、温かい食卓を囲む。寿音さんの手料理は胃袋だけじゃなくて心も満たしてくれる。
本当にすごい人だ。それに、かっこいいと思った。
何でもできる寿音さんの姿、料理をてきぱきとこなす様はまるでプロの料理人。
「……もしかして、コックさんだったり」
「んにゃ、おつまみを自分で用意してたらさ……なんかこうなったのよね、うん、材料さえあれば不老不死の薬だって作れる」
それはもはや調理ではなく調合だ。
でも、すごいという賛辞は外せない。料理の腕は本物なのだ。
「……できないことって、あります?苦手なこととか?」
「う~ん」
少し考えて、腕を組み考えて、頭を右に行ったり左に行ったり
「……ん、ぐ、っくく……っぷはぁ……ぁ、ふぅ…………ん、ぅ……はあぁ……はは、にゃにゃ~にゃ」
ビールを飲んで、タバコを吸って、火のついた煙草を器用にくるくるペン回しして灰皿にポイ
「禁酒と禁煙、無理……出来ないね」
「でしょうね」
苦手なことはあっさり見つかった
「ん、いやちょい待った……寿音さん、禁酒と喫煙出来るわ」
「いや、無理では」
思い浮かべる寿音さんの姿は一に煙草、二にお酒だ。
二つが切り離せるとは思えない。
「いや、流石に寿音さんもね……これはあれだ、理由があれば出来るってこと。今のところ体に影響はないから煙草もお酒も我慢してないだけ……だから、我慢しないといけない理由が出来たら、ちゃんと我慢する、ほんと、信じて信じて」
「……我慢しないといけない理由、例えば」
「————ふふ」
二やついて、悪い笑みを浮かべる。口角が吊り上がって、気持ちよさそうにしなをつくって言い放った。
「……妊娠したら、ちゃんと我慢するさ♡」
「!?」
とっさに、持ったお茶碗を落とさなかったことを褒めて欲しい。
狙って、動揺させる目的で言い放った意地悪な決めセリフ。艶やかに告げる寿音さんの言葉は、耐えきった今も頭の奥で何度も反芻している。
「……想像しちゃった?」
「しょ、食事中です……あむ、っむぐ」
寿音さんの意地悪から逃れるように、僕はお代わりのご飯を注ぎに席を立った。
台所に置かれた寿音さんの炊飯器、それ以外も、色んな道具や食器類が置かれている。
…………妊娠
通い妻、なんて言葉が適切かは知らない。
けど、今この部屋は一人で住んでいた頃とはもう違う。寿音さんの存在だけじゃなくて、寿音さんが持ち込んだもので一気に生活感が増している。
ずっと、この部屋で暮らすのか?
次第に、ここは僕の部屋から二人の部屋になってしまうのだろうか。
「……」
「どうしたの、炊飯器の前で立って……開けっ放しだとご飯が固くなっちゃうわよ」
「……なんでもない、です」
テーブルに着席、寿音さんは相も変わらず気持ちよく飲酒と喫煙
卓上に並ぶ料理に手を付けてご飯をかきこむ僕を見て、和やかな笑みを浮かべている
「……いひひ、かーいーねー♡」
「————」
こちらの心を揺さぶり反応を楽しむ、そんな寿音さんの意地悪な趣味だ。
いい趣味をしている寿音さんは、過剰に反応してもしなくても、僕の分かりやすすぎる反応は楽しむ光景なのだろう。
けど、だからって、妊娠だなんて
……してるのに、エッチ
今は、望むことは無いけど、でも
この関係がずっと続くなら
…………いつかは
来る時は、避けられない。
男女の恋愛で、体を重ねるだけの関係、快楽だけの関係と割り切ることなんて、そんな器用なこと僕には出来ない。
いずれ来る。我慢できなくて、望んでしてしまう時が
………………むずかしい
「……おかわり、する?」
「します、ください……寿音さん」
甘やかされる関係で、この人と対等な関係の終着点にはまだ至らない。
今はまだ、まだ癒されて、日々を重ねるしかない。
急がず、寿音さんを信じて、素直に甘えて
「……大盛?」
「はい、たくさん食べます!」
食べて、寝て、遊んで
寿音さんの施しを受け止められる男で在り続けないと
〇
~PM.9:24~
夕餉を終えて、洗い物を片付けて、そして今僕達はパソコンの前でまったりくつろぎ中
座椅子代わりの寿音さん背もたれおっぱいに頭を預けて、僕と寿音さんは動画を見ながらまったりしている。
「座椅子買おうか?」
「……あっても、この形に落ち着きそうです」
「おっぱい好きだねぇ……ん、始まった」
配信サイトでライブ配信の動画が始まる。
寿音さんの推しているVtuberの配信、さっき僕が遊んでいたゲームを楽しんでいる。
推し活、なる行為。それにバーチャルYouTuber。こういう流行にも触れていなかったから、今さらだけど新鮮で楽しく感じている。
仕事で疲れてたから、配信サイトで暇を潰すなんて考えもしなかった。選択肢も膨大だし、勝手に自分に合わないと決めつけて敬遠してきたけど。
なんだか、新鮮で楽しい。
「この人、可愛いし面白い」
「ん、掘り出し物って感じなんだよね」
「配信か、すごいなぁ……自分の体がもうひとつあるって、どんな感覚なんだろう」
「配信、凛もやってみる?」
「できそうにないですよ……でも、こういう風にゲームするのも楽しそうですね」
コメントでやり取り、自動で読み上げているから配信者の方も反応してくれている。
一人で遊ぶゲームなのに、わいわい賑わってとっても楽しそうだ。
「……ふふ」
……カタカタカタ
「あの、なにを」
「スパチャ……弟に見せています、あなたのことを気に入ってくれたみたいですって」
「お金……え、一万円」
「寿音さん、有名でもマイナーでも上限の額をポンって払うから」
「ふ、富豪の遊びだ」
見ているとコメントが読み上げられた。弟にあげる予定の小遣いを横流ししたと付け加えているから、突っ込みやすいのか配信者さんも芸人みたいに笑って突っ込んで取り上げてくれている。コメントでも一様に、寿音さんに対する反応からの話題で動画が盛り上がっていた。
「あはは、推し活は楽しいね」
「……酔狂じゃないんですね」
「もろち……じゃない、勿論。寿音さん、好きな物には我慢なんてしないから、それにお金は困ってないしね」
相変わらずだけどスケールの大きい発言だ。あと、さらっと卑猥な言い間違いをしかけたけど、まあ、無視すればいい。
ライブ配信する人と同じだ。何でもかんでもコメントは拾えばいいというわけじゃない。
「……あ、お風呂」
突然思い出したようにつぶやいた。
動画は見ている最中だし、ここは僕が
「お湯張りですか?……じゃ、僕が」
「違う違う、思い出した……ここ、九時から断水」
「……なぬ」
時刻は堂々と九時半ば
まだ、僕も寿音さんもお風呂に入っていない。
「いやはや、めんごだねぇ」
「大家さんでしょうに、お知らせくださいよ」
「いいじゃん、一日ぐらい別に」
「あの、女性が言っていい言葉じゃない気が」
「寿音さんが臭くなったら大変だね……うん、ヤバエロい匂いしちゃうよね」
「……止めましょう、それは本当に、よからぬ趣味です」
一瞬、想像で浮かべてしまった。セクシーで濃密なフェロモン含む寿音さんの体臭、それが一日熟成されたら果たして悪臭なりえるのか?
考えてはいけない。これ以上、退廃的な行為に落ちてしまったら元には引き返せない。
「……興味ある?」
「お風呂行きましょう!銭湯!!検索します!!!」
「ありゃ……にゃはは、まじめ~」
だらしなくもセクシーなお姉さんの良くない提案を振り切り、僕はググって近くの銭湯を見つける。
清潔大事、不潔駄目、絶対。
「……ま、チャンスならその内は来るだろうし、いっか」
「不穏なこと言わないで、このドスケベさんめッ」
◯
~PM.9:48~
近場で見つけたスーパー銭湯、歩いてバスに乗って少しで付く距離。24時間営業だけど早く行くにこしたことはない。
別に良いじゃんとダラける寿音さんにたくさんおねだりしてやる気にして、どうにかマンションの外に
ちなみに乗り気じゃない理由は
「……混浴じゃないお風呂に価値はない」
「それ、女の人が言う台詞じゃないですよ」
「いいのよ、あたしエロいから……にゃはは」
わざとらしい猫笑い、気まま流されてゆらゆら自由に動く。
長い足を振って、大きな猫は踊るように街灯の明かりを飛んで移動、そして来るっと反転して、僕のとなりに着地した。器用な千鳥足だ
「夜が暗いね、月も無い夜だ……明るいところを歩こう。ほら、手」
「……寒いから、いいですよ」
「素直じゃない彼氏だ」
否定できない、欲しかった手の温度、外に出たら繋ぎたくなる。そうなる、だって隣を歩く相手は寿音さんだから
「……行きましょう」
「あぁ、一緒に夜のお出掛けだね……痴漢に合わないよう、守っておくれ」
「はい」
強く握る。言葉に答えて、決して離さないように。
でも、正直守られるのは僕の方な気がする。
「ふふ、手を繋ぐのは楽しいなぁ……ねえ、このまま銭湯でも手を繋いで入っちゃおうか」
「だから混浴はダメです、二人きりじゃないんですから……逮捕、されますから」
「タオルで隠せばバレなさそうだけどね、凛は女の子に見えるよ、保証する。」
「無理です、アウトです……痴漢だって通報です」
「そうかな?……でも、まあ確かに、凛が痴漢されちゃうね、痴女に」
「……」
痴漢される、確かにない話ではない
あまり、思い出しても楽しくない話だ。
「……その反応、もしかして」
「まあ、昔のことです……中学生だから、変態も寄り付いた感じで……流石に、もう20だし、同じことは無いですよ」
「男が痴漢されるか……なんだか役得に聞こえちゃうね」
「そんなことないですよ……相手、すごく怖いおばさんだった……昔テレビで見た、宇宙人みたいな」
ジャバ、なんとかみたいな名前の
そんな感じのエイリアンに似たおばさんに満員バスで触られてしまったことも、今となっては懐かしい、いや懐かしむ体験じゃない。
「……ごめん、嫌なこと掘り返しちゃったね」
「いえ、笑い話にします……今は、良い思いしてますから」
少し体を寄せてみて、そう返してみる。
寿音さんはお返しにお尻をぶつけてきた、うん、勢い強い。
「あ、ごめん」
「手を繋いで良かったです」
お陰で吹っ飛ばずにすんだ
それにしても、力の差が本当に歴然だ。あなたが甘やかしてくれる優しい彼女で本当に良かったと心から思う。
……でも、もしも違ったら?
少し考えてしまった。
男と女、だけど体格的に僕は寿音さんに敵いそうにない。物理的に全部負けている。
そんな寿音さんが本気で僕を襲う、なんてことをすればきっと逃げられない。ホテルのエッチの際、組み伏されていた僕は一切抵抗できない立場にあったわけだし
「痴漢の記憶なんて、そのうちあたしが消してあげる……凛……凛?」
「……あ、はい……ですね、お願いしたいです」
「なになに~、彼女が良いこと言ってるんだからちゃんと聞きなさいっての」
「あはは……って、ちょっと……はわわ、抱き着かれたら歩きづらいですって、もう」
考えは、やはり的中だ。
されるがまま、寿音さんにじゃれられるだけで手いっぱいだ。
本気で責められたら、いったいどんな目に合うのか、どんな体験か。考えるだけで身が竦む、けどその竦みに好奇心を抱いている自分も、確かに存在している
……やっぱり僕って、マゾ?
「…………むぅ」
「ありゃ、どうしたの?」
「葛藤中です……主に寿音さんのせいで」
「ん、何のことを言ってるのかな……心当たりしかないからどれか判別できない。ヒント、先っちょだけ」
「……や」
「あはは、言い方可愛いかよ…………ん、許した♡」
手を繋ぎ、夜の街を行く。
何でもない会話、起伏のない一日に終わりも近づく。
お風呂に入って、それからは、二人の気分次第。
次回に続く
今回はここまで、次回もお楽しみに
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