ビビッ島―。
G国の本土から南に300キロ離れた場所にある島である。
ビビッ島東部の都市アスマンの郊外にある閑静な住宅街に住む女子高生のミモザ
は、この日、部屋の押入れの掃除をしていた。
(何、これ?
やたら重いんだけど…★)
と、重いダンボール箱を引きずり出す。
(こんなの、あったっけ?
何かしら?)
と、ダンボール箱を開けてみる。
中には、見覚えのないアルバムが入っていた。
(どうりで重いわけだよ…★
でも、誰のアルバム?)
と、一番上に置かれているアルバムを開いてみる。
(あっ…
お母さんだ☆)
ミモザの母リンス
のアルバムだった。
それも、若い頃―
まだ、ミモザが生まれていない頃の物だ。
アルバムの最初のページにあったのは、全裸のリンスの左右に、同じく全裸の女性の3人で写っている写真だった。
おそらく、携帯電話のカメラで自撮りしたのをプリントアウトした物だろう。
そして、アルバムの余白に
ガンプラバトル世界大会優勝のお祝いエッチ♡
と書かれている。
(お母さんが、ガンプラバトルの世界チャンピオンになった頃の写真だ☆)
リンスは20年前のガンプラバトルの世界大会で優勝したのだ。
ページをめくっていくと、ガンプラバトル世界大会優勝のお祝いエッチと書かれていたとおり、リンスと一緒に写っている女性とのレズプレイの写真ばかりだった。
(たしか、20年前といえば、ガンプラバトルはまだ1対1の対戦だったはず…。
一緒に写っている
と、リンスと一緒に写っている女性が何者なのか、気になるミモザ。
続いて、2冊目のアルバムを開くと…
(あれ?
違う
2冊目のアルバムには、違う女性の全裸写真が入っていた。
見た感じ、リンスよりも歳上のようだ。
写真の左下に入っている日付は、20年前の5月となっている。
(世界大会の半年前…
ビビッ島大会前だね…。)
と、アルバムのページをめくっていくミモザ。
2冊目のアルバムの中は、全て、この女性の全裸写真および自撮りのツーショット写真だった。
3冊目のアルバムの中も、同じ女性の全裸写真だった。
しかし、写真の日付は21年前だった。
どうやら、この女性は、この当時、リンスと付き合っていた女性のようだ。
(だったら、何で、お母さんが優勝した時、お母さんとお祝いエッチしなかったんだろう?)
という疑問を抱くミモザ。
ダンボール箱の底に入っていた4冊目のアルバムの最初のページには、リンスとのツーショット自撮り写真が入っており、アルバムの余白には
祝♡ マリアナと初エッチ♡
と書かれていた。
(マリアナっていうんだ、この
4冊目のアルバムは、リンスとマリアナが付き合い始めた頃の写真のようだ。
(ん…?)
と、とある違和感をおぼえるミモザ。
2冊目のアルバムに入っているマリアナの写真と、4冊目のアルバムに入っているマリアナの写真を見比べてみると…
(あっ…。)
2冊目のアルバムに入っているマリアナの写真には、笑顔の写真が無い。
(なるほどね…。
そういうことか…。)
と、なんとなく察するミモザ。
リンスとマリアナは破局したのだ…。
(でも…
未練ありすぎない…!?)
と、付き合い始めた頃から別れる日までの写真を残すリンスの未練がましさにドン引きするミモザ…。
しかし、逆にいえば、リンスとマリアナは、それほど深く愛し合っていたのだ。
それなのに、なぜ、別れてしまったのだろうか…?
(まいったな…。
お母さんの黒歴史知っちゃったよ…★)
と、今更ながら、アルバムを見てしまったことを後悔するミモザ…。
「あ〜★
モヤモヤするぅ〜★」
と、仰向けに倒れるミモザ…。
「モヤモヤ解消★」
するために、ミモザはスマートフォンを手にすると
「お母さん…
私の部屋に来て…。」
と、リンスを呼んだ…。
「どうしたの?」
と、ミモザの部屋に来たリンス。
「お母さんの黒歴史知っちゃったの…★」
と言うミモザ。
「何言っているの…
あっ…。」
と、アルバムを見るリンス。
「どうして、ミモザがそれを…?」
と訊くリンス。
「知らないよ★
前に大掃除した時に、間違って私の部屋に紛れ込んじゃったみたい★」
と言うミモザ。
「懐かしいわね…。」
と、ミモザの隣りに座って、ガンプラバトル世界大会優勝のお祝いエッチのアルバムを開くリンス。
「一緒に写っている
と訊くミモザ。
「この娘がリサ。」
と、左側の女性を指差すリンス。
「この娘がユキ。」
と、右側の女性を指差すリンス。
「ユキは5年くらいしてから交通事故で亡くなったけど…
リサとは、今でも付き合っているわよ☆」
と言うリンス。
「今でもって…
不倫…!?」
と驚くミモザに
「人聞きの悪いこと言わないの★」
と、たしなめるリンス。
(レズ不倫も
立派に不倫
だと思うけど…★)
と思うミモザ…。
「じゃあさ…
マリアナさんとは…?」
と訊くミモザ。
一瞬…
リンスの表情が凍りついたが…
「やっぱり…
忘れられないわ…。」
と、2冊目のアルバムを開くリンス。
「これはね…
マリアナ…
お姉様
と最後の夜を過ごした時の写真…。」
と言うリンス。
(お姉様
って…★)
と、アルバムを見るリンスの横顔を見るミモザ。
その表情は、懐かしさの喜びと、別れの悲しさが混じった笑顔だった。
しかし、20年も前に別れた女性のことを、いまだに『お姉様』と呼ぶリンスの未練がましさには、さすがのミモザもうんざりした。
「そんなに忘れられないんだったら、会いに行けばいいじゃない。」
とミモザは言うが
「それは無し。」
と言い切るリンス。
そして
「今の私には、ミモザと、ユイと…
ランスがいるわ…☆」
と、ミモザを抱くリンス。
そして、そのままベッドに行き…
「ミモザ♡」
「お母さん…♡」
とキスをして、服を脱いでいくミモザとリンス。
あとは、なしくずし的に―♡
数十年前に発見された、反粒子同士の結合によって生成され、プラスチックに反応して流体化する特性を有した、謎の粒子物質・プラフスキー粒子―。
その、プラフスキー粒子の特性を利用し、TVアニメ
【機動戦士ガンダム】
シリーズのプラモデル『ガンプラ』を使用した、対戦型ゲームバトル
ガンプラバトル
が、全世界に流行した―。
しかし、このガンプラバトルには
唯一にして最大の欠点
があった…。
それは
対戦に敗北したガンプラは損壊してしまう
ことだった…。
そのため、気軽にガンプラを購入する事のできない低年齢層から敬遠され始めるようになり、やがて、ガンプラバトルそのものの人気も失われ始めてきた…。
しかし
ガンプラが損壊しない方法が確立
されたことで、ガンプラバトルは次第にかつての人気を取り戻し始めた―。
これは、ビビッ島初のガンプラバトルの世界チャンピオンになったリンスの…
ガンプラバトルにかける情熱と…
歪んだ愛
の物語―。