「私、湊友希那は、音楽も人間も辞めて、あなた専用の妻兼肉便器に成ることを誓います」
二人きりの結婚式。他には誰も居ない、その、会場。ウエディングベールだけを被り、右手に口紅を持った湊友希那は、対面する全裸の男に真剣な顔で宣言した。多大な興奮を震えとして含んだその声による内容は、自分自身が、この男に完璧に服従していることの現れであり、男の性的な世話を担う完全な下女に成ったという証明であった。
「ぐふふっ。良い恰好だよ、友希那」男は、己の妻たる友希那の裸体をじろじろと鑑賞しながら口元を緩ませた。「僕も誓うよ。これから一生、奴隷友希那の身体、犯して犯して犯し尽くして、死ぬまでセックスするって」
「流石ね。それでこそ私の夫よ」
友希那は誇らしさと共に微笑んだ。牝としてのだらしなさを全力で披露していた。男の口から出た宣言の全ての文言に、脳と窒がいちいち、カッと熱く反応していた。
友希那は、それからすぐに礼儀正しくしゃがんだ。正座のように、曲げた両足を前に揃え、膝や太腿の色白の加減を男に見せつけるようにすると、さらに男の腰に、その、ぶよついた不思議な太い肉厚を、左右から掴むように両手を添えた。体内から放たれているような、しっとりとした熱が、素手の表面から入って伝わってきた。
「相変わらず、大きいわね」
眼前の股間の中心に立つ陰茎はすっかり発情しており、ありえないほどの強靭さを披露していた。
「友希那のためだけに勃起したんだからね」
「そう……。嬉しいわ」
それは、まさに雄姿だった。竿をじっと見つめ、思考が停滞するほどの威力を受け続ける友希那は、無意識に生唾を飲んでいた。本能の位置から、この肉棒を欲していた。
「嬉しいって思ってるならさ、ちゃぁんと、気持ち良くしてね?」
「もちろんよ。期待してちょうだい」
獲物を前にして漲っている竿は、奴隷である友希那に対し、自分の揺るがない主導権を誇示している雰囲気だった。
(私は、この人の所有物……。この人の、都合がいいオモチャ……)
これから、自分が壊れるまで続いていく主従関係を、直接象徴する男根だった。
(そうよ、この先の人生は全部、この人が、とことん気持ち良くなる交尾のためだけにあるの……)
自分はこの竿の言いなりであり、専属であり、竿の前で、自分はちっぽけな下等生物でしかなかった。圧倒的な上下関係が刻まれており、自分の意識の中の頂に位置するこの陰茎に、友希那は快く、精神的にも物理的にも、跪くだけだった。
「すごい臭い……。意識して嗅がなくても香ってくる……」友希那はすっかり気圧されながら、それでも牝として必死に意識を持ち、鼻をひくひくと動かして、陰茎の臭いを吸引した。
「んっ、おっ……!」鼻梁から一気に臭いが入り込んで、脳がそれを察知した瞬間、友希那は腹の底から上がってくる声を口から吐いた。思わず飛び出てしまったような具合で、それは男のオスの激臭に、身体そのものが敏感に反応している証拠だった。
「んはっ。ううっ。ん……」
臭いを吸引する度に、脳の奥がぼうっと熱を帯びていった。立ち上がっている竿に、まさに縋るように顔を近づけて、ひたすら嗅いでいた。男の竿には恥垢が一切ついておらず、そのため純粋で勢いだけある肉棒で、つまり、臭いの深みを促進させる要素は皆無であるはずだったが、それでも、男根からは独特の臭いが放たれていた。その、煙として色を意識できてしまうほどに強烈で、とにかく濃い臭いは、眼前で自ら標的としてへりくだっている友希那に、絡みつくように浸食していた。
「んふっ……。んんっ、んぐっ。ううっ……」
「ははは。友希那、僕の臭いにやみつきかな?」
男が、にやけながら訊ねた。友希那の眼前の竿も、訊ねるようにびくりと大きく震えた。
「そうねっ。すごいわ……」友希那は鼻をひくつかせる合間に言葉を出した。「これっ……、ううっ、女の人にはっ、絶対に嗅がせちゃいけない臭いだと思うわ……。んはっ」
「でも、友希那は僕の奴隷だよ」
男が真剣に、素早く訂正した。
「もちろんよ」友希那は納得したような声を出して再び陰茎を嗅いだ。「私はあなたのモノ。もう、あなただけの存在……」
スンスン、スンスンと嗅ぐ度に、友希那は、自分がさらに、この男にとって従順で都合のいい奴隷に近づいてゆくような気がした。「私はもう女の子なんかではなくて、あなたの肉便器だもの……。この濃厚で、そっちの方から絡みついてくるみたいなしつこい臭いが、おっ、んぐっ。んふっ、おお、似合いね……。ふふ」
自分に言い聞かせて確認するように微笑む友希那は、嗅ぐのをやめなかった。やめることなど許されないはずだし、なにより、やめたくなかった。神経の全てを、小さく整った鼻という部位に集中させ、何が何でも取り込むように、激しく吸引するように、とにかく膨らませて、細かく動かした。
「んふっ……。んんっ、ん……。ふうっ、んっ、ぐぅっ」
非常に濃い激臭が孔を貫通して脳まで達し、肺にこびり付き、身体の芯を、ぶるりと、大胆に震わせていた。
「友希那さー、奴隷らしく臭いに敏感になってるところ悪いけど、そろそろ自分の役目、思い出したら?」
上から男の声がした。弾んでいた。明るさに富んでいた。陰茎の前に自分から跪き、さらに、命令もしていないのに臭いを嗅ぐ友希那の滑稽さを、見世物小屋でも傍観するように、愉しんでいた。
「ああ、ごめんなさい……」
友希那は亀頭の先端に触れそうになっている鼻先を、慌てた様子で離して、男を見上げた。
「まったく……、おちんちん前にすると、すっかりバカメスになっちゃうんだからさぁ……」
「ごめんなさい……、誓いのキス、いまからするわ。させてちょうだい」
「お願いね」
男の歪んだ声を聞きながら、友希那は、それまで慎ましくたたんでいた両足を、たたんだまま、ただ左右に、大きく開いた。そもそも友希那は、床に対して、左右それぞれの足の先のほうしか触れさせておらず、つまり、つま先立ちのような恰好になっていたため、そこを軸のように設定して、両足を九十度、パカッと拓いた。
床に対してほぼ平行になっている脹脛に、太腿をどっしりと乗せているのがよく視えていた。その、みっちりとした下半身が、堂々と、本当に、真に何の恥じらいも無く表示され、さらにそれだけではなく、今まで隠れていた股の内側と、中心のとろりと湿った秘部が、赤裸々に出現した。
自分の股間は、とっくに自分のものではなく、男だけの所有物であることを、自分から、見せつけていく仕草だった。
「ふふっ……」
男の性欲と、それの象徴である陰茎に征服し、何もかもを嬉々として譲渡し、すっかり無害な便器に成っているということを示しながら、同時に、男のオスとしての優越感を、根っこの部分から盛り上げていた。
奴隷としては、これ以上に無いほどに相応しい痴態だった。
そして、その痴態が男に極めて好評であることが、竿の震えから察知できた。
(まずは、口紅を……)
友希那は右手に持った口紅を展開し、自分の唇に塗っていった。手慣れていた。
紅は、すぐに唇を覆って、赤色に染まった。艶があり、まさに、友希那のそのままの美しさをさらに輝かせる魔法の類のようでもあったが、もちろん今の友希那に、そのような、正常な女性としての『美しくなりたい』などという意識は皆無だった。わざわざ紅をつけたもの、男の性欲をたきつけて加速させるためだけだった。
口紅を戻した友希那はそれを足元に置くと、赤色に染まったなまめかしい曲線の肉厚で男を見上げた。口元を紅で彩られているだけなのに、友希那の今の顔はどこか大人びており、高貴な雰囲気を放っていた。そんな友希那と男の目と目が合うと、友希那はにっこりと笑った。その途端、卑猥な分厚さの唇がぐにゃりと歪曲し、元々の美形と相まって、その瞬間、顔の全体で何にも勝る蠱惑が形成された。
友希那の笑みは女性として一級品だったが、すでに彼女は人間界の女性の序列から外れた存在であるため、ただ男の欲に付き添って楽しませるだけだった。
「なんか、えっちだな……。でも、口紅でキスなんて、良いの? それってさ、女の子の特別なモノなんでしょ?」
男が呟いた。その視線は友希那の、より強調された唇に集結していた。
「口紅を使うのは当然よ。あなたのおちんぽに私がキスしたのを、視覚的に示すの。そうしてあなたにもっと興奮してもらうことこそが、肉便器である私の役割で、生きる意味だから」
「生きる意味かぁ……。そういえば、彼氏くんは良いの?」
「ええ? 彼?」友希那は驚いたように目を丸くした。唐突に過去の人間の話題を出されて戸惑っていた。「……確かにあの人は私の恋人だったけれど、強烈なオスの力を持ったあなたに服従するのは、牝として当たり前の行為でしょう?」
「はは。そうだね」
「そうよ」友希那は語気を強めた。正直なところ、彼氏と言われてもあまりはっきりと思考が働かなかった。名前はなんとなく思い出せたが、記憶の中の顔は曇り空のようにぼやぼやとしており、声に至っては少しも、どういった部類の声だったかすらも、忘れていた。
しかし、どうでもよかった。奴隷の自分に、主以外の人間の存在など、どう考えても不要だった。
「……まったく、私の夫ならそれぐらいちゃんと意識してちょうだい」
今の友希那には、この男さえ居ればそれでよかった。それだけで、十分に幸福だったし、安心できていた。
「ほら、チンキスするわよ」
再び男の腰を左右から握った友希那は、そのまま男の目を見つめながら、顔を陰茎の先に近づけた。唇を閉じ、ぎゅっと突き出すと、男と目を合わせながら、ついに、自分の雌を雄に触れさせた。
「んっ、むっ……」
他の箇所とは明らかに異質な熱だった。内部でただぼうっと宿っているだけのような雰囲気で、落ち着いた質感だったが、しかし、少しでも触れると、その瞬間に確実に絡みついてそのまま浸透してくるような、あまりにもしつこい熱だった。
男の性欲をそのまま熱量として表現したのかしら、とすら、友希那は思った。そんなふうに思考しながら、唇をぐりぐりと進めた。こちらに向かって突進するように立つ竿を、押し返すように舐った。そのうえで軽く吸い、より唇と竿を密着させるようにもした。
友希那の目は、見開かれた眼力は、男のたるんでいる表情に夢中だった。その顔は友希那の柔肉を強く意識して快感に浸る時の欲情の顔だった。
最大限の喜びに興じている男のことがが、友希那は、たまらなく好きだった。いつまでも視ていたいと思っていた。この顔のためなら、どんな行為にでも積極的に身を捧げるつもりでいた。
「んっ……、んちゅっ……」友希那は一度竿の先端から唇を離した。肉厚がぷるんと震え、陰茎の先端には真っ赤な唇の跡がしっかりと付着していた。さらに友希那の口と竿の間には、それらをなだらかに繋ぐ、透明でねっとりとした唾液の糸があった。橋のようにかかるそれは、まさに友希那と男を固く繋ぐリードのように思えて、どこまでも猥褻的だった。
「ふふ。このチンキス、あなたみたいな強いオスにしっかりご奉仕してるって気分になれて、やっぱり幸せだわ」
唾液で竿に繋がれた口のまま、友希那は男に微笑んだ。
「んんっ……」
そして再び、今度は違う位置に唇を当てた。竿の右側、中腹辺りだった。
それは接吻というよりは、ただひたすら口の肉の圧を感じさせるためだけの行為だった。顔を押し込むと、すぐに陰茎の我が儘な硬さがぐいと激突し、柔らかい唇の方が当たり前のように負けてぐにゃりとひしゃげた。友希那はそれでも顔を擦り付けた。肉棒の熱と、竿としての純粋な強さがめり込んできて、一気に欲を発火させた。
「んっ、もちろん、これがファーストキスよ」
顔を離した友希那は男を安心させるために自分からきっぱりと断言した。
唇が無くなった竿の箇所には、しっかりと口紅の色が移っていた。
「今まで彼にキスをせがまれたことが何度かあったけど、あなたのおちんぽために全部断ったの」
「え、そうなの? よかったの、それ」
「ええ。後悔なんてしてないわ」友希那は確信めいた声だった。「あの人は、人間としては確かに優しかった。けれど、オスとしては少し、情けなかったの。いくら恋人でも、そんな相手にはじめてのキスを捧げるなんて、馬鹿げてるでしょう? やっぱり、一番最初のキスは、あなたみたいな優秀なオスのおちんぽに捧げるべきよ」
友希那は淡々と語った後に再び竿に口づけをした。心の底から男の象徴を称えていた。今度は左側で、より首の位置に近い箇所だった。少しでも唇を離してしまったことを詫びて、すっかり待ちくたびれている竿をあやすような、激しいが丁寧な触れ合いだった。
「んふっ。ふふっ……」
友希那は口づけをしたまま男を見上げて目元で笑った。
「あの孤高の歌姫・湊友希那様が、今や奴隷で、僕なんかのちんこにキスか。いやはや、堕ちたなぁ……」
その友希那を見下ろした男は、しみじみとした雰囲気で吐いた。
「歌姫……。確かにそう呼ばれてた時期もあったわね」
友希那は唾液の弾ける音を響かせながら、竿からまた口を離して思考した。
竿には三つ目の唇の刻印が、堂々と在った。
「でも、今はそんなものじゃないわ。今の私は、言うならば、あなたの眷属、あるいは下僕よ。完全にあなたにひれ伏す都合の良い奴隷で、人権なんてもちろん無いから、これからも、好きに使ってちょうだい」
「なら、音楽はもう良いの? 飽きた?」
「飽き、とはちょっと違うけれど、似たようなものね。他に、夢中になれる絶対的な存在ができたから」
友希那は四度目の口づけを行った。右側で、根本に近い位置に唇を擦り付け、すぐに離した。次に、それまでしっかりと男を向いていた目を、どうにも耐えられない羞恥心によって逸らしたが、すぐにそれすらも耐えられなくなって、再び愛おしい男を見上げると、頬を赤く染めながら、口を開いた。
「……あなたのことよ? わ、わかってる?」
細い声だった。呟いた途端、顔面の熱が一気に上昇して、身体の内側をくすぐられているような恥ずかしさが膨張していった。
「わかってるよ」
男は、友希那の乙女のような情緒を全て理解しているような優しい声で答えた。
「なら、よかった……」友希那は弛緩した顔で微笑み、再度男の目を見上げた。「私は歌が、音楽が好きだと思っていたけれど、それは嘘だった。私が本当に好きなのは、あなたと、あなたのおちんぽにご奉仕することだったの。音楽なんていうまやかしから、おちんぽの魅力で私を救って、そのまま肉便器に指名してくれたこと、とても感謝してるわ」
「そうだねぇ……。確かに僕も、友希那と出会えて幸せだよ。最初は音楽だけのつまんない女かと思ってたけど、結構良いモノ持ってるんだもん。これはもう、奴隷にするしかないよね」
「ふふ、私たち、本当に相性が良いみたいね」
甘い声を出した友希那は、再び男の股間に顔を進めた。男のことは心の底から信頼していた。だからこそ、気持ち良く降参することができていた。
(さて、竿にキスするのは当然として、こっち方にも、しっかりと……)
次に友希那が唇を触れさせたのは男の睾丸だった。もっこりと実り、さらに重力によって下方向にたるんだ二つの歪な球体に口を当てると、その瞬間竿の方がびくりと震えた。
竿の部分とは少し異なった、ずっしとしておりさらにぶよついた感触を得てから、離れた。竿と同様に口紅の跡がはっきりと捺印されていた。
「大きいわね。確か、ここに精液が溜まってるんでしょう? こんなに大きいと、出てくる精液の量も多そうね」
「それ、ぜーんぶ友希那のためだからね。一滴残らず、身体に流してね」
「ええ。精液を作ってるあなたの睾丸……、じゃなくて、ええと、キンタマ、だったかしら? キンタマもたっぷり癒して、よりたくさん精液を出してもらうから、覚悟してちょうだい」
男の股関節あたりをゆったりと摩りながら、友希那はさらに睾丸に触れた。短く連続で、一気に数か所に接した。いずれも楕円形の紅の痕跡が付着し、敷き詰められていった。それは予約のようなものだった。睾丸内部の全ての精液を独占し、余すことなく味わうための、何よりも強烈で有効な宣言だった。
友希那は、竿の方も当然見逃さなかった。根本などのまだ空いている箇所に唇を落とすと、よく吸って浸透させてから離した。濃い跡が付着していた。
「このマーキングの一つ一つが、私からあなたへの愛よ。ほら、口紅を使ったからよく見えるでしょう?」
自分の跡をこれでもかと塗り付けた竿は、卑しい雰囲気だった。この竿を狂信し、自分の人生すらも捧げている友希那にとって、自分の口の痕跡で全身が埋め尽くされた竿は、もはや喜悦以外の何でもなかった。
「あなた専用の奴隷からの求愛、しっかり感じて気持ち良くなるのよ?」
友希那は、男の返事を待たずに再び口を陰茎に触れさせようとした。しかし、今度は執拗な口づけで示すのではなく、すっかり紅が抜けた口から、意図的に吐き出すように薄桃色の舌を突き出し、その先端を、亀頭の先に這わせた。
きゅっと細めた唾液まみれの舌先で、先端を、ほじるように優しく突いた。尿道をくすぐるような具合で、舌はそのまま、尖った先端周辺を舐ってから、木々に絡みつく蛇のように、なめらかに、回転しながら、亀頭全体を包んだ。
「ぐおっ……。すごっ……」
友希那の口内で温められ続けた触手は、その細やかな蠢きが、まるで意思を持った液体のように素早く勢い良くまとわりつき、そのまま、ひとまず亀頭だけをねっとりと肯定した。
(んっ……、なんだか、味が……)
亀頭を練り上げるように廻る舌に唐突に触れたのは、香ばしい風味だった。もう射精してしまったのかと驚いたが、出てきたものは、色が明らかに違った。
「これ、何かしら……?」
亀頭から一度舌を離した友希那は、尿道の位置からゆったりと溢れ出る透明な液体を見つめて呟いた。それは尿道の先端の位置で、ぷっくりと膨らむように顔を出していた。
「我慢汁だよ。精液の子供みたいなもの。カウパー汁とも言うけど」
「かうぱー……? 変な名前ね……」
それは亀頭の先端から滲むように分泌されていた。友希那はその射精の予行練習のような可愛らしく控えめな粘液に舌を触れさせ、つるんと掬い上げるように舐め取った。口内で素早く唾液と混ぜ合わせ、ゴクリと音を立てて飲み込んだ。
「どう? 味のほうは」
「名前に負けず、変な味ね……。でも、嫌いじゃないわ」
「へへっ、そっかぁ。じゃあ亀頭も舐めてね。友希那のフェラ処女、僕にちょうだい」
「わかったわ」
従順に応えた友希那は再び舌を突き出し、十分に亀頭を舐めてから一気に、その肥えた先端にむしゃぶりついた。
「あむっ……」
丸々と実っている真っ赤な弾頭だけを口で匿い、くぼんでいる首の位置にすぼめた唇を密着させて、完璧に包囲した。すぐに突出させた口の肉と舌で何度か擦り、唾液と共に卑しく揉むと、それにすかさず反応するように、尿道からカウパー汁が飛び出した。友希那という専用の牝の口内に還り、すぐに柔らかい肉欲に優しく癒されたことで、絶対的な安心感を得た竿が、そのまま存分に甘えているようだった。
友希那は中途半端に垂れているカウパー汁を容赦無く吸い出した。それは引っ込み思案な園児を優しく巧みに誘い出す女性保育士のような、母性のある情緒だった。何度か顔を小刻みに動かし、尿道か、それか鈴口のあたりで止まっているカウパー汁を、陰茎からひねり出すようにした。
汁をある程度出させた後に、友希那は顔を、後方にゆっくりと引いていった。口内では吸引しているため、下がっていく頭部に反抗するように、口の肉が伸びて亀頭を覆っていた。
「んー、んん、ふむっ……。んもぉ……」
完全に密閉されている口の中から、舌と肉壁で磨かれているつるつるの亀頭が徐々に現れた。
「……んぢゅっ!」
それから、唾液が散る鋭い音と共に唇が完全に離れると、竿全体がぶるんと震えた。
「んへっ……」
友希那は男の顔を見つめながら口内のカウパー汁を飲み込んだ。少し粘ついており嚥下には戸惑ったが、唾液と共に下すとすぐに体内に入っていった。
「なんだか、本当に不思議な味……。しょっぱくて、でも少し、苦い……。舐めているとどんどん出てきたけど、大丈夫なの?」
「友希那の初フェラが気持ち良い証拠だよ」
「そう」
友希那は平然とした顔だった。そして、唐突に右手で竿の根本を握った。唇や口内で感じるように、竿には特殊な湿った熱があった。
「ゆ、友希那……?」
「慌てないで。大丈夫。ちゃんと気持ち良いはずだから」
友希那はそのまま、竿をぎゅっと握りながら顔面を亀頭に近づけた。突き出すような、差し出すような具合だった。友希那はさらに竿を動かし、濡れている亀頭を自分の顔面に押し付けた。
「んっ。熱い……」
今まで感じていた熱が、今度は頬に触れていた。一定の温度に保たれていた顔面が、竿からの熱量によって確実に脅かされたことで、違和感のようなものとして意識できた。
友希那は亀頭を頬の肉の中にめり込ませるように強く擦った。ずりずりと頬肉がへこみ、その度に、亀頭から垂れるカウパー汁がまとわりついた。
「ほら、どうかしら。私の顔、もうあなたしかないわ」
「すごっ……。友希那の顔、めっちゃ気持ち良い……」
「そうでしょう……。ふふ、もっと味わっていいのよ」
自分から、男の汁を塗り付けるような具合だった。もともと美しかった顔面が、本当の意味で男のモノへと昇華していった。
「ふう……。これぐらいで十分かしら」
ねっとりとした汁まみれになった友希那の顔面からは、男の雄の香りが漂っていた。先ほどの陰茎や睾丸への接吻が友希那からのマーキングであるのなら、これが、これこそが、男から友希那へのマーキングであると同時に、友希那の、奴隷としての確かな誉れだった。
「んっ……。顔からあなたの臭いがするわ……。おちんぽの臭いを
そのまま強めたみたいな臭い……。嗅いでるだけで、私も気持ち良くなってくるわ」
「友希那が嬉しいなら僕も嬉しいよ。……それじゃあそろそろ、本気フェラしてもらおうかな」
「ええ。わかってるわ」友希那はうっとりとしていた顔を素早く真面目に変えた。「ねちっこい前座はもう終わり。今から本気であなたの特濃精液を搾り取るから、覚悟してちょうだい」
友希那が宣言すると、男はにやけながら、しかし口では何も答えずに、男根でびくりと反応した。腰に改めて手を添えた友希那は、今しがた雄汁まみれにした顔面を上に向け、男の瞳だけを意識し、そのまま、股間に埋もれるように入った。まずは竿の裏側の位置を連続で叩くように舐めた。飢えた牝の猫による、生存に縋るような水分補給時の舌のように、激しく数回叩いた。それから突き出すように集結させた唇を亀頭の先端に触れさせ、そのまま質感によって緩んでいく彼の顔を観察しながら、顔全体を前に押し進めた。
「んもっ……」
亀頭に触れている唇が、そのまま亀頭の丸っこい形に添うように進んで、すぐに全てを飲み込んでいった。竿にみっちりと張り付く友希那の口は、入ってきた肉棒の、歪だがはっきりとした屹立の形に素早く密着して、変形していった。
「んぶっ。んもっ、んっ……」
友希那の顔面は男の腰に深く沈み、もっさりと生え盛っている陰毛が口元に触れた。
陰茎の亀頭が、友希那の喉にまで達していた。栓をされているような窮屈な感覚があった。太ましい存在による窒息感だった。生命の危機すら意識したが、正直なところ、どうでもよかった。
「んんっ……。腰抜けちゃうよっ……。ゆきなあっ……」
男が、腰を震わせながら叫んだ。口内の竿も、同様に激しく震えていた。
男の、この緩んだ声を聞くと、友希那は、自分の命のことなど簡単に無視できた。自分の命を引き換えに男が最高の快楽に到達できるのなら、何の迷いも無く命を捧げることができるのが今の友希那だった。
「あぁっ……。キモチイイ……。友希那の口便器、気持ち良いっ……」
口内から上がってくるのは竿の熱だけではなく、臭いもあった。嗅いだだけであんなにも脳がくらつく臭いが、今度は直接口に放たれて、外の空気に少しも混ざらないまま、細胞に届いていた。
ムフー、ムフーと獣のように鼻で呼吸をする友希那は、男の瞳を凝視し、震える腰をその場に固定するように、絶対に離さないという意思を執行するように、ぎゅっと握った。
「ずうっとこっち見てくれるの、好きだよ。僕が気持ち良くなってるところ、全部視ててね……」
「んふ」
「ははっ。何言ってるかわかんないよっ」
男が黄ばんだ歯列を見せながら猿のように嗤った。
全ての準備が整うと、ついに友希那は顔を動かしはじめた。それまでの静まっている情緒を否定し、印象の上書きをするように、素早く、身体全体を使いはじめた。
「んっ……。ぢゅっ、んんっ……。ぶっ……。んっ、んっ」
常に、口全体が竿に密着して、触れ合うように心掛けた。あえて唾液と肉が擦れて弾ける音を響かせ、ぬるついた肉壁で竿を懸命にしごき、男の睾丸からぞくぞくと滾ってくる射精感を、とことん盛り上げた。
「ゆ、ゆきなっ。フェラすごいよっ……。さすが便器っ。吸われちゃうっ。ううっ……!」
男は妙に甲高い声を出していた。時おり「あぁっ」だの「ふうっ」だのと言葉になっていない嬌声を漏らしていた。常に露骨に、息が上がっていた。専属便器である友希那に、急所だけをしつこく突かれているため、ひどく弱弱しい雰囲気だった。
「んじゅっ……。んんっ。ぢゅるっ、じゅっ……。んむ、んぶっ。んっ」
友希那はすぐに頭の動きをはやめた。口内では、硬く熱い陰茎が何度も何度も出入りし、凝縮された肌の質感が友希那の柔軟な肉を擦っていた。
「あぁっ。もうくるっ。せーし上がってきてるぅっ」
(出してっ。精液出してっ……! 濃いのちょうだいっ)
友希那は男の目をぎゅっと捕え続けながら、さらに奉仕に激しさを追加していった。頭部全体を素早く動かすと、長い薄紫の髪たちがゆさゆさと揺れていた。
咥え込む時は素早く根本まで、少し強引に口に押し込み、離れる時は口で擦りながら、亀頭の首の位置まで唇を後退させた。竿は友希那の湿気と、それを多大に含んだ唾液で完全にぬめめっており、一切の摩擦が無く、口内で良く滑った。
「んふっ、んぶっ……。ぢゅっ、ふっ……」
激しく前後の運動を続ける口や、それを受けているだけの陰茎から、友希那の唾液がだらりと、だらしなく、糸のように垂れていた。ねっとりと、ゆったりと床に落下していく、ところどころで泡立っている唾液は、友希那の股間のすぐ前、向かい合う男と友希那の間の位置に、水溜まりとしていくつも点在した。
「ぐっ……。駄目っ、無理っ。もうイっちゃうよっ」
男が、さらに悲しそうな声を出した。急ごしらえでひねり出したような声だった。友希那はどろどろに溶けてゆく男の顔をしっかりと堪能しながら、より強く男の腰を掴んで竿を磨いた。
「出るよおっ……。奴隷ゆきなの口に全部出すっ……。友希那の大切だった喉のこと、妊娠させるうっ!」
友希那は、どんどん人間性を失っていく男のゆるんだ顔をいつまでも見つめていた。両目を最大限まで開き、動かない瞳でじっと集中することで、本当に全てを視ていることを男に意識させた。口内で出入りする竿は段々と膨らんでいき、分泌されるカウパー汁も多量だった。男の言う通りすでに限界が近いようだった。友希那は最後まで男に愛情の眼を向けながら、口で奉仕し続けた。
「ううっ、イくっ――」
呻き声と共に、男は腰を前に引きつらせた。さらに太い両腕で友希那の頭部を唐突に掴み、身体に方に強引にねじ込んだ。
「んんんんっ!」
友希那は、そんな男に合わせて、尻の方に両腕を回し、がっしりと拘束した。顔面そのもので、腰にしがみついていた。口内の竿は喉の奥の方まで刺し込まれており、さらに頭部の素手は、ぐぐいと力強く引き付けられていた。
その中で陰茎は、激烈に痙攣して、我が儘に発射していた。
「ぐうううっ! 出るううっ……」
(喉に、ちょくせつ……、塗り込まれてるっ……!)
それまで感じていた、内側から放たれて伝わってくるような体温とは明らかに異質な、じめっと湿っている熱を宿した粘液が、口を通り越した先の喉に、ずるずると注入されていた。
「ああっ、すごっ。便器に、ぜんぶ出るっ……」
それは、友希那の喉に対する明らかな支配であり、所有主としての権威をはっきりと理解させるような、凶暴で独善的な射精だった。
喉で感じることができる精液は圧倒的だった。どろりとしており、まるで崩したゼリーのような、重さを感じるほどの粘り気で、その粘液が、放尿のような勢いで発射され続けていた。友希那はそれを、飲んでいるというよりは強制的に飲まされていた。しかも、ただいつものように、他の飲料を嚥下する時のように喉を動かしても、精液は絡みついて落下してくれなかった。そのため友希那は、意図的に喉を、喉という肉の穴を蠕動させ、飲み込むのではなく、取り込むような具合で精液を身体に落としていった。
「これっ、すごっ。ほんとにっ、ゆきなに全部抜かれるよおっ……。こんなのっ。もうレイプだよっ……」
また、ねばついている熱の感触を身体で感じた友希那は、喉元を閉めている竿からの危機的な窒息感と相まって、すぐに自分の股間がじっとりと、さらに湿っていくのを意識した。
「んぶ……。んっ、んふぅ……。んんっ」
長い、長い欲情の爆発だった。
ようやくそれがおさまった後に、友希那は名残惜しさを感じながら両腕の拘束を解き、自分から顔を離した。しかしその時も、いまだに萎れない強靭な竿を吸うのは続けており、尿道はもちろん睾丸にまで残っている置いてきぼりの精液を優しく導き出すことに努めた。
「んはっ……。ふうっ」
友希那は竿から完全に口を離した。口の周りはどろどろに濡れていた。水分補給をした猫ではなく、雑で大胆に水をがぶ飲みした野犬のそれだった。さらに、そのてかっている口と、男の、少しも萎れておらず、さらに依然として友希那からの刻印がはっきりと付着している凛々しい竿には、いくつもの、本当に数えきれないほどの数の粘液の透明な鎖が繋がっていた。友希那はそれを見つめながら、ぜいぜいと呼吸を整えた。友希那が顔を動かす度に、鎖たちも風で反応する長い吊り橋のようにゆさゆさと動いていた。
「ふ、ふふっ。たくさん出したわね……」
「うん。すっごく気持ち良かったよ」
男はにやけながら友希那の頭部を撫でた。贅肉でたるんでいるはずなのに、どうしてかごつごつとしている素手には、腰や竿や精液とはさらに違う、ほのかな、本当にほんのりとした、穏やかな太陽のような温かさがあり、なんだかぽかぽかして、安心感すら抱いていた。
「んふふ……」
口全体を使った奉仕は流石に体力を消耗していた。しかしそれ相応の達成感を得ていたし、何より、自分の所有主である男の精液を、直接流し込んでもらったという事実が、奴隷としての自分の新たな誇りとして刻まれていた。
「精液で溺れるかと思ったわ」友希那は男を見上げたまま、右手でぬめめっている竿をすかさず握り、ゆったりと撫ではじめた。「もし私が口でも本当に孕むような生物だったら、確実に妊娠していたでしょうね。それに……、ふふ、息が精液臭いわ」
友希那は笑っていた。口での呼吸で吐き出される吐息に、いちいち男の精の面影が宿っており、それを嗅ぐだけで、すっかり消耗しているというのに、どこからともなく体力と欲情が湧き上がってきていた。
「あぁ……、これはもう、当分消えないわね」
「良いじゃん。全身から僕の精液の臭いを漂わせてた方が、友希那が僕の便器って感じがして」
「確かに、それもそうね」友希那は粘液まみれの口で笑みを作った。「やっぱり今の私には、あなたの体臭が一番しっくりくる。これからも、あなたの都合の良い奴隷として、妻として、あなたを気持ち良くさせることだけに、全てを賭けるわ」
男の顔を見つめながら、右手では竿を尊重していた。
「全てだの賭けるだの……。ははっ、友希那は大げさだね」
男は友希那の宣言を真っ向から嗤ったが、しかしその竿はそれに反して、友希那の五指の中で大きく震えていた。
「私にはそれぐらいの覚悟があるってことよ。もちろん、愛も」友希那は至極真剣な顔だった。「それよりも、はやく続きをしたいわ。私のおまんこ、もうあなたのおちんぽ咥えたくて、喉に出された時からずっとうずいてるの」乙女のように頬を明るくしている友希那は、巨大な竿を包む素手をくちゅくちゅとかき混ぜていた。唾液でぬるついた竿と、同様にぬめめっている五指が、なめらかに流れて触れ合っていた。「もう、我慢できそうにないわ……」
「いいよ! でも、ここじゃあ場所が悪いから、結婚式ごっこはもう終わりにして、寝室にいこっか」
「ええ。これからもよろしくお願いするわ……、私の、ご主人様」
友希那は真白い歯列を見せた微笑みを作り、次に、男の竿の先端に唇を触れさせた。
やがて唇が離れた。
新しい唾液の透明な糸が、男の肥えた亀頭と、友希那を繋げた。