魔導具師ダリヤはうつむくしかない… 作:リモバイ
森での異常な体験から8日後、ダリヤはネイトリー商会に訪れていた。
以前と同じように、トラセーは商談室の中でソファの横に立ち、ダリヤを出迎える。
「お久しぶりですロセッティさん。 一週間ほど空きましたが、調子は如何ですか?」
「…お久しぶりです。 調子、は。 ……良くも悪くも、ありません」
「なるほど。 良くなることを祈っております。 では、楽にしてください、ロセッティさん」
「…はい。 失礼します」
当たり障りのない返答で、トラセーからの軽い挨拶をやり過ごすダリヤ。
そして。
そのまま、ソファに座るよう促されたが、ダリヤは座らずに、うつむき、頬を染め、ベルトを外し、服を脱いだ。
「おや、まだ何も言っていませんが?」
「……どうせ、脱がす、ん…、ですよね」
「…ふふ。 では脱ぎ終わったらお座りください、ロセッティさん」
「……はい」
トラセーに指示される前に、服を脱ぐダリヤの顔は、赤く染まっていた。
その、日々の開発が上手くいっていることにトラセーは内心で喜び、おそらくは羞恥とは別の気持ちで頬を赤くしながら服を脱ぎ、下着姿になるダリヤの姿に、次の段階へ進んだかなと確信を持った。
「ほう…、今日はいつもよりセクシーな下着ですね。 似合っていますよ、ロセッティさん」
「っ。 …あ、ありがとうございます」
「ですが、何か心境の変化が? 前回、私が下着について触れてしまったからでしょうか」
「…特に、ありません。 その、…目についたのが、これ、だったから…です。 他意は、…ありません」
トラセーに指摘された通り、ダリヤはいつもの野暮ったい下着ではなかった。
何故この下着を選んだかは、ダリヤ自身も分かっていないが、トラセーに見せるためという気持ちが一片でも無いといえば噓になることだけは、理解していた。
そして、トラセーに下着を褒められたダリヤは、内心浮かんだ気持ちに蓋をして、返答し、ブラを外し、ショーツを脱ぎ、裸になる。
「ああ。 綺麗ですよ、ロセッティさん。 貴女の裸を見るたびに思います」
「……ありがとう、ございます」
裸になり、顔だけを横に向け、後ろ手に立ったままトラセーからの賛辞を受け、そう言ってソファへ座るダリヤ。
いつものように、太ももをぎゅっとくっつけ、膝を合わせ、その上に手を乗せる。
そうして、やや躊躇ったあとに前を向き、トラセーと顔を合わせた。
「さて、始める前に、聞きましょうか」
「…っ!」
「ロセッティさん、以前のマッサージですが…胸でイきましたか?」
「………」
「以前お伝えした通り、胸で――」
「あのっ!」
「…どうしました、ロセッティさん」
「胸、で…。 胸で、イったと、言うと…、その。 次は…」
「…ふむ。 そう、ですね。 では………、選びますか?」
「ぇ…」
下半身への開発。
胸の開発による、自身の身体の変化を知ってから、どうしても避けたいと思っていったダリヤ。
それをお願いしようと、この数日間。
夜の乳首魔導具装着からの、クリ皮弄りオナニー時に『開発されたらどうなってしまうのだろう』と妄想し、恐れ、悩んでいた。
そんなダリヤだったが、トラセーからの提案に驚き、続きの言葉を待った。
「私としては、今日はロセッティさんのクリトリスを虐め抜こうと思っていたのですが…、それは避けたいのですよね?」
「っ!? ぁ、ぇ…、そ……っ。 そう、……っです」
トラセーからの直接的な言葉に絶句し、想像し、全身に甘い痺れが走るダリヤだったが、何とか声を出し、そう返答する。
足の上に置かれた手のひらには汗が滲み、乳輪がぷくりと膨らみだす。
そんなダリヤの変化を見ても何の反応もせず、トラセーは言葉を続けた。
「では別の場所…。 そうですね、お尻はどうですか?」
「…? え…と、お尻…、ですか」
「ええ。 それ以外となると、口、ですかね。 どうしますか?」
「口…? え、あの…、口って、どういう…」
「どちらを選びますか、ロセッティさん?」
「ま、待ってください! その、何をするのか」
「駄目ですよロセッティさん。 契約の時もそうだったではないですか。 全ては貴女が選んでからです」
「…っ」
お尻と口、どちらも女性器よりは受け入れやすかったが、ダリヤにはそこに何をされるのか分からない。
そのため、かろうじて想像のできる、お尻を触られるということに拒否感が出たため、仕方なくもう片方を選んだ。
「口、で…、お願い、します」
「ふふ。 私は胸でもいいのですが?」
「…っ、ぅ。 ………私、…その、胸でイってしまったので、次は口を、お願いしたい…です」
「おや。 一度くらいならイってしまっても胸の開発を続けても構いませんよ、ロセッティさん」
どうしてもダリヤに言わせたいのか、ダリヤの、大きく自己主張する胸の先を見つめ、さらに責め立てるトラセー。
ダリヤはそれを悟り、うつむき、頬を染め、申告する。
「んっ、ぁ…。 ……一度、では…ありませんでした。 何度も、胸で、…イって、しまいました」
触れられてもいない、素の状態で、自身の絶頂を申告させられる羞恥に震え、身を固くし、無意識のうちに胸の下で腕を組んでしまうダリヤ。
その、胸を強調するポーズをしながら、横顔を見せ、羞恥に顔を赤くし、トラセーへ、何度も胸でイったと伝える姿にトラセーの情欲は掻き立てられた。
「分かりました! では、胸ではなく、口の開発に移りましょう」
「は、はい…。 それ、で、一体、なにを」
「そうですね…。 まずはこれを舐めてもらいましょうか」
ローテーブルの上に置かれていた箱。
それを開けてひとつ選び、持ち上げてダリヤへ見せるトラセー。
「きゃあっ!」
「おや、どうしました?」
「そ、それって…!」
「ふふ。 流石にロセッティさんも分かりますか。 男性器を模した張型ですよ」
「っ! み、見せないでくださいっ!」
「ははは。 ロセッティさん。 今からこれを舐めてもらうのですから、見せないでというのは難しいですよ」
「っ!? そ…、それを、ですか!?」
その、男性器の形をしたモノを、ダリヤに見せつけるトラセー。
それを、舐める。
ここに至り、口の開発とはどういうことかを察したダリヤは、顔を青ざめた。
「まあまあ。 安心してください、ロセッティさん。 私もさ…、無理はいいません。 コレをよく見てください、うっすらと何かがコーティングされているのが分かりませんか?」
「ぅ…っ。 わかり、ませんっ」
ソレを凝視したくなかったダリヤはそう言って顔をそむける。
少し浮かれていたトラセーは、『最初は』と失言をするところだったことを自省し、ダリヤに気付かれていないことを見て取り、安心して言葉を続ける。
「砂糖を溶かして飴にしたものを薄く塗っているのですよ。 ロセッティさんはこれを舐めとってもらうだけで構いません」
「…ぇ」
「ですので、私としては、ただお菓子を召し上がってもらうようなものです」
「………舐める、だけ、でしょうか」
「ええ、もちろん」
「…………」
ダリヤはソレを見て、悩み、うつむき、再度悩んだ。
『舐めるだけ』
『舐めるだけとはいえ、あの形は…』
ダリヤは内心でそう悩んだが、最後には受け入れた。
「わかり、ました…」
「ありがとうございます。 それでは、この、飴の塗っていない後ろの部分を両手で持ってもらいましょう。 どうぞ、ロセッティさん」
「は、はい…」
おそるおそるソレを受け取ったダリヤは、持ち位置的に、その部分を凝視してしまう。
「ああ、ロセッティさんが今見ている場所が、男性器でいう亀頭と言われる部分ですね」
「…っ!」
亀頭と呼ばれるものがどこなのかを知り、慌てて視線を外すダリヤ。
それを見て苦笑し、続けて提案をするトラセー。
「この張型ですが、男性の名前を付けることがよくありまして…。 どうでしょうロセッティさん、どなたかの名前を借りて名付けてあげてくれませんか?」
「っ!? で、できませんっ! そんなっ、無理…です!」
「そうですか……。 それなら仕方ありません。 一般的な名称の、ディルドと呼んでもらいましょう」
「……わかりました」
出来ればアレやソレで済ませたかったダリヤだったが、名付けをさせられるよりはと思い、呼び方を受け入れた。
「では始めてもらいましょう。 まずは先ほどロセッティさんが眺めていた亀頭から舐めるのは如何ですか?」
「…っ」
ディルドを口元に持って行ったダリヤだったが、先ほどのトラセーの言葉に反応してしまい、舐めようとしていた部位を変更する。
顔の横までディルドを持っていき、両手で掴んでいる部分近くの、飴が塗られている範囲の、端の方から舐めることにした。
「ん……」
目を瞑り、小さく舌を出して舌先で飴を舐めとるダリヤ。
端から舐めとっていくと決めたのか、丹念に、舌を動かしていく。
「れろ…。 ぴちゃ…、ちゅく」
最初は舌だけではなくディルドも小さく上下させることでほぼ音が出なかったが、舐めとることに集中し始めたのか、少しづつ音が出始める。
舐められ、舌の熱で溶けだした飴も、音を出す理由となっていく。
「ぺろっ、むちゅっ…、あむ…」
舌だけで舐めとるつもりのダリヤも、強くこそげ取る時はどうしてもディルドに唇が当たってしまう。
飴を舐め、舌に残るその溶けた飴を、口の中で落とし、再度飴を舐める。
「じゅるっ、ちゅっ、れろっ……ん」
そうしていくことで、音が鳴り、溶けた飴がディルドに伝うのを唇でも受け、それを舌で拭い、口の中に戻し、嚥下する。
ディルドの横半分を舐めとり終わった時にはもう目は瞑っておらず、とろけたように薄く目を開いてディルドに舌を這わすダリヤの姿があった。
「んちゅ……、れろっ。 …ずちゅっ」
今舐めている部分が、最初に教えられた亀頭だということも認識すら出来ておらず、一心に飴を舐めしゃぶるダリヤ。
小さく出すだけだった舌は、いつごろからか大きく出しており、溶けだした飴は唇も使って吸い取り、嚥下する回数も多くなっていた。
「あむっ、じゅぷっ、んっ、ちゅるっ……」
その形状的に、舐めるよりも、少し口に当てた方が早く飴を消費出来ると無意識に思ったのか、ダリヤはディルドの先頭部分を唇に当て、吸い、舌で飴を舐めおとす。
男性器でいう鈴口、尿道口のあたりを舌先で小さく左右に小刻みに動かし、飴が溶けだすと、一旦口を離し、口の中に残る溶けた飴を嚥下し、再度亀頭部分に唇を当て、吸い、唾と混ぜて嚥下し、また舌を動かす。
「んっ、ちゅばっ。 んく…、ごくっ。 はぁ…、んっ、ちゅっ……。 んんっ……」
初めはディルドの亀頭部分の先を唇に当てるだけだったが、もはや上半分が口の中に入り、舌はその中で大きく動き、残り少ない飴をこそぎ落としていく。
溶けた飴が一定量を超えると口を離し、それを飲み込み、とうとう残りは亀頭部分の側面のみとなった。
「ぺろっ、はむ、んちゅ…っ。 れろ、んっ、んく」
夢中になって舐めとっていたダリヤだったが、そろそろ終わると感じたことで自身の状態を認識してしまう。
羞恥に身を固くしたダリヤの薄く開けていた目は閉じられ、亀頭部分を口に入れるために少し広げていた口はもはや最小限にしか開かれず、舌は小さく動く程度にしか出さなくなった。
そうやってダリヤは、ディルドに残った飴を舐めとりきった。
「お疲れ様です、ロセッティさん。 とても良い舐めっぷりでしたよ」
「………はぃ」
そう言ってハンカチをダリヤに差し出すトラセー。
息を整えていたダリヤは、発言に対して反論したいところだったが、差し出されたハンカチで自身の醜態を思い出し、吞み込んだ。
ハンカチを借りて口元を拭ったダリヤは、礼を言い、洗って返すと申し出ると、トラセーは笑って受け入れた。
「さて、ロセッティさん。 飴の味は如何でしたか? 何か希望があれば言ってください」
「…いえ、甘くて。 …はい、問題、ありませんでした」
『美味しかった』という一言を躊躇ったダリヤは、遅れてトラセーの発言に疑問を持った。
「希望…、ですか?」
「ええ。 次はどういう味が良いかをお聞きしたいのです」
「つ、次って…!」
「当然でしょう。 胸の開発が終わったのですから、次は口の開発です。 ロセッティさんが選んだことですよ」
「…っ! そ、それは…」
「まあ、同じように飴を舐めとってもらうだけですよ。 私はロセッティさんの裸体を眺める時間が増えるので嬉しい限りなのですがね」
「そ、そう…ですか。 ………あの、また、舐めるだけ、なのでしょうか」
「ええ」
実はトラセーは、今回ダリヤに舐め方の指示をして、男性器を思い浮かばせながら各部位を舐める訓練をしてもらおうと思っていた。
だが、ダリヤの様子を見てそれを取りやめ、眺めるだけとしていた。
指示したことを覚えてもらうよりも今の素のダリヤの仕草だけの方が良かったからだ。
ほかにも理由はあったが、トラセーはダリヤにこれを続けてもらうことを最初の方ですでに決めていた。
「それで、味の希望については如何でしょう。 もう少し甘くしたり、苦くしたり、ほかにはレモン等の果物の味を混ぜることも対応出来ますよ」
「い、いえ。 今のままで結構です」
「そうですか? では味はこのまま、と」
「はい」
「ふむ…。 少し早いですが、今回はここまでにしましょうか」
トラセーは時計を確認し、ダリヤに2本目を開始させた場合の時間の経過を計算し、今回はこれで終わろうと判断を下した。
ダリヤは、本当にこれで終わりなのかと、トラセーを見るが、その態度から本当に終わりそうだと思い、安心して胸をなでおろした。
「ああ、そうです。 このディルドなのですが…、ロセッティさんは要りますか?」
「え?」
テーブルの上に置かれていた、ダリヤが舐めとった、唾液塗れのディルドを持ち上げ、ダリヤに差し出すトラセー。
その、信じられない提案に、ダリヤは頭が真っ白になり、ややあってから叫んだ。
「要りませんっ! そ、それより、そんなもの持たないでくださいっ!」
ダリヤはそう声を荒げて、トラセーからディルドを取り上げた。
そして、先ほどトラセーから借りたハンカチでディルドを拭って覆い、両手で持って胸に抱えた。
「おや。 ではそれはロセッティさんに差し上げましょう」
「ええっ!?」
ダリヤは下を向き、胸に抱えたディルドを見て、トラセーに顔を向けた。
「い、要りませんっ!」
「ではそれをこちらに。 変なことには使いませんので、洗ってから飾っておきます」
「じゅ、充分、変なことですっ!」
結局。
ダリヤはディルドを持ち帰り、キッチンで改めて水洗いをした後。
焼却処分とした。
名付けされなかったディルドくん1号。
トラセーのペニスより二回りほど小さいサイズ。
ディティールはかなり簡素化されており、まだあまりエグい形状とはなっていない。
名誉ある最初のフェラ練習用具だったが最後は焼却処分となった。
現在4号まで作られており、少しづつサイズを大きくしている。
ダリヤのフェラ練度は素の状態で高数値(無意識)。
こんなことが無ければ発覚もしなかった。
最初、トラセーはダリヤの丹念な舌遣いなどに驚き、『過去に経験が?』と邪推したが、ディルドに対する反応を思い出して『天然か』と安心した。
飴の味を蜂蜜飴にしようとしたが、ダリヤがヴォルフ達と一緒に舐めていたことがあったため断念。