ずぶり、と亀頭の先端が沈みこんでいる。
真っ白で幼さの気配を残した下半身をぐいと引き寄せて、その中心にある女の子の大切な窄まりに己の欲望の塊を押しつける。何も知らなかった肉の襞、初めて広げ、軌跡をつける。亀頭の先に僅かな抵抗を感じた。清純の証。
こんなもの一押しで破ってやる。
この美しい蝶のような少女を完全に自分のものにする。
「お兄の顔、すごいよね……」
するりと涼波の慈しみに満ちた囁き声が滑りこむ。
「絶対に犯してやるって悪ぅい大人の顔してる……。怖くて、ぞくぞくするね? でも大丈夫。お兄はきっと優しくしてくれるから」
呟きながら、涼波はするすると玉波の体勢を変えていく。親友をシーツに仰向けに縫い留めて、丁寧に上着を脱がしてしまう。白い薄手のカーディガン、水色のキャミソール、慎ましいブラ。余さず剥いてしまい、生まれたままの姿を滾る男の目に見せつける。
綺麗だ。
未成年の純真な肉体。女として成長しつつある過程にあってなお豊潤な牝の気配を漂わせている。彼女は性犯罪者を惹きつけるフェロモンのようなものを放出しているに違いなく、放っておけばいずれ誰かに襲われるに決まっていた。だったら僕が先に犯してやる。それが彼女のためだった。
僕は網膜に焼きつける。焼きつけながら、アンダーシャツごと上着を脱ぎ捨てた。
男の裸を目にした玉波は息を呑む。
半挿れされたままの体勢で、ようやく覚悟に至ったのか、覆いかぶさる男の顔を正面から見据えた。
「お兄、さん」
「なに」
「私、本当のことを知りたいです」
玉波は動けないまま言葉を紡いだ。下半身は前のめりの男に固定され、反対側には裏切りを働いた少女が陣取っている。もう逃げられない。そんな体勢のまま、玉波は不思議なほど澄んだ瞳で真っすぐに僕を見上げていた。
「私のこと……そんなに好きでもないでしょう?」
「――、」
「いいんです。分かっていますから」
玉波は目を逸らさない。
恐れを隠し切れない顔のまま呟いた。
自分たちはこれまで大して話もしてこなかった。二人きりになったのも昨日が初めて。そんな関係で本当の気持ちが育つはずがない、と。
「私は遠くから見ていましたけど……それだけでした。涼に言われるまま声をかけて、話ができたら、嬉しくて……。ごめんなさい、私、何言ってるんだろう。こんなこと今さら言われても困りますよね」
「――」
「いいんです。本当に。承知の上で来ましたから……。お兄さんの本当の気持ち、教えて下さい。遊びでも構いません。でも分からないまま抱かれるのは……いやなんです」
分かっている。分かってはいるのだ。
彼女の気持ち、姿勢、不安とまだ失われていない真摯な心。
ちゃんと応えてやりたい。心からの言葉を伝えてやりたい。
「あ、ああ、そうだね……色々あるよ……キミへの気持ち……」
けれど。
ここはラブホテルで、ベッドの上で、純真無垢の化身のような美少女を組み敷いている最中だった。
「いいか、タマ。いいかい? チンコをね、先っぽ挿れてる状態で、自分の気持ちとかさ……今の僕には分からないよ。頭がぐわああってなってるから」
ちんちんを挿れたい!
ちんちんを挿れたい!
ちんちんを挿れたくて挿れたくてしょうがない!
「ぐうう~~……っ! わ、分かってる! ちゃんと気持ち伝えたい! 伝えなきゃって知ってるよ! けど……今はちんちん挿れたいだけになっていて……。いい? 聞いて? 遊びの相手だったらもうとっくに全部挿れて腰振ってるよ。強いて言うならこれが僕の気持ち。半挿れで止めてます。これってすごい、すごいことなんよ!」
亀頭を包みこむぬかるみの熱さと締めつけ。自分だけのものにしたいという征服欲。追いたてられるように心臓が鼓動を打っている。自身の命よりも種付けを優先する原初の欲求が見栄どころか本当の気持ちさえ振り切って犯し孕ませたいと必死に叫んでいる。
畜生!
頼むから誰か挿れていいと言ってくれ!
僕にはもう取り繕うことなんてできない!
「ずっと思ってたことがあるんだよ……!」
叫ぶ。どうしてまだチンコを半挿入のままなのか自分でも分からない。
いっそこのまま亀頭だけ埋めた状態で射精まで耐えてやろうか。腰を一振りもされなかった台無しの初体験を彼女に与えてやるのも悪くない気がしてきた。
「マチアプやお見合いは不純なのか!? そこから愛が生まれたら良いんじゃないか!? でも逆に、愛が生まれなかったら、それはやっぱり不純な出会いだったってことになるのか!?」
視界の隅で涼波があんぐり口を開けているのが分かる。
アホなことを言っているのは自分でも分かる。でも言えって玉波が……なんだそれ、キミどういう顔? いやそんな真剣に聞くような高尚な話じゃないんだけど、もういい、キミが止めたんだ、責任もって全部聞いてくれ!
「純愛だ、不純だって、うるさいって僕は思うんだよ! 大体、恋愛自体がふしだらで嗜み程度に弁えておくべきものって言われてた時代のほうが長いじゃないか! それがこの近代になったら突然キレイになって? キレイだからドラマや映画で喧伝されて? 真に受けた馬鹿どもが純愛以外を見下すようになって? それで何もできなくなるアホが増えるんだ! はいそうです、僕でーすっ! 僕ぁ本当に馬鹿だった!」
吟味ゼロでぶっ放す。
ぶつけるべき時でもなければ相手でもないと分かっていても、彼女には教えてやらなくっちゃあいけなかった。直感を信じる。彼女もまたかつての僕と同じようにしょうもない真摯さに縛られている。その程度のものに囚われて人生の好機を逃し続けるなんて他でもないこの僕が許していいはずがない。
「タマ、いいか、よく聞け。僕らは「好きかも」レベルで踏み出していいんだよ。だってそうしたから僕らは今こうしてる。誠実なだけじゃそれこそ眺めているだけだった。だからね、だから僕は――」
玉波の透き通った眼に挑むように視線をぶつけた。
「タマ! 僕はキミが好きなんだと思う!」
玉波はゆるゆると息をつく。
呆然と僕を見上げたまま。
「……タマだってそんな感じだろ? 自分でも言ってたもんな。僕ら、確信を持てるほどちゃんと付き合っていない」
それでも予感がある。
僕は絶対に玉波をもっと好きになれる。そのために必要だから言葉を交わしセックスしたい。
「私も、そういう感じ……かもしれません……」
上手く言えない、と玉波は悔しそうに首を振る。
「僕はキミのことがきっと好きだ。これからもっと好きになれる。本当にそう思ってる」
「私こそ、そう思ってます。でも私は……そんなふうに想ってもらえるような女ではありません」
「いいや、僕のほうが、だね」
「違います。だって私、お兄さんを好きにな気持ちは本当で、もっと見つけられるはずだから、」
「僕だってキミを好きになれる理由をもっと見つけられる。その自信がある」
「だったら、」
「セックスしても、」
「して下さい」
「よぉーっし!」
ずぶずぶとペニスを押しこんだ。
僅かな抵抗を突き破り、未踏の穴を突き進む。彼女の素敵を探すため襞の一つ一つを味わって奥まで突き立てた。さあどこだ、うっすらと汗をかく少女を抱きしめながら腰を動かした。
「っ…………う、ああっ」
熱くて狭い洞穴は侵入者を追い出そうとして全方面から締めつけてくる。そうはさせるかと腰を上からぐいと押しこんだ。
玉波と目が合う。
熱い眼差し。吸い寄せられるようにキスをした。
少女からも舌が伸ばされて僕のそれと絡み合う。口内でも探る。彼女の好きになれる部分はどこにでもあった。夢中になって貪る。気遣いなんてできるわけがない。
ごくり、と頭上で涼波が息を呑む、その音を聞いた気がした。
構ってやることなどできない。
玉波を上も下もぐちゃぐちゃにする、それだけが至上命題で今の僕が生きている理由だった。
「っく、は……んっ!」
粘液まみれの接合部から音が鳴る。互いが互いを求めている証明に更に理性が飛んでいく。たった十数センチの肉棒の接触面だけで彼女の全てを知れると本気で信じながら突き立てた。円を描くように押しつけて、細かに何度も擦りつける。時折離れる唇同士の隙間から牝の声が漏れていた。耳朶が歓喜し、背筋が震える。整えられた髪ごと頭を寄せて撫でつけた。
「うわぁ、うわぁ」
ひたすらに貪っていく。
熱い肉の絡みを掻き分ける。吸いつきを思いきり引きはがす。少女の頬に光る一筋の涙を拭ってやる。痛いだろうか、苦しいだろうか。ごめんとも思えない。その余裕がない。苛めたいとおねだりさせたいという妄想は消し飛んでいた。
肌ざわり、熱い体温、喘ぐ声。鼻奥をくすぐる爽やかな汗と香草の揺らめき。見事に調和された玉波という女。全身を五感で探れば探るほど底抜けに嵌っていく。なんだこれは、どうなってる。
漏れる呻きに構わず突きこんで、捏ねくりまわした。
痙攣じみて全身に力が入り、緩む――背中に回された指が食いこむ痛みすら可愛い。抱きすくめながら、最奥のしこりを撫でる。
「んぅ、くっう、うぅっ」
きゅうきゅうと締め上げられ、絡められ、快楽が背筋を登ってくる。
「やっ、あっ、だ、め……みみ、耳はっ」
耳孔に舌を潜入させると、背筋が震え、尻肉までその震えが伝わってくる。
唇は酸素を求めるため開いたまま閉まらない。
熱い吐息が僕の耳をくすぐってくる。
ぞくりと、腰が震えた。
「タマ、射精するよ」
小ぶりの尻肉を掴むように押しつけ、奥の突き当りをこれ以上は無理というほど密着させながら解放した。
全てを叩きつけるような射精。
鼓動にのって、どくり、どくりと劣情を吐き出していく。視界が明滅するようだ。苦しみに灼かれながら、なおも腰を押し出した。
膣奥に塗りつける、それだけのために。
「……っ、は、あっ、はぁ、はぁ……」
心地良い疲労感。
何も考えられない。
ふと、豊かな海の潮の香りを感じた。若干よぎるリンスの匂い。蘇ってくる、あの晴れた日の原風景。隣を歩く誰かと過ごした春の日のこと。それはすぐさま消え去ってしまったが、惜しいとは思わなかった。今には今の掴んでいるものがある。
胸に積もった澱が吹き飛んでいくようだった。その心地良さに溶けこんでいってしまいたい。
ぼんやりと思い出す。
そういえばゴムをつけていた。
残念なような、安心するような思いだった。
身を起こすと、玉波と目が合った。
なんとなく笑いかけると向こうもぎこちなく微笑んだ。
「ふう。……良かったよ! 最高。超最高」
「言わなくていいです」
逸物を引き抜いて、ゴムを外した。
精液溜まりにたっぷりと白濁液が詰まっている。口の部分を縛ってゴミ箱を探していると、すぐ傍に涼波がいると気が付いた。
「い、いや~、すごいもの見ちゃった。はは……」
女の子座りで、顔を真っ赤にして視線を彷徨わせている。
僕はというと、今さら恥ずかしいも何もなく、開き直った心地だった。
玉波を見やると、どうやら同じ想いのようで、性行為の余韻のままに耳元にかかった髪をかきあげてながら僕にしなだれかかってくる。端正な顔立ちをするすると下半身へと寄せていき、精液に塗れた肉棒を躊躇なく咥えた。
「わ、わぁ」
目を丸くする涼波にちらりと目を向け、すぐに長い睫毛を伏せて舌を這わせてきた。
玉波はちゅるちゅると愛おしげに竿を啜り、先端を舐めあげた。
尖らせた舌先でカリの隙間を往復し、裏筋に何度も舌腹を押しつける。
「う、う。タマ……?」
お掃除フェラというには情熱的すぎる。
玉波は舌の動きは止めずに股の間から見上げてくる。
三日月の形をさせた目から、彼女の意思を聞いた気がした。
もしかして、いや多分、きっとそうだ。
彼女のしたいことが分かったように思う。
腰を突き出して存分にしゃぶらせる。
お掃除はとっくに完了しているはずなのに玉波は動きを緩めようとしなかった。涼波はごくりと喉を上下させ見つめている。きっとエロいとしか思ってない。今この場で
「タマ、もういいよ」
「……ん、ぷは」
ずるり、と美少女の唇から肉棒が吐き出されていく。
力強くそそり立ち、ガチガチに天井を指していた。
完全復活した男の象徴を涼波はぼんやり見つめている。
その背後に、玉波が回った。
「涼」
「ん……?」
「これ、仕返しですから。悪く思わないでね」
え、という声とともに涼波の身体がシーツに押し倒されていた。
あっという間だった。
両手首を抑えつけ、玉波はにこりと微笑んだ。僕も微笑む。涼波はわけが分からないという顔のまま僕らを見上げ、尻の形がよく分かるドエロいホットパンツに手をかけられた段になってようやく気が付いた。
けれどもう遅い。
一息に脱がされる。
「えっえ、わあっ!? ちょ、ちょっとお!?」
「下着、可愛いじゃん。気合入ってるじゃん」
「お、お兄っ!? 怒るよ?!」
「なんで? こんなに張りきった格好してきてるんだからさ、ちゃんとエッチしないと失礼ってやつでしょ」
「ですです。涼もちゃ~んとお兄さんの毒牙にかかりましょうね」
「た、玉っ! ご、ごめんって! あたし、玉のためだと思ってさ……」
「これも涼のためですよ」
玉波は笑った。
そこには欠片も悪意は見当たらなかった。
純粋に親友のためを思って男に差しだしている。
だってこの処女は下手をするとまたビビって引き下がろうとするだろうから。二股なんてやっぱり良くないヨ、なんて言い訳を口にする前に既成事実を作ってしまう方がいい、それが親友のためだと本気で考えている顔だった。
「というわけで、スズ、お待たせ。今からキミを犯すから」
「ちょっ、待って!? 確かに順番って言ったけど、普通は明日だよね!?」
「大丈夫。見ての通り、僕のチンコは元気いっぱいだ」
「あたしが! あたしがまだダメだから! 気持ちできてないからっ!」
「大丈夫ですよ。お兄さんはきっと優しくしてくれますから」
「う、うう、だってぇ……ああっ、下着脱がしたぁ!? まま、待ってってばぁ!」
「ダメだね」
僕は涼波のショーツをベッドの片隅に投げ捨てる。
引き締まった健康的な下半身。真っ白で穢れのない性器。ぷくりとした恥丘。
チンコが限界以上にいきり立つ。
「いい、スズ? 僕はこの通りモラルがない。ずっと年下のキミたちを二人とも気になってラブホテルに呼び出すような男だ。だからスズ、キミとだけセックスしないなんてありえないんだ。あと好きだ」
「ついでみたいに言うなあっ」
「でもそれが本当の気持ちなんだ。仕方ないんだ」
「お兄さん、ちゃんと愛してあげて下さいね。私、しっかり抑えていますから」
「タマはいい子だね」
「ふふ。ありがとうございます。でも今は涼だけを見てあげて下さい」
「オッケー。じゃあ挿れるね」
「う、嘘ぉ……嘘だよね? 玉? お兄? や、いやあ」
ベッドに備え付けられた残り一個のコンドームの袋を破き、装着する。
「これレイプ! レイプだからあ!」
「純愛だよ」
「純愛です」
「ばか! ばか! さっき純愛なんてとか言ってたくせに! せめてあたしにもちゃんと言ってよぉ! 本当の気持ち!」
涼波が何か言っている。構わない。肉棒の先端をあてがって角度を調整する。後はもう腰を押し進めるだけ。極上の太腿をがっしりと抱え込み、ずぶずぶと前のめりに体重を預けた。
「……っ……ぅ、ぁ、ふぅぅッ……」
涼波を大切に想い、慈しみながら愛したいと想う。
想いながら、裏切り、快楽に耽る。格別の達成感があった。