玉波の肩をかき抱き、そっと唇を奪った。
少女は反射的に縮こまり、顔を背けそうとするが、大人の男の腕力に抗えるはずもない。柔らかな唇を覆われ、なぞられるままでいる。
「ん、んむ……ん」
やがて玉波も諦めたのか口を開く。
縮こまっていた舌を捕らえ、口内粘膜を蹂躙する。唾液が交換されぐちゅぐちゅと水音が響き渡る。
唇を離すと、ぷは、どちらともなく息が漏れた。
「……ひどいです、いきなりなんて」
「いきなりじゃない。男はね、女の子が部屋にあがったら合意をもらえたと思う生き物なんだ」
「聞いたことはあります……。それって誇張じゃないんですか?」
「もちろん人による。けど少数派の意見でもない。だからキミみたいに素直で可愛らしい女の子は殊更警戒しておかないと――」
絹のような前髪を掬い、瞳を覗きこむ。
「草食系の男だって、涎を垂らして牙を剥いてくる」
「センセイも、ですか?」
僕は言ってしまう。正直に。
玉波が部屋に来ると決まった瞬間からどうしてやろうかとずっと考えていた。非力な女の子を逃がさないための方策を探していた、と。
「僕を軽蔑する?」
「いいえ。全然。むしろ、少し嬉しいくらい……。だって私も、そうなったらって、思っていましたから」
「へえ、どんなふうに?」
「涼はああ言ったけど――私、どうやったらセンセイに振り向いてもらえるか、分かりませんでした。全然分からないままで、貴方の前に出てしまって……このまま何も起こらないまま、子どもを諭すみたいにして帰されるんだろうなって思ってました。でもセンセイは、まるで私の心を読んでいるみたいに、聞いてほしいことを聞いてくれて……」
「タマ」
玉波の瑞々しい頬に、手のひらを添えた。
少女は気恥ずかしそうに目を伏せ、小犬のように従順に、静かに次の言葉を待っている。
「これからは全部言っていい。してほしいこと、したいこと、叶えてあげる。だから言わなくちゃいけないよ。いいか、これは約束だ。僕とキミの、二人だけの約束」
「二人だけの、約束……」
「じゃあ言ってみて。してほしいことはどうするんだっけ?」
「言います……」
「違う。お願いをするんだ。恋人のように可愛く、媚びるように。そう、おねだりだ。……さあ、タマ、もう一度質問するよ。してほしいことは?」
「おねだりします……」
「したいことは?」
「おねだりします」
「いい子だ」
ご褒美を与えるようにキスをする。
少女はくすぐったそうに、あどけなく微笑んだ。新たな一歩を素直に受け入れてくれている。
このままずるずると深みへと引きずり込んでしまいたい、僕はそれだけを考えている。
「まずはシャワーを浴びようか」
「あ、えっと、二人で……?」
「そうに決まっているだろ?」
玉波は驚き、二の句を継げないままでいる。
「二人で一緒に裸になって洗いっこする。怖いかな?」
「いいえ、私、怖くなんてありません」
きっぱりと答えるが、その声は少し硬かった。
「無理しなくていい。誰だって初めてのことは慎重になるもんだよ。でもね、覚悟なんてしなくていい。キミは気持ちのままに答えるだけでいいんだ」
「私の気持ち、ですか?」
「シンプルに考えよう。シャワーと言えば? 裸だろ? 裸を見れる。僕はタマの裸を見たいって思ってる。タマは? タマは僕の裸を見たい? 知りたい? 触ってみたい?」
玉波は小さく、けれどはっきりと頷いた。
「だったらそのまま言えばいい」
「シャワー、ご一緒しましょう……させてください」
胸の裡に得体のしれない感情が湧きあがってくる。
「それじゃあ、気が変わらないうちに行こうか」
頬が自然につりあがるのを感じた。
玉波の肩を抱くと、ぴくりと震えた。逃げられないようにして脱衣所へ連れて行く。
僕が服を脱ぎ終えても、玉波はまだ上着を脱いだだけだった。「どうしたの?」などと上辺だけ気遣うような言葉で、彼女を急かす。
玉波は長い時間をかけ、一糸纏わぬ姿になった。恥ずかしげに手で秘所を隠しているが、代わりに他の全てを僕に見せつけていた。羞恥でほのかに赤らんだシミひとつない肌。膨らみかけというには豊かな胸。女性性を帯びた腰のライン。恥辱に戸惑う女の子を見ているだけで欲望が膨れ上がっていくのを感じる。むくむくと肉棒が持ち上がっていき、それを目にした玉波が「ひゃっ」と可愛らしい声をあげた。
「見るのは初めて?」
「は、は、初めてです……」
「じゃあ、じっくり見てみるといい。これが、これからタマが触って受け入れるモノだよ」
臨戦態勢となった逸物を、玉波へと突き出す。
玉波はさっと目を伏せて、「言わないでください」と、かすれるような声で呟いた。
僕は含み笑いをこぼしながら「後で洗ってもらおうかな」と言った。
「そ、そんなこともするんですか?」
「出来るようにならなきゃだめだよ。だって僕はしてほしい。キミにしてもらいたい。見られるだけなんて悲しいよ」
玉波は息を飲む。
後には退けず、前にも進めず。そんな玉波の華奢な手をとって、風呂場へと連れ込んでいく。
このまま裸でいると風邪をひいてしまう、だから中に入ろう。
温かいシャワーを浴びよう。恥ずかしがらずにこっちを向いて。
もう隠していたってしょうがないよ。キミの全てを見せてほしい。
一歩、一歩と引きずり込んでいく。
それくらいならと既成事実を積み上げさせていき、ついには二人で泡まみれになって身体を洗いあうところまできた。
始めは手をとって、指や甲を擦った。腕を伝い、肩に触れ、首元をなぞると玉波はくすぐったそうに笑みをこぼした。「次はキミの番」とボディソープの液体を少女の掌に与え、今しがた示したばかりのルートを辿らせる。あくまで洗うための行為だと囁くと、玉波は躊躇いなく手を動かしていく。
男は怖い生き物ではない。裸で触れ合うなんて簡単なこと。
そんな心の声が聞こえてくるようだ。
乳房のラインを指でなぞると玉波は幼げに頬を膨らませて抗議する。その表情に忌避感はもうほとんどなかった。
「男の人の身体って女の子とは違いますね」
「どんなふうに?」
「硬いっていうんでしょうか。ごつごつしていて……」
「ねえ、艦娘って寮で生活してるよね? やっぱりお風呂で触りあいっことかするの?」
「やっぱりってなんですか? ……することは、ありますけど」
「へえ~! その光景、見てみたい」
「私はしていません。たまに、仕返しするくらいで」
「じゃあ僕にも仕返ししてみてよ」
「あ、やめてください……。くすぐったい……」
「身体を洗ってるだけだよ」
ぬるぬると未成年の少女の肌を滑る感触を楽しんでいく。
腋の下、白い首筋。身体を洗うという建前のもと、満遍なく処女の肌に男の指を覚えさせていく。
「あ、ふ、うう」
本当にくすぐったいらしく、玉波は困った顔をしながら身を捩じらせる。
そんな彼女の表情を見て悦に浸りながら、背後へ回りこむ。玉波の初々しい胸を掌で覆った。
「ひゃっ」
力はいれず、ボディソープのぬめりを借りて乳房の下側を優しく揉んでいく。
「ん……ふぅあ……あんっ」
可愛らしい鳴き声をもっと聞きたくて、乳首を時たま指で弾く。徐々に間隔を詰めていき、頃合いをみて連続して捏ねくり回してやる。
「やだ……や、やぁ」
「本当に嫌?」
意地悪く尋ねながらも、手は止めない。
「い……嫌では、ないけど、やっぱりいや、いやぁ……」
切なげな玉波に、片手を下腹部へと伝わせ秘部へと潜りこませていく。
「あっ、だめっ」
玉波の制止は無視して、割れ目へと軽く指を入れた。既に熱く、ボディソープとは別のぬめりが纏わりついている。
「嫌でもダメでもないみたいだ。こんなに嬉しいって言ってるよ」
「い、言わないでください……。恥ずかしい……」
「恥ずかしくなんかないよ。僕は嬉しい。好きな子が感じてくれているなんて男冥利に尽きる」
そのまま入り口の周りを優しく刺激しつつ、クリトリスも触れる。「ッ」と声にならない声。じっくりと羽で撫でる心地で往復し続けると、どんどん粘りが増してくるようだ。
指を動かすたびに玉波はぴくりぴくりと身を捩り、股間に与えられる刺激に翻弄されていく。形ばかりの抗議など聞こえない振りをして、濡れそぼった膣口へ指を潜りこませる。秘肉の入り口がキュウキュウと締めつけてきた。可愛らしい反応に逸物が更に固くなり、待ちきれず、少女の小さな尻に擦りつけると、玉波は「あ、ああ……」と追いつめられた者特有の諦観を滲ませた。
このまま挿れてしまいたい。
後ろから華奢な身体を抱きしめて未通の穴を変形させてしまいたい。
でも。初めてが風呂場で押しきられてなんて可哀想じゃないか。
「タマ」
耳元でそっと囁いた。
「可愛いよ、タマ」
「あ、ああ……本当? 本当です……か?」
「本当だよ」
「わたし、こんなに……まだしたことないのに、こんなにえっちな気持ちになってしまっているのに」
「だからいいんだ。もっといやらしくなってほしい。タマは素直でいじらしくて……僕好みの女の子だ」
そう告げるとともに、健気に膨らんだクリトリスを、軽くつまんだ。瞬間――
「あっ……! ひぃっ、くぅんっ!」
びくんっと弓なりに身体を逸らし、おとがいを逸らした。潜りこませていた指先が噛まれるように締められる。熱い液体の感触。
僕はこわばる肢体をけして逃がすまいと抱きしめて、未知の感覚に震える少女の表情を目に焼きつけていた。
「ぅ、あぅ……」
消え入るような声で玉波は喘ぐ。
小さな耳を舐めあげると「ひっ」と怯えるような声をあげた。
「次はタマの番だよ」
呆然と座りこむ玉波の前に移動して、浴槽の縁に腰かけた。
いきり立った肉棒を突きつけるが、玉波はぼんやりと見つめたままでいた。
「僕を気持ち良くしてもらおうかな」
「……はい」
おずおずと、ペニスへと手を伸ばす。
ずいぶん素直だった。一度イかされた事が効いているのかもしれない。
そっと肉棒を握り締めたところで、玉波は上目遣いに僕を見た。
「どうしたら、いいですか?」
「ひとまず僕のことは考えなくていい。コレはオモチャだと思って、興味の向くままに調べてみてごらん。硬さや温度、匂いとか」
玉波は手をぎこちなく動かしていく。
いかにも慣れていない手コキは、予想通りにそれほど気持ちがいいものではなかった。けれど美少女が真剣に自分のペニスと向かい合っているというシチュエーションは非常にそそられるものがある。
「もっと強く、速くしても大丈夫だよ」
「はい。頑張ります」
不意に陰嚢に触れられる。
強く握られでもしたら、とヒヤっとしたが、玉波はそんな僕の一瞬の焦りを察して、繊細に撫でるに留めた。こちらの顔色を窺いながら愛撫の具合を調整していく。すぐにコツを掴んだのか、優しく揉みほぐし、その下にある蟻の門渡りが感じることまで知られてしまった。思わず太腿に力が入ってしまう。
玉波は妖しく目を細めて微笑んだ。
「ここ、気持ちいいんですね」
「ああ……」
これがきっかけになったのか、玉波はペニスに臆さなくなった。
端正な顔を肉棒の幹へと近付けて、すんすんと鼻を鳴らす。美少女の顔と、男の醜悪な性器。あまりのコントラストに眩暈を覚える。つい食い入るように凝視していると、玉波は口の端を吊り上げ、桃色の唇の隙間からぬらつく舌を伸ばしてきた。
「ん……」
亀頭の先に触れる寸前、ぴたりと止まる。
「センセイ。舐めてみてもよろしいでしょうか」
「ああ、もちろん。してほしい」
「失礼します」
思わず喉が鳴る。
ぺちょり、と粘膜が亀頭の上に着地した。
どくん、どくんと心臓が鳴っていた。
この瞬間を待ち望んでいた。
ピンク色の小さな舌が、赤黒い亀頭に触れている。たったそれだけの事でも、僕の背筋には快感とそれ以上の征服感が走っていた。
フェラチオ。
妄想ではない。
今朝願ったばかりの夢がもう実現している。
ふわふわと腰のあたりが浮き上がってくる感覚。股の間に美少女が跪き、男のモノに唇をつけて奉仕している。普段は友達と喋り、リップを塗って綺麗に仕上げているであろう唇を、僕を気持ちよくさせるためだけに汚している。
かつてない現実を処理しきれない。阿呆のように見下ろしていた。
感動はなかった。その向こう側に突き抜けてしまった。
玉波――
若く美しい女の子。
目の周りの肌の張り具合、透き通るような色合いが、彼女が本物の子どもであると示していた。承知していたはずなのに改めて目の前に事実として突きつけられると狼狽えてしまう。
今、自分はとんでもないことをさせている。
だがその苦みもまた快楽を彩るスパイスでしかない。
僕はずっとこうしたかった。
ずっとずっと昔から、学生に、学生のような彼女たちに、こうしてほしかった!
僕の興奮を悟ったのだろう、玉波の舌の動きが大胆なものになっていく。ねっとりと、およそ初心者らしくない舌使いで亀頭を舐めまわす。
嫌悪感はもはや微塵も見られない。男を悦ばせているのだという確かな自信。やるべきことを見定めた女は強いと一人納得する。
「先っぽの裏筋も舐めて……あと、手も使って」
ナメクジが這うような動きで、幹の部分から亀頭にかけ、裏筋をゆっくりと舐めあげる。同時に幹と玉裏を手で擦ることも忘れない。
そして唐突に玉波はペニスを口に含んだ。
「うっ」
驚き、そして先端を包みこむ生暖かさに声をあげた。
玉波はちらりとこちらを見上げ、そのまま口内でペニスを舐め回し始める。誠実なまでに丹念に、誰かを悦ばせることがそのまま自分の悦びに繋がるといわんばかりの奉仕。指示はなくとも僕の反応から独自に学び、次なる手管を編み出していく。
僕が呻くほど舌の動きは情熱を帯びていく。
きゅ、と唇で男根を締め付けて、口内で舌先を這わせ、ゆっくりと顔を上下させていく。
複数の動きを器用にこなし、下品な水音も躊躇わない。
不慣れから歯がペニスに当たることはあったが、その痛みさえ興奮の材料に変換される。
「ん、っぱ……ちゅぱっ、ちゅぱっ」
口淫の音が反響する。
息が詰まらないのかと心配になるほど熱烈にペニスをしゃぶり、時折、汁が垂れ落ちないようにと啜り音をたてる。細い喉がこくりと上下するのを見た瞬間、総毛だつような衝撃と、崇め奉りたくなるほどの感謝の念を覚えた。
今、彼女はあますことなく僕のものになってくれている。
途端、睾丸がきゅうと持ち上がるのを自覚する。射精が近い。
「そろそろ、出そうだ」
「んむっ、じゅぱっ、んちゅ……んふぅっ」
玉波は動きを止めることなく、どうしたらいいかと目で問いかけてきた。何でも受け入れると言っていた。したかったことを全部しろと言っていた。どうしようもなくなって少女の頭を両手で掴む。けしてやるまいと思っていた乱暴な仕草、この瞬間、彼女のためにやらずにはいられない。
「の、飲むんだっ!」
欲望がぶちまけられていく。
千々に乱れ、びゅくびゅくと音すら聞こえてきそうな吐精。頭を押さえられ、逃げ出せない玉波の喉奥へと叩きつける。
「んっ、んむぅ!?」
眉根に皺を寄せ、くぐもった悲鳴をあげる玉波。
一滴でも多く出してやるために痛みに近い快楽を引き延ばし、尿道から絞り出していく。永遠に思えた絶頂は、しかし続くわけがなく、あっけなく打ち止めの時を迎えた。
射精後の心地よい気だるさに包まれながら、己のペニスを咥えたままの少女を見下ろした。
玉波は精液を口の中に溜めこみ、すがるような目でこちらを見上げている。
指示を欲していた。
なぜなら、男はそうしたがる生き物だと彼女はもう知っているからだ。
私のしたいことは、貴方のしたいこと。
だから命令して下さい。どうか、どうか私に苛烈なお仕置きを。
くらり、と酩酊を覚えた。
妖しく光る瞳に引きこまれていく。強制力を滲ませたおねだりに誘いこまれ、僕は「飲みこみなさい」と指示を下した。
玉波はちゅぽん、と音を立ててペニスを引き抜いた。唾液と、滲みでた精液の残滓が、橋を架けていた。うっとりと目を三日月の形にさせ、少女は大きく喉を上下させる。苦しげに、強い意思で、精液を飲み下していく。
呻きながらも、けして吐き出すことはなかった。
「センセイ、どうでしたか。私、上手にできていましたか?」
「ああ、とても、良かったよ……」
「ふふ、嬉しい」
小さな頭が僕の太腿に摺り寄せられる。
傾けられた前髪がはらりと落ちていき、その奥で、大きな瞳がご褒美をせがんでいた。
万感の思いで髪を梳いてやる。
形の良い耳に触れてやると、玉波は満ち足りた表情で息を吐いた。やがて精液にまみれた肉棒に再び唇をつけていく。
二人、湯船に浸かる。
ぼんやりと天井を見上げていた。
さして広くないバスタブだ。僕が下に座って壁に寄りかかり、その膝の間に玉波が入って背中を僕に預ける恰好になっている。僕の腕に抱かれた少女の矮躯は熱く、もちもちしていて、抱きしめればその柔らかさを堪能できるだろう。そうしたい、そうするべきだと思う。けれど、立ち昇ってくる肉欲の残り香を嗅ぎながら、指先一つ動かす気力も湧いてこない。
「センセイ」
「なんだい」
「しないんですか。続き。だって、こんなにしたいって言ってます」
柔らかな尻肉を僕の陰部に押しつけてくる。
すでに復活したペニスは猛り狂っていた。早くこの女に挿れさせろ、俺の物だって証を刻まさせろ、と。
「うん。でももっとちゃんとしたいんだ」
「ちゃんと……?」
「寝室に連れこんで、綺麗に張ったシーツの上で時間をかけて交わりたい」
「では今からでも」
「それもいい。けど勢いのまま駆け上がるよりも良いやり方を思いついたんだ」
「……また今度、ってことですか?」
「次はキミをもっと可愛がる。悦ばせ、楽しませたい。そうやって心待ちにする時間はね、他では替えられないものなんだ」
「でも私、寮に戻ればまた恥ずかしくなってしまうかも」
「いいや、キミは来る。来れなくなっても僕が連れ出す。絶対に」
「いじわるな人。……では私、待っていますから。さっきのことを思い出して、次は何をされるんだろうって考えながら」
「ああ、明日が楽しみだ」
「いいえ、明日はいけません」
「どうして?」
「涼の番ですから」
玉波は幼児のように微笑んだ。
「私たち、代わりばんこにお相手します」
「もしかしてスズとそういう約束をしてるのか?」
「ええ。ですからお兄さんは、明日は涼のことだけ考えて、明後日は私だけを考えていてください。どちらかを贔屓してはだめですよ?」
「……じゃあ、こういうのはどうだろう」
気に入らなかった。
教え子にペースを握られるのが、という思いもある。
けれど最も反発を覚えたのは、仕事のようにスケジュールを立てて付き合っていくことだった。
「明日はキミも来るんだ。スズと一緒に。三人で楽しもう」
「そんな、そんなのって……」
僕の腕の中の少女がゆっくりと僕を振り返る。
その瞳は隠しきれない期待感で満ちていた。
「三人で、なんて……。えっちすぎます……」
「だろう? どうなってしまうか楽しみで仕方ない。だからタマ、そうしなさい。明日はスズを連れてくる、そうすると言うんだ」
少女は呆然と、僅かに唇を震わせながら、それでも確かに宣言した。
「私、私……涼を連れてきます。だからまた色々教えて下さい。えっちなことを、たくさん……」
「ああ、約束だ」
これでいい。これがいい。
誰もが怖気づきながらも心の奥底では羨むような好き勝手をやってしまおう。
それこそが僕が望み続けた青春なんだから。