「助けてノノえもん!」らくがき等置き場 作:春画屋@二次創作R18
連載版を簡略化するのに合わせて、オリジナル版をこちらに置いておきます。
約15000字。
・この解禁済み設定まとめは、主にシーズン2最終回におけるノノミと『手乗りアロナちゃん』による説明をもとにしています。
→第22回:
→第23回:
・『手乗りアロナちゃん』:シーズン2最終回において生み出され、主人公に様々な説明をした存在。『アロナ』のコピーのようなもの。
・『前の先生』:主人公(先生)の前任の『シャーレの先生』であり、実在する事、現在はこの世界にはおらず、『シッテムの箱の中の少女』と共にこのブルーアーカイブ世界を調整・維持している事が判明した。
・『シッテムの箱の中の少女』:簡単に言えば、オリジナルの『アロナ』が『シッテムの箱』と融合し、『ブルーアーカイブ世界』そのものと一体化した存在。『前の先生』がデザインした世界を実現している。何者なのか、正確な説明は後述。
・『
それぞれについての詳細は人物まとめを参照のこと。
目次
1:『現実世界』・『現実世界の日本』について
2:『現実世界』へ帰る方法について
3:『主人公』である『シャーレの先生』にとって「都合のいい」世界とは
4:主人公の記憶の消去
5:本作品における、一般的な『ブルーアーカイブ世界』について
6:本作品の舞台となっている、特殊な形の「エロゲー的」な『ブルーアーカイブ世界』について
6-1-1:世界改変の辻褄合わせ
6-1-2:『拡大解釈』
6-2:『ご都合主義』の実態と実行プロセス
7:『シッテムの箱の中の少女』と、主人公の世界観が世界に与える影響について
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1:『現実世界』・『現実世界の日本』について
もともと主人公(先生)がいた世界。2021/2/4からゲーム『ブルーアーカイブ』が配信され、多くのプレイヤーが遊んでいる、いわゆる「現実」の世界。作中においては今もサービス継続中。ブルアカの二次創作やイラストがネット上にあふれ、もちろんその中には、あんなものやこんなものやそんなものまで、ブルアカ世界の住人にはお見せできないようなものも含め色々ある。主人公がホシノを「おじさん」と呼ぶのもその影響。ただし、「ノノミは女神だから、いくらでも甘えさせてくれるし、おっぱいも触らせてくれるし、頼み込んだらエッチさせてくれるはず」というのは完全に主人公の個人的な妄言であり偏見である。当たり前だが、本物のノノミが目の前にいるからと言って普通は本気で頼み込んだりしないので、もしブルアカ世界に行っても真似してはいけない。
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2:『現実世界』へ帰る方法について
主人公がもとの『現実世界』に帰る方法は二つある。一つ目は「主人公が帰りたいと強く望むこと」であり、二つ目が「主人公が心底
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3:『主人公』である『シャーレの先生』にとって「都合のいい」世界とは
本作品の舞台である特殊な形の『ブルーアーカイブ世界』は、主人公の持つ世界観がそのまま反映された世界となっている。主人公が明るい世界を望む限り、明るい事が多発する世界になり、暗い世界を望んでしまえば暗い事が多発するようになる。
具体的には、『前の先生』が主人公の潜在的な願望を
主人公が「怖いから戦闘指揮をとりたくないよ!」と言えばノノミが「じゃじゃ〜ん☆」と不思議な道具を出して何とかしてくれるし、「女の子とエッチしたいなあ!」と思えば『ご都合主義』が働くし、「平和な方のがいいなあー」と思えば、黒服とも仲良く*1なれるし、エデン条約調印式も何事もなく行われる予定なのである。
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4:主人公の記憶の消去
この世界の構造や帰るための方法は主人公には隠されており、また、プレイヤーだった主人公が持っていたゲーム『ブルーアーカイブ』に関する知識や、『メインストーリー』の内容の大半に関する記憶が、主人公がこの世界に来た瞬間に消去されている。この事実を本人は、記憶がないこと自体に気付いていない*2。
主人公がこれらを「知らない」こと、「思い出さない」ことにより、主人公の「世界観」は「バカバカしいエロゲーみたいな平和な世界観」として保たれている。主人公が苦手としている『エデン条約編』以降のシリアスな世界観を、ストーリーの内容に関する記憶ごと消去し、封じ込めた結果、主人公は「ブルアカって、対策委員会とか便利屋とかが無茶苦茶やって、その辺爆破したり銀行強盗しようとしたりするけど、ヘイローがあるから誰も死なない*3平和でバカバカしい世界なんでしょ」と「思い込んでいる」状態になっているのである。このように、「エロゲー的な」という要素がそこに加わるが、主人公の持つ「ブルアカってこういうゲームでしょ」というのが彼のこのブルーアーカイブ世界の世界観を支えている。
また、主人公が元の『現実世界』に戻るための条件は「帰りたいと強く望むこと」と「この世界が心底嫌になること」の二つであり、意訳すれば「好きな時に帰っていい」、「嫌になったら帰っていい」と、いつ帰るかを本人の自由意思に
しかし、後者の「嫌になったら帰っていい」という条件は、一時的にでも彼がこの世界に拒否反応を示しただけでも発動してしまう。そして、主人公がこの世界の構造や帰還のための方法を知り、忘れていた記憶を思い出した場合、瞬間的に「この世界が嫌になって」しまい、『現実世界』へ強制的に戻されてしまう可能性が高い。そのため、主人公は何も知らず、思い出さない状態にされていたのである。
シーズン2最終回において、実際にこれは起きている。ノノミが主人公に秘密を打ち明け、生まれたばかりの『手乗りアロナちゃん』が全てを説明した*4ことにより、主人公の中に封じ込められていた『ブルーアーカイブ』に関する記憶も全て蘇り、ショックを受けた主人公は現実に帰還しそうになった。主人公は、ノノミが本当は自分に元の世界に戻ってほしくないのだから、ということで、戻った記憶を再消去させることでこの世界にとどまり、現在も以前と同じように「何も知らない」状態を維持している。
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5:本作品における、一般的な『ブルーアーカイブ世界』について
本作品における『ブルーアーカイブ世界』は、『現実世界』におけるスマホゲーム『ブルーアーカイブ』をプレイヤーが初めてプレイした瞬間に生成される、一種の異世界である。そしてそれらの世界はメインストーリーの時系列に沿って、ゲームのブルアカにストーリーが配信されるたびに、その展開をなぞるような形で未来へ向かって拡張されていく。理論上はプレイヤーの数だけ、あるいはもっと、無限に存在することになる。
これらの世界はあくまでも『現実世界』における
本作品において『ブルーアーカイブ世界』は、「先生」と「生徒」という概念が成立する限りで、どんな世界観の改変も許される*6。
この理屈の中ではみ出すものはあまりないが*7、例えば竿役が「先生」だったり、竿役が「先生」から寝取ったように見えたりすると描きにくいから*8として、一冊限りだから「先生」という概念を無視してしまう薄い本などは『ブルーアーカイブ世界』を生成せず、無関係である。そのレベルの話である。
この事実が、本作品の舞台である、プレイヤーとして主人公が生成したブルーアーカイブ世界の改変を可能にしている。主人公は『シャーレの先生』であるし、周りにいるのはみな「生徒」だから、そこさえ変わらない範囲であれば、プレイヤーレベルの視点からならばストーリーや設定の変更は容易だからである。
『手乗りアロナちゃん』によれば、そのように改変された物語はどんな物であっても等価値であり、主人公がそれをどう捉えるか、どう感じるかが問題だという。どんなに素晴らしい物語であっても主人公が嫌だと感じれば、彼にとってはそれは嫌な物語なのだし、その事が主人公が「この世界を心底嫌になってしまう」という、強制的に『現実世界』に戻されてしまう条件に関係するからである。
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6:本作品の舞台となっている、特殊な形の「エロゲー的」な『ブルーアーカイブ世界』について
既に説明した一般的なものが『ブルーアーカイブ世界』の基本の形なのだが、実際に本作品の舞台となる、プレイヤーである主人公によって生み出された『ブルーアーカイブ世界』は、主人公が『現実世界』から来て『シャーレの先生』となった瞬間に大きく構造を変えてしまった(シーズン2終了時の段階では、変わってしまった理由、あるいは、誰かが変えたのだとしたらその目的などは不明)。
第一に、この『ブルーアーカイブ世界』においては、本来サービス終了まで続くはずのメインストーリーは『最終編』をもって強制的に終了し、そこを終端として切り取られてしまった。その後に配信予定だったストーリーを排除し、始点である「「先生」がキヴォトスの外からやってきた」スタート地点から、「『最終編』でプレナパテスとの決戦が終わった」エンディング地点までで完結した、独立した一つの物語になってしまったのである。印象としては良くないが、「強引に打ち切りという形にしたが、一応完結した物語」といった捉え方も出来る。
これによって、この独立した『ブルーアーカイブ』の世界を、ブルアカ原作ではなく二次創作的な世界だと考えれば、「このお話は『最終編』終了までのストーリー、設定を参考に作られています」という但し書きをつけるのと同じような効果が得られる*9。その結果、このブルーアーカイブ世界においては通常のブルーアーカイブ世界では不可能な改変がしやすくなっている。
6-1-1:世界(物語)を改変しても、辻褄を合わせやすくなる
本来であれば、何かのイベントを起こしたり起きなくしたりすれば、現時点ではこじつけて辻褄が合うとしても、今後配信されるメインストーリーの展開や設定と完全に矛盾してしまうかもしれない*10。これは、ゲームそのものより『ストーリー』からの影響が大きい『ブルーアーカイブ世界』においては、現実に存在する世界の中で整合性が取れなくなるという致命的な問題になり、世界そのものの破綻に繋がる。ゆえに、そのような改変は不可能となっている。
この点で本作品の舞台であるブルーアーカイブ世界に関しては、メインストーリーが既に強制終了しているのだから、既に明らかになっているストーリーや設定と矛盾がなければ良いし、配信される予定だったストーリーの中で明かされたことも無視できることになる。終了時にまだ明かされていなかった設定なども、「ここに関してはご想像にお任せします」という状態なのだと解釈すれば、次に説明する『拡大解釈』*11が可能となる。
6-1-2:『拡大解釈』
『最終編』終了時にまだ全て明かされていない謎に関しては、全て『拡大解釈』による改変が可能となる。『ブルーアーカイブ』にはその存在が何なのか、どんな能力があるかがまだ完全に明かされていないものが多くある。「『連邦生徒会長』の正体」、「『先生』の正体」、「『ゲマトリア』の正体」、「『アロナ』と『シッテムの箱』の正体は何なのか? その力は?」など。
これらを1で説明したような理屈で、終点である『最終編』までに既に明かされた公式の情報
例として、『アロナ』・『シッテムの箱』の場合を挙げる。
公式での情報として、
・アロナはオーパーツ『シッテムの箱』のメインOSであるが、AIにしては人間的に見える。
・アロナはサンクトゥムタワーにハッキングをかけ、成功したことがある。
・アロナはくしゃみでデカグラマトンのハッキングを跳ね返したことがある。
・アロナは物理シールドを展開することが出来るような描写があり、先生を銃弾から守ったことがある。
・アロナは連邦生徒会長とよく似た容姿である。
・プレナパテスが持つシッテムの箱の中にいた『プラナ』こそ本来の『アロナ』の姿であり、『先生』の持つ『アロナ』はそれとはかなり異なる(人間的ということ?)と言及されている。
・プラナがアロナを見ながら、「ここにいたんですね、生徒会長」と呼びかけるシーンがある。
これらの情報から、
・『アロナ』は『連邦生徒会長』の何かしらの要素を含む、ただのメインOSの『アロナちゃん』ではない「何か」である。
・『アロナ』が超常的な能力を持つのは明らかであり、それどころか既に作中で発揮した以上の無限の力を持つ。
という確定された、この世界だけに通用する「設定」が生み出され、完結しているこのブルーアーカイブ世界においては、「事実」として現実に存在することになる。そしてその結果、『「アロナ」と呼ばれている「何か」』が『無限の力を持つ「シッテムの箱」』と融合し、実体を失い、今は世界にあまねく遍在する存在となった、『シッテムの箱の中の少女』が生まれた。さらに『ブルーアーカイブ世界』そのものと一体化することにより、世界そのものを変化させ、因果を操る事が可能となった。
『シッテム箱の中の少女』が実現した事象の例は以下のようなものである。
・「概念上の『連邦生徒会長』」を生み出し、居るように見せかけることによって、「『連邦生徒会長』がいればスムーズに進んだ話」を処理する。また、シャーレに回す仕事を代わりに処理し、負担を減らすと同時にシャーレの知名度を下げる。
・世界の因果を操り、主人公の望む結果を生み出すために、未来の状況から逆算して布石を打つ。また、現在の状況を操作するために時間を遡り、既に「あったこと」として布石を打つ。
・「
・エデン条約調印式は「概念上の『連邦生徒会長』」によって
いずれも、ノノミが主人公に頼まれて直接望みを叶えるような局地的な超常現象ではなく、主人公の望む世界観を「世界そのものが」守っている例である。
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6-2:『ご都合主義』の実態と実行プロセス
第二に、主人公がまさにこの世界の『主人公』となり、この世界における『シャーレの先生』となったことにより、この世界はノノミをはじめとするブルアカのヒロインたちとエッチできる世界観に変わり、『ご都合主義』的な展開が頻発するようになった。要するに、ゲームの『ブルーアーカイブ』が、『R-18版ブルーアーカイブ』へと変わったようなものである。
ここまでは主人公も「俺がこの世界の『主人公』で、俺のための『ご都合主義』があるような気がする」と何となく感じ取っていたことであるが、実際には裏でかなり複雑で特殊な事が起きている。主に関わっているのは、『前の先生』、『シッテムの箱の中の少女』、『
主人公のための『ご都合主義』的な展開が実現するまでのプロセスは3パターンある。
・パターン1:主人公の望みを直接ノノミが叶える
何かしら主人公が望んだり、困っている時に、ノノミが「じゃじゃ〜ん☆」と、不思議な(身も蓋もないとも言う)道具を出して解決してしまう。
例1)「危険だから、戦闘したくないよ!」→「『何でもスキップチケット』で、丸ごと無かったことにしてしまいましょう!」
例2)「銃弾が当たったら、ヘイローがないから死んじゃうよ!」→「『即席☆ヘイロー』で、先生にも三十分だけヘイローがあるから平気です! 絶対に破壊もされないから、安心ですよ☆」
この二つの場合、「ノノミが主人公の望みを直接聞く」→「『シッテムの箱の中の少女』が世界の因果を操作し、実現できるアイテムを作り上げる」→「具現化した道具を実際にノノミが使う」という形になっている。
前者の場合、具体的には「ゲームにおける戦闘パートをスキップする」*13という事象を、「戦闘開始した時点の世界」と「戦闘終了した時点の世界」を直接繋ぐことにより実現している。後者の場合、(仮にしたとすれば)先生が被弾した時に、「無事だった世界」を作り上げ、時空を歪めてそこと直接繋ぐことによって実現している。
このように、『何でもスキップしてしまうチケット』、『絶対に破壊されないヘイロー』といった道具は、どちらも実際には、ギャグ世界の展開というよりは、ゲマトリアが『ヘイローを破壊する爆弾』というテキストや概念から生み出した、非常識な兵器に近い存在である。
名前が極度にバカバカしいものばかりなのは、この世界における非常識な現象のほとんどが、主人公が「お願いしたら
・パターン2:エッチな事がしたいという主人公の潜在的願望を『前の先生』が汲みとって「都合のいい状況」をデザインし、『シッテムの箱の中の少女』が実現する
主に、ノノミが直接関与しない場合に行われる。偶然に偶然を重ね、主人公と女の子がエッチなことをしやすい状況を作り上げる場合が多い。パターン1と同じく、冷静に考えれば因果を操作するような、かなりとんでもない事が起きているのだが、基本的には「女の子と二人っきりになった」、「主人公がその気になるようなシチュエーションになった」など、軽い話が多い。「転んだらアヤネのパンツが見えてしまって、起こそうとしたら胸を触って揉みしだいてしまった」といったラッキースケベを延長したようなレベルの話である。
このパターンにおいては、「キヴォトスの支配者になりたい」、「絶大な戦闘力や兵器を持ちたい」といった願いも、キヴォトスで実現可能かつ主人公が強く望むなら、理論上は不可能ではない。また、そういった極端に利己的な野望でなくても、キヴォトス全土を揺るがすような規模のことを望むなら、実現可能かどうかにもよるが、やはり不可能ではない。
そういった願望を主人公が持たないのは、それらに興味もないし、望むこともあり得ないような極端に庶民的な性格だからである*15。彼の望みといえば、「柴関ラーメンで
ただし、どんなにささやかな願いであっても実現可能かどうかの問題はつきまとうため、どんなに望んでも不可能なものは不可能である。特に、本人が「そうなってもおかしくない」とイメージしにくいものは実現しにくい。『現実世界』で販売停止になった「女の子にマッサージするだけのゲーム」はキヴォトスでも売っていなかったし、肝心な部分に白い光で修正が入っているゲームも、やはりキヴォトスでも白い光の修正がなくなったりはしていなかった。
また、「他人の気持ちを勝手に変える」など、本人の倫理観によれば許されないようなものも実現出来ない。なので、どんなに触りたいと思っても、ノノミが嫌がったら(実際は無条件に触らせてくれたが)胸は触らせてもらえないし、ユウカの太ももも(土下座して頼み込んだら触らせてくれたが)本人の許可なく触ったり出来ないのである。どんなにノノミと一生一緒に居たいと願っても、本人が同意してくれないなど、決定的な理由があれば実現出来ないのである。「人の生死を軽く扱う」など、やはり彼が許してはいけないと信じていることについても同様であり、それらが『エデン条約編』では『ティーパーティー』の問題や、巡航ミサイルによるテロに『ご都合主義』が通用しにくい主な原因である。
・パターン3:主人公が潜在的に望んでいる「バカバカしいエロゲーのような、ラッキースケベやご都合主義が多発する世界観」を『前の先生』が汲みとり、デザインし、『シッテムの箱の中の少女』が実現する
パターン2と基本的には同じなのだが、こちらはもっと、このブルーアーカイブ世界の根幹に関わる話である。
パターン1と2のほとんどが、「こんな事が起きたらいいのに」、「女の子とエッチしたい」といった積極的な願望なのに対し、こちらは「生徒が危ない目にあったり、死にそうな目にあったりして欲しくない」、「生徒が本格的に悲しむような事件は起きて欲しくない」といった、「起きてほしくない」という消極的な願望をもととしている。
もともと主人公はブルアカのキャラのエロ画像を集めるのが好きなタイプのプレイヤーであり、覆面水着団や便利屋の爆発オチ、戦車で登場するヒフミといった、ブルアカ特有の「笑える」ノリを好むプレイヤーであったため、『エデン条約編』における『ティーパーティー』の深刻な内輪揉めや、『アリウススクワッド』関連の重いストーリー、『最終編』における『ブレナパテス』や『シロコ*テラー』関連の設定などを苦手としていた。そして、既に述べたように、パターン2のような対処法もこれらについては通用しにくい。
そのため、それを回避するための『ご都合主義』が、何かが「起きない」ための予防策として、いくつも直接キヴォトスに仕掛けられている。それが前述の『シッテムの箱の中の少女』が起こした事象の数々であり、シーズン2終了時には主に『エデン条約編』におけるテロ対策を中心に行われている。代表的なものが、これも前述の「概念上の『連邦生徒会長』」であるが、これに関してはシーズン3にて詳細が明らかになるため、説明はここまでにとどめる。
主人公が望む、危険な事が起きない平和な世界観は、このように本人の知らないところで状況が整えられ、かつ当然のものとして受け入れていることによって支えられている。
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7:『シッテムの箱の中の少女』と、主人公の世界観が世界に与える影響について
ゲーム『ブルーアーカイブ』における『シャーレの先生』の、テンプレのような設定をそのまま持っているように見える『前の先生』は、当然この世界にいる間、『シッテムの箱』を保有していた。本作品における「ゲームの中の世界」での『シッテムの箱』とは、プレイヤーがゲーム上の操作として行う、『スケジュール』や『カフェ』、生徒の育成や、戦闘指揮などの機能を、『シャーレの先生』がその世界で実現するためのものである(超常的な事象を起こすための具現化されたアイテム、という意味では、ノノミが出す道具は『シッテムの箱』に近い)。そのため、戦闘パートが存在する『メインストーリー』に沿って時間を進める上では、不可欠なものであった。
しかし、『シッテムの箱』と『シッテムの箱の中の少女』は融合し、実体を失って世界にあまねく
これによって主人公は、戦闘パートを乗り切る力はなくなったが、「戦闘なんて怖いから、ノノミに頼ってサボってもいいじゃない」「戦闘があったって、ヘイローがあるから誰も死なないし」という平和な世界観へ誘導され、シリアスな重い展開から遠ざけられることとなった。
また、戦闘を伴うためにある程度固定されていた『メインストーリー』の展開から、『シッテムの箱』を持たされない事によって解放され、「ゲームでは審査で怒られるからダメだけど、女の子とエッチできる18禁ブルアカでもいいじゃない。だってエッチしたいんだもの」といった思考をしやすくなり、それを前提とした潜在的願望を持ちやすくなるよう誘導されていた。このように、主人公が平和でバカバカしいエロゲーのような世界観を持ちやすくする事で、それが反映された『ブルーアーカイブ世界』もシリアスな展開が起きにくくなっている。
ただしこれは、あくまでも「主人公の望む
故に、何かの理由で主人公の潜在的意識が強烈に揺さぶられ、エロのことなど考える余裕がなくなってしまえば、主人公は自分が本来望むエッチな世界観を維持するのが困難になり、本人の意思とは無関係に世界観が変わってしまい、それを反映するブルーアーカイブ世界はたやすく変化してしまう。
シーズン2最終回において主人公は、忘れていた『メインストーリー』の内容と共に、『ブルーアーカイブ』が本来『エデン条約編』以降のようなシリアスな(ものも含む)世界観を持つゲームであるという記憶を一気に思い出してしまった。ゲームのストーリーとしてじっくり読む、もしくは、何となくネットでネタバレを見てしまう、といった場合と異なり、知識が一瞬で流れ込んだために受け入れる事が出来ず(これは、現実のものとしてキヴォトスで生活していたこともある)、自分の好きな「バカバカしくも平和な、エロゲーみたいな」世界観を保つ事が出来なくなりかけた*18。
主人公の表現を借りれば、「ジャンルが強制的に書き換えられ、「悲劇と裏切りの物語」へ、あるいは「破滅と絶望の物語」へと変わり、それはすなわち
このような世界観の急激な変化は、主人公が『現実世界』に戻ってしまう条件である「この世界が心底嫌になる」ことに結びつきやすい。シーズン2最終回においてそうだったように、主人公とノノミにとっては、世界観と共に起きる世界の変化よりも、そちらの「『現実世界』に戻されてしまうかどうか」の方が大きな問題なのである。
「主人公が大きな衝撃を受けた瞬間」については、人によっては『エデン条約編』の例よりも、事前のネタバレなしでいきなり4thPVを見てしまったようなもの、と言った方がピンとくるかも知れない。別世界線上の話とはいえ、ああいう展開や結末になってもおかしくないのが『メインストーリー』であり、『ブルーアーカイブ』なのだといきなり知ってしまったようなものである。特に主人公の場合、「『最終編』ってことは、『エデン条約編』の時のことを考えれば、ブルアカの運営はこのままサービス終了と同時にバッドエンドでメインストーリー完結、なんてやりかねない」というのを『最終編』配信当時に実際に体験しており、ゲームが嫌になる程ではないにしろ、軽いトラウマになっている。