ギャラクシー・ジャーニー 宇宙騎士キタリヴァン 作:馬門戒明/輪島ライ
ジャニィさんの恋人になって数か月が経ち、僕は初めてジャニィズナイツが本拠地を置いている惑星を訪れていた。
ジャニィさんは長官ではあるが宇宙騎士としての本業が多忙なため実際には仲間に運営を任せているらしく、その日は新人の僕を紹介する意味も兼ねてジャニィズナイツの本拠地に連れて行ってくれた。
「皆、こいつがジャニィズナイツの新隊員にしてカイゼルフォンの船内スタッフを務めてくれているリュークだ。リュークはグルームドの生き残りで、一般的な人間族と比べて身体能力と知能に優れている。もちろんジャニィズナイツではあくまで他の隊員と同じ立場だぞ。船内スタッフに採用したのはいざという時に特異体質を頼れるからだ」
「そうなんです。実は僕、10分ぐらいなら酸素を吸わなくても死なないんですよ。後で実演してみせましょうか?」
「いやー流石にそれはいいですって! ジャニィ長官、今日は一晩泊まっていって頂けるんですね?」
「ああそのつもりだ。ナタリアも後から来るから楽しみに待っていてくれ」
ナタリアさんはジャニィズナイツでもアイドルのような存在らしく、ナタリアさんも来るというジャニィさんの言葉に隊員たちはヒューヒュー! と口笛を吹いていた。
その日はジャニィズナイツの隊員たちと交流し、皆いい人だったが僕は一つ共通していることに気づいた。
本拠地を運営する隊員たちには20代前半の者もいるが他はせいぜい10代後半で、誰も彼も中性的でかわいらしい顔立ちをしている。
ジャニィさんは戦士の素質がある子供たちを勧誘しているといったが、それでここまで美少年ばかりになるのだろうか。
あまり深くは考えずにその日は本拠地の一室で眠りに就いた僕だが、寝室に誰かが忍び込んでくる音がした。
こういった集団にありがちな新人いじめかと考えつつ黙って寝たふりをしていると、小さな身体がボクのいるベッドに潜り込んできた。
「君は……」
「僕はジャニィズナイツ隊員のマヒリス。こう見えてももう14歳なんだよ」
マヒリスと名乗った少年は幼く見えるが14歳らしく、ジャニィズナイツには8歳の頃から所属していると話した。
「今日は新人の歓迎のためにここに来ました。……念のため聞くけど、リュークさんって男の人もいけるよね? ジャニィさんともセックスした?」
「どういうこと? 確かにジャニィさんには男性の恋人もいるらしいけど……」
「やっぱり知らないんだね。あのねリュークさん、僕たちは皆ジャニィさんの恋人なんだよ。ジャニィさんは銀河中の子供たちを助けてるけど少年が好きで、だから男の子しかジャニィズナイツに勧誘しないの。もちろん僕たちはちゃんと戦士としての訓練も受けてて、僕は18歳になったら宇宙連邦軍に志願するつもりなの」
「そうだったのか……」
薄々感づいてはいたことだが、子供を救う宇宙騎士キタリヴァンであるジャニィさんは少年愛の性的嗜好を持っている。
36歳の僕にそれを期待していたのかは分からないが、ジャニィさんが僕の誘惑にすぐ乗ってきた時から少しおかしいとは思っていた。
「リュークさん、今から僕を抱いてよ。ジャニィさんはリュークさんがお気に入りみたいだから、僕はジャニィさんの代わりにリュークさんに抱かれたいの。ねっ、いいでしょ?」
「マヒリス君……」
かわいらしい笑顔を浮かべたまま僕のズボンを下ろしたマヒリス君だが、僕のペニスは全く勃起していなかった。
「リュークさん、君は同性愛者じゃないの? 僕がこうしてあげると、これまではどの子も……」
「マヒリス君、僕は少なくとも少年は好きじゃない。……もしかしたら、大人の男性にしか抱かれたくないのかも知れない。僕はずっと性奴隷として生きてきたから」
「……リュークさん、君はジャニィさんのことだけが好きなんだね。それなら僕は君とはセックスできない。……むしろ、君にセックスして貰う資格がない」
マヒリス君はそう言うと脱ぎかけていた寝間着を戻してベッドから下り、最後に僕に話しかけた。
「リュークさん。これは言っていいのか分からないけど、君は遠くない将来ジャニィさんの後継者になるしジャニィさんもそれを望んでる。だから、それまでどうか死なないで。元気なままで、またここに帰ってきて」
マヒリス君の言いたいことはよく分からなかったが、彼が僕に大切なことを伝えようとしているのは分かった。
無言で頷いて彼を見送り、僕は自分とジャニィさんとの関係はいつかはっきりさせなければならないと思った。