「なんというか、噂で聞いた場所とは、全然違うのね」
その言葉と共に、ソノニは、ヨドンヘイムの光景を見ながら言う。
「俺が一応支配者だからな、せめて住む場所は快適にしたいからな」
現状、ヨドンヘイムの環境は以前よりも違う。
俺自身、アナザーオーマジオウの力によって、ライダー達の力を使い、環境を組み替えていた。
だからこそ、ある意味、他の場所よりも住みやすい環境は作れていると思う。
「それにしても、敵対勢力まで、いるように見えるけど」
「敵対勢力というよりも、別にそこまで戦う必要のない奴らが来ているからな」
暴走族という事もあるが、既に多くの者が卒業しており、このヨドンヘイムで就職する事になったボーゾックや、ヨドンヘイムの環境を好んで引っ越してきたガイアークなど。
組織の中でも、こちらを裏切る心配のない奴らを受け入れている。
その光景は、ソノニにとっては新鮮なのか、周囲を見渡す。
「なんというか、私がいた組織とはまた違った場所ね」
「確か、お前達脳人は」
「えぇ、有害な情報を排除する事。だからこそ、私達は戦っていたのだけどね」
それと共に、今の、この街の環境を見る。確かに、俺達が戦ってきたような環境とは大きく異なっているだろう。
だがそれでも、俺はこの街を守る為に戦っているのだ。
「それは、人間の欲望なのか?」
「そうね、確かに、多くの有害な情報は、欲望から生まれている。だからこそ、脳人は欲望に対して、特に警戒している」
「確かに欲望は難しいかもしれない、けど」
それと共に、俺はあえて、ソノニに言う。
「欲望は、別に悪い事じゃない」
「なに?」
俺の一言に、ソノニは首を傾げる。
「たぶん、有害な情報というのは嫉妬や妬みもある。そういう感情は、決して悪い事じゃない。それは、自分の悪い所が分かり、より良くなる為に、必要な感情だ」
「……必要な感情」
それと共にソノニは、何かを思い返すように考えていた。
「ソノイも、ソノザも、何か空しいと言っていた。けど、お前のおかげで、それが少しは分かった気がするよ」
「……そっか」
個人的には、彼らも引き入れたかった。
しかし、既に死んでいるのだとしたら。
「……ついでに聞くが、それ以外の奴らは」
「しぶとく生きている。ついでに私の粛正対象らしい」
「なるほど、面倒だな」
基本、脳人三人衆以外の脳人が生き残っているのは、面倒だ。
「とりあえず、今後の事は考えないとな」
「そうだな、考えるとして」
そのまま、ソノニは、なぜか俺の腕を掴んだ。
「何をしている」
「以前、ソノザが集めた漫画の中にあった。恋人同士が風呂に入る。それを実戦してみたくなった」
「……えぇ」
その言葉に、俺は思わず驚きを隠せなかった。
「お前が言ったんだろ、欲望は恥ずべき事ではないと」