しばらくは、斥候ちゃんほど性癖の新規開拓に積極的な人は現れずに淫魔なりの平穏を過ごせていた。
常連さんたちは淫魔に理解があるのか、身請け話などが出てなくて助かる。
淫魔を身請けなどしようものなら、仕事に家事、淫魔の世話と結婚生活ではなく育児のような苦労を発生させてしてしまう。
私だけを見て‼といったタイプとは相性が悪い生態の種族であるから結婚や同棲は無理でしょう。
種族の違いによって発生するいざこざは修正が困難だから発生させないに越したことはない。
平穏をぶち破りにやって来たのは、斥候ちゃんの紹介で来たドワーフの錬金術師さんだった。
ドワーフのイメージは小柄で髭もじゃの鍛冶師。
これは実際、男性にいるらしい。
女性だと細工師になる人や、木工で小物を作ったりが主流になる。
だから、錬金術を選んだこの人は少し変わり者の部類になる。
錬金術は試行錯誤や最適化のための微調整など細かいアップグレードの多い分野なので、短命種向きとされている。
つまりは人間、器用貧乏な印象だが数の多さと気質の多様さで様々な分野の先端にいたりする種族です。
顔を合わせて思ったことは、女性のドワーフには髭がないタイプで助かった。
これに尽きる。
「今日はよろしゅうな」
そう声をかけられて驚いた。
太眉で合法ロリの方言娘なのだ、この錬金術師さんは。
淫魔の肩までない身長だが、ドワーフの成人として特別小さいわけではない。
淫魔くらい片手で持ち上げられるパワーも備えているから、この世界は本当に見かけで実力が分からない。
戦士どうしなら、お互いの力量がわかったりするものなんだろうか?
◇ ◇ ◇
淫魔が思いつく様々な淫具を使ったプレイがしたい。
具体的な構造が分かってなくてもエロい物ならば、なんかこんな風でくらいでもちゃんと機能するのが淫魔の使う種族魔法。
これを分析して違う分野に活用しようとする人がいるとは、思わなかった。
こんなプレイを選んだ理由が、新しく錬金術で作る品を思いつくヒントにしたいといったもの。
仕事に情熱を傾けるのはいいけれど、体を張りすぎでは?
気を楽に自然体で好きな事に向き合う。
それで高いパフォーマンスを発揮できると思ってるんだけど。
最初はやはり定番の小さなピンクのブルブル君だろう。
有線と無線、思考操作の三つを同時に使っていこうと思う。
肌に張り付けるのに使ったテープのようなものにも興味があるようだけど、時間は限られているんだから早速始めよう。
錬金術師さんを後ろから抱きかかえる形で椅子に座り、有線型のリモコン部分を見せながら弱程度の振動になるようにつまみを動かす。
まだ、発情していないのでくすぐったいくらいだろう。
淫魔を背もたれにしている以上、カップ麺より早く出来上がると思うけど。
右と左そして下、それぞれを気がそれている時を狙い振動の波を作る。
特につまみに指をかけると両手で弱々しくすがる様に腕を握るのが、グッド。
無線の方はフリーなのでちょっと振動を強くしてみたり、そもそも止められない思考操作の分を不意に振動させたりもする。
淫魔が魔法で出した原理不明の物体からも、発明のヒントを得ようと思考しているみたいだけど、色々やってとオーダーされてるので道具本来の役目は果たさせてもらう。
「もう、いけず」
頬を紅潮させて振り返る顔は楽し気だ。
真顔で考え纏めるまで待ってて、とか言われなくてよかった。
諸事情によって淫魔の服がびしょ濡れになったので、リモコンを両方錬金術師さんに持たせて、彼女は淫魔がお姫様抱っこで浴場へ運ぶ。
移動中も楽しみたいならセルフでどうぞ。
隣の部屋だから時間はかからないけど、自分で操作してみるのも使い勝手を確かめるのにいいでしょう。
エロいお風呂グッズは色んな物があるから楽しみにしていて欲しい。
◇ ◇ ◇
やっぱり定番は外せない。
エアーマットとローション、後で使う形状の特殊なお風呂用の椅子。
媚薬入りのローションを使う前に、肉体の保護のため淫紋を刻ませて貰う。
不思議そうに眺めた後、「これがあると公衆浴場いくんは、はずかしいなぁ」そんなことを言う。
いや四六時中、体に出てるものじゃないんですよ。
まだローション使っていないため保護だけ淫紋の効果を残し、媚薬等が効きすぎないようにする肉体の制御を切るとすぅと元の肌が見えるようになる。
ええっ‼っとなぜか驚いているが、まだ疑問があるのか質問が続く。
「肉体を操るツールとして、悪用されたりせんの?」
結論はまず不可能である。
エロい事だけなら全種族トップその評価は伊達ではない。
淫魔以外に淫紋に干渉できる可能性はないし、個人で魔力の波長が違うので、別の淫魔が操作しようとしても、鍵と錠が違うので操作できない。
錠側になる二人の魔力の混じった淫紋から逆算して、魔力の波長を再現するほどの精密操作できる淫魔はいないだろう。
勤勉とはかけ離れた生態をしているから、解析や自己鍛錬を続ける姿が想像さえできない。
悲しいけど、努力と勝利は縁がないのだ。
あと伝聞だけど他の淫魔、割とすぐ死んでいるし。
淫魔も気をつけてはいるけど、人の心は複雑怪奇なるようにしかならないでしょう。
ドラゴンの鱗で作った鎧が、生えている時のような丈夫さを発揮できないのも魔力の波長の問題になる。
味方になったとたん弱体化するお約束にやられてる訳ではないのだ。
武器、防具に関連する技術なのに実用化されていないからには、魔力の波長を模倣できる使い手はいないのだろう。
なんどか頷き、使えるなと呟いているけどプレイ中です。
難しい事ほっといて楽しみましょう。
◇ ◇ ◇
価値観が変わる、自分の見えていなかった部分を見せられてしまう。
そないなこと言われたら、気になるんがうちのええ所や思っとる。
そうじゃなきゃ錬金術師なんてやっとらんもん。
伝統や格式が大事なんはわかっとる。
そうやって繋いできた技術の下地があって新しいもんを作りだせるんも。
でも、うちが見たかったのは素晴らしい工芸品に満足する顔やのうて、日常生活が便利で豊かになったって喜ぶ顔やってん。
幸い物覚えも悪くないし、手先の器用さも自信があった。
確立したレシピなら、お客さんの注文に合わせて作るんも任せられるようになった。
でもな錬金術師として上、目指すんやったら、現状維持は論外。
新しいもの、今あるものをより良くできてこそ胸張って仕事出来とる、そう言えると思う。
多少の金でうちの事、変えてくれるんなら願ったりかなったりやね。
そんな余裕は一個目の淫具の時点で飛んで行ってしもたけど。
◇ ◇ ◇
漏らしたりしたんとは違うけど、服を濡らしてしもたんで部屋付きなのに広めの風呂へ連れてこられた。
ちょっと準備するから待っててと、うちをそっと置いたんはベッドより弾力のあるマットの上。
原理はわからんけど便利に使える。
淫魔の魔法は錬金術師からしたら、なんでそうなんねんと言いたくなるもの。
体の保護の為やからって刻まれた淫紋はなんだか、えっちや。
これが刻まれたままやと、流石に恥ずかしいって言ったら返って来たのは普段は消えとるって話。
じゃああの娘が刻まれとるのを少し見えるようにしてたんは、自分の魔力で淫紋活性化させてたってことか?
そう思って試してみたら、実際に浮かび上がって来とる。
自分から活性化させた時の効果は、若干の発情かな目の前に居る相手を意識するだけで、内側から湧き上がってくるものがある。
ホントに厄介な性癖持ちになっとるんやな。
関係ないうちを、プレイに巻き込むなや……
耳の後ろから、つま先まで塗り込められたローションは体の活動を活発にしてくる。
普段ならなんともない刺激で声も抑えられんくらいになってしもとる。
使われてる淫具なんて、もう形もあやふやにしか意識できん。
座っとる椅子だけは、風呂でいやらしい事するためにあるんやな、とわかるけど。
うちが言い出したことやけど、ホントに色々あるんやな、知識の偏りが酷すぎんか淫魔って。
体をさっぱりと洗い流して、一緒に湯船に浸かる。
人型の種族なら全対応って言うだけあって無理なくおさめられたけど、肌を舐めるように立ち上ってくる泡に身じろぎしてはうち自身が刺激を作ってしまう。
今日はどうでした?なんてもう事が終わったみたいな問いかけはどうなん。
真っ最中やから聞きたいんか?
「存分に、満足させてもろたわ」
だからもうちょっと加減せえ、淫魔からすると喋れているならちょうどいいと思っとるんか。
頭使うんも面倒になって来た。
全身から力を抜いて、もたれ掛かる。
収穫はあったけど、それを形にするのは明日以降。
今日はもう体を包む優しさと快楽に溺れとってもええやろ。
◇ ◇ ◇
後日、これまでの物より性能の高い寝袋と浄水設備が完成した。