青い海、白い砂浜、澄み渡る空。
南国の島と表現するしかないその場所で藤丸立香は1人、照り付ける太陽を全身に浴びていた。
「う~ん、透き通る海だけ見てもテンション上がっちゃうよね。水着があれば良かったよ。確か、ダ。ヴィンチちゃんが開発中じゃなかったっけ。それが完成してればなぁ」
こんな綺麗な場所で泳げればそれはさぞかし気持ちが良いだろう。等と藤丸は感慨深い表情を浮かべる。
天気は正しく海日和。こんな日に目の前に綺麗な海があるのに泳がないなんてむしろ海に失礼である。
しかし、残念ながら藤丸が身に着けているのはいつもの魔術礼装である。
水につけて壊れるような代物ではないが、これの所有権はカルデアにある。藤丸の私物ではない。勝手に汚す訳にはいかなかった。
「でも、見てるだけでいいや。こんなに晴れ渡る気持ちになるんだもの。あぁ、ずっとこの時間が続けば良いのに」
そう口にして藤丸は視線を上にあげる。
照り付ける太陽が藤丸の目を焼くが、大して気になりはしなかった。
街の中では人間を焼く光線と化す夏の太陽だが、海になればその光線はちょっと眩しいだけの光りのシャワーに変わる。
夏の魔力に感動を覚えつつも藤丸は溜息をつく。
そろそろ、現実を見る時間だった。
「gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!」
「えぇい!! この海魔、どんどんどんどん増えていきやがりまして。私と
視線を横にやればそこにいたのは海魔を蹴り殺す狐の姿。
体液を吹き出しながらくるくると回って飛んで行ったり、爆散したりする海魔を遠目に見つめ、どうしてこうなったんだろうと思い耽った。
そう、始まりはいつもの騒動だった。
「はぁー!? はぁー!!? 何ですか何なんですかこの脳内妄想蛇娘はー!!」
マイルームで声を大にして叫ぶのはキャスターのサーヴァントである玉藻の前だ。
彼女は手に持っているスマホらしきものを見てから体を震わせていた――ちなみに、スマホらしきものと表現を曖昧にしたのは彼女が持っているものがスマホだと断言できないからである。
本人曰く、それは英霊の座にいても他の英霊たちとメールのやり取りができる代物らしい。
英霊の座ってそんなことできるんだっけ、と久々に『わからない』状態になった藤丸だったがもう深く考えないことにした。
賢明な判断である。
相手は恐らくであろうが清姫とのメールをやり取りで嫉妬の炎を燃え上がらせていた。
1分間隔で来るメールに四面楚歌な表情をする玉藻の前。その反応は正しく親しい友人とのメールをする少女だ。
だからこそ、部屋で騒がしくする玉藻の前を藤丸は暖かな目で見ていた。
しかし、暫くして玉藻の前は表情を変える。
怒りを体で現しながらもメールのやり取りを楽しんでいた時とは違い、突然無表情となってスマホの画面と藤丸の顔を何度も見比べたのである。
そこからはもう嵐の如くとしか言いようがなかった。
藤丸を担ぎ上げ、中央管制室へと強制連行。そして、止めようとしたカルデア職員もサーヴァントも全員を蹴散らしてレイシフトを行ったのだ。
「ふぅ、ようやく片付けることができましたわ。さぁ、ご主人様♡ 本格的にハネムーンを楽しみましょう?」
「まずはカルデアと連絡を取りたいんだけど」
「ご安心を、一日、いえ、二日程度で戻ります。カルデアに連絡を取るまでもありませんとも!」
カルデアとの連絡何て許さない。
とびっきりの笑顔の裏にそんな圧を感じ、藤丸は口を閉ざす。
「分かった。それじゃあ、まずは休む場所を探そう」
「それならもう見つけてありますとも! ここにはちょくちょくレイシフトしていますからねぇ。山の頂上に小屋があるんです。島を一望できる見晴らしの良い場所ですよ!!」
ほんの少しのやり取りにツッコミ処が満載だが、藤丸は敢えて口を閉ざす。
後でドクターロマニやダ・ヴィンチちゃんに相談しておこうと思いながら、玉藻の背中を追い始めた。
道中、魔物を蹴散らし山道を進んでいると玉藻の言う通り、見晴らしの良い場所に建てられたログハウスが見えてくる。
大自然の中に一軒だけ存在するログハウスに違和感を覚えるが、最初に発見した玉藻は気にすることなく扉を開け、藤丸を中へ誘う。
「ささっ、ご主人様。どうぞ中へ♡ 何とこのログハウス、テラスからは海が一望でき、お風呂に冷蔵庫、食料もちゃ~んと用意してありますよ」
「ここって他に人が使ってたんじゃないの?」
「いえいえ、ご心配なく。殆どカル――んんっ親切な方が融資して下さったんですよ♡」
「今名前を出しかけた人に心当たりがあるんだけど」
「まぁまぁそんなこと気になさらずに、中へ中へ」
玉藻にじとっとした視線を向ける藤丸だったが、そんなこと気にしないとばかりに玉藻はぐいぐいと藤丸の背中を押す。
そして、完全に藤丸がログハウスの中へと入った瞬間、扉を鎖と鍵で出入りができないように固く閉める。加えて呪術でログハウスの周囲に結界を張るという徹底ぶり。
意地でも出さない。入らせない。という意志を感じられた。
「…………とりあえず聞くけどなにやってるの?」
「さぁ、ご主人様。これから2人っきりのハネムーンを楽しみましょう♡」
「楽しめないよ。監禁されたみたいで怖すぎるよ」
「では、最初に定番のあれをやっておきましょう。お風呂にする? ご飯にする? それとも――わ・た・く・し? はい、私ですね。私一択ですよね。いっただっきまーすっ!!」
「話を聞けよこの脳内ピンク狐っ娘!!」
肉食獣の如く目をギラギラさせた玉藻に飛び掛かられて、藤丸は後ろにあったソファに倒れる。
「ふふふふふっようやくですわ。ようやくこの時が来ましたわ!! ご主人様、逃がしはしませんよ?」
「玉藻、ストップ!! 逃げないから、とりあえずストップ!!」
思い出すのはメドゥーサに襲われた時のことだ。
媚薬も飲んでないはずなのにメドゥーサと同じ目つきをしている玉藻に恐怖を感じ、藤丸は玉藻の腕を取る。
「くっ拒まないでくださいましご主人様! 玉藻は今、出遅れているのですよ!!」
「いや、ほんと何でこうなったか分からないから待って。というか出遅れてるって何?」
「それは勿論――彼女達にです!!」
そう口にして玉藻が藤丸に突き付けたのは藤丸の部屋でも触っていたスマホだ。
「そ、それって!?」
その画面を覗き込んで藤丸は予想外のものを目にして吹き出した。
「――源頼光
巡回中に我が子、いえ旦那様に倉庫に呼びだされて種付けされてしまいました。もう5回も出しているのに全くおチンポは衰えていません♡
――アルトリア・ペンドラゴン(槍)
写真をマスターに送ると直ぐに部屋に来てずっぽりハメられてしまいました。挑発して来たからとお仕置きセックス中です♡♡
――ネロ・クラウディウス
奏者と余の2人っきりの黄金劇場♡ チンポからの魔力供給で無限展開♡
――エリザベート・バートリー
今日のボイスレッスン、子犬の考えたレッスンやったけど厳し過ぎて途中から記憶ない♡
――アルテラ
セックス、は……いい、ぶんめujwe39a-z\.:
――メドゥーサ
我慢できずに来てみたらマスターも起きてました(一部)。10回出してようやく収まったけどすぐに回復♡すっごぉ♡
――エウリュアレ
駄妹がマスターを襲っていたからお仕置きに来たわ。
――ステンノ
私も来たけど、その時にはもうマスターも起きて妹たちと仲良くしていたみたい。三姉妹なのに仲間外れはよくないわね♡
――マリー・アントワネット
森の中を歩いていた赤ずきん。ベッドの中のおばあさんと入れ替わった狼に襲われてしましました。ですが、満更でもないようです♡
――謎のヒロインX
パトロール中に寄っただけなのにもう3時間もマスター君の所にいる♡ 宇宙船の狭いコックピットで呼び出し無視して密着セックス最高♡
――静謐のハサン
特異点で皆さんと離れた夜、体が冷えてはいけないとマスターと密着して暖を取りました。マスターのが奥まで入って……はい、とても……体の中からぽかぽかしました♡
――マルタ
トレーニングルームでマスターと2人っきりの筋トレ。しかし、いつの間にかチントレに♡
――両儀式(剣)
人が通る廊下でひっそりセックス。首元にいっぱいキスマーク着けられちゃった☆
喘ぎ声漏れちゃったけど誰にも聞かれてないかしら♡
――アルトリア・ペンドラゴン・オルタ(槍)
報告書作りの真っ最中のマスターに悪戯♡ 30分ずっとチンポを虐めていたら仕返しに気を失うまでハメられてしまった♡♡♡
――ジャンヌ・ダルク
今日はミステリー・トレジャーの礼装に着替えてリツカとエッチ♡ 気に入ってみらえたみたいでいつも以上に激しかった♡
――ジャンヌ・ダルク・オルタ
聖女だけじゃ満足できなかったマスターともう1時間もしてるのに全然萎えない。すっごい雄チンポ♡♡
――アルトリア・ペンドラゴン・サンタ・オルタ
まだプレゼントを配っている最中だというのにトナカイに襲われてしまった。サンタ1人ではプレゼントは配れない。ここは相手をするしかないな♡
――清姫
念願の旦那様との初夜。ものすっごく強く突き上げられてしまいました♡
他にも関係を持っている方はいるようですが、回数は関係ありません。だって、想いの大きさが重要なんですもの。絶対に他の方々には負けませんわ♡ そういえばタマモさんはマスターと……あ、察し」
画面に映った文章を読み上げ、一枚一枚写真を突き付けてくる。
どれもこれも藤丸とサーヴァントの関係が綴られたものだ。
こんなものがあったことを知らなかった藤丸は目を見開く。
「皆、いつ撮ったのこんなの」
「ふふふふふふ――――分かっていると思いますが、これはほんの一部ですよ? マタ・ハリさんやブーティカさん、カーミラさん。他にも様々な方々と。お楽しみの様でしたねますたぁ?」
「うぐっ――」
関係を持っている人物の名前を挙げられ藤丸は息が詰まる。
確かに、現代人からすればお前何やってんだと眉を顰められても可笑しくはない行いである。
去勢されるのではないかと思い、恐る恐る玉藻の顔を見上げる。しかし、怒っているものの、玉藻は今直ぐ行動に移そうとするほど怒りは大きくないように見えた。
「大丈夫ですわマスター。怒ってはいますが、ご主人様が手を出してしまった理由ぐらい察しています。それに? ご主人様と契約しているのは私だけじゃありませんし? 他の方々も妻の座を狙っているのならばこうなるのは当然ですし? それに気づかなかった私にも落ち度はありましたし?」
――でも、と一呼吸おいて玉藻の顔が藤丸の顔に近づく。
「出遅れているのは不満ですので、スタートラインには立っておきたいのです。ご主人様、よろしいですよね?」
豊かな乳房を胸板に押し付け、蠱惑的な笑みで玉藻は藤丸に問いかける。
背筋が凍りつくような感覚、それでも抑えられない情欲が湧き出て。藤丸は玉藻の顔に手を添えた。
「分かった。でも、俺は手を出したら絶対に責任は取るから」
「ん゛ん゛っ――揺らぎない魂からの言葉っ。な、なんでそんなに輝いてるんですか。もうっ」
互いの服に手をかけ、唇を合わせる。
ソファの上で2人は半裸の状態で絡み合った。
ストックが切れてしまったので、いったんここで連続投稿はなくなります。できるだけ、早めに再開したいっ!
色々と出すキャラで悩んでるんですよね。描写も難しいし。
そういや、改めてキャラ誰を出すか考えてるとホントFGOの主人公ハーレムだなって思う。もっとも本編ではそれを楽しむ気はないだろうし、そんな暇も余裕もないんだろうけど。
もっとマスターLOVE勢増えろぉおお!!そんで癒してやれ!!