※この作品はR-18です。

ギャラクシー・ジャーニー 宇宙騎士キタリヴァン   作:馬門戒明/輪島ライ

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第7話 家族の肖像

 一緒にシャワーを浴びてからベッドに倒れ込んで寝てしまったジャニィさんに毛布をかけると、僕は部屋着のままでジャニィさんの部屋を出た。

 

 カイゼルフォンのロビーでは4人の子供たちを寝かしつけたナタリアさんが星間新聞に目を通していて、僕はナタリアさんに声をかけることにした。

 

 

「ナタリアさん、ちょっと用があるのですが僕の部屋まで来て頂けませんか?」

「ええ、構いませんが何のご用件でしょうか」

「ナタリアさんとセックスがしたいんです。ジャニィさんとしてたなら僕ともできるでしょう?」

「当然です。お時間の許す限りお付き合いさせて頂きます」

 

 ナタリアさんはヒューマロイド特有の無表情でそう言うとメイド服姿のまま席を立ち、僕はナタリアを背中から押すようにして自室に連れ込んだ。

 

 部屋に入るなり服を脱ごうとしたナタリアさんをベッドの上に突き飛ばし、僕は部屋着のままナタリアさんに馬乗りになった。

 

「どうされたのですか? それは特殊なセックスの形ですか?」

「ナタリアさん、本当のことを教えてください。……ジャニィさんは、もう長くないんでしょう?」

「ええ、その通りです。リューク様もご存知のことと認識しておりましたが」

 

 顔色一つ変えずに言ったナタリアさんにやり場のない怒りを覚え、僕はグルームドの怪力で彼女のメイド服を引き裂いた。

 

 下着を破り捨てられたナタリアさんは一切の抵抗を見せず、服の中からは男性に奉仕することを前提とした美しく豊満な人工の人肌が現れる。

 

「どうしてそんなに冷静でいられるんだよ!! あなたはジャニィさんの奥さんじゃないのかよ!!」

「書類上のことです。キタ族はヒューマロイドを妻として性欲を発散するのが習わしですから」

「ジャニィさんはあなたと寝てなんていなかった。ジャニィさん自身がそう言ったんだ。ジャニィさんは少年にしか興奮できないから……」

「よくお分かりですね。リューク様はマスターと性行為をした唯一の成人男性ですよ」

「だからっ!!」

 

 ナタリアさんの頭の真横のベッド上に拳を叩きつけても、ナタリアさんはやはり顔色一つ変えない。

 

 僕はナタリアさんのこういう所が大好きだし、大嫌いな部分でもある。

 

「一応聞くけどさ、ジャニィさんは小児性愛者だから宇宙騎士になったんだろ? 宇宙騎士の立場を利用すれば好きな男の子を見繕って下僕にできるし、鬼畜のような悪人から子供たちを救っている以上は宇宙連邦政府も口出しはできない。ジャニィさんは、僕のことだって……」

「それはその通りですが、マスターは愛人にする少年を必ず選別していました。マスターは女性に興味を持つことができる少年を愛人にしたことはありませんよ」

「そんなことはない、僕は女性に興奮できるしナタリアさんとだってセックスできる! こうやって!!」

 

 叫びながらナタリアさんの大きな乳房を両手で揉みしだいた僕だが、僕はそれに何の快感を覚えることもできない。

 

 ちくしょう、ちくしょうと叫びながら自らの肌に触れる僕に、ナタリアさんは優しい表情で何かを言おうとした。

 

 

「……リューク様。この映像に見覚えはありますか?」

「これは……」

 

 ナタリアさんの右目から空間に投影された映像には、6年前の僕の姿が移っていた。

 

 ジャニィさんに衛星貴族ミカロスから救われた僕はあの日、カイゼルフォンの浴場でナタリアさんに身体を洗われていた。

 

 そして水着姿のナタリアさんと向き合っている36歳の僕のペニスは弱々しくしぼんでいて、ナタリアさんはその光景を電子頭脳に記録していた。

 

「これがあなたの真実です。男性に奉仕するための人形としてデザインされた、あなたの……」

「あ、あああ……」

 

 泣きながらベッドにくずおれた僕に、裸のナタリアさんは優しく寄り添っていた。

 

 

「昔話をしましょうか。マスターと私が出会ったのは今から13年ほど前でした。キタ族の男性は成人すればすぐにヒューマロイドと結婚するのが習わしですからね」

「……」

「それはなぜかというと、キタ族は通常の人間族を超越した身体能力の代わりに抑えきれない性欲と生殖能力を持っているからです。銀河のあちこちで子孫を残していけば人間族の生態系を破壊しかねませんから、私のようなヒューマロイドを伴侶とすることが宇宙連邦政府により認められているのです。……ですが、マスターは一度も私を抱くことはありませんでした。マスターは小児性愛者かつ同性愛者のキタ族で、そのことを一族の誰にも話していませんでした」

 

 ジャニィさんの若い頃の話は詳しく聞いたことがなかったが、ナタリアさんは思い出話をしながら笑顔を浮かべていた。

 

「キタ族は生殖能力を十分に発揮できなければ、自らの性欲に身体を蝕まれていきます。マスターは本当でしたらこの船内に少年たちのハーレムを作るべきでしたが、マスターの持つ正義の心はそれを許しませんでした。リューク様をカイゼルフォンに住まわせると決めた時は期待していましたが、それでもマスターはリューク様を性奴隷として扱うことはありませんでした。……それが正義の心によるものか、リューク様への愛情によるものかは私には分かりかねます」

 

 ナタリアさんはそこまで話すとベッドを降りて、裸のまま部屋を出ようとしていた。

 

「リューク様、マスターはおそらく次の戦いで命を落とします。その時マスターに対してどう接するかは、あなたのお気持ち次第です。……そして、どんな結果になっても私たちは家族です。あなたがマスターと地獄に行くなら、私もその後を追いましょう。……では」

 

 そう言うと部屋を出ていったナタリアさんに、僕は何を言うこともできなかった。

 

 

 今は少しでもジャニィさんと一緒にいようと考えて、僕はそのまま再びジャニィさんの部屋へと歩いていった。

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