「カリトく~ん、今日の仕事終わり空いてるぅ? 空いてるなら僕と風俗行こうよ~、職場に大学の同期いなくて誰も誘えないんだよぉ~」
「またですか宮本先生、そりゃ僕はフリーですけど先生と風俗というのはちょっと……」
慶應義塾大学病院の病棟勤務薬剤師として働く僕、
この宮本先生は研修医といっても医師なので病棟では当然僕に指示する立場だが年齢がお互い27歳で出身大学も同じ昭和大学、主に働いている病棟も同じということで以前から親しくさせて貰っていた。
「そんなこと言わずにさぁ~、僕はカリトくんを30歳までに脱童貞させてあげたいだけなんだよぉ~」
「別に30まで童貞だっていいじゃないですか! 怪しげなソープで素人童貞になんてなりたくないですよ」
「仕方ないなぁ~、じゃあソープじゃなくて出会い系の喫茶店でどう? 肉体関係が前提のキャバクラみたいな感じで、1回やってみて気に入らなかったらチェンジできるよ。キャストも普通の女の子ばっかりだし」
「そんな所があるんですか? まあそれなら僕もお付き合いしますけど……」
「やったー、じゃあ今日は僕が食事代出すから今から行こうね~、店長さんに清楚系の女の子呼んで貰うように言っとくから」
根負けした僕はソープというよりはキャバクラ寄りの店なら行ってもいいと返事をして、宮本先生は喜びながらスマホでその店の店長さんに連絡を取り始めた。
そして僕が宮本先生に電車で連れて行かれたのは新宿区内にある性風俗店で、外見上はただの喫茶店に見えるその店には「地雷系喫茶へらみん」という看板が掛かっていた。
宮本先生に付いて店内に入ると、そこにはダンディな雰囲気の店長さんらしき中年男性が受付で待っていた。
「ようこそいらっしゃいました。宮本先生、そちらの方が新規ご来店の米田様ですね」
「そーそー、カリトくんは27でまだ童貞だから清楚系の女の子でよろしく! あとシステム説明してあげて」
「承知致しました。それでは米田様、ご入室の前に当店のシステムをご説明させて頂きます」
「はっ、はい、よろしくお願いします」
身構えている僕に店長さんは落ち着いた雰囲気のままこの店のシステムを説明し始めた。
この店では多数のキャストが働いているが一人の客に接客するのは毎回1人だけで、喫茶店の客と給仕という設定で会話をして客がキャストを気に入ったらそのまま店外のデートに行ってよいという。
店外に出てからは自由恋愛という扱いなのでそのままホテルに行って性行為に及んでもよく、デートの終わりにキャストを気に入ったら次回以降再指名できるし気に入らなかったら次回以降は外して貰ってもよいという。
つまるところ「へらみん」は風俗に行きたいがいきなり性行為が始まるソープには抵抗のある僕のような童貞をターゲットにした性風俗店らしく、ここなら僕も違和感なく入れると思った。
「それでは今から米田様にご入室頂きます。今回は店内での食事代は宮本先生にお支払い頂きますので、米田様にはデート中のお支払いのみお願いします」
「分かりました、宮本先生ありがとうございます」
「へーきへーき、僕は今からギャルとエッチしに行くからカリト君も頑張ってね!!」
宮本先生はそう言うと僕とは別の部屋に一人で入っていき、初来店の僕は店長に案内されてキャストにいる部屋に進んでいった。