※この作品はR-18です。

FG ガンダムビルド…ビビッドアーミー   作:星龜

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20年前の物語(6)


 

「ところでさ…

学校終わったら、【レイト】行こうよ。

来月、大会だし。」

と言うリサ。

 

 

来たる6月6日に

ビビッ島東区ガンプラバトル大会

が開催されるのだ。

 

ビビッ島の

南区

中央区

東区

の各地区大会の優勝者

と

七尾島大会の優勝者

の4名による決勝大会に優勝した者が

G国ガンプラバトル大会のビビッ島代表

として、G国本土で行われるG国ガンプラバトル大会に出場するのだ―。

 

 

「もちろん☆」

と、元気よく答えるリンス。

 

そんな、リンスからの元気な返事を聞いて、苦笑するリサ…。

 

 

やがて、リサとリンスが乗ったオフロードバイクは、アスマン大学の正門前に到着する。

 

「ありがとうね☆」

と、バイクから降りて、ヘルメットをリサに返すリンス。

 

「授業中に寝るなよ☆」

と言うリサに

 

「お互いね★」

と返すリンス。

 

とはいえ、昨夜からリサと朝までセックスしたのと、マリアナとシた分も含めると、リンスはじつに

14時間もセックスして、しかもその間、一睡もしていない

のだ…。

 

もしかしたら、何かの授業で、本当に寝てしまうかもしれない…。

 

「じゃっ☆」

と、走り去っていくリサのオフロードバイクを見送ったリンスは

あくびをしながら

校内に入っていった―。

 

◇

 

しかし、授業が始まると頭が冴えて、眠気が消し飛んだ。

 

むしろ、別の問題が発生した。

 

空腹である…。

 

14時間も飲まず食わずでセックスしたのに、朝、リサからもらったカロリーメイトだけでは、空腹を満たせるはずもない。

 

当の本人は

『これだけあれば十分でしょ☆』

と言っていたが…

 

(本当に大丈夫なのかな?

職場で倒れたりしてないよね?)

と、リサの身を案じるリンス…。

 

しかし、本当に心配すべきは友ではなく、自分自身だった…。

 

(ダメだ…★

お腹すいた…★)

と、10時から始まる授業前…

 

リンスは机に臥せっていた…。

 

「リンス、どうしたの?」

と、学友のナオ

 

【挿絵表示】

 

が心配そうに話しかけてきた。

 

「じつはね…。」

とリンスは、14時間ブッ通しでセックスしたことは言わず…

 

とりあえず、リサの家に泊まって、朝食にはカロリーメイトしか食べなかったと話した。

 

「あははは…☆

何、それ!?」

と、大笑いするナオ。

 

「だから、ただいま、絶賛空腹中…★

何か食べる物、ない?」

と訊くリンス。

 

「ガムならあるけど?」

と、粒ガムを出すナオ。

 

「無いよりマシだわ…★」

と、ナオからもらった粒ガムを口に入れるリンス。

 

口の中に広がるペパーミントの香りが、空腹感を膨張させた…。

 

(無いのと変わんねぇ〜★)

 

 

リンスの頭の中に、10時から始まった授業の内容が入ってくることはなかった…。

 

◇

 

ようやく、昼食の時間だ。

 

学食でB定食を頼んで、ナオと一緒に食べる。

 

「あぁ…☆

生き返るわぁ〜☆」

と、感動するリンス。

 

よくよく考えてみれば、14時間ブッ通しセックスする前の食事といえば昨日の昼食なので、じつに24時間ぶりの食事である。

 

「性欲だけじゃ、生きていけないわね…★」

と、つい、口走ってしまったリンスだったが

 

「何、それ?」

と、リンスの向かいに座るナオは、冗談だと思って笑うだけだった。

 

 

―と、そこに…

 

昨日、リンスと別れたマリアナが、右手に大きなカバンを持って現れた。

 

「お姉様…!?」

と、マリアナが来たことに驚くリンス。

 

「悪いけど、リンスと話をしたいの。

外してくれないかしら?」

と、ナオを追い払うマリアナ。

 

怪訝な顔をするナオだったが

 

「ナオ…ごめん…。」

と、リンスからも頼まれたのなら、やむを得ない…。

 

ナオは席を外した―。

 

 

リンスの向かいに座るマリアナ。

 

「まずは、貴女にこれを返しておくわ。」

と、持っていた大きなカバンをリンスに渡すマリアナ。

 

「何ですか、これ?」

と訊くリンスに

 

「貴女の服よ。」

と言うマリアナ。

 

カバンの中は、昨夜、マリアナの部屋から逃げ出す時に拾い損ねた服だった。

 

「あ…ありがとうございます…。」

と、礼を言うリンス。

 

「玄関の外に落ちていたから、ちゃんと洗っておいたわ。」

というマリアナの発言を聞いて

 

「えっ?

どういうことですか?」

と訊くリンス。

 

「私の部屋から出る時に、落としたんでしょ?」

と言うマリアナ。

 

やはり、あの時、ちゃんと服は拾っていたのだ。

 

しかし、外に出る時に、スカート以外の全てを落としてしまったようだ。

 

 

それにしても…

 

昨日、一方的に別れを告げてきたマリアナと同じ大学に通っている以上、顔を合わせることはあるとはいえ、まさか、昨日の今日で顔を合わせることになるとは思わなかった。

 

「お姉様…。

あのあと…?」

と、訊いてしまうリンス。

 

「えぇ。

ジミーに抱かれたわ。」

と答えるマリアナ。

 

(・・・!!)

 

一番、聞きたくない答えだった…。

 

「朝までね…。

貴女に犯されたのも合わせたら、12時間近くヤッたわけだから…

これでも、けっこう寝不足なのよ…。」

と、リンスの思いを知ってか知らずか、あきれたように言うマリアナ。

 

マリアナにとっては、もう別れた相手なので、遠慮は無いと思っているようだが…

 

リンスにとっては、いまだ、気持ちに整理がついていない…。

 

ふと

 

「お姉様…。」

と言ったリンスに、マリアナは

 

「その呼び方は、もうやめて。

私と貴女は、もう他人

なのよ。」

と言い放った。

 

(!!)

 

愕然とするリンス…。

 

 

もう…

 

目の前の女性は…

 

お姉様ではなく…

 

他人…。

 

 

「ただ…

貴女と過ごした1年は、本当に幸せだったわ。

貴女は、私の知らない世界を教えてくれた。

それについては、感謝してる。」

と言うマリアナ。

 

 

マリアナの知らない世界…

 

それは、ガンプラバトルだった―。

 

▽

 

1年前―。

 

 

ガンプラバトルアリーナ【レイト】で、リンスは初心者の女性ファイターに声をかけられた。

 

彼女こそが、マリアナだった。

 

「このガンプラをうまく使う方法を教えてくれないかしら?」

と右手に持つ、紫色に塗られたギュネイ専用ヤクト・ドーガをリンスに見せるマリアナ。

 

リンスはマリアナが、まだガンプラバトルを始めて間もないと、一目で見抜いた。

 

「これは、初心者には難しいガンプラなんです。」

と言うリンス。

 

「そう…。

でも、気にいっているの。

難しくてもいいから、教えてくれないかしら?」

と言うマリアナ。

 

ヤクト・ドーガは、ファンネルを装備しているため、初心者には扱いが難しく、ある程度の場数を踏んだ人が使う機体(ガンプラ)だ。

 

しかし、機体性能そのものは優秀なので、ファンネルの使用を諦めて、火力や機動性を強化して使っている初心者も多い。

 

ただ…

 

リンスの、マリアナに対する第一印象は

『ガンプラバトルには向いてない人』

だった…。

 

 

マリアナにヤクト・ドーガの使い方を教えていくうちに…

 

リンスは次第に、マリアナの魅力に魅了されていった。

 

マリアナと知り合って2ヶ月ほどで、リンスはマリアナに告白し…

 

2人の交際が始まった―。

 

 

リンスの見立て通り、マリアナのガンプラバトルの技量はあまり上がらなかったが…

 

2人の愛は、確実に深まっていった―。

 

▽

 

「私と過ごした1年が幸せだったのなら…

どうして別れるんですか…!?」

と訊くリンス。

 

「私自身が…

新しい世界を見つけたからよ…。

でも、それは…

貴女とは、共有できない世界だったわ…。」

と答えるマリアナ。

 

マリアナが見つけた新しい世界とは、おそらく、ジミーとの出会いだろう。

 

たしかに、マリアナとは共有できない世界だ。

 

マリアナは、女性のことを『ブタ』呼ばわりするような男の、どこに魅力を感じたのか…?

 

リンスには、まったく理解できなかった…。

 

 

「そういうわけだから…。

これから、私が卒業するまで、ここで顔を合わせることもあるだろうけど…

もう、私と貴女は他人だから…。」

と、席を立つマリアナ。

 

「さようなら、リンス…。

貴女も…

貴女の幸せを見つけてね…。」

と言い残し、マリアナは去っていった…。

 

 

(おかしいな…。

悲しいのに…

涙が出てこない…。)

とリンスは、去りゆくマリアナの後ろ姿を見つめた…。

 

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