ヒキガエルの沼 作:スロット767
「……やるなら早くして、この後も仕事なんだから」
いつも通り薄暗い部屋の、錆が浮き出始めているベッドの上に、共に下半身を露出させた男女。敵意を隠さない親指姫の態度を、男はせせら笑う。
「ずいぶん強気だな?昨日もここでアヘアへヒイヒイ鳴いてた癖に」
「…………早くして」
男の言葉で閉じておきたかった昨夜の記憶の扉が開き、彼女は態度にこそ出さないが、ゾワリと身震いする。連中のレイプじみた行為に翻弄されているときの自分は、どうにも自分自身だと認めたくなかった。
「仕方ない、ド淫乱陽司様が早く
「っ……覚えときなさい…………あぐぅ!?」
男の挑発的な態度にも、捨て台詞でしか返せない。それどころか肉棒で膣壁を削られ、こじ開けられると、あえなく雌として陥落してしまう。何度も繰り返された逃れられない敗北に、最早涙すら枯れ果てた。
「はっは、お前やっぱりオナホとしては最高だな、散々使ってガバガバになっててもおかしくねえのに、まだキツいんだからなぁ!」
「あんっ、そんにゃっ、こりょいわりぇたってえぇっ!?」
痛いくらいに乱暴なストロークに加え、捩じ切るように乳首を弄られる。泣き叫びたいほど痛い暴力のはずなのに、彼女が感じていたのは、悦楽。
「あんっ、あぅ、そ、そこやめりぇ……いぅ、いぐぅぅ……」
「ここまでしても気持ちいのかよ?全く真正のマゾだな、てめぇは」
防衛反応なのか、男達の言う通り潜在的なものだったのかは定かでないが、どんなに酷い責めや言葉、仕打ちを受けても、彼女の身体と脳はそれらを快感に変換し始めていた。
自身の心身に戸惑い不安定な彼女。しかし、男達はむしろそれを面白がり、痛みを伴う責めが増える。
「おら、とどめでナカにくれてやるよ、零すなよ!」
「あっ、い、いまは……あぎぃぃ……!」
子宮へと軽々届く男の巨根が、小さな膣内に微塵の隙間も残さない。そうして無理やりに交尾を成立させられ、肉棒をドクドクと精液が走る感触が親指姫にも分かるくらい、二人は一つになっていた。
程なくして鈴口の先端から濃厚な白濁の液体が放出され、人の目には知覚できないほどの小さな隙間を縫って精液は結合部から漏れ出てくる。その頃には、彼女はもう失神していた。
「ぅ…………ひゅぅ……」
「ああ、零すなって言っただろうがよ」
「うぅぅっ……!」
力なくぽかりと開いた口から、生気のない空気の音を響かせる親指姫の尻を男がパチンと叩くと、体を痙攣させて出された精液がさらに零れる。男達にとって彼女はもう、人間ではない。
「こりゃあ今夜は罰を与えないとな、お前マゾだから、生半可なやつじゃない、とっておきのを用意してやるよ。分かったな?」
「…………ぁ…………」
濁った瞳で死んだように横たわる彼女を放置して、男は部屋を出た。
「よし、じゃあ始めるか」
「…………」
暗い部屋の真ん中で、四人の男達が親指姫を取り囲むように円を作る。彼女は丁度正面に向かい合った男の顔を無言で睨みつけるが、全裸で仰向け、後ろ手に拘束された者のそれが、怖いはずはない。彼はせせら笑うのみで、まるで駄々っ子を相手しているかのよう。
「もうお前に睨まれても全く怖くねえけど、今日は特に怖くない……と言うか笑えるな!」
「……ちっ」
その発言でそれぞれ嘲笑や苦笑を浮かべる男達と、舌打ちの後に奥歯を噛み締める親指姫。この位の屈辱には慣れつつある自分が、何よりも悔しかった。
「お前、俺らが今から何やるか、分かるか?」
「……分かりたくないわよ、あんたらみたいなクズのやる事なんてね」
「ははっ、相変わらず威勢だけはいいな。まあどうせすぐ泣き叫ぶけど……」
そう言って男の一人は、持参したバッグをゴソゴソと漁り、白い棒を二本と、小さなマッチの小箱を取り出す。
「蝋燭……?」
「おう、よく分かってんじゃねぇか。なら、やる事も分かるよな?」
分かるよなと言われた親指姫の頭は、必死にその真意を探ろうとする。しかし、分からない。彼女の中で、どうしても男達の悪趣味な凌辱の数々と、蝋燭が結びつかない。
「何……する気なの…………?」
「は?今更になってカマトトの真似事してんのかよ、本当どうしようもねえな。いいか?」
男は心底呆れたような表情をして、ずいと彼女に顔を近づけて言う。
「これから蠟燭に火ぃつけて、垂れるロウでお前をデコレーションしてやるんだよ」
「…………は?」
火は熱い、だからロウは熱い、よって危険だから、触ってはいけない。男の言ったことは、今まで教えられてきた常識に真っ向から反するものだった。
「ば、ばかじゃないの…………?そんなの、そんなの火傷して……もし目に入ったら……」
「お前血式少女だろ?火傷ぐらいどうってことないだろ。目は…………瞑っとけ」
男達が一斉にせせら笑う。恐怖から身を捩ろうとしても、古びた麻縄はびくともしない。
「嫌、嫌嫌嫌嫌ぁ……!」
「そう嫌がるなよ。お前、マゾなんだからこれもすぐに病みつきになるだろ」
そう言って男は、シュッとマッチを擦る。冷たく暗い部屋に本来温もりや明るさを与えてくれるはずの赤い輝きが、今の親指姫には地獄の業火のように見えた。
「さあ、すぐ溶け始めるぞ」
「あ……やぁ……ぃゃ…………」
蝋燭の先端に灯りがともされ、ぼうっと燃え盛る。直ぐにロウは照りが見え始め、悪夢のカウントダウンが始まる。
ポトッ
初めの一滴が、高く掲げられた蝋燭の頭から真っ逆さまに落ちる。そして、目測を見誤ることなく、親指姫の薄い胸とへその間に、直撃した。
「あ”っづ、ああああぁぁぁぁっっ!!!」
ロウが付着してから、ほんの少しのタイムラグを経て。そのありえない程の熱に、親指姫は絶叫した。
「ははっ、一滴でこれかよ、ほら、二発目行くぞ」
ポトッ、ボタッ
「あ”ぁぁっ!?いたい”っ、いだい”ぃぃっ!!どめでぇぇっ!!!」
一度始まれば、その後は堤防を壊した大波のように、ボトリボトリと何の躊躇いもなく白濁したものを落とす。
彼女の柔肌に着陸したロウは、その悲鳴よりも早く急速に温度を下げ、ほんの数十秒前と同じように硬く白くなって、そこに住み着き、彼女を汚してゆく。
「あ”っづ!?ぎぃぃぃぃい!!?も、どめでっ!とめ”でよおお”ぉぉぉっ!!!」
「止めろって言われて止めたら、罰になんねぇだろ?ほらほら、でけぇのが落ちるぞ?」
ひときわ大きなロウの塊が、火元のそばで不気味に雫を作る。そしてそれは、自重ですぐに蝋燭を離れ、その下の少女へと落下する。男の予告も、パニック状態に陥り視界のピントが合わない親指姫にとっては無意味。何の心準備もできないさせない内に、小豆大の大きさのロウが、彼女を襲った。
「ガっっ!!!??あ……ぎゃあ”ぁぁぁっ!あづっ、んむっ、う”ー!!うー!」
壁を突き破らんばかりの勢いで、親指姫は叫んだ。今までに体験した他の何よりも爆発的な痛みと、全身がただれるかのように破滅的な熱。しかしそれによって受けた心の痛みを、口から全て放出することは叶わなかった。
別の男に口をタオルで塞がれ、壊れたモーターのようなうめき声が小さく響く。
「うるせぇんだよ、誰か来たらどうすんだ」
「う”ーっ!んん”!!」
当然口を塞がれても、ロウは絶え間なく落ちる。彼女の身体が白く染め上げられるのと同時に、蝋燭の身長と彼女の心が、みるみるうちにすり減っていく。
「おら、あと半分だぞ」
「はあ”っ!はんっ、あっづ…………びゅん……いぎゃあ”ぅ!!」
十分に、いや過剰なほどに苦しんだはずなのに、男の口をついた言葉とぼやけた視界から見える白い棒は、まだ余力を残しているその絶望。既に身体には冷えたロウが固まり張り付き、さらにその上から、熱い新しいロウが塗り重ねられる。一度刺された部分を更に貫かれるような、熱く刹那的な痛みに、親指姫は喉を枯らす程に叫んでいた。
「んんっ、げほっ、……あづい……いたいよ……」
両手で力いっぱい押し付けられていた口元の布が離され、荒い息とともに親指姫が弱々しく訴える。
「何だ?元気がなくなってきたな、蝋燭にも慣れちまったのか?」
「そりゃあ、今までどんな事やってきて、その度彼女がどうなってきたと思ってんの。これもそのうち、気持ちいいって言い始めるよ」
男達がどっと笑う。
慣れるはずがない。喉が枯れただけだと言い返す気力もないが、彼らはわざと自分の癪に障るようなことを言って、それに怒る様を楽しんでいるのだ。そんな腐った連中の思惑通りになるものかと、親指姫は必死に耐える。絶え間なく落ちてくるロウに、男達の下卑た行いに、耐える、耐える、耐え…………
「あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁっっ!!!も”う無理っ!止めてっ!どめでぇぇぇっ!!」
耐えきる前に、彼女の中で何かがぷっつりと切れた。いや、既に切れていたものを、何とか結んで切れていないように見せていたのかもしれない。
とにかく、彼女は発作のように、柱がミシミシと言わんばかりに泣き叫び始めた。
「ちっ、うるせえんだよ!」
「ぼごっ!?」
再び口に封をされ、手の空いた男はカチャカチャとベルトを緩める。何をしようとしているのか、親指姫にはすぐ分かってしまった。
「口、塞いどいてやるよ。夜なのに喧しいからな!」
「ぷぁ…………もごぉっ!」
着火される前の蠟燭よりも太く長い、屹立した男根が、何の躊躇いもなく彼女の小さな口にねじ込まれる。
直ぐに生臭い臭いと強烈な圧迫感が口内を支配し、胃の内容物が逆流しそうになる。
「おい、ロウが垂らしにくいだろ。それとも、お前にもかけていいのか?」
「バカ、絶対当てるなよ、一滴残らずこのクソ女にプレゼントしろ。うおっ……」
何度も口淫を強制され、歯が当たったりして上手くできなければ殴打。そんな理不尽極まりない仕打ちを日常的に受け、もはや彼女の意思とは関係なしに、舌は肉棒を舐ろうとする。
女として、人間として致命的な方向へ調教された身体で、涙を流しながら情熱的に奉仕する。当然ロウの雨はさっきよりも下半身を中心に降り注いでいるが、フェラチオに集中すればするほど、その熱さ痛みを和らげることが出来ると、彼女は気づいてしまった。
「じゅるっ、ちゅずっ、じゅぼぼぼ…………」
「はっ、あんだけ泣き叫んで、ロウ食らってても、フェラは普段通りに出来んだな。最高の性玩具だよ、お前は」
「人間としては……?」
「最低……というかもうコイツ、人間じゃねえよ。全裸で外歩いたこともあるしな」
「ぢゅるっぢゅ、べぼぉ……ちゅーっ……ぱ…………」
男達の罵詈雑言を気に留める様子もなく、一心不乱に目の前のペニスを貪る。普段は嫌だ嫌だと抵抗し、それでもなお強要され、堕ちる。しかし今宵は初めから積極的に、まるで好物を目の当たりにした幼児のように、今まで散々仕込まれた口技で男を射精に導いている。
「っお……今日は随分とやる気だな、熱さでおかしくなったか」
「んくっ、んきゅ……ずぞぉ…………」
灼熱のロウを垂らされるという未知の行為に対して、嫌なくらいに慣れているフェラを、必死に。少しでもそれから意識を逸らすと、今はへその辺りに広がっているロウの熱さで気を失ってしまうから。
生臭い臭いと口内の圧迫感に感じる心地よさ、誤魔化しきれない熱さと痛みに、唾液との区別がつかない涙が流れる。それは悔しいから?悲しいから?怒り?絶望?はたまた喜び?
今の親指姫には、それが分からない。彼女にとって今確かなものは、口から全身にぞわりと満ち満ちてゆく、性の快感のみ。
「ゆむっ、んんっ……」
「あーもう出るわ、淫売の陽司様が必死こいてフェラしてくるから、いつもより早く出るなぁ!」
「んごぉっ…………!!」
男は、一際大きいストロークを親指姫の喉元目掛けて打ち込む。その悍ましい剛直は、肺と胃の分かれ道の直前にまで達し、彼女から呼吸を奪う。そして誰の了解を得るでもなく一気に引き抜かれ、喉の粘膜と我慢汁でべとべとに汚れたペニスが、彼女の目の前に突きつけられる。
「ごぼっ、ごほっ……ぅあ……んっ……」
「いつもは飲ませてるけどな、今日はこうしてやるよっ……!」
そう言って男は自らの手で肉棒を数回扱き、ぐったりと後ろ向きに倒れこんだ親指姫の胴体を目掛けて、白と黄色に濁った種を撒いた。
「あぐっ……あ……んん……」
どくっどくっと数回の波をもって吐き出された精液は、その全てが余すことなく命中。親指姫は一瞬熱さを感じて仰け反るが、ロウによって慣らされた身体にはぬるま湯程度。
「おー、丁度蝋燭も無くなった」
「うわすげぇ、どれがロウでどれが精子なのか分かんねぇよ」
「いつもにも増して汚いね」
男達の感想が、耳を通り抜けて行く。胸から太ももに至るまで、ロウのチリチリとした痛みと精液のヌメヌメとした気持ち悪さが、惨めさを一層強調してくる。
ただ、蝋燭は無くなったと言っている。ならいい、と親指姫は思った。あの地獄の業火に焼かれるような苦しみに比べれば、粗雑にオナホのような扱いをされる方がまだましだ、そう思った刹那。
「じゃ、二本目行きますか」
「はぇ…………?」
まだ、自分の中に甘さがあった。奴らがどんな連中かをこの身に焼きごてのように刻み付けられておきながら、蝋燭が一本だけなどと言う自分に都合のいい考えをしていた自分が嫌になった。
「おー、まだ気失ってなかったか。それじゃ、第二ラウンドも万全だな!」
「は、わはぁ…………ぁ……」
白い蝋燭に、再び炎が灯った。