シズカとの婚約関係を結んだ。
はっきり言えば、この崩壊の世界において、どれだけの意味があるのか分からない。
それでも、とりあえずは、この世界で今後の活動における信用できる存在は、心強い。
「・・・さて、これから、こいつをどうするか」
その日、俺もまた、とある奴と戦いを終えた。
その相手とは、グローディ。
ある意味、未だに、底が見えない相手であるダグデドの五道化の一人との戦いだった。
ダグデド本人の力は、神の領域と言える力であった。
だが、オーマジオウの力も相まってか、なんとか戦える状況でもある。
「にしても、ネタで出来るか疑問に思ったけど、まさか本当に出来るとは」
俺の手元にあるカード。
そのカードは、仮面ライダー剣の力であり、封印の力が籠められているカード。
そして、この中に封印されている奴の名はグローディ・ロイコディウム。
固有能力は死者蘇生であり、自分自身も不死身という巫山戯た奴だ。
それ故に、俺はこれを思いつく事が出来た。
「まぁ、能力を見る限り、神の如き力だけど、時間を操る事が出来るかは、今後、見ていくしかないな」
それと共に、俺は背中を見る視線に、振り向く。
「あんたは、ソノニ」
「私の事を知っているんだ」
背後から、俺に尋ねてきた相手。
それは脳人の1人であるソノニ。
日曜の朝には些か刺激が強い白い衣装で統一された、ショートヘアの妖艶な笑みを見せる女性である。
この世界では、珍しい悪の組織という訳ではない人物の1人だった。
1人だったというのは、理由がある。
「それで、他のメンバーは」
「・・・死んだわ」
その一言に、俺は黙ってしまう。
この、崩壊した世界において、それは珍しくない話だ。
脳人は、俺の知識で知る限りでは、おそらくは最も弱い組織だ。
なぜならば、その人数は、恐ろしく少ない。
戦隊のようなチームで戦っているが、戦闘が出来るのは10人未満。
しかも、かなり仲が悪い。
「どんなに1人1人強くても、無理だったか」
「お前が言うか、たった1人で、ほとんどの組織を潰せる力を持っている癖に」
「一応は魔王の力を持っているからな」
「魔王って、他の勢力でも魔王に似た奴らはいたけど、それ以上じゃない」
「まぁ、並の魔王じゃないからな」
俺はそう応えるしかない。
「・・・だったら、お前は知っているはずだよね」
「知っているって、何を」
「愛」
その一言に、俺は黙る。
「お前は、愛する人はいなかったのか」
「私には、その人間はいない」
「そうか」
この世界の悪の組織。
そのほとんどは、彼らと対となる存在はいない。
その為、本編よりも強い奴らもいれば、それよりも弱い奴らもいる。
脳人も、その一つの例だ。
彼らは、ドンブラザーズと交流する事で、成長した。
そんなドンブラザーズがいない事もあり、その強さは、成長していない状態だ。
「だからこそ、教えて欲しい、愛を」
「なんで、俺にだ?」
「この前、婚約したと聞いた。だからこそ、教えて欲しい」
「うぅん」
今の彼女には後ろ盾がない。
このまま、待ち受けるのは、おそらくは死だろう。
「・・・とりあえず、このまま放っておくのは、目覚めが悪いからな、俺の国まで来るか?」
「・・・そうだな、私も、行く所はないからな」
俺達は、そのまま、その国へと向かって、歩き始める。