※この作品はR-18です。

悪の崩壊世界で   作:ボルメテウスさん

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外道密約

 日本の地獄として、有名な血の池。

 

 そんな血の池を思わせるこの場所において、響いている音楽が聞こえる。

 

 俺は、その音楽に惹かれるように、ゆっくりと歩き、その場所に辿り着く。

 

「相変わらず、引き続けているのか、太夫」

 

 俺の声を聞いてから、後ろに振り返らず、そのまま三味線を弾いていた。

 

「まったく、こんなあちきに何の用だ」

 

 薄皮太夫.この血の池で三味線を引き続ける女。

 

 その姿は、顔はウミウシを思わせるように思わせ、人ではなく異形である事が一目で分かる。

 

 彼女は、外道衆の紅一点。そして、総大将・血祭ドウコクの側近。

 

 いや、正確にはだったというべきだ。

 

「……俺の事を恨んでいるのか?」「恨むと言われてもね、ドウコクの奴は、あれで、満足そうだったからね」

 

 俺は、外道衆のボスであるドウコクと正面で戦い、そして、殺した。

 

「ドウコクの奴は、あれで楽しそうにしていたよ。あいつは、正面から一対一で戦えるあんたを気に入っていたよ」

 

 そう言いながら、演奏を続ける。

 

 ドウコクは、シンケンジャーの世界でも、封印の文字がなければ、倒せなかった程に強い存在だった。

 

 俺が対抗出来たのは、オーマジオウの力があったからだ。

 

 だが、ドウコクは最後まで、どこか楽しそうにしていた。

 

 そして、あの頃から、太夫は、ドウコクの傍にいた頃もそうだったが、今の姿も変わらない。

 

 そして。

 

「あいつとの勝負でもあり、約束を一つ、果たす為にも来たからな」

 

「勝負とは」

 

 三味線の演奏を止めて、こちらを見てくる。

 

 それは、ドウコクとの最後の決戦の話でもある。

 

「お前を取る事だ」

 

 その言葉に対して、太夫は何も言わず三味線を持ち上げてから弾き始める。

 

 それを見て、俺はため息をつく。

 

 俺の言葉に対し、太夫は何の反応もない。

 

「それは、どういう冗談だい」

 

「冗談ではないな、ドウコクの女だったお前を俺の女にする。それで、最後の戦いになる」

 

「あちきごときに何が出来ると思っているんだい?」

 

 三味線の演奏を続けながら言う太夫に対して、俺は、笑みを浮かべる。

 

 その瞬間に、太夫の顔色が変わり、三味線から手を離す。

 

「本気なんだね」「あぁ、勿論」

 

 俺の返事を聞いた太夫は、深く溜息を吐いた後で三味線を地面に置く。

 

「はぁ、本当に、お前もドウコクも、なんであちきのような女を狙うんだが」

 

 それと共に、こちらを見る。

 

「……良いよ、ドウコクの代わりにあんたの誘いに乗る。けど、あちきの心を取れるかは、分からないよ」

 

「あぁ、そうさせて貰うよ」

 

 そう、これまでとは違う行為が、始まろうとしていた。

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