荒廃したこの世界には、あまりにも文化が異なる所が多くある。
世界の大きさは、以前の地球に比べても大きく、全く異なる種族が跋扈しても問題ない程の大きさである。
だからこそ、人類が生きるには、あまりにも強すぎる相手がいた。
「まぁ、そういう意味では、悪の組織にも色々といるがな」
そうしながら、俺は歩き回っていた。
この世界での悪の組織も、ただ、人間を滅ぼすだけの存在だけではない。
例えばの話であるが、珍しい事に、この世界でも、人間を守る組織がいる。
その一つは、シャドーラインである。
奴らの力の源はいわゆる人間の中にある闇である。
だが、人間を滅んでしまえば、その闇を作り出す事は出来ない。
だからこそ、結果的には、人間を守る立場になる。
「それで、お前は俺達の所には来ないんだな」
「悪いな」
「別に良いさ、こういう話をするのは、お前ぐらいしか出来ないからな」
そう、廃墟の中で、俺は、その人物と軽い会話をした。
目の前にいるシャドーラインの1人である闇の皇帝ゼットは比較的人間には優しい部類である。
それは、人間の中にある『キラキラ』に興味があるからだ。
「お前の中には、僅かなキラキラに似た何かがあるからな」
それだけ言い、ゼットは、そのまま去って行った。
「キラキラに似た何かねぇ」
それは、この力の元になったオーマジオウ。
さらには、オーマジオウの中に集結した彼らの事だろう。
彼らに惹かれたと言う事は分からなくもない話だと、考えながらも、俺はそのまま再び歩く事にした。
荒廃した世界において、安住の地などない。
何時、裏切るか分からない状況の最中だった。
「はぁはぁはぁ」
「……」
僅かに聞こえた声。
見ると、そこにいたのは、なぜか巫女服を着ている女性。
その後ろには茶色の身体にブーツと手袋、胴体へ鱗状の模様を持った前掛けを付けたシンプルな出で立ちをした奴らに、追われている。
「はぁ」
それが、どのような結果になるか、分からないが、俺はすぐにアナザーオーマジオウへと変身する。そして、即座に、その場に向かう。
「っ」「ペチャッ」
俺の存在に気づいた戦闘員は、そのまま俺の存在に気づき、その手に持つ熊手を構え、襲い掛かる。
しかし、俺はそれを避けると同時に蹴り飛ばして倒す。
数だけは多かったが、それでも大した事はない連中だ。
そもそも、こんな連中にやられるようなら、この世界に生きる資格すらない。
そんな事を考えている間に、巫女服の少女は、こちらを見て、膝から崩れ落ちる。
そして、涙を流しながら、震える声で言った。
「かっ怪物っ」「……まぁ、そうだな」
それと共に、俺は、すぐに変身を解除した。
同時だった。
俺の身体が、急遽、痺れに襲われる。
「まさか、こんなにすぐに油断するなんて、噂通りね」「……」
それと共に、奴は、その正体を見せる。
斜めぱっつんにした銀髪のボブカットに、両肩に宝石を咥えたカラスを模した装飾が施された、青い軍服を身に纏っている女性。
「ボクはヨドンナ、まさか、噂の奴がこう簡単に捕まえれるなんてね」
そう、ヨドンナ。
ヨドン軍の女幹部である。
同時に、俺は見つめる。
「……そこも同じか」
「何を言うかと思えば、既に君はっ」
そう何か言おうとしたが、俺は気にせず、立ち上がる。
「馬鹿なっなぜ、人間態で、その痺れ毒に」「別に変身しなくても、ある程度の力は俺に備わっている。そして、お前が行おうとした事も未来で見ていた」
そのまま、手を翳す。
「何をするつもりだい?」「何度も襲われたからな、そろそろ、一つの国でも堕とそうと思ったんだよ」
そう、ヨドンナを睨む。