【書籍化】ヤニ吸う寿音さんのお口が疼く~仕事を辞めたら長身デカパイヤニカスイケメンお姉さんに拾われて甘々セフレ生活が始まってしまったお話 作:37級犬築士
~AM.5:23~
「……」
目が覚めてしまった。でも、まだ早い。
もう少し寝よう、そう思い隣のクッションに顔を埋める。
柔らかさと張りのあるおっぱい、銭ちゃんさんのお胸がすぐ目の前にある。薄暗い部屋、カーテンから入る朝日もまだ淡い光。
見えるようで見えない。けど、触れているとその形と色も脳裏に映る。
「……」
鼻先が触れた。頬が擦れた。
心が切なくなって、気づけば夢中で頬ずりしてしまった。
「……ん、どうしたの……トイレ?」
「ぁ、いえ……」
起こしてしまった。
こうなるのは当然、申し訳なくて顔を胸から離す。背を向けて寝ようとするも、銭ちゃんさんの手がそれを許さない。
顔は、おっぱいに触れたまま。
額と額がこつんと触れて、優しいと息が鼻先をくすぐる。
「いいよ、甘えて……ほら、まだ起きるには早いから二度寝しましょうか♡……お寝んね、おっぱいに甘えながらしていいですからね♡」
「……甘い」
銭ちゃんさん、銭場琴子は女子高生だけど包容力がすごい。
夜、寿音さんのいない夜を寂しく思わずに過ごせたのは彼女のおかげだ。情けないけど、そこは本当に感謝している。
「好きで甘やかしてます……それに、今夜は寿音ちゃんの代わりですから……一段と甘くなりますとも」
「……ん」
横向き、体が丸まって顔だけが前に突き出ている。柔らかい膨らみ、暖かい膨らみ、良い匂いがして心が安らぐ。
Iカップ、身長190センチの彼女のおっぱいが一番寿音さんに近いものを感じる。
「……凜ちゃん安心してね、お姉ちゃんが傍にいるからね♡……不安な気持ち、全部おっぱいで包み込んであげるから♡」
優しい言葉を本心から吐く。いじらしいところはない、純真で無垢で、ただただ優しい。
女子のシングルベッドの小さい面積で、僕は身を寄せて精一杯寄り添い、そしてすがる。
寿音さんのいない不安を、別の女性で埋めている。寿音さんは気にしないと言ったけど、それでもどこか申し訳ない。でも、申し訳ないと思うのも銭ちゃんさんに失礼だ。
こうなっているのは僕がひどく怯えているから。今困っている理由は、全部ボク由来なのだから。銭ちゃんさんには本当に感謝が尽きない。
「……ッ」
……責任を果たせ、逃げるなッ
居候して、時間が経っていく。けど、そんなときふと以前のスマホに登録された連絡アプリに大量の通知が来ているのを見てしまった。
たくさんの声、電話番号から友達登録したのか、一方的に大量の命令が羅列されていた。
母さんか父さんかはわからない。
でも、その場でスマホを投げ捨てて、毛布にくるまって動けなくなる程度には心を削ってきた。
寿音さんが留守をした夜、今日の寝る前のこと。
銭ちゃんさんは、そんな僕に優しく体で癒してくれた。
銭ちゃん、銭場琴子さん
いや、お姉ちゃん
「……甘えていいですか、代わりにッ」
「うん、代わりになってあげるね……大丈夫、大丈夫だよ♡」
寿音さんがいない夜、冷えた心にお姉ちゃんは温もりを足してくれた。
だから、夢見はそこまで悪くない。
二度寝をしても、きっと悪夢は見ないはず。
「……怖いなら、おっぱい吸ってみる?」
「あ……それは、ぁ……あぁ…………ぅぅ」
「我慢しないでいいよ、ほらほら……いいよ、良いんだよ♡」
優しい言葉、砂糖漬けにシロップをかけたような現役女子高生の母性。
寿音さんには申し訳ないけど、今目の前に施された密に僕は抗いたくない。
事情を知って、心配する思いから与えてくれる純粋な善意に自然と口は開いてしまう。
「いいよ、飲んで♡……よしよし、良い子良い子♡」
「————」
……っく、ちゅ……ちゅく、こく、っくく
不安の苦味を消し去りたくて、乳首から感じられる透明な甘みに何度も喉が鳴り続ける。
母性が欲しい、暖かい母性で忘れてしまいたい。
〇
銭湯で居候暮らしを始めて日が過ぎていった。僕は基本銭湯の仕事を手伝いながら、余った時間は自由に過ごしていた。商店街を散歩して、何か手伝えることはないかといろんな人と交流した。なるべく、色んな町の住人と仲良くなりなさいと寿音さんからも言われたから。
でも、そこで僕が冒険心を出したのが間違いだった。商店街のアーケードを出て、前のマンション近くでなじみだったコンビニに向かった。
そこでしか読めない雑誌を立ち読みしたくて、そんな軽い思い付きが過ちだった。
母さんが僕を探して街を歩いていたのだ。
「凜!……あんた、あんたよくもッ!!」
無我夢中だった。とにかく走った。走り方を忘れた僕はさぞ無様に駆けていただろう。
「金を、金をよこせ……あんたが、あんたがいればッ」
「!」
「あんたが不幸になればいいのよッ!!……あんたが不幸になれば、私たちは幸せに暮らせるのよッ!!」
耳にこびりつく狂った理論。否定する言葉はなく、吐き出すものは嗚咽ばかり。
泣きはらしながら走って、どうにか商店街の門をくぐった。それでも母さんは追いかけてきて、商店街に入ろうとした。
でも、そこで街の人たちが遮った
ヤンママさんを始め、それまで何事もなくおのおのの行動をしていたのに、一瞬で母さんから僕を守るためにみんなが入り口で立ちふさがったのだ。
「……ッ、責任から逃げるな……絶対、絶対に逃がさないからねッ!!」
皆の無言の威圧に耐えかねて、母さんは尻尾をまいて逃げて行った。
この時、自分の母の出で立ちが以前とは違ってひどくみすぼらしくなっていることに気付いたのだ。
いよいよ必至だ。でも、予想通り生活は困窮している。
借金で首が回らなくなる。自滅を待てばいい、だから、あと少し
もう少し、我慢すればいい。
不幸にならなくていい、僕は、もう幸せになって良いのだから
今回短めでした、次はもう少し長めに、そして明るい展開に
凜君を幸せにする寿音さんの素敵な計画が動き出します。お楽しみに