魔導具師ダリヤはうつむくしかない… 作:リモバイ
「ではロセッティさん、開発部屋へお願いします」
「…はい」
「スカルファロット様、服に臭いが付いているはずですので、こちらで消臭剤をお使い下さい」
「……ありがとう」
トラセーに促されるまま、ゆっくりとした動きでダリヤは開発部屋に入っていく。
そんなダリヤの後ろ姿を心配そうに見つめるヴォルフを見やり、トラセーが声をかける。
ダリヤの見送りを遮られ、机に向かうトラセーの後ろ姿を睨むヴォルフは、威圧が漏れそうになったので慌ててそれを押し込んだ。
あの後。
前回、塔へ帰ってから泥のように眠り、次の日何もする気が起こらなかったダリヤは商会の仕事を休んだ。
「………」
いつものように身支度を整えてから、ダリヤはずっとリビングでぼーっとしている。
顔をあげて天井を見つめたり、テーブルの上に腕を置いて寝そべったり、肩ひじを立てて頬に手を当てて中空を見つめたりと、何も考えずに過ごしていた。
昼近くになるまでそんなことをしていると、チリンチリンとベルが鳴り、窓から外を見るとヴォルフが塔へやって来ていた。
「……え。 え!?」
『何か約束をしていただろうか』『ああそういえば仕事だった』『でもどうしてヴォルフが!?』
そんな考えが脳裏に浮かび、ダリヤ慌てて塔を降り、ドアを開けた。
「ど、どうしたんですかヴォルフ?」
「ダリヤこそ大丈夫!?」
「えっ」
「どこか無理が出たの!? イヴァーノからダリヤが倒れたって聞いて急いで来たんだ! 寝てなくても大丈夫なの!?」
「あ…」
そんなヴォルフからの矢継ぎ早に出た言葉に、ダリヤは思わず涙を流していた。
頬を伝う涙はそのままに、ダリヤはヴォルフの顔を見つめる。
「ヴォルフ……」
「ダ、ダリヤ!? どうしたの! やっぱり何かあった――!?」
自分を見つめるヴォルフの真剣な顔。
そして自分への本気の気遣いを感じたダリヤは涙を拭うことなく、ゆっくりとヴォルフに歩み寄り、彼の胸に顔を押し付けた。
「少しだけ…、いいですか」
「え…っ!?」
「少しだけ……」
「ダリヤ…」
胸の中で静かに泣くダリヤに、ヴォルフは躊躇いながらも腕を回し、優しく抱きしめた。
無言のまま、落ち着くまで。
ダリヤの涙が止まるまで。
「すみません、ヴォルフ」
「いや、平気。 俺のことよりダリヤは大丈夫? もう少し…」
「い、いえ。 もう大丈夫です」
「…そう?」
10分か、もしくはもう少し長い時間ヴォルフの胸を借りていたダリヤは、そっと腕を伸ばしてそう言った。
その、離れようとする動きにヴォルフは少しだけ躊躇った後、ダリヤの背中に回していた腕を離し、抱擁を解いた。
それからダリヤはうつむいていた顔をあげ、少しだけ泣きはらした顔のまま、現状を認識し、慌ててヴォルフを塔へ迎え入れた。
「あ! す、すみません、ヴォルフ! こんなところで」
「いや…」
「中へどうぞ! 私はちょっと顔を洗ってきますので、座ってて下さい」
「あ、……うん」
そう言って小走りで先へ行くダリヤの背中を見つめ、取り出したハンカチを所在無さげにしたままヴォルフはその姿が見えなくなってからも暫しその場に留まっていた。
そして、自身の胸と腕に残るダリヤの温もりを少しだけ名残惜しそうに思い返してから、階段を上った。
「お待たせしました、ヴォルフ」
「全然待ってないよ。 それより、ダリヤこそもういいの?」
「はい。 すみませんヴォルフ、お見苦しいところを」
「いや、本当に気にしないで」
赤くなった目元を化粧で隠し、すまなそうにヴォルフへ謝るダリヤ。
それに対して何でもなさそうに応え、逆にダリヤへ労わるように声をかけるヴォルフ。
「それで、ダリヤ。 聞いていいのか分からないけれど、何があったの?」
「ぁ…。 そ、そういえば、ヴォルフはどうしてここに?」
少しだけ探る様に聞き返すダリヤに、ヴォルフは今朝のことを話す。
「たまたま休みになったから何か手伝うことはないかなって商会に向かったんだ。 そうしたら、昨日ダリヤが倒れたってイヴァーノから聞いて」
「あ…」
「それで、今日は大事をとって休んで欲しいって言付けを貰って急いで塔に来たんだ」
「そうだったんですね…。 ありがとうございます、ヴォルフ」
それに、イヴァーノもと呟いて、ダリヤは膝の上に置いた手をぎゅっと握り、目を伏せた。
そんなダリヤの姿を見て、躊躇いがちにヴォルフは続ける。
「……それで、昨日は」
「……はい。 少し、無理をしてしまって」
「うん」
「魔力の配分を間違えてしまいました」
イヴァーノから聞いていたことと同じだと、胸の内でほんの少し安堵して、ヴォルフは聞き返す。
「それで、……あんな風に?」
『あんな風に泣いたのか』と、先ほどのことを思い返し、ヴォルフは続けた。
びくりと一つ身を震わせ、ダリヤは少し言葉を選んだ。
「……自分の、…が、情けなく思ってしまって」
「………そう」
自嘲するような、憂うような顔をするダリヤに、ヴォルフは以前から思っていたことをぶつけた。
「その、ダリヤ。 大変な製作をしているというのは聞いてる。 でも、それはダリヤじゃないといけないの?」
「ぁ……」
「それに、わざわざ向こうの商会へ行くのも――」
「それは……、あちら側が主導のものなので」
「持ち帰ることは無理、と」
「……はい」
それでも今回のようなことが起こったのなら、ダリヤを向こうに送ることは出来ない。
そう考えてヴォルフは言葉を重ねる。
「向こうの商会については以前に俺も調べた。 少し問題もあったけど、ダリヤが熱望しているし、概ね大丈夫だろうと俺たちも判断した」
「…はい」
「でも、今回ダリヤが倒れたということで監督責任に疑いが生じる。 俺は断固としてダリヤを向こうにやりたくない」
「っ」
「…心配なんだ。 俺がそばにいない時に、ダリヤが倒れてしまうような素材を使っていることが」
ヴォルフはそう言って、もうひとつある想いを隠して真剣な顔でダリヤを見つめた。
ダリヤはヴォルフのその表情を見て、ゆっくりと顔を伏せ、返す。
嬉しさと、申し訳なさと、後ろめたさを隠して。
「……もう少し、なんです」
「それでも――」
「もう少し、…もう少しで」
うつむいたままダリヤはそう繰り返し、顔を上げて決意を秘めた表情でヴォルフを見た。
「もう少しだけ、頑張らせてください」
「ダリヤ…」
ヴォルフが会いに来てくれてから、ここまでずっと自分を労わるように、気遣ってくれているとダリヤは実感する。
いや、ヴォルフの言いようでは今までもずっとそうだったのだろう。
それに気付けたダリヤは、胸の中が温かくなっていった。
いままで、塔の外では気持ちを切り替えることが出来ていた。
塔の中でも、ヴォルフと会う時もそれが出来ていた。
でも、今日。
ヴォルフを見て泣いてから、こんな風に気遣いを受けたことで、ダリヤは昨日のこと、これまでのこと、これからのことで心が疲弊していたことにようやく気付くことが出来た。
「大丈夫です。 もう倒れたりしませんから」
「でも…」
「それに、トラセーさんも気を付けると言ってくださいましたし」
気持ちを吐き出したからか、少しだけすっきりとしたような顔を見せるダリヤ。
それでもなおヴォルフは言い募ろうとするが、ダリヤから『彼』の名が出たことで口が止まった。
「……」
「…ヴォルフ?」
ふと、会話が止まったことで不思議そうな顔をするダリヤに、ヴォルフは言いようのない不快感を隠しながら質問した。
「ねえダリヤ」
「はい? なんでしょうヴォルフ」
「俺はまだトラセーという人に会っていないんだけど、どんな人なの?」
「えっ」
威圧感のある笑顔をダリヤに向けながら、ヴォルフは続けて問いかける。
「今までは秘密主義なのだろうとイヴァーノから聞いていたから、着いていくことも避けていたんだ」
「……」
「でも、思うんだけど、流石に、こんなことが起きたのなら。 やっぱり一度会って話をしないといけないよね」
「っ……」
テーブルに両肘を乗せて手を組み、凄みのある笑顔を維持したまま、ダリヤを詰問するヴォルフ。
「予定、聞いておいてくれる?」
「……はい」
それから。
しばらく話を続けて、私の体調がもう大丈夫だと分かったヴォルフは、イヴァーノと少し話をすると言って商会へ戻っていった。
「……どうしよう」
一人になると途端にトラセーさんとヴォルフを会わせることに対する不安が襲ってきた。
あの様子だと、少なくとも次々回までには決めておかないと着いてきてしまう。
それに、このことをトラセーさんに言うと……。
多分。
多分、バレない程度に、なにか、されてしまいそうで。
「……んっ」
どうしよう。
また、来週には呼ばれてしまう。
そうなったら、また、あんな風に…。
「ぁ…」
身体がゾクゾクっと震えてしまった。
不安なのに。
怖い、はずなのに。
「……」
さっきまで、ヴォルフがここに、いたのに…。
「っ!?」
……やめよう。
これ以上、考えるのは。
「顔を」
洗って。
落ち着いて。
それから。
ベッドであおむけになって。
無意識に手で胸を触ってしまっている。
「…んっ、んっ」
夜でもないのに。
……どこで、間違えたんだろう。
「んあっ、あ、あんっ…」
でも、私は絶対にヴォルフを、傷つけないって。
「あっ、あんっ、あっ、あっ」
決めて、た…から。
「あんっ…、あっ、んんっ! んっ、ぁはっ」
あと少し、耐えるだけだから…。
「はぁ、はぁ…。 んっ、………ぁんっ」
今だけは…。
「……っ。 …っ、…………っ」
こんなこと。
「…っ、………っ、 ぁ…っ、……っ」
ヴォルフには、知られたくない。
ベッドの上でけだるげに身体を起こしたダリヤは、膝を抱えて顔をうずめる。
そして自嘲するようにため息をひとつ吐くと、目を瞑ってうなだれた。
『こんな身体になってしまった』
そう思い、意識が闇に沈んでいくダリヤ。
膝を抱えたまま横に転がり、その姿勢のまま、眠りに入ろうとする。
そうすると、塔にまで来てくれて、心配をかけてしまったヴォルフの顔が浮かんでくる。
それなのに。
いつも見ているはずなのに。
あの優しい金の目を思い浮かべることだけが、どうしてもできなかった。
「こちらが主からの手紙です」
ネイトリー商会へヴォルフの件を手紙で送った次の日の今日、塔へ彼からの遣いがやってきた。
「…ありがとうございます」
「それと、これはこの場ではなく家で…、塔の中で一人で読むようにと。 返事は口頭で、手紙は返却をお願いします」
手紙が入った封筒をダリヤに渡し、そう続ける、ダリヤにとって見覚えのある男。
トラセーの子飼いで、何度もペニスを咥えることになった一人だった。
門を挟んだ距離とは言え、何か要求でもされるのかもと身構えるダリヤに、男はあっさりと話を打ち切った。
「それでは私は馬車でお待ちしております」
「ぁ…」
礼をし、馬車へ戻る男にダリヤは思わず声を漏らし、ぶんぶんと顔を振って何かを追い出し、塔へと早足で戻っていった。
「……ふぅ」
トラセーからの手紙を読み、ひとつ息を吐くダリヤ。
すでに2度読み返しており、今また3度目の読み返しを始ようとしていた。
――――
彼の要望を受け入れ、会うことにいたします。
来週ならば指定していただければ時間を取りますので、普段のロセッティさんの緑の服で彼と一緒に朝からお越しください。
もちろん開発は行いますので、ロセッティさんはアナルをいつも通り洗浄してからお越しください。
彼の相手は私がしますので、次回の開発は私抜きで行います。
私が商談部屋で彼と話している間、ロセッティさんには開発部屋で魔導具の開発をお願いするという形になります。
彼に不審がられないように取り計らいますので、ロセッティさんは私からの指示を全て受け入れてください。
開発部屋の環境は高温多湿で、素材は臭いの強いものを用意しています。
これは、前回の倒れた理由である『魔力管理を失敗してしまった』原因が『この環境と素材の臭いに耐えかねて』だと納得してもらうためのカモフラージュとなります。
ロセッティさんは用意された机の上で素材に魔力を流してもらったりと、魔導具の作成を手伝ってもらうことになります。
いつもの、子飼いの者たちを一人づつ送りますので、私の指示書に従って開発を進めてください。
これが次回のおおまかな開発計画となります。
手紙は使いの者へ返事とともに返却をお願いします。
今回の件、受け入れないのなら彼とは会いませんのでいつも通りロセッティさんだけでお越しください。
私は彼とは会いたくありませんが、これをロセッティさんが受け入れるなら取り繕います。
どうしても出てしまうであろう彼への憎しみは、貴女への開発で消し去って誠実に対応します。
後二ヶ月という短い期間で、そのうちの一回を潰すのですから、ロセッティさんもよく考えてお答え下さい。
使いの者は陽が落ちるまでは残しますが、夜になれば帰らせます。
その際は手紙も回収しませんが、ヴォルフ・スカルファロットへの復讐を実行しますので返事をするのならば時間までにお願いします。
いつも通りお選び下さい、ダリヤ・ロセッティさん。
――――
「………」
どうしようという気持ちはあるが、どうしようもないということも分かっている。
それに、手紙の最後に書かれたものがトラセーさんの、ヴォルフへの恨みの強さを再認識させられた。
「でも……」
ヴォルフが隣にいるのに、開発を続けられてしまう。
『それが、とても怖い』
その怖さが、以前と違うことが、本当に、怖かった。
知られたくない。
知られたらどうなるのか。
その考えを繰り返すだけで、私の身体は反応してしまっている。
「……知られたく、ない」
その想いは本当だ。
でも、身体はそうじゃなくなってきていることをこの手紙で理解してしまった。
それに。
『トラセーさんじゃなくてあの人たちが部屋に来る』
「なにを……」
されて、しま…。
っ!?
「…時間っ!」
夜までに返事をしないと、帰ってしまう。
そう書いていたことを思い出して、手紙を掴んで急いで門へ向かう。
幸いにもまだ日は暮れておらず、馬車も止まったまま。
「はぁ…、はぁ…。 良かった」
私が出ててきたことに気付いたのか、馬車から出てくる、名前も知らない男の人。
『そんな人のものを咥え――』
ふとよぎるその考えを頭を振って追い払い、彼に手紙を差し出す。
「……お受けしますと、お伝えください」
「かしこまりました」
手紙を受け取った彼は、そのままお辞儀をしてすぐに馬車に戻っていく。
『受けると返事をしてしまった』
そう気付いた時にはもう馬車は出発していて。
「……どう、しよう」
そう呟くことしかできなかった。
◇◇◇◇◇
そろそろ、ですか。
時間通りならもうすぐですが…。
「トラセー様。 お二人をお連れいたしました」
来ましたね。
ヴォルフとダリヤが二人で商会に来ると、すぐにいつものようにメイドが商談部屋へと通してきます。
「はじめまして、スカルファロット様。 それにロセッティさんもおはようございます」
「おはようございます、トラセーさん」
「…はじめまして。 今日はよろしくお願いする」
ヴォルフとダリヤを迎え入れ、一通りの挨拶を終えてソファへと促します。
腰を下ろしたヴォルフは私から目線を外して部屋を見まわしていますね。
部屋には何もありませんし、貴方はそんなことよりも隣のロセッティさんの様子を見るべきでは?
貴方が座っている場所は、いつもロセッティさんが裸で座っているところですよ?
ほら、ロセッティさんが少し居心地悪そうにしているのが分かりませんか?
…今の気持ちを顔に出さないようにするのも大変ですね。
さて。
給仕を終えたメイドが出ていったので始めましょう。
「さて、今回は魔道具開発のことで話があるということでよろしかったでしょうか」
「ああ。 こちらからの急な申し出を受けてくれてありがとう」
「いえ、前回はロセッティさんのこと…申し訳ありませんでした。 締め切りが迫っているということもあって、焦っていたのだと思います」
「…なるほど。 その辺りの話を詳しく聞きたいのだが」
「ええ。 詳しくは機密の為に出せませんが、おおまかな計画書と進捗を書面にしております」
「拝見させてもらおう」
「ええ。 ですが、先に開発部屋をご覧いただきたく」
「開発部屋?」
挨拶以降、一言も口を開かないロセッティさんの肩が震えるのが見える。
大丈夫ですよ、いつものベッドなどは撤去済みですので。
「ええ、あちらです」
奥にある扉を指し示す。
「あの中で開発をしております。 ここ最近の開発では素材の抽出や研磨を中心に行ってもらっていますので、中は特殊な環境になっております」
ペニスから精液を吸い出したり、ディルドでアナルを磨いたりですね。
「見せてもらっても?」
「もちろんです。 ですが先ほど述べた通り、中は素材を最高の状態で加工・調整するために酷い環境となっておりますので、こちらのマスクを着けた方が良いでしょう」
「…、わかった」
開発部屋には机と椅子を複数用意していますが、中は高温多湿にしています。
さらに、悪臭を放つ南方の植物やクラーケンの皮などを多く置いているので臭いも酷い。
中に入って5分もすると鼻が馬鹿になって気にならなくなるでしょうが、これで精液の臭いは誤魔化せるでしょう。
「ロセッティさんもどうぞ」
「……ありがとう、ございます」
普通の布マスクですが口臭もある程度防げるので、これからロセッティさんの口から漂うことになる精臭はこれで防げます。
流石に精液の臭いを放ちながらヴォルフと会話するのは可哀想ですしね。
「う…っ!?」
「酷い臭いでしょう? ですが、この環境でないと素材の質がかなり落ちてしまうのです」
「しかし、これは……!」
「ええ。 高温多湿、それに悪臭。 この環境で素材に魔力を流したりと奮闘してもらっていましたので…」
「そう…か」
「環境自体は私にはそこまで苦ではなかったのですが、やはり魔力を流すとなると疲労が大きくなったようで、無理をさせてしまいました」
「確かに、これでは……」
真相はロセッティさんがアナル開発でイキすぎて倒れてしまったからですが…。
本当のことは言えませんのでね。
前もってイヴァーノさんに伝えておいた言い訳に合わせました。
「……ダリヤは、大丈夫なの?」
「…はい。 分かっていたこと、なので」
「…」
……こちらに対する当てつけのように。
いえ、実際に当てつけなのでしょう。
私を目に入らないようにして二人の世界を作ろうとするヴォルフに苛立ちます。
が、まあ…いいでしょう。
「スカルファロット様、中の確認はそろそろ大丈夫でしょうか」
「あ、ああ…。 いや、待ってくれ、もう少し確認したい」
「ええ、存分に」
「ではスカルファロット様、臭いが付いていると思いますのでこちらの消臭剤を」
「ああ、ありがとう。 ダリヤも…」
「あ…、はい」
ヴォルフが消臭剤をロセッティさんに渡そうとしますが、彼女はこれから開発部屋に入るのですよ。
必要ないでしょうに。
「スカルファロット様。 ロセッティさんはこれから開発部屋に入るのですが…」
「あっ」
「あっ…」
「………ロセッティさんは、こちらを」
ロセッティさんに封書を渡します。
中には開発部屋に入ってからしてもらうことが書かかれています。
その内容のことを思うと、先ほどの二人の気の合った反応のことは流しましょう。
「これは…」
「本日お願いする、素材の抽出や研磨法などが書かれています。 それに沿って開発を行うこととなります」
「ぁ…。 わかり、ました」
「では、酷い環境となりますが、よろしくお願いします」
「はい」
心配そうにロセッティさんを見るヴォルフを尻目に、彼女に声をかけ、開発部屋に送り出します。
さて、貴方はこっちです。
お話をしましょう、スカルファロット様?
貴方が望んだように。
改めてソファに腰を掛けたヴォルフに書類を渡すと、早速それを読み始めました。
まあ、それだけ気になっていたのでしょう。
貴方はそのままそちらに集中していればよろしい。
私の方は…。
完全防音の魔導具は開発部屋に移動させましたから、そろそろノックが聞こえるでしょうが。
…さて、来ましたね。
「入りなさい」
「はい。 失礼いたします」
ふふ。
この男は私の子飼いの一人ですが、そうですか、貴方から始めますか。
「素材は揃っていますか?」
「はい。 始めはこちらの箱からが良いと思われます」
「では確認しましょう」
今回、栄えある一番槍となった男と話していると流石に気になったのかヴォルフがこちらに顔を向けてくる。
「…彼は?」
「ロセッティさんの開発の手伝いをする者です」
「よろしくお願いいたします」
''ロセッティさんの開発''を、ですがね。
しかしそうですね…、この内心が外に出るのはまずいでしょう。
ふむ…。
「手伝いというと、魔導具の?」
「ええ。 いつもは私が進捗を確かめながら計画を詰めてそれをロセッティさんにお願いするのですが、今回はスカルファロット様に説明をすることになりますので彼らを使います」
……魔導具。
いいですね。
決めました、ロセッティさんのことは魔導具と呼びましょう。
「彼も中に…?」
ああ、流石に訝しみますか。
貴方も彼女を男と一人、密室に置くのは嫌でしょう。
それが想い人となれば特に。
ですが受け入れてもらいますよ。
「ええ。 流石にこの、魔導具の開発は一人で出来るようなものではありません。 手伝うものが必要となります」
「だが……、独身女性と二人というのは」
「ええ、ですが魔導具師として活動していればそれなりにこんなことはあると思います。 それに、ロセッティさんも了承済みのことです」
「それは…」
「……トラセー様。 そろそろ素材が」
「ん、ああ…そうでしたね。 スカルファロット様、申し訳ありませんがこのままですと素材が駄目になってしまいます」
「あ、ああ」
「ドアを開けたままでなら安心してもらえたでしょうが、中の環境を保つためにはそれは出来ません。 スカルファロット様、どうかご納得を」
「…………分かっ、た」
一分以上の黙考でようやく、ですか。
しかし了承は得られました。
「行きなさい」
「はい。 それではまた後ほど」
さて、''魔導具''の開発の始まりです。
ご了承、ありがとうございます。
スカルファロット様。
「トラセー様、今の進捗です。 確認をお願いします」
子飼いの男が差し出す二つ折りの報告書を受け取ります。
さて、ロセッティさんの開発は…。
――――
ロセッティ嬢の服と瓜二つの改造服に着替えてもらいました。
乳首が剥き出しに露出させられ、ワンピースの下部は深いスリットが入っていて、左右に広げるとすぐにでも行為が始められるようになっている服です。
そのロセッティ嬢の着替え中に椅子にセットしたアナルディルドを披露し、ローションを塗ってもらいました。
その後はゆっくりとそれをアナルに受け入れながら座って貰いました。
ロセッティ嬢のアナルはローションの滑りもあり、比較的スムーズに受け入れていきましたが、やはり結腸付近は苦しそうにしていました。
それでも数分後には全て受け入れて机に突っ伏して荒い息を吐いて余韻に浸っておりました。
ロセッティ嬢が落ち着いたので、彼女に近付き、了承を得てフェラをしてもらいました。
座ったままフェラをしてもらうために、机に向かっていた姿勢から、アナルディルドを受け入れたまま身体を捻じって、90度横に向いてもらいました。
その際、中でアナルディルドが擦れるのが気持ちよかったのか、喘ぎ声をあげそうにするも、声を押し殺して耐えていました。
余韻が落ち着いたのか、しばらくすると私の勃起したペニスを身体を倒すように咥えて貰いました。
指示されていた通り、椅子から少し離れた位置に立っていましたので、やはり深く口の中にいれる際にどうしても前傾姿勢が大きくなり、自然と腰が前後に動き、アナルディルドが深い部分で擦れさせるようになっていました。
そのため、トラセー様の希望通りロセッティ嬢はアナルオナニーをしているようなものとなりました。
それからはロセッティ嬢に先に伝えていた通り、彼女は精液を呑み込まないように口内に溜め、瓶に吐き出しました。
その後は再度机に向かってもらうために、アナルディルドを中心に身体を捻じってもらい、細々とした素材の成形をお願いしました。
最後に。
『トラセー様に報告をしなければならないので、何か申告があればお願いします』
とロセッティ嬢へ伝えると、
『アナルで2回イキました』
と答えていただきました。
以上となります。
――――
なるほど、ロセッティさんはしっかりと改造服を着ましたか。
リング状に露出された乳首部分には認識阻害の魔導具が使われていますので、注視されても露出がバレることはありません。
うちのものに作らせたので漏洩の心配もありませんので、折角ですから今後も使ってもらうことにしましょう。
露出行為で快感を得るようになったロセッティさんにも嬉しいプレゼントとなるでしょう。
「ふむ」
椅子に装着したアナルディルドはしっかりと入ったようですね。
まあ前回のあのほぐれ具合から心配はないと思っていましたが…。
ローションを使ったとは言え、自身の手で挿入することが出来たのは素晴らしいですね。
それに、腰を捩じって動くことも出来ましたか。
それに…。
隣に彼がいるというのにしっかりとペニスを咥えて精液を搾り取りましたか。
…いい傾向です。
フェラをしながらアナルを刺激することも狙っていましたが、思った通り上手くいきましたね。
これなら予定通り次のアナルディルドに移行しても良いでしょう。
「予定通りの進捗です。 研磨は次の素材をお願いするように」
「はい。 そのように伝えます」
「それと、いつも通りよく書けていました。 以降もこのようにするよう、周知しなさい」
「ありがとうございます。 それではこの報告書を共有してもよろしいでしょうか」
「ええ。 ただ、次の者は手早く済ませるようにして、ロセッティさんに抽出してもらう素材を運ばせなさい」
「かしこまりました」
今日は私がロセッティさんの開発に携われませんからこの形になりましたが、存外悪くありませんね。
彼らへの褒美にもなりますし、何より、先ほどからこちらへ目を向けているヴォルフです。
ロセッティさんの身体が隣の部屋で開発されているのを、普段彼女が裸で私にフェラをしているソファで待っている彼の姿。
それが私に昏い喜びを覚えさせます。
「…ダリヤは、どんな様子だった」
「はい。 素材の抽出の手際は素晴らしかったですし、素材の研磨もスムーズでした」
ふふ、笑いそうになることを言うのはやめなさい。
貴方が言っているそれはフェラとアナルオナニーのことでしょう?
彼が言いたいことはそれではありませんよ。
「無理は、していなかったか?」
「はい。 もちろんです、スカルファロット様。 抽出は2回でしたし、研磨用の素材も大きいものではありませんので、無理をする要素もありませんでした」
「…そうか」
ああ、やはり分かってて言っていましたか。
流石にボロが出るようなことはしないでしょうが、窘めるよう指示書に追記しておきましょう。
それと、フェラは2回でしたか。
そちらの回数も書くように指示しておくとしましょう。
「では次の者を呼んできなさい」
「はい。 それでは失礼いたします」
ヴォルフの様子は…。
ふむ、かなりストレスが溜まっているようですね。
少し予定を変更しましょうか。
「先程言っていた、抽出する素材とは一体なんだろう」
おや、質問ですか。
出ていった扉を見つめていたかと思うと、こちらに顔を向けてきます。
「開発部屋に用意していた素材やこれから渡す素材から、必要な成分を取り出して貰っています。 それを使うことで魔導具の質が高まり、艶を出すようになりますので」
「その素材を確認することは?」
「……機密と言いたいところですが、仕方ありません。 次に運んでくるものを見てもらいましょう」
「…いいのか?」
「必要な素材は多数ありますので、少量なら構いません。 それに、ここまで来て何も見せないというのも不義理だと思いますので」
「ありがとう」
少し特殊なものもありますが、割とよくある素材です。
それに、開発に使うアナルディルドだけはロセッティさんの椅子の下にありますので、そちらはカモフラージュなのです。
椅子の座面部分が開くようになっていて、その箱の中に用意されています。
特殊な方法でしか開かないので心配はしていませんでしたが、案の定ヴォルフでは見つけられませんでした。
まあ、見つかっても問題はありませんが。
さて、そろそろ…。
「入りなさい」
「失礼します」
ああ、次は貴方ですか。
残念ながら彼には貧乏くじを引かせることになるでしょうが…。
仕方ありません。
それでも良い思いは出来るでしょう。
「素材はそちらですか?」
「はい、この箱に」
「ではそれをスカルファロット様へお渡ししなさい」
「え…、あ、は、はい」
「少しなら素材も傷みません。 構わないからお渡ししなさい」
「分かりました。 こちらです」
「ああ、ありがとう」
この男は相変わらずアドリブが出来ませんね…。
私が使えば問題はありませんが、あまり口を開かないようにさせたいものです。
ヴォルフが素材を確認している間、彼に目線で釘をさしておきます。
「……うん、確認した」
「スカルファロット様、もちろんですが、素材に関しては他言無用でお願いいたします」
「ああ、それは約束する」
「ありがとうございます」
素材が入った箱をヴォルフから回収します。
それを男に渡す際に、新たに文言を付け加えた指示書も入れておきます。
「ではこれを運び入れなさい」
「分かりました」
指示書を入れた箱を渡すと、会釈をして足早に開発部屋へと向かっていきます。
余程楽しみなのでしょうという苦笑を内心で隠して、ヴォルフに背を向けて再度デスクへと戻ります。
そんな気分でいたというのに、中で指示書を読んだ彼がどんな反応をするのか。
少し可哀想な気もしますが仕方ありません。
ヴォルフがそろそろ限界のようです。
「………」
手を組んでローテーブルを見つめながら、ただじっとしているヴォルフの姿を見やる。
やはり、ここですね。
先ほど指示書に書き足したように、今回はロセッティさんへの開発は一旦止めます。
アナルディルドの交換は据え置きで、しばらく大人しくしておきなさいと指示してあります。
理由は…。
「スカルファロット様」
「……ああ」
「少し、説明させてもらいます」
怪訝そうにこちらに目を向けるヴォルフに対し、子飼いの男たちについて説明します。
「私はロセッティさんは信用していますが、スカルファロット様に対しては違います」
「……それは、こちらもだ」
「ええ。 もちろん、私も貴方に信用されているとは欠片も思っていません」
「……」
「ですので、機密維持のためにお見せ出来るものが限られてしまっているのです」
「神殿契約をする」
「いえ、私は機密を維持するためにその手法を使うことを嫌います。 気が緩むのも問題ですし、それをし出すと際限がありません」
「私で止めれば良い」
「大変申し訳ありませんが、神殿契約をしないというのは信条として決めておりますので、お受け出来ません」
「……」
「当然、ロセッティさんへも神殿契約は行っておりません」
「……それは、どうして」
「彼女を信頼しておりますので」
「っ! だったら、彼らはどうなんだ」
「あの者達は私が常に用いている部下です。 命の恩・高給・恐怖・褒美と、その全てで縛り、それらを以て信用としています」
「………」
「ですので、彼らをロセッティさんと二人きりにしても私にとってはなんの心配もありません」
「だが――」
「ですが、そうですね…。 スカルファロット様も、神殿契約をするとまで仰いましたし、本日の開発作業はそこまで重要度の高いものではありません」
「……」
「ですので、開発部屋の確認程度なら構いませんよ」
「っ!? いい、のか…?」
「流石に開発作業を横で確認されるのは困りますが…、貴方が懸念しているのはそこではないのでしょう」
「…っ」
「ですので、どうぞご確認を」
「……わかった」
「ええ、ノックも要りません。 ただ、ロセッティさんには配慮をお願いします」
「それも、わかっている」
勢いよく立ち上がり、開発部屋に足を向けると先ほどの彼以上に足早に進んでいくヴォルフを見やる。
確認することに対して少しは臆病になると思いましたが、今はロセッティさんの状態を確かめたい気持ちでいっぱいなのでしょう。
まあ、ロセッティさんの反応を見たいがために彼に遅れないようついていく私も人のことはいえませんが。
そんな彼がドアを勢いよく開ける。
「っ!?」
突然開いたドアに驚いて、椅子の上で身を固くして目を見開いてヴォルフを見る、マスク姿のロセッティさん。
指示書に書いておいた通り、机に広げた各種素材を手にして固まっています。
そんな彼女のアナルにはしっかりとアナルディルドが挿入されているはずです。
「ダリヤ…、その」
「あ、え…。 あ、え……あの……、え…?」
ロセッティさんの状態を確認して安堵したのか、ようやく自分が彼女を驚かせてしまったことに気付いたようなヴォルフ。
そんな彼に対して驚きすぎて言葉が出てこない様子のロセッティさんに説明するため、口を開きます。
「すみません、ロセッティさん。 抜き打ちで開発部屋を確認したいとスカルファロット様から要望があったので受け入れることにしました」
「っ!?」
酷く驚いた顔で私を見るロセッティさんに、安心するように言葉を続けます。
「ああ、ご心配なく。 流石に魔導具の開発の詳細を知られるわけにはいきませんので、作業風景自体はお見せしません」
「あ、あ…。 あの…、その」
私の言葉がまだ呑み込めないのか、しどろもどろになりそうになるロセッティさんが可愛らしく、しばらくそのまま見ていたいですが…。
流石にこれ以上はと安心させるよう言葉を重ねます。
「そうです、彼は役に立っていますか?」
「え、あ…。 は、はい」
「彼は少し要領が悪いところがあるので心配でしたが…。 ふむ、この様子ですとあまり手伝いになっていませんか」
部屋の奥の机で作業をする彼に目を向けます。
するとその私の言葉が聞こえたのか、すまなそうにロセッティさんへ頭を下げました。
「申し訳ないです」
「いえ。 では貴方はロセッティさんの進捗書と計画書を作ることに専念しなさい」
「はい」
少し時間も経ちましたし、これで今回のことは進捗に含まれていたと気付いてもらえるでしょう。
何より、先ほどと違って今回はヴォルフがドアを開けるまで何もされなかったと理解しているでしょうし。
気付かなかったとしても、後で指示書を見せるよう書いているので問題ありません。
「ロセッティさんは素材の抽出に専念してもらって構いません」
「……はい」
さて、終わらせましょう。
「では…、スカルファロット様」
「あ、あぁ」
「部屋中、酷い臭いをしているのと、高温多湿の環境なので…。 確認が終わればドアを」
「ぁ…、ああ。 そ、そうか。 ダリヤは、……大丈夫?」
「…はい。 大丈夫です、ヴォルフ」
コクリとヴォルフに笑顔を向けて頷くロセッティさん。
顔の下半分がマスクで覆われ、目元しか表情が見えないのに、それでもヴォルフを安心させるようにニコリとほほ笑んでみせる姿にヴォルフは何も言えなくなったようで、逡巡した後、ドアを閉めました。
………どうしてそこまで。
この男のために――。
……。
いえ、今は。
閉めたドアの前で立ったままのヴォルフを促して座りましょう。
彼も私も、少し。
休息が必要でしょうから。
その後は沈黙を破ったヴォルフからの、素材ひとつひとつについての質問に対し、偽装の為に二つ三つはぼかしながら答えていきます。
ほか、当たり障りのない雑談を無言の時間ではさんでいくと、開発部屋のドアが開きました。
「トラセーさん、終わりました」
「…ええ。 では進捗を」
「はい、こちらにまとめてあります」
「確認しますのでしばらく待っていなさい」
「かしこまりました」
受け取った2枚にわたる進捗書を読むためにデスクに広げます。
少し読むと、ヴォルフを部屋に入れると指示していたので仕方ないとは言え、彼の好きなアナルの開発は見送りましたか。
そんな私の指示を待つ男に、ヴォルフが声をかけています。
「君、少しいいか」
「はい」
なるほど、入室後は指示書を読んで指示に従ったみたいですね。
ロセッティさんの机に素材を広げて、自身は別の机で魔導具の素材に魔力を流していましたか。
そうしてロセッティさんを放置している間に私たちが入ってきたと。
「…ダリヤ嬢の様子はどうだった?」
「どう…とは?」
私たちが出てからはロセッティさんに立ち上がって貰ってフェラですか。
…ロセッティさんが自身でアナルディルドを引き抜く際の描写がやけに詳しく書かれていますね。
ここまで書けとは言っていませんが、まあ…、開発が進んでることが分かって良いでしょう。
「疲弊の兆候などは無かったかを知りたい」
「ああ…、そういうことでしたか。 まったくありませんでした」
フェラは彼の机の下にもぐってもらって、座ったまましてもらったようですね。
彼の趣味なのでしょうか。
私も今度ロセッティさんにしてもらいましょうか。
「そう…か」
「はい。 開発のための素材の数もしっかりと制限していますので、疲弊する要素は排除しています」
ロセッティさんの頭を押さえつけそうになったのを自制したことまで書いてますね。
まあ、彼らには手を触れないように命令しているので当然ですが。
後はそのまま口に溜めた精液を瓶に吐き出してもらったと。
「…前回ダリヤ嬢が倒れたのは、一気に終わらそうとしたからと聞いている」
「はい。 ですのでこのように少しづつ分けて送り届けております」
1発目は机の下にもぐらせて。
2発目は寝転ばせて顔の上へ、のしかかるように四つん這いで。
3発目はドアの前で立って、ですか。
「……そうか」
「素材もひとつづつ、ゆっくりと丁寧に扱ってもらっています。 その扱いの巧みさに、魔導具師としても尊敬しております」
触れないようにと命令しましたし、これなら触れることも無かったでしょうが、2回目の体位は少し…。
……いえ、そろそろアナル舐めも覚えさせるためには有り、か。
今のロセッティさんならタイミングを選べばアナル舐めも受け入れてもらえるでしょうし。
「ん…、君も魔導具師なのか?」
「はい、我々は全員がそうです。 ただ魔力が低いので大したものは作れません。 そのせいでお手伝い程度の開発しか任されておりませんので、便利なものを次々と開発するあの方を尊敬しております」
アナル舐め、ね…。
それも――、ああもう!
必要以上に喋るなと釘をさしたでしょう! 考えくらいまとめさせなさい!
「その辺でいいでしょう。 進捗の確認も終えました。 お前はこれを次の者へ渡しなさい」
「あ…、はい! 申し訳ありません、失礼します!」
「ああ」
…全く。
この件については後です。
今は、ヴォルフへの対応です。
「全員、魔導具師なのか」
「ええ。 先ほど言っていましたように魔力が低く…。 扱える素材に限界がありますので、ロセッティさんに手伝いをお願いしているということですね」
これは本当です。
彼らには魔力をそこまで必要としない魔導具を作らせています。
「…尊敬していると」
「彼らは自身の魔力が低いことから、華々しい魔導具を作ることが出来ないと諦めていました。 ですのでロセッティさんの生み出す、地味ではあるがとてつもなく便利な魔導具の数々に魅了されたのです」
決して表舞台には出られない、評価もされることのない魔導具です。
そんな彼らだからこそ、ロセッティさんの事は羨ましく、憧れ、焦がれる対象となっています。
うちの裏の商品についてはすでに調べられているとは思いますが、これで警戒度を上げられると少し困ります。
「魅了…か」
ヴォルフはそう呟いてから、じっと下を向いて何かを考えるように、無言のまま。
私も同じ口を開かず、時が過ぎていく。
次の者が入り、開発部屋へと姿を消してからも。
ロセッティさんの開発を終えて出てきた男から差し出された進捗書を読んでいく。
今回はフェラよりもアナルの開発を優先したみたいですね。
しかしこの男は相変わらず報告書が無味ですね…。
先ほどの彼とはまでは言いませんが、もう少し詳しくなりませんか。
仕方ありません、聞くしかないでしょうね。
「研磨の出来栄えはどうです」
「はい。 一回一回念入りに確認をしましたが、充分に磨き抜かれておりました」
確認ということは、見ることに集中したようですね。
ギリギリまで抜いて、最後まで入れてを繰り返すのをロセッティさんの後ろから見続けた、と。
…そんな姿を注視された彼女もたまらなかったでしょうね。
「途中で油は足さなかったのか?」
「はい。 二度目、三度目の研磨時に確認を取りましたが、必要ないとのことでした」
なるほど、腸液が充分に潤滑油の役目を果たしたと。
アナルディルドの交換をしたようですが問題は無さそうですね。
しかし、二度目、三度目とは…?
「流石はロセッティさんですね。 油を使うと質が落ちてしまうので助かります」
「補足となりますが、私が抽出した素材で回数を区切っております」
抽出した…?
ああ、ロセッティさんにお願いするのではなく自分で出したのですか。
ということは彼が三度出すまでロセッティさんは自身でアナルを苛め続けることになったのですね。
「研磨する素材に問題は無かったですか?」
「卵をお願いしたので、やはり最後の玉は時間がかかっておられました」
卵…となると球体連結型のアナルビーズですか。
素材も一部合っていますから、中々良い例えです。
あれは先端は小さめのものですが、最後の根元の大きさは鶏卵ほどになりますから、入れるのも大変だったのでしょう。
「それは仕方ありません。 貴方では手伝えないのですから」
「はい。 ですが指示通り、確実に最後まで確認をさせて貰ってから研磨作業を続けて頂きました」
やはり最後までアナルに呑み込ませてから、引き抜かせるのを徹底したようですね。
ロセッティさんがもう無理ですと懇願しても、決して認めず腰を下ろさせたのでしょう。
彼女が机に腕を置いて顔を伏せ、つま先立ちになりつつ内股で立ち上がるようにアナルビーズの抜き挿しを繰り返したと書いてありますし、素晴らしい成果です。
「よろしい」
「はい。 開発は順調と思われます」
押し殺したような喘ぎ声から、最初の絶頂の申告までは少し時間がかかったようですが、それからはもう耐えることは無理だったようですね。
『イっています』『アナルで』『もう無理』『許して』『お尻』『嫌』『気持ち良い』『助けて』『イク』を何度もうわ言のように繰り返していましたか、なるほど。
最後のロセッティさんの申告では『アナルで何度もイキました』『回数は数えることが出来ませんでした』とありますし、恐らく深イキだけでも二桁はいったのでしょう。
「では次の素材を運び入れなさい」
「はい。 それでは失礼いたします」
こうなるとロセッティさんは少し休ませるべきですね。
次はまたフェラだけと指示を出しましょう。
それに、そろそろヴォルフのガス抜きも行うために開発部屋へ誘導しましょうか。
次は部屋に入ってそこそこ時間をかけたところでにするとまた疑念も晴れるでしょう。
恐らく一度目のフェラは終わった時間帯となるでしょうがね。
「進捗書となります」
「ええ。 少し待ちなさい」
今回は二度、タイミングをバラけさせて開発部屋へヴォルフと訪問していました。
先ほどの、彼らが魔導具師だということと、裏の商品のことを結び付けてしまえばヴォルフもただ待つことは出来なかったと思いましたのでね。
独占欲と焦燥感で視野狭窄に陥った者を誘導するのは容易かったです。
普段はこうでもないでしょうに、つくづく彼女のことが大切なのですね。
二度目の確認でも何もなかったことを知った時はあからさまに安堵していましたから。
…しかし、この訪問のタイミングが私の誘導だったと後で気付かれるのは危険です。
本来の彼はおそらくとても有能なのでしょうから。
最後まで、気を付けることにしましょう。
まあ、今はこれを読むことに専念しましょう。
ロセッティさんの開発も大事なのですから。
――――
入ってすぐに指示書を読みました。
10分後くらいにヴォルフを送ると書かれていたので、ロセッティ嬢にすぐにフェラをお願いしました。
机に項垂れるようにしていたロセッティ嬢でしたが、気だるげに身を起こすと、『はい』と返事をしてペニスを咥えてもらいました。
ロセッティ嬢の口に射精をし、瓶に吐き出してもらったあとは身嗜みを整えてもらって休んでもらいました。
しばらくそうしていると、ロセッティ嬢から『ヴォルフが来るんですね』と聞かれたので肯定しました。
ロセッティ嬢に気付かせてしまい、申し訳ありません。
その後は私の仕事であるニップルリングの製作の一部であるリング部分だけを成形してもらっておりました。
そうしていると、トラセーさんたちが入ってきましたので、私は大人しく自分の仕事を進めました。
トラセーさんたちが出ていったあともそれを続け、二度目の訪問時も気にせず作業をしていました。
ロセッティ嬢から途中、一度目の訪問後に私に対して困惑の視線を感じました。
おそらく、トラセーさんたちが出ていったのにフェラをしなくてもいいのかという視線だったと思われます。
二度目の訪問後にロセッティ嬢へ近付くと、これも仕込みだったと悟ったのか、『そう、ですか』と呟いてこちらを向いて目を瞑ったまま口を開いてきました。
そのまま、ペニスを出してロセッティ嬢の口に入れて射精させてもらいました。
その後、本来はアナルの開発に移らなければならなかったのですが、ロセッティ嬢から『して欲しいことを言って貰えればしますので、お尻はもう許してください』と懇願されてしまいました。
この時点で、指示書に書き足されていた一単語をしてみたいという欲に駆られ、当初のアナル開発ではなく、ロセッティ嬢にアナル舐めをしてもらいたい気持ちでいっぱいとなっていました。
私はロセッティ嬢に、アナルを舐めながら手コキをして欲しいと伝え、いくばくかの無言の後、『分かりました』と了承されてしまいました。
こうなると、せめて当初予定されていたアナル開発で使うはずの、態度の変化を織り交ぜていくことにしようと意識を切り替えました。
そして、裸となりロセッティ嬢へ尻穴を晒してしばらくすると、おずおずと舌先を差し出すように挿し込まれ、そのまま舐めだして頂きました。
舌で尻穴のシワを伸ばすように舐めて欲しいと伝えれば、ひとつひとつ丹念に舌を這わせて貰えました。
尻穴に舌を押し込んで、中をほじるようにして欲しいとお願いすれば、尻の中に舌先を入れ、円を描くように舐めほじって貰えました。
あとはそれらを好きなように続けてもらい、片手でペニスを扱くよう頼みましたら、あのほっそりとした手で私のペニスをゆるく握り、上下に扱き始めてくれました。
そしてもう片方の手は、手のひらで亀頭を擦ったり、つまんだり、尿道口をほじるようにと言うとその通りにしていました。
そうやってアナル舐めと手コキを続けるロセッティ嬢に、最後は限界まで舌を奥に挿し込むよう命令すると、従順にそう実行し、手のひらで精液を受け止めさせました。
残った精液を出し切るようにペニスを更に扱き上げ、受け止めた精液を瓶へ流し込む頃にようやくロセッティ嬢の様子を確認することとなりましたが、開発という意味では失敗でした。
やはりこういうことはトラセー様が行った方がよろしいかと思われます。
私ではロセッティ嬢を異常な体験をしてもらっても興奮や快楽へと導くことは叶いませんでした。
ただ、お願いから命令に至るまでの私からの態度の変化から、ロセッティ嬢の従順さは驚くほどでした。
この点に関しては開発の成果と言えるのではと思われます。
ロセッティ嬢からの申告はありませんでした。
アナルビーズを入れたままというのに不甲斐ない結果となってしまい、申し訳ありません。
以上となります。
――――
頭を抱えそうになった。
まさか先程の指示書にふとメモしてしまっていたアナル舐めを彼が行ってしまったとは。
それに、命令に従うかのようなロセッティさんの状態は…。
「これは……、いえ。 もうしばらく待ちなさい」
「はい」
どう受け止めるべきでしょうか。
開発が進んだことに喜ぶべきか、自分の不注意から起きたことに嘆くべきか。
不注意……。
「あっ!?」
そうでした!
ロセッティさんの手紙に、指示に従うようにと書いていたのでした!
そうなると今のロセッティさんが彼の指示に従うのは当然でした!
しかしこれは……。
「何かあったのか!」
「あ…、いえ。 計画外の清掃までロセッティさんに任せてしまったようでして」
「様子を――」
「いえ、疲弊するようなものではありませんが…。 まあ、確認は構いませんので言ってください」
私の返事を聞く前に開発部屋へ向かうヴォルフ。
先ほど二度も確認したというのに、どうしてそこまで心配が勝るのか。
やはり我々が販売している大人の魔導具と彼らを結びつけましたか…。
ああいえ、それより彼のことです。
離れているとはいえ、あちらの声がこちらに聞こえるほどの距離です。
ある程度ぼかしての会話となるですが話はしなければなりません。
「この清掃ですが、どの程度の手際でしたか?」
「はい。 初めはやり方を説明していましたが、あとは抽出時のように手際よく動かれました」
「流石の飲み込みですね。 ですが、出来れば隅に書いていた清掃ではなく計画書の通りに進めて欲しかったですね」
「申し訳ありません。 あの単語を見た瞬間、魅了されてしまいまして…」
「……まあ、いいでしょう。 もちろん、強要などは――」
「いえ、それは決して。 それに、お二人が入ってくる待機時間中に私自身も清掃を終えていたことは伝えて――」
「はぁ…。 ではそれはロセッティさんの選択です」
別のものに変更してもらうことも出来たのですから。
「それで、抽出したものはどうしたのですか」
ロセッティさんの手のひらに出したのでしょう?
「はい。 そちらも清掃してから瓶へと移し入れてもらいました」
清掃というと…なるほど、一度口に含んでもらったのですね。
そうなると今回の抽出は結局3回ですか。
それでは口の中に残る精液は唾で流して呑み込んだとしても、口を開けば精臭が漂うでしょう。
マスクをしてもらって正解でしたね。
あちらから漏れ聞こえる声でも、喋っているのはほとんどヴォルフですし、ロセッティさんは自覚してそうですね。
「よろしい。 では次を呼びなさい」
「はい。 では失礼します」
さて、ヴォルフがドアを開けたまま話し出してから数分、流石にここにも開発部屋の臭いが届いてきました。
そろそろ話を終わらせて閉めてもらいましょうか。
次はまたアナル開発と言いたいところですが、あのヴォルフの様子ではこちらで行動をコントロールをするのは難しいでしょう。
それに、今のロセッティさんは途中抜いたとはいえアナルディルドなどを入れっぱなしのままなので、このままですとぽっかりと空いた尻穴を閉じることもままならなくなるでしょうし…。
流石にアナルプラグを入れてヴォルフと帰らせるわけにもいきません。
もしふとした瞬間にロセッティさんがその刺激で喘ごうものなら、今のヴォルフでさえ何が起きているのか気付くでしょうし、そうなると破滅です。
ロセッティさんの開発された尻穴の感度に期待するというのも難しいでしょうしね。
さて、残り二人には大人しくしていて貰いましょう。
当然フェラチオも無しですが、次の者には瓶に溜めてもらった精液をロセッティさんが呑むところを見るように指示しておきます。
今まで溜めた量が量ですし、ロセッティさんの精飲だけでも満足は出来るでしょう。
これならどのタイミングでヴォルフが開発部屋へ向かってもどうとでもなりますし、問題はないでしょう。
最後の一人は…。
ロセッティさんに使う予定の魔導具をひとつひとつ説明でもさせましょうか。
彼もロセッティさんの反応を楽しめるでしょうし、今後それを使う際にその知識があれば彼女も不安よりも期待感が上回るかもしれませんしね。
以前交換条件で止めたと、ロセッティさんが思っているはずの魔導具の解禁についても説明をさせましょう。
あれは夜間の装着を無しにしただけですし。
……そうですね、その装着するはずだった魔導具も時間があれば説明させることにしましょう。
そうすれば次当たりに、そこまで強くない誘導でも、私のペニスをアナルに受け入れてもらえるかもしれません。
それさえ乗り切れば、たとえ処女のままでも、ヴォルフと結ばれようと――。
結ばれ、ても……。
………。
いえ、それ…、は。
それは――。
「トラセー様」
「ぁ…?」
「いえ、その…。 返事が無かったもので」
「あ、ああ…。 もう来たのですか」
「はい。 それと、部屋にあちらの臭いが…」
「あっ」
しまった!
いつの間にそんな時間が!
ヴォルフは――、まだ話を…っ。
いつまで私の――ッ。
「すみません、スカルファロット様。 流石にそろそろそこまでとさせて頂きたい。 そちらの臭いがかなり移ってしまっています」
「あ、ああ。 …だが」
「すみません、ヴォルフ、もう少しだと、思います、ので」
「ダリヤ…」
「ではすみませんスカルファロット様、閉めさせて頂きます。 ロセッティさんも、後二回…おそらくあと三十分ほどですのでよろしくお願いします」
「…、はい」
次の男を送り、ドアを閉める。
「すみませんスカルファロット様、消臭剤をお渡しします」
そう言ってヴォルフに背を向ける。
そうしなければ。
今だけは彼に顔を向けることが出来ない
自分の顔が保てない。
「いや、もうあちらの空気に慣れてしまったようだ。 すでに鼻が利いていないから、おそらく逆効果になる」
「……そうですか。 では、私もこのままで」
「ああ。 ――すまない。 こちらの部屋も臭いがついてしまったんだろう」
「いえ…。 あとでこの窓を開けて消臭剤をかけて回ればいいだけです」
「そうか。 迷惑をかける」
「とんでもないです」
彼の顔を今だけは見ることが出来ない
今はこうして窓の外を見るしか――。
それから何分経ったのか。
開発部屋のドアが開き、出てきた男から進捗書を受け取る。
その彼と入れ替わりでヴォルフが開発部屋へ向かい、ロセッティさんへと話しかけるのが見えた。
「こちらが進捗書となります。 次の者を呼びに行ってよろしいでしょうか」
「…ああ、そうしなさい」
あれから、私はしばらく窓の外を見つめ。
ヴォルフはまたソファで物思いに沈み。
開発部屋を訪れることなく、二人無言のまま今に至った。
流石にもう気分は落ち着いたが少し疲れてしまった。
ああいや、進捗書を読まなければ。
まだ終わっていないのですから。
それに、ヴォルフとロセッティさんの会話も手早く打ち切らなければ…。
そう思って進捗書に目を向ける。
―――
部屋に入ってすぐに指示書を確認し、変更がなかったので予定通りロセッティ様のアナルディルドの交換をしました。
今回選んで頂けたのは高さ10㎝ほどの円柱型のものでした。
―――
………。
追加の指示書を渡していない。
どれだけ馬鹿なのか私は。
もし途中でヴォルフが開発部屋へ向かっていたら、折が悪ければ終わっていたというのに。
……これは本格的に駄目ですね。
今日は二人が帰ったら私も帰宅しましょう。
しかし今は次が来るまでにこれを読みきらないと…。
―――
他は長さが30cm以上のものしかなかったのが選択理由だと思われます。
ロセッティ様が選ばれたアナルディルドにローションを塗りたくったのちに椅子へセットをすると、やや躊躇いながらも自身の尻穴にあてがい、喉をそらしながらもゆっくりと腰を下ろして全てを受け入れられました。
しばらくするとロセッティ様が『動けないので手だけで許して貰えませんか』と懇願されましたので、手コキをお願いし、1回目の射精を手で受け止めていただきました。
その際はロセッティ様の隣に立ち、机の上の素材の説明をするような立ち位置でしたので、急なスカルファロット様の訪問にも誤魔化せるような態勢をとっていました。
2回目はロセッティ様の椅子近くで寝転び、ペニスを足で擦って貰いながらの射精でした。
―――
………。
なるほど。
足ですか。
貴方たちは本当によくこんな抜け道を見つけますね…。
まあ、…いいでしょう。
私とは趣味が違いますのでなんとも言えませんが、ロセッティさんに性技を覚えてもらうのは悪くありません。
―――
これは、1回目が終わった後も動けないとのことでしたので足での射精の仕方もあると伝え、ロセッティ様が承諾されたことで行われました。
ペニスに足を乗せ、前後に擦る際にお尻に入ったアナルディルドを自然と締め付けることになり、その大きさにやや辛そうでしたが、足の動きを止めることなく私を射精へと導いていただけました。
ただ、靴を履いたままという素晴らしく刺激的な行為により私の射精が近くなったことで、ロセッティ様を困惑させてしまったようでした。
―――
……いえ。
この性癖は初めて聞きましたね。
もしかすると、だからすぐに立ち去ったのでしょうか。
―――
3回目は2回目よりも強く踏みつけてもらいながらとなりました。
やはり足に力を入れると尻穴の筋肉と連動するのか、ロセッティ様は吐息を漏らしながらも私のペニスを扱き、尿道に残る最後の精液まで吐き出させていただけました。
精液は全てロセッティ様に手ですくい取って頂き、瓶へと注ぎ入れてもらっております。
最後に、それによって精液でベトベトになった手を見つめたロセッティ様は『これも舐めて瓶へと吐き出すのですか』と仰られましたが、指示には無かったことでしたので必要ありませんと答えました。
ですので、椅子から動くことのできないロセッティ様は右手を精液で汚したまま現在に至っております。
申告はありません。
尻穴の拡張くらいしか成果がなく、不甲斐ない結果で申し訳ありません。
以上となります。
―――
……なるほど。
とりあえず先に指示書を渡すことにしましょう。
入ってきた男が持ってきた箱の中に指示書を潜り込ませてヴォルフに声をかける。
「スカルファロット様、次で最後となりますのでそろそろ…」
「…あぁ、ようやく終わるのか」
「ええ。 これでおそらく必要なものがほぼ全て揃うことになります」
「そう、なのか?」
「ええ。 ようやくロセッティさんもこの環境とはお別れ出来ることとなるでしょう」
「それは…、良かった」
「ええ。 では申し訳ありませんがロセッティさん、最後もよろしくお願いします」
「……」
机の奥に置かれた瓶をちらりと一瞥して、少し困ったように無言で頭を縦に振り、了承の意を示すロセッティさん。
ロセッティさんも、最後という意味が分かったようですが、声を出さないのはいけません。
そういえばヴォルフが話しかけている時も相槌ばかりなのかあまり喋りませんでしたね…。
そういえば右手はここからだとロセッティさんの身体で隠れて見えませんが、やはり精液で汚れた手は隠しているようです。
「……ヴォルフ」
「うん」
む…。
「やっぱり、臭いが気になるので、飲むのは明日にしませんか…?」
「……そう、だね。 俺もここまでとは思ってなかったし、もう鼻が馬鹿になっちゃってるから明日のほうがいいかも」
「…すみません、ありがとうございます」
「ううん。 じゃあダリヤも、最後…頑張って」
「はい、ヴォルフ」
……、そうですね。
ロセッティさんはこのあと、溜まった精液を呑むのですから。
貴方とお酒を飲むのは避けたいでしょう。
……。
まあ、いいです。
それでは、ヴォルフも言ったように最後も頑張ってもらいましょうか。
おそらく先ほどまでのように、終わった瞬間にヴォルフが開発部屋へ急ぐでしょうから着替えの時間がないことにロセッティさんも気付くでしょう。
認識阻害効果が発揮されているとはいえ、乳首が露出したままの服でヴォルフと一緒に帰る――。
帰りの馬車の中はどんな雰囲気になるのでしょうね?
ヴォルフの期待する甘い展開にはならないはずです。
いえ、期待しているのかどうかは知りませんがね。
――ああ、イライラする。
やはり受けるのではなかった、こんな話。
◆◆◆◆
「おーいトラセー。 次の商品のことなんだが…。 ん? 開いてるのか」
「えっ。 会長…?」
「おお、お前か。 トラセーはどうした? 話があるんだが…」
「ぁ…、トラセー様はもうお帰りに――」
「は、帰った? なんかあったのか…、ん? 何を見てるんだ」
「あっ、いえ…これは」
「見せてみろ」
「いえ、その…」
「あん? また躾けられたいのか? 最近ようやく素直になってきたと思ったら…」
「い、いえ! も、申し訳ありません…。 お許しください…っ」
「ふん、まあいい。 寄越せ」
「あぁっ……」
ったく。
トラセー付きのメイドとはいえ、あれだけ躾けてやったら従順になると思ったが、中々しぶとい。
まあ、強く言えばもう逆らうことは出来んような身体にしてやったからいいけどよ。
しかし、商談室を開けて早上がりとはな。
なんかあったのか…?
「で、これはなんだ? んん、進捗書…?」
「ぁ、……はい。 本日行われた、ダリヤ・ロセッティさんへの開発記録かと思われます」
「ほう! そういえばトラセーが執心だったな。 あれから報告もしてくれんし、立ち消えになったのかと思っていたが続いていたんだな」
ほうほう、思い出してきたぞ。
あの良い声をした女だ。
そうだ、ロセッティさんか。
確か彼女はスカルファロット家のあの男の女だったな。
「それでこれが進捗書か。 ……ほぉ、アナルの調教か。 フェラも中々躾けられてるみたいだな」
「……」
「いい調教具合じゃねえか。 しかも彼氏の横でまでやってるってことはもう身体は堕ちてるだろ、これ」
こういうプレイは燃えるよな、分かるぜトラセー。
それに、子飼いの連中にも咥えさせてるみてえだし俺が加わっても構わねえだろ。
咥えるだけに、ってなハハハ!
「あの、会長…?」
「そうだメリア。 お前、俺に協力しろ」
「ぇ……」
「ロセッティさんを俺の部屋に寄越すようセッティングしろってことよ」
「っ!? む、無理です!」
「あん?」
「ひっ! あの人はトラセー様の――」
「おい、聞こえなかったのか? 俺はやれと言ったんだ」
「で、ですが…っ!」
俺もトラセーに怒られたくはねえけどよ、ここまで堕としてるなら大丈夫だろ。
書類を見る限り、徹底してアナルとフェラってことは多分処女なんだろうからそこは配慮するかな。
口とケツだけ味わわせてもらうとするか。
「安心しろ、トラセーにはバレねえようにしてやる。 ロセッティ嬢が帰る時に挨拶がしたいとでも言って部屋に連れてくればいいんだ。 簡単だろ?」
「ぁ、で、です…が、トラセー様がっ」
「あーあー、分かった分かった」
「ぁ…、ありがとうござ――」
「どうやら躾が足りてなかったみてえだなぁ…!」
「ひぃっ!?」
「部屋に行くぞ。 トラセーの女だから自重してたがもういい、ピアスを着けてやる」
「っ!? いやっ! 嫌ぁっ!」
「あいつはロセッティさんに執心みてえだし、もう諦めろ。 お前は俺が飼ってやるよ」
「嫌、嫌ですっ! 誰かっ、トラセー様っ! 助けっ、助けてっ!」
「叫んでも無駄だ。 何度俺と寝たと思ってんだ? もう周りからは俺の女にしか見えてねえ。 おら、さっさと来い!」
「ああっ…、ああああっっ!! もう嫌あァっ!」
こちらも長いです。
ダリヤさん。
ヴォルフが隣の部屋にいるのにフェラやアナル開発をされているという異常な状況では、流石に興奮より恐怖と不安が勝ってしまっていた。
開発部屋での最後の時間はアナルディルドをゆっくりと引き抜いたあと、ぽっかり開いたアナルに逆に違和感を覚えるようになっていた。
何度も座り直したりをして「んっ、…んっ」と吐息を漏らしながら少しづつ穴を閉じていったが、尻穴が疼いて仕方ない自分に強い羞恥を感じ、帰りの時間までに閉じるのか不安だった。閉じた。
瓶に溜めていた精液は、渡されたストローで吸い出して少しづつ飲み込んでいった。
手に残った精液は、瓶の中身を飲み干してから数秒見つめ、目を閉じて自ら舐め取って綺麗にした。
今回の開発で一番辛かったのはお尻の穴を凝視されながらの確認アナルオナニー。
乳首露出服は2回目の開発部屋訪問時にヴォルフの反応から見えていないことに安堵して、極力気にしないようにしていた。
ただ、開発部屋のドアが開くたびに冷たい風が流れ込み、露出した乳首を刺激するので毎回身体を震わせることになった。
ヴォルフとの会話では不審がられない程度に口数少なく振る舞っていたが、トラセーの計らいと気付いてからは現状バレの心配が無くなったと認識したことで、前回のような暴力的な快楽に導かれることはもうないと考えることが出来、少しありがたい時間となっていた。
流石に帰りの馬車内ではヴォルフと対面で座るため、口臭と露出乳首による羞恥に耐えていた。
胃の中に大量の精液を呑み込んでいるので、消臭剤をかけても口を開くと精液臭いためマスクをしたままだった。
ヴォルフには中の高温多湿な環境で化粧が落ちたのでマスクを取りたくないと言い訳をして何も言えなくした。
馬車内はダリヤの『少し疲れました』という発言でヴォルフに気遣われ、あまり会話が弾まないままの帰路となった。
塔へ帰ってヴォルフと別れてからからめちゃくちゃ歯磨きした。
その後、胃の中の精液のことを思い出してトイレで全て吐き出すまで何度も嘔吐した。
次の日、改造服ではなく別の服でヴォルフと買い物に行って、塔ではいつもの気の持ちように戻れていたので仲良くご飯を食べて過ごした。
ヴォルフ。
メンタルはぐちゃぐちゃ。
途中から疑念度が大きく上昇したが証拠もなく確認もしているのにダリヤの態度のせいで疑念が晴れないままとなった。
ネイトリー商会の裏の商品が大人の玩具的な魔導具だと調査で知っており、今回の件でトラセーの部下たちが作っていると認識した。
そのせいで何度も抜き打ちで確認を行うがことごとく不発。
その上、もし本当にトラセーたちにダリヤが大人の玩具で弄ばれているのだとしたらこれまでずっとされていたということになるので何事も無かっていて欲しいと思いつつ何度確認しても疑念は晴れないままなのでメンタルはもうぐちゃぐちゃ。
次の日にダリヤと買い物に行ったりして普段通りになったことに安堵した。
オートス。
会長。
50代の精力旺盛。
メイドを堕とした。
今回ラストでダリヤを狙うことになる。
メリア。
メイド。
トラセーが好きだが会長に身体を捧げるようお願いされて以降ずっと会長に玩具にされている。
今回、会長から両乳首にピアスを嵌められ、執拗なまでの快楽攻めでダリヤを連れてくることに了承させられた。
こんなことになった原因であるダリヤが酷い目に合えばいいと思っているが、それによってトラセーがどう反応するか分からないので不安な日々を過ごしている。
トラセー。
開発部屋に完全防音の魔導具を移したことで部屋の厳重なロックも一時的に外れることになった。
トラセーもヴォルフ同様メンタル消耗していたのでメイドに部屋の消臭などを頼んで早くに帰宅。
そのため、進捗書がメイドの目に付くこととなり、今回ラストに繋がった。
だいたいトラセーのせい。
ヴォルフとはお互いに相性が良すぎるし悪すぎるのでもう関わりたくないと思っている。
会長にダリヤを渡すことに渋った辺りでもう自覚なくダリヤに惚れていた。
メイドの件含めここまでガバったのはそのあたりが理由。
※※※※※※注釈※※※※※※
今回ラストについてのネタバレです。
読みたい人だけどうぞ。
今回アレな引きなので説明します。
会長がダリヤを襲ってアナルレイプが成功することはありません。
それをすると、このダリヤさんは本当に壊れるのでないです。
一応考えられる展開を全てトレースしましたがその全てでダリヤさんは諦めてレイプ目で無反応になって不感症化しました。
なのでメタとなりますがレイプ展開はないですすみません。
ifでも厳しいかもしれません。
今回もそうですがストーリー進めるとえっちしーんが書けなくて悲しい。
もっとダリヤさん開発したいけど本編だとタイムリミットがあるから仕方ないね。
今回の裏はもしかしたら本編後などで書くかもしれません。