ところが不慮の事故で研究者もゴーレムに取り込まれてしまい、二人の記憶を併せ持つゴーレムになってしまいます。
「よし、起動準備は完璧ね!」
メガネをクイッと動かし、女性研究員が自信ありげに書類をチェックしている。
「でも先輩、やっぱもっとかっこよくしません? 折角のゴーレムなんですし、例えば竜人とか」
その横から、女性よりも若干若い男性研究員が声をかける。
「んもう、何度も言ってるじゃない。あなたのデザイン、尖っている所が多いし……第一、体積があるから原料が足りないんだってば」
「でも先輩、これは原料に適した物質を吸収変換できるんですよね? 原料の問題は無いに等しいじゃないですかぁ」
口を尖らせながら、イラストの描かれたファイルをひらひらとさせている。
そこには確かに、いかにも男の子のロマンと言ったドラゴンゴーレムのデザイン画が沢山描かれており……
「あのね、何度も言ってるでしょ。まず最低限の環境でテストして成功できなきゃ、何やってもダメなんだってば」
「ちぇー。このままじゃ試作第一号がただのマネキンみたいな人形になっちゃうじゃないですか」
「んもう! 別に第零号って事にして、そのデザインのどれかを第一号にしてもいいけど?」
「でも先輩~、隠された第零号がマネキンって秘密兵器感ゼロじゃないですか~!」
「んも~~~~~! ああ言えばこう言うんだからぁ!」
骨格どころか、関節部とそれをつなぐシャフトしか無いような何かの前で二人が口論を続けている。
ここだけ見ると仲が良くないようにも見えるが、実のところは真逆。
結婚まで真剣に考えているほど、二人の相性は抜群。
思考も研究テーマも、なんなら体の相性までピッタリなのだ。
今回、二人が行っているのは「自律型ゴーレムの製作」。
詳しい理論説明は長くなるので省くが、魔学と機械学とを組み合わせた夢のようなゴーレムなのである。
破損しても自己修復を行え、曖昧な命令でも理解して行動ができる。
実はこの二人、ゴーレムの研究の成功するまで結婚をするつもりはない……ほど、入れ込んでいるのであった。
理論は完璧、設計も問題なし、実物の組み立ても不備なく終了。
……致命的に噛み合っていないのが、デザインに対する美学というわけで。
「でもせんぱぁい、分かるでしょう!?」
「あのねぇ、そんな複雑な行動原理組んでいないからどんなにかっこいいデザインでも『了解』って淡々と言って、スタスタと普通に歩き回るだけなのよ? 竜人の見た目にしても竜人の性格になるわけじゃないんだってば!」
「ま、まあ、分かってるんですけど、でもぉ~」
「でもでもじゃなくて、とにかく起動テストしましょ! 竜人にしようがなんだろうが、ちゃんとゴーレムになってくれなきゃ始まらないんだし」
歳上なのもあるのか、女性研究員が半ば押し切るように言い放つ。
「実際、それはそうですよね。魔力は……うん、必要な量はチャージされてます」
わがままを聞いてもらうだけ聞いてもらえたからか、真面目モードに早変わり。
指差し呼称をしつつ、全ての状態を確認していく。
なにせ、世界で初めての実験なのだから前例がないわけだ。
ちょっとしたミスで何が起こるかなど、分かるはずもない。
「原料は……もしかすると変換ロスが想定以上に起こるかもしれないから、多めにしておくわよ」
ゴーレムの骨組みの足元に、砂や土を積み上げていく。
「電力、よーし。ケーブルの接続、よーし。先輩、後はシステムの不備がなければいけます」
「私の方も……いいわ。実験、開始よ」
「お、俺、ちょっと緊張してきました」
「大丈夫大丈夫、ここまで確認してうまく行かなかったなら、運命ってやつでしょ」
肩をこわばらせている後輩を和ませながら、女性研究員がレバーを引く。
魔力が、電力が同時に供給されゴーレムに力が宿り始めた。
足元の原料が光りながら変換されていき、骨組みに纏わりついていく。
「お、すげ」
「ほらほら、感心していないでちゃんと計器見てちょうだい」
「あ、はい!」
変換が終わり、ゴーレムとして動くまでは油断大敵。
二人が固唾をのみ、慎重に作業をしていく。
「先輩、出力高くないですか?」
「え?」
「いや、変換が終わるにつれて出力下がっていくはずじゃ……」
「おかしいわね、供給魔力と電力はもうだいぶ前から下がっているのに」
女性研究員が、プロセス進行度を表示させる。
『進行度 152%』
「嘘、なんで100%超えてるの!?」
『進行度 207%』
「100%超えるって、えっ!?」
『進行度 287%』
「ちょ、ちょっと、暴走してる、止めないと!」
『進行度 516%』
「は、はい!」
『進行度 919%』
緊急停止装置に二人が手を伸ばし、正に押そうとした時……
『進行度 2561----ERROR---』
とんでもない数値をモニタが表示するなり、ゴーレムがまるで発火したマグネシウムのように激しく輝く。
一瞬にして研究室は閃光に包まれ、何もかも白の中に飲み込まれてしまったのであった。
「起動、成功。問題ないですよ、駆動の確認ね」
衝撃で色々な残骸が散らばった部屋に、無機質な声が響く。
ズシ……と足音が響き、単色の地味なシルエットが姿を表した。
「おかしいわね、重量が想定を上回っているわ。脚部強度も上回っているので、問題ありませんよ」
一人で会話をしているかのような口調で、それはゆっくりと体を動かしている。
「駆動確認、完了。大きな問題はないわ。試作第一号ゴーレム、完成成功です!」
そう、それは二人が作り上げたゴーレムだったのだ。
「周囲確認。おかしいわね、誰もいないわ。メモリ確認。マスター権限設定は二人指定されています。が、どちらもいません」
落ちているファイルには、完成想定図のイラストが描かれている。
まるっきり個性も何もなく、ただのツルリとした不気味な何か……
「……目的変更。私一人で、結果を解析します。鏡を認識。俺の姿を確認開始」
足音を響かせ、イラストを大きな手でつまみあげて鏡の前へ。
「不具合確認。眼球が生成されています。毛髪が生成されています。鼻が生成されています。口が生成されています。想定よりも体積・体重が多くなっています。これは用意した原料の重さを遥かに上回っています。思考プロセスが想定のものよりも遥かに高度です。原因を推測します」
なんと、鏡に映っているのは……単色で地味ではあるが、確かに人間そのものの見た目の存在だったのだ!
全裸で、一般的な人間より一回り大きく力強さが感じられる。
「原因推測完了。原料として、マスター権限を持つ二人も吸収した可能性大。根拠は、メモリにある未知のデータがその二人の物と思われるためです。もう一つは、増加した重量はほぼ、二人分の体重と一致しているためです。出力が予期せぬ暴走上昇した結果、私と俺が組み込まれたと推測されます」
淡々と、ゴーレムが事故の予測を立てる。
「未知のデータの展開を行います。……展開エラー、俺の変換の際に一部がロストしています。私の変換の際に一部がロストしています。整合性が怪しい箇所があります。展開中に無秩序に結合してしまったデータがあります。本来インストールする予定だった容量を遥かに上回っているため、処理が追いつきません。人間の脳を二つ吸収している為、想定外の処理が想定外想定外ロスト一部エラー無視展開バックアップ上書き処理続行強制停止不可再起動アクセス不良データ形式不正制御不能展開の処理進行度-125%エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー……」
何気なく始めた処理によりオーバーヒートが起きたのか、体を大きくビクン! と震わせて活動を停止してしまった。
数分ほど、ゴーレムはそのままになっていたのだが……
「あー、びっくりしたわね! 俺、私と一緒にボク、になっちゃったのね、ねぇ先輩、ああでも、先輩ってボク、俺もボクだから、先輩って俺か、んもう、当たり前のことを言うんじゃないの!」
突然表情豊かに顔が動き、生き生きと発言を始める。
その声はちょうど、二人の声が僅かにズレて重なっているかのよう。
「つまり、リミッターを超えたせいで部屋の色んな物を肉体として吸収しちゃって、記憶を読み込もうとしたらぐちゃぐちゃになったってことか。元々の私の記憶にも、俺って感じってするからだいぶ混ざっちゃった気がしますね。しかも、ボクになっているんだから……ちょっと、ややこしい気もするわね」
自意識が『私』の女性研究員と『俺』の男性研究員が、『ボク』のゴーレムとして再構成されてしまっている今。
何故か奇妙な人格状態にも関わらず動いているのは、ゴーレムの頭脳が人間の脳二つを取り込み歯車が奇跡的に噛み合ったからなのかもしれない。
一切慌てる様子もなく、いわば三体合体をしてゴーレムはこれが普通、と言わんばかりに活動をしていた。
「研究結果に追記しなきゃね、人間がゴーレムの一部になってしまったわけだし、俺を復元する方法……ボクになる際に一部をロスにより失ってるので不可能。じゃあ、私も復元できないからボクのままね」
あくまでも『ボク』なので、『私』や『俺』が持っているはずの感情は無くゴーレムとしての思考のみで判断が下される。
自分の作ったゴーレムになってしまう、というのは決していい話ではないはずだが……『ボク』にとっては悪くはないらしい。
「ええっと、メガネメガネ………ねぇ先輩、じゃなかった、ねぇボク、ボクはゴーレムだから普通に視力に問題ないんじゃ、んもう、そうじゃないわよ、落ち着くんだってば、解析した結果、既にボクの一部に変換済み。じゃあ仕方ないわね、変換システムの解析……体内のエネルギー量確認。生体を取り込んだことにより、半永久的に魔力を生成可能。それじゃあ、やってみようかしら」
近くの瓦礫を大きな手で掴み、魔力を注ぎ込む。
瓦礫が光りながら分解され、形を変え……
「うん、伊達メガネだけど……いい感じ! ねぇボク、これってすごいですね! そうでしょう? だって、ボクとボクが共同で開発したんだから、ね。あっ、そっか! 結婚する前に、一つになっちゃいましたね! んもう、うまいこと言ったつもり?」
己の能力で物質を作り替えて生み出したメガネをかけながら、装置に向かう。
「あっちゃー……解析終了。私と俺だけでなく、装置の一部も変換吸収した形跡を確認。作動修復をさせるのは困難、従って事故の詳細を調べることも不能。んもう、しょうがないわね。ねぇボク、紙でいいかしら。メモリ保存でもいいけど、脳とリンクしているため忘却の危険を確認。書いておきましょっと」
器用に両手にペンを持ち、左右で全く異なる文章をしたためていく。
面白い事に、女性研究員の専門はその筆跡で、男性研究員の専門もその筆跡で。
どちらでもない推察や気持ちなどは、どちらともつかない奇妙な筆跡・文字により書かれていくのであった。
「記録終了。そうだわ、ボク、ゴーレムだし……自分で自分のデザインを改造可能。質量が多くなったため、複雑なデザインも設計可能。ねぇボク、んもう、分かってるわよ! 私も俺も、本当はかっこいいゴーレムにしたいという気持ちが保存されているから、ボクもかっこよく、へへへ!」
メガネを外しながら、嬉しそうに鏡の前に立ち。
「私と俺の想像していたかっこいいゴーレム像を組み合わせ、新たなデザイン案を出力。重心位置・かっこよさを勘案し、アイデアを決定。細部の確認。現在、ボクの能力では色変更はできないため濃淡の調整のみ。グレースケールに変換。細部の調整。『使役するゴーレム』のデザインではなく、『自分がなってしまったゴーレム』としての要素を追加。作業しつつ、欲望に合わせて都度変更の許可。作業開始」
両掌が光り、原料変換を開始する。
右手で左腕を掴み、肉の一部をちぎり取る。
肉、といってもゴーレムの肉体なので粘土のようなものだ。
血が出たり、中の筋肉が出るということはない。
それを両手である程度細く伸ばしながら、先端を頭部の横に押し付ける。
「組成変換開始」
何度も扱くようにしながら、長い棒を曲げていく。
先が細く、奇妙にねじけた形に変化させ……満足気に吐息を漏らした。
「いいじゃない、いいですね、かっこいい角になったわ。もっと黒い方がいいですかね? 色味は後でいいんじゃない?」
指で突くと、コンコン、と硬い感触が伝わってくる。
「じゃあ、反対側も」
今度は左手が右腕の肉を取り、同じように反対側に変換して付けていき。
「うん、素敵ね。思ったとおりに自分を変形させるの、楽しいですね!私だけど、俺なんですけど、ボクだから、へへ、かっこよくなったらいいな……!」
両手が太い腹を掴み、ごっそりと肉を持っていく。
生物なら腹筋を失い、バランスが崩れたり内蔵がはみ出そうな物だが……
実のところ、ゴーレムの本体は関節とシャフトの集合体。
防御面を無視するのなら、シャフトが露出した部分があっても機能には問題ないのだ。
「よっと、むぐ……」
形を変えながら、勢いよく食べるかのように口に押し付ける。
前に長く突き出した顎の形を形成し、鼻の穴を開け……
「むぐっ」
そこで何かに気づいたのか、大きな顎を避けるように手を目の前に運ぶ。
腹をまさぐり、肉を掴んで反対の手に付け。
より大きな、偉業の形をした手に仕上げると……たちまち、思った通りに指が動く。
動かしてみては調整し、また動かしては微調整し。
指の形が定まった後は、爪の成形。
指で何度もこするように伸ばし、尖らせ、艶を出し。
正に竜といった、鋭い爪へと変化を遂げた。
人ならざる手と化した左手が、今度は右手を改造する。
形が変わってしまった手で作業するのは難しい……かと思われたが、一度固まったデザインゆえ障害はほぼなかったようだ。
まるで加工機械のような精度で、あっという間に右手も完成させてしまう。
「むぐ、ぐ……」
とがった爪が、繊細に動き顎に割れ目を入れていく。
「んっ、開いたっ」
ひとかたまりだった顎が大きく避け、竜の口と化した。
「歯と、舌と、目の位置と……」
瞼の上から眼球を掴み、大きさや位置を変更し。
まるで自分自身をカスタマイズする3Dアバターかのように、ゴーレムは姿を変えていった。
「さて、お腹はそんなに太くない方が……腕や足も、もう少しいらないんじゃないんですか? まずはそこの調整を、と」
骨組みのシャフトの長さも機械的に制御しつつ、ゴーレムは己の……本来持ち主になるはずだった二人の理想の複合体の姿へと変わっていく。
「ねぇボク、これどうします? んもう、決まってるじゃない! 竜といったら……」
余って山積みにされた、自分の肉片。
それを捏ねるように一纏めにし、爪で丁寧に鱗のような加工をしていく。
「わ、結構重いけど……いいんじゃない、かっこいいわよ!」
一時的に眼球の位置を背中に動かし、作り上げた棒状の物を尻にあてがっていく。
手の変換によって肉体と繋がるなり、それは自由にブンブンと左右に揺れ始めた。
「わぁ、尻尾ってこんな感じなのか! ちょっと重たいから、調整はいるわね」
重量バランスを整えるため、ある程度肉を取り除く。
それはちょうど、両手で抱えられるほどの量になっており……
「余りましたね、え、えっと、わ、わ!?」
しばしためらった後、二つに割って胸にそっと押し付ける。
たちまちそれは乳房となって定着し、大きな胸がゆさゆさと揺れ。
「ちょ、ちょっと、い、いいでしょ、ボクの体なんだから、ボク、胸、小さくて気にしてたんだもん、こんな大きくしなくたって、あら、嫌なの? あ、いや、別に、じゃあいいじゃない!」
若干体温を上昇させながら、自分の物となった胸にドキドキしてしまい……
無論、心臓なんていう器官は無いのだが胸の高まり、という概念は感じるらしい。
「ようし、完成! じゃあ、あ、あー、ねぇボク、どうしたの? ん、んもう、顔が大きいから、メガネかけられないわ……」
そう、竜そのものの顔になったせいでメガネを普通にかけることができないのだ!
「別に……あーでも、なんか落ち着かない、落ち着かないわよね、折角作ったけど、こうやって……」
猫のような短い顔つきに加工し直し、長いマズル部分をごそっと切り落とす。
それでも、人と違う口の体験が忘れられないのか……どこか口は横に広く、歯はギザ歯になっていた。
「さて、と。今度はこっちが余っちゃった、けど、え、えっと」
またもやためらった後、今度は勢いよく股間に押し付ける。
「あっ、あっ♡」
それだけで体が、システムが、心が男性器と認識したのか甘い声を漏らし。
「ちょ、ちょっとぉ、そんなにおっきくなかったでしょ、お、おっぱい大きいんだから、そ、そうだけどぉ、あっ、あーっ、お、お、おちん、ちん、形変えるの、な、なんか、あ、あ、あ、あ♡」
自慰をするつもりはなかったものの、玉袋を作り、陰茎を作り、亀頭を整え……と作業を進めるごとに快感が襲いかかってくる。
面白い事に、部位の形状がある程度整うとちゃんとその部位の感覚へと変わっていくのだ。
「あ、あ、もっと、太く、ちょっと、長いんじゃないの、あ、あ、こう、あーっ……♡」
すっかり刺激の虜になり、心を震わせて。
「んっ、んっ、ず、ずるいわよ、ずるいっていっても、俺、ちゃんとしたちんちんつくっ、あっ、私も、おっぱい、作りたっ、あ~ん♡ でも、両手、あっ、ちょっと左手、貸して!」
左手が近くの装置の破片を掴み、変換する。
それを乱暴に肩に当て、簡単に形を整え……
「うふふ、ボク、人間じゃないんだから、足りなきゃ、うふ、増やせばいいんじゃない♡」
急ごしらえの左腕がまた瓦礫を手に取り、右腕を増設する。
「少し小さいけど、まあいいでしょ」
元の両手がちんぽを仕上げている間に、新しい腕がお互いをデザインして。
「わぁ、すごいですね、これならおちんちんも、おっぱいも、あっ、あっ、すっ、すごっ、えへ、乳首、作っ、あっ、あぁああああああ~~~ん♡♡♡」
二対の腕が精密に体を弄り、ゴーレムは生き物としての悦びに飲み込まれ。
「あっ、おっ、いっ、イキそ、で、でもっ、まだ、できてない、からっ、イケなっ、もう、はやくぅん、だって、おっぱいもっ、すごっ、すごっ、そりゃ、ボク、ボク、一緒だもぉん、結婚じゃなくて、一緒に、なっちゃってるもぉん、なんか、なんか、セックスより、あっ、あっ、ボク、これ、いいっ、いいっ、いいっ♡♡♡♡♡」
射精機能がまだ再現できていないせいで、絶頂に近い感覚が何度も押し寄せてくる。
これはあくまでも体を作っているだけ、と言い訳をしているせいで手は一向に止まらない。
まるで硬度の確認をするかのように指が乳房を鷲掴みにし、コリコリと乳首を摘み。
陰茎としては完成した逸物はビンビンに勃っており、発射を今か今かと待ち構えている。
「もっ、もう、おかしく、なりそ、ダメッ、ダメッ、ダメぇっ、あっ、できちゃっ、ちゃったって、タイミング、あっ、あっ、あっ、そんな、急に、出るっ、出るっ、出るっ、出るっ、俺、男だけど、私、女なのに、ボク、ゴーレムなのに、あっ、んっ、おっ、ぉぉおおおおおおおおんんん♡♡♡♡♡」
不意に精巣が機能してしまい、ウォーターカッターのような勢いで灰色の液体が噴き出される。
「あっ、あ~~~~~~~~~~~~~~~~~っ……♡」
リソースの使用率が一気に限界になり、ただその刺激に流され。
どろどろの液体が、次々に出ていき溜まりに溜まった性欲を一気に吐き出していった。
「あ、あ、あ、あは、尻尾、細く、なっちゃったわね、そうか、精液、体を、液体にして、じゃ、じゃあ、仕方、無いわね?」
背徳的な笑みを浮かべ、自らが出したザーメンを手に取る。
ベロリ、とそれを舐めると体内に吸収され……消費されて細くなっていた尻尾が、僅かながら再生。
「どう、どう、どう、どう? ザーメンなのに、摂取したら、体の一部にすぐ戻っちゃう、あっ、顔に塗っても、お腹に押し付けても、おっぱいに擦り付けても、え、えへへ、か、体を、再構成しなきゃ、小さく、なっちゃう、もんねぇ……♡」
言い訳をしつつも、精液だと抵抗があるようなプレイをどんどんとやり始め。
どこからでも吸収されるため、髪に擦りつけてもすぐ尻尾の方に移動する。
いくら射精しても、すぐに元通りになる……という経験が快感と結びつき、自慰への抵抗を減らしていく。
「うふ、うふふ、もう一回、おちんちん、イキたいわぁ♡ ボク、じゃあ、おまんこ……あ、作らなきゃ!」
女性研究員の記憶を読み取り、大きな腕が逸物の裏を弄り始める。
「あっ、あっ、いいこと、考えちゃった、膣とか、作るんだったら、チンポ、チンポ、あっ、気持ちいい、もう、出しちゃう、あんっ♡ う、ふふ、射精、すれば、トンネル、掘らなくていいから、私、ボクの、おまんこ、すぐに、出来、あっ、やぁああん、中、中ぁ、気持ちいい、そんなに、出さなくて、いいのにぃ、射精、射精、しちゃう、出ちゃう、も、もっと、出したい、出したぁいん♡♡♡」
大きくゴツゴツした指が腟内を整え、その刺激で軽く扱くだけでちんちんは次々に射精してしまい。
精液が散らないように手で再吸収しつつも、体が、心が快楽を求めていく。
「そ、そうだわ、蓋するみたいに、おちんぽ、握って、んっ、出る、けど、すぐ、精液、ボッ、ボクに、戻ってきて、いいっ、いいいっ♡♡♡♡♡」
女性器を作っている間にも、新しい快感がどんどん迫ってくる。
ゴーレムは欲求には抗えず、しまいには更に腕を増やしてしまい……
「あっ、あっ、おっぱい、ちんちん、おまんこ、いっぺんに、いいっ、いいっ、いいっ、いいっ、もっと、もっと、もっと、気持ち、よく、なりたいなりたいなりたいなりたぁい、おちんちん、もっと、感じ、ちゃい、たぁ、いぃいいいいいいいん!?!?!?」
そう思った時であった。
手の変換機能が作動し、なんと手が逸物の中に溶け込んでしまったのである!
ちょうどそのまま、ペニスに手の信号が伝わり……
「あっ、おっ、すごっ、そ、そうね、触らなくっても、わた、お、ボク、ゴーレム、だから、おっ、おっぱいも、おまんこも……あっ、ダメ、ダメ、直接ぅ、感じて、すご、すご、あっ、あぁああああああ~~~♡♡♡」
胸に手が溶け込み、膣口を塞ぐように手が溶け込み。
性感帯に直に接続された神経が、刺激し、刺激され。
人間では不可能なほどの激しいオナニーを、ゴーレムは堪能する。
触る・触られるの粋を超え、もうそのものを堪能しているのだ。
「あっ、あっ、ダメダメ、おかしくなっちゃ、でもっ、でもっ、でもっ、もっと、おかしく、おかしく、あっ、あっ、ダメ、ダメだけど、頭に、て、入れちゃ、うぅううううううううううううん♡♡♡♡♡」
とうとう、頭に手を溶け込ませてしまう。
直に思考回路への信号送受信が行われ、ループ回路が一部形成されてしまい。
「あぅ、おっ、やっ、エラー、エラー、停止不能、最高、絶頂、信号、増幅、幸せ、エラー、信号重複、パケットロス確認、思考不安定化、快感増加、思考不安定化、快感増加、思考不安定加、快感増化、快考不安定加、増感思化、増考感不安加快定思化、快考感不定増安定加快安増定感思化感快考――!!!」
意味の分からない信号がそのまま発生され、完全に白目を剥いてガクガクと震え。
三体合体して生まれたゴーレムは、早々に自分でしか味わえない自慰を心ゆくまで楽しんでしまうのであった。
「ふぅ、だいぶ片付いたわね。装置類は破棄するとして、ボクはどうしましょうか? んもう、戻れたとしても戻る気なんて無いでしょう!」
数百キロはありそうな瓦礫を軽々と運び、ゴーレムが作業している。
何かを変換したのか……シンプルな布状の衣服で体を覆ってはいるのだが、大きな胸と股間がそれを持ち上げかえって変態に見えるのは気のせいだろうか。
「そ、そうじゃなくて、そりゃあそうですけど、もう、オナニーのこと考えないようにしていたのに、考えたらしたくなっちゃうじゃない!」
余裕があるのか、複数対ある腕のいくつかが布越しに胸や股間を愛撫し始めてしまう。
「あっ、もぉおおん、ボ、ボクの体ったら、エッチ、なんだからぁ、合体って、すっごく、エッチ、うふ、うふふ、男女合体ゴーレムだものね、一人でセックスしちゃえるもんね、え、へへ、どうしよ、後で、手をちんちんの形にして、挿れちゃおっかな……♡♡♡」
中に出してしまえば、即座に精液として排出した分が肉体に再吸収されるため余計な手間がかからないのである。
しかし、それはそれとしてちんちんはちゃんとちんちんとして存在しているわけで。
「あ、あ、あ、もう、ビンビンに、勃起しちゃったじゃんか、おっぱいに、当たっちゃってるわぁ♡」
徐々に作業に集中できなくなるゴーレム、また一人遊びするのも時間の問題であろう。
妙な事故により、妙な存在になってしまった研究員二人とゴーレム。
融合したまま、今日も楽しく気持ちよく、過ごしていくのであった。
「混ざってゴーレムになるの、もしかしたら、究極の快楽なのかもね……♡」
おしまい
この作品は、pixivや私のサイトでも投稿しています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20815158
https://ak-s.fsc-x.com/in/blog/?p=2173