※この作品はR-18です。

比企谷八幡は城廻めぐりに癒される。   作:悪夢

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めぐり先輩と過ごす甘い夜の終わりに。

「はぁ...はぁ...」

 

白い双丘が呼吸と共に上下している。

 

「めぐり先輩...大丈夫ですか?」

 

腕の中で吐息を荒げている彼女に問いかけた。

 

「はぁ...はぁ...比企谷くんのえっち...」

 

ジトっとした視線を向けられてしまった。

 

...結局、あの後3回はシた。絶頂の余韻で甘えてくるめぐり先輩があまりにも愛らしくて...止まらなかった。

 

「そうかもしれませんね」

 

ぎゅっと抱きしめながら囁いた。

 

「ぁ...♡...もう...ずるい...♡」

 

頬を赤らめて微笑むめぐり先輩。

 

「あっ...♡」

 

彼女は不意に甘い声を漏らした。

 

「どうしました?」

 

「そ、その...っ...」

 

顔を赤くしながらモジモジと白い太ももをこすり合わせている。

 

「めぐり先輩?」

 

「そ、その...垂れてきちゃった...」

 

蚊の鳴くような声で囁いためぐり先輩。

 

「...」

 

無言で股の間に指を這わせた。

 

「んっ...あっ...♡」

 

繰り返し絶頂を迎えたばかりのソコはまだまだ敏感らしい。

 

「垂れてますね。でも...コレ、何の液体ですか?」

 

人差し指と親指の間で糸を引いている様を、ワザと目の前で見せた。

 

「そ、それは...」

 

かあっと頬を染めて視線を逸らすめぐり先輩。

 

「何かご存じなんですね?」

 

ツンと香る栗の花の香り。粘質の液体が残る人差し指で柔らかい唇をなぞった。

 

「ふぁ...っ...♡」

 

とろん...と、表情が蕩けてきた。濃厚な精液の香りでスイッチが入ったのだろうか?

 

「せーし...です...♡」

 

「良く出来ました」

 

笑顔を向けると、めぐり先輩は少しいたずらっぽく微笑んだ。

 

「えいっ...♡」

 

「んむっ!?」

 

可愛らしい掛け声と共に、めぐり先輩は唇に吸い付いてきた。

 

「ちゅ...えへへ...いじわるな比企谷くんに...おかえしっ♡」

 

「くっ...」

 

口に広がるめぐり先輩の甘い香りと...ほんのりと香る自らの股間から放出されたソレの臭い。

 

「あ...ご、ごめんね...?イヤ...だったよね?」

 

「...」

 

やられた...とは思ったが別にイヤではない。

 

というか、めぐり先輩の柔らかい唇と甘い香りでプラスマイナスで言うとプラスだ。

 

しかし...おろおろしている彼女が可愛らしくて黙って見つめていた。

 

「比企谷くん...?」

 

助けを求めるように上目遣いで俺を見つめていた。

 

「それじゃあ...めぐり先輩の口でして欲しいですね」

 

「おくち...?...あっ...」

 

言われている意味に気が付いて顔を更に赤くしていた。

 

...この反応だけで満足だ。

 

「冗談ですよ。全然イヤじゃなかったですから」

 

精液が付いてない方の手で頭を撫でた。

 

「うん...」

 

しかし、めぐり先輩の反応は微妙なモノだった。

 

「めぐり先輩?」

 

「っ...!」

 

めぐり先輩はスリスリと俺の下半身の方へと移動して、肉棒に顔を寄せた。

 

「め、めぐり先輩!?」

 

「わ、わたし...がんばるねっ」

 

何かを決意した女の顔だった。

 

...しかし、小顔のめぐり先輩が俺の股間に顔を寄せると...なんだか俺が凄い巨根の持ち主に見えるな。

 

「めぐり先輩...その、無理しなくても良いですよ...?」

 

「...比企谷くんは...その...おちんちん舐められると...嬉しい?」

 

不安げな瞳だった。

 

「...正直に言うと、めちゃくちゃ嬉しいです」

 

そう答えると、めぐり先輩はふわりと微笑んだ。

 

「それならよかった...♡」

 

それに―――と、先輩は続けた。

 

「...比企谷くんが喜んでくれるなら...わたし、何でもしてあげたいんだから...♡」

 

「めぐり先輩...」

 

ああ...本当に...

 

「じゃあ...始めるね?」

 

どうしてこんなに...愛しいのだろうか。

 

「はい...お願いします」

 

「うん...そ、その...初めてだから...痛かったら言ってね?」

 

少し不安げな姿が本当に可愛らしい。

 

「はい...っ」

 

めぐり先輩が俺の肉棒を目の前に口を開いているだけで...興奮でおかしくなりそうだ。

 

「んっ...♡」

 

真っ赤な舌をねっとりと亀頭に絡ませているめぐり先輩。

 

「っ...!」

 

潤んだ瞳と、赤い舌と、柔らかい刺激。

 

「んぅ...っ...」

 

亀頭にキスするように優しく触れている柔らかい唇。

 

その唇の奥から、柔らかい舌が亀頭の先端を刺激している。

 

「っ...」

 

コレ...本当に初めてなのか...?

 

付き合いで風俗店に行ったことがあるが、寂れた店ではこれより下手なフェラチオをされたことが有るぞ...

 

「んぅ...♡」

 

歯が当たらないように肉棒を飲み込んでいくめぐり先輩。

 

「んんっ...んぅ...っ...!」

 

くぽくぽと湿った音を立てながら頭を振っている。

 

優しい刺激ながら、時折舌が亀頭に絡みついているので...ものすごく気持ち良い。

 

「め、めぐり先輩...っ...!」

 

思わず声を上げてしまった。

 

「んぅ?...んっ...ぷは...はぁ...はぁ...ひ、比企谷くん...?どうしたの...?痛かった...?」

 

不安げに顔を歪ませるめぐり先輩。

 

スリスリと這いあがってきて俺の顔を覗き込んできた。

 

「い、いえ...むしろその逆です」

 

「逆?」

 

小首をかしげているめぐり先輩。

 

「気持ちよすぎるくらいです。とても初めてとは思いませんでした」

 

「あっ...そ、そうなんだ...」

 

「?」

 

妙なリアクションだった。

 

まさか...俺に気を使って初めてだと言ってくれたのだろうか...?

 

「...」

 

...有り得る。先ほどのセックスで先輩が処女であったことは確認したのだが...クチの経験が無いとは限らない。

 

あまり考えたくないことだが、歌舞伎町で借金を作った経験があるめぐり先輩の事だ。日銭を稼ぐ為に行きずりの男のソレをこの可愛らしい口で咥えて―――

 

「っ...!」

 

「ひゃっ!?ひ、比企谷くん!?」

 

堪らずにめぐり先輩を抱きしめていた。

 

「ごめんなさい...辛いことを思い出させてしまいました...」

 

きっと...思い出したくもない記憶のはずだ。

 

好きでもない男の...衛生的にも良いモノばかりでもないかもしれないソレを何本も咥えて...その過程であの口淫の技術を身に着けたのだ。

 

「辛いこと...?」

 

不思議そうに小首をかしげているめぐり先輩。

 

...もう、辛いとも思わないほどに何本も咥えたのだろうか...?

 

「いえ...その...先輩のフェラチオの技術について...すみません、失言でした...忘れてください」

 

「え?え?どういうこと?」

 

あれ...?本気で困惑している様子だ...

 

「えっと...ちょっと聞き辛いんですけど...」

 

「う、うん」

 

「めぐり先輩のその...クチの技術って...歌舞伎町でいろんな男のアレを...その...」

 

「歌舞伎町...?おクチの技術...?」

 

はてなマークが沢山浮かんでいる表情だ。

 

「あれ...?めぐり先輩...その...借金の返済でフェラチオをしてたんじゃ...」

 

「借金の返済...あっ!ち、違うよっ!?本物で経験を積んだわけじゃないからっ!」

 

俺の言っている事を理解したらしい。

 

.......本物?

 

「えっと...つまり、どういうことですか...?」

 

「そ、その...確かに...練習はしたよ?でも...その...」

 

顔を赤くしているめぐり先輩。

 

「その...ぎょ、魚肉ソーセージで...練習したの...雑誌を見ながら...っ...」

 

...まるで思春期の女の子のような答えが返ってきた。

 

「魚肉ソーセージ...」

 

ほっとしたような...何とも脱力してしまう微笑ましいエピソードだった。

 

「あっ、ちゃんと練習の後にはもやしと一緒に炒めて食べたからね?」

 

可愛らしいおまけのエピソードまでついてきた。

 

「偉いですね」

 

よしよしと頭を撫でると、めぐり先輩は満足に微笑んでいた。

 

しかし、股間に視線向けると、そこにはすっかりやる気を失っているめぐり先輩の唾液塗れの俺の相棒の姿が。

 

「なんだか...ごめんね?雰囲気無くなっちゃったね...」

 

えへへと申し訳なさそうに笑うめぐり先輩。

 

「いえ...こちらこそ、なんだか失礼な妄想してしまって申し訳ないです」

 

...知らない男の肉棒を泣きながら咥えこんでいるめぐり先輩の姿を妄想して少し興奮したのは内緒だ。

 

「ううん...比企谷くんは私の事を心配してくれたんでしょ?それなら...むしろ嬉しいかも...♡」

 

ふわりと微笑んいるめぐり先輩。

 

「めぐり先輩...っ!」

 

愛しさが溢れて思わず抱きしめてしまった。

 

「ぁ...えへへ...♡」

 

幸せそうな声が胸元から聞こえてきた。

 

その後...俺たちはしばらくの間抱き合っていたのだった。

 

 

――――――――――――――――――

 

 

その後、めぐり先輩と一緒にシャワーを浴びて身体を清めたのだった。

 

短パンと白いTシャツというラフな格好のめぐり先輩。ちなみに、俺は着替えが無かったので肌着をと下着のみ着用している。

 

「ふぅ...ごめんね、狭いお風呂で。窮屈だったでしょ?」

 

「いえいえ。むしろめぐり先輩と密着で来たので嬉しかったですよ

 

...めぐり先輩の言うと通り、少し狭い浴室だったのだが...その分彼女に触れる時間が増えたので嬉しかった。

 

「何か飲む?まあ、お水と...アーモンドミルクしかないんだけど」

 

「アーモンドミルク?」

 

また変わったラインナップだ。

 

「うん。無糖のやつ。美味しいんだよ~」

 

コップを二つ用意しながら、俺の返事を待たずにパックから乳白色の液体を注いでいた。

 

「はいっ」

 

ニコニコと笑いながらコップを手渡してくれた。

 

「あ、ありがとうございます」

 

別にアーモンドミルクに苦手意識は無いので、素直にめぐり先輩の好意を受け取ることにした。

 

...苦手意識が無いというかそもそも飲んだことがなかった。

 

「んっ...」

 

コップに顔を寄せると、確かにアーモンドの香りがした。

 

「っ...」

 

ゆっくりとコップを傾けて中身を口に含んでいく。

 

「ん...あ、美味しいですね」

 

濃厚なミルクのような舌触り。のど越しもまったりとしたもので、鼻からアーモンドの香りが抜けて心地良い。

 

「でしょ~?ちょっと高いけどついつい買っちゃうんだ~」

 

ニコニコと上機嫌な様子でコップを傾けているめぐり先輩だった。

 

「でも、めぐり先輩...お酒ものすごい量を飲んでたんですから水も飲まないとダメですよ」

 

フラフラになっていためぐり先輩を滅茶苦茶に犯した俺が言うのも変な話だけど。

 

「あ...う、うん...そうだった...」

 

少ししゅんとした様子で大きなペットボトルを取り出してきた。

 

「お水...飲まないとね」

 

ドン!とテーブルに置かれる2Lのペットボトル。

 

何とも...生活感溢れる光景だ。

 

「ところで...めぐり先輩、一つ聞いても良いですか?」

 

先程から気になっていたことがあった。

 

「なあに?」

 

ペットボトルを両手で持ってくぴくぴと直飲みしているめぐり先輩。

 

...可愛いけど大雑把な飲み方をする人だなぁ...

 

「そ、その...学生時代に彼氏とか居なかったんですか?」

 

処女だと聞いた時から心の中で気になっていたことだ。

 

「うーん...高校の時は何人か告白されたこともあるけど...付き合ったことは無かったね~」

 

その言葉の通り、めぐり先輩に憧れを抱く男子生徒は多かったはずだ。清楚で可愛らしい彼女と恋人になりたいと望む輩は数多く居たはずだ。

 

「それまたどうして?」

 

「どうしてかって言われると...高校の時は他の事に夢中だったから...かなぁ。ほら、私ってそんなに優秀な生徒会長じゃなかったでしょ?だから...はるさんみたいにならなくちゃ!って考えているうちに...いつの間にか周りの子は受験生になってたし、告白もされなくなってたの」

 

なるほど...高校時代は確かにその通りかもしれない。

 

しかし、大学時代はどうだろうか?

 

「大学生の時はどうでしたか?」

 

そういえば...あの頃の先輩には恋人がいるという噂を何度も耳にした。それで...俺も彼女への想いを胸の奥に封じていたのだ。

 

「大学生の時は...その...」

 

ちらりと上目遣いで俺を見ているめぐり先輩。

 

「?」

 

そういえば...就職活動のレッスンを受ける前からめぐり先輩とは一緒に行動していた。学部が一緒だったので講義が被る機会が多かったのだ。

 

「大学生の時は...告白はされなかったんだ」

 

「え?そうなんですか?こんなに可愛い人が居るのに放っておくなんて...あの大学の男どもの目は節穴ですね」

 

...いや、待てよ?...ひょっとしてめぐり先輩に彼氏が居ることは公然の事実だったのではないか?

 

「か、かわいいだなんて...っ...」

 

顔を真っ赤にしているめぐり先輩。...うん、可愛い。

 

「まあ、めぐり先輩に彼氏が居る事をみんな知ってたのかもしれませんね」

 

「え...?」

 

不思議そうに小首をかしげているめぐり先輩。

 

「え?」

 

「えっ?」

 

一文字だけで会話していた。

 

「彼氏...居ましたよね?大学生の頃、噂話を聞きましたよ?」

 

「え?彼氏は居なかったよ...?き、気になる人なら居たけど...」

 

マジか...それなら噂話を広めたヤツは何を見たんだ...?

 

クソっ...こんなことになるなら大学生のうちにもう少し交友関係を広めるんだった。

 

噂話も学食で小耳にはさんだ程度で詳しくは聞いてないんだよな...

 

...めぐり先輩の"気になる人"だった男が羨ましい。

 

「でも、めぐり先輩...噂になってましたよ?いつも彼氏と一緒に居るって」

 

「??」

 

本当に分かっていない様子だ。

 

「えっと...ひょっとして、誰か男友達と一緒に居るところを見られていた...とか?」

 

ひょっとすると...その"気になる人"だろうか。

 

「うーん...私たちの学部って女の子ばっかりだったから、比企谷くん以外に男友達なんて居なかったよ?」

 

「そうですか...」

 

...おや?

 

「ね、ねえ...その相手って...比企谷くんの事じゃない?」

 

「...俺もそう思います」

 

何と言うことだ...俺は俺に気を使ってめぐり先輩に告白しなかったのか。

 

こんなことならもっと早く告白して振られていればよかった。...いや、振られるとは限らないか。

 

「ふふふっ...ねえ、比企谷くん」

 

優しく微笑みながらめぐり先輩が隣に這い寄ってきた。

 

「どうしました?」

 

「私ね...大学生の頃から、君の事が気になってたの」

 

何と...噂の彼氏(誤)も"気になる人"も...どちらも俺の事だったのか。

 

「めぐり先輩...」

 

彼女の手が俺の手の上に重ねられた。

 

「高校生の頃...君が凄く良い子だってことには気が付いたんだけど...本格的にこの気持ちに気が付いたのは...大学生になってから」

 

指を絡め合いながら見つめ合っている。

 

「大学生になって、1人でぼんやりと掲示板を眺めている君を見つけて...最初は知り合いだからという気持ちだけで話しかけたけれど、同じ学部だって気が付いて、一緒の講義を取るようになって...ご飯なんかも一緒に食べるようになって」

 

...そうだった。大学生になっても相変わらずのボッチだったのだが、めぐり先輩の方から声をかけてくれたのだ。

 

右も左も分からないし、知り合いも何故か殆ど居ない学部だったので本当に助かったことを覚えている。

 

「あの時は本当に助かりました。めぐり先輩が声をかけてくれなかったらまたボッチのままでしたよ」

 

「ふふふっ...君は高校生の頃もひとりぼっちなんかじゃなかったでしょ?...友達は多ければいいってワケじゃないんだから。その点、キミは素敵な友達が何人も居たでしょ?」

 

「そう...ですね」

 

由比ヶ浜、戸塚、一色...そして、雪ノ下。色々あったけれど、全員良い友人だ。...あと材木座も。

 

「でしょ~?だから...きっと、私が話しかけなくても...キミなら大丈夫。その証拠に...ほら、今の会社でも順調でしょ?」

 

...確かに、孤立する程避けられているわけではない。飲みに行く同僚も居るし、部長課長からも直属の上司からも嫌われているわけではない。

 

でも...それも全て―――

 

「やっぱりめぐり先輩のおかげですよ」

 

「私の?」

 

「ええ。就活の前にめぐり先輩のご友人と交流する機会が沢山ありましたので、その時にコミュニケーション能力は培われました」

 

めぐり先輩のほんわかペースに乗せられてそのまま先輩女子が沢山居る飲み会や旅行によく連れていかれたものだ。

 

「ふふふっ...それなら良かった。でも―――」

 

ぎゅっと手を握って身を乗り出してきた。

 

「―――比企谷くん...キミって結構モテるんだよ?」

 

「そんな事...」

 

「あるんだよ。だって...君の連絡先を何人の女の子に聞かれた事か...」

 

「え?」

 

何それ知らない。

 

「ふふふっ...♡」

 

妖艶に微笑んだめぐり先輩。

 

「記憶に無い...って思ったでしょ?」

 

「は、はい...」

 

ぎゅっ...と、めぐり先輩は両手で俺の手を包み込んだ。

 

「だって...教えてないんだもん...♡」

 

「え?」

 

どういう意味だろうか...?

 

「君の連絡先...聞かれても教えなかったの...♡」

 

「それまたどうして...」

 

ひょっとするとモテモテキャンパスライフだったのかもしれない。...いや、それは無いか。

 

「だって...私が独り占めしたかったんだもん...♡」

 

ゾクゾクするような妖しい光を宿した瞳だった。

 

「め、めぐり先輩...?」

 

「比企谷くんは...私だけのモノだから...♡」

 

重い想い。普通の男ならそう思うかもしれない。

 

しかし、その独占欲が...何とも心地よかった。

 

「...でも、卒業しても、君に想いを伝える事が出来なかった」

 

急激に沈んだ声色。

 

その後の事は...スナックでも聞いた。

 

「ねえ...私がどんなホストの人に夢中になっていたのか...気になる?」

 

...少し気になる。

 

「...はい」

 

「あのね...」

 

めぐり先輩は俺の耳元に口を近づけた。

 

「比企谷くんにそっくりな人が居たの...」

 

「っ...」

 

嬉しいような...悔しいような気分だ。

 

「君じゃないってのはわかっていたんだけど...でも、その人が喜んでくれると...比企谷くんが喜んでくれている気がして...気が付けば借金だらけになってた」

 

すっと身体を離しためぐり先輩。

 

「そこからは...お店で話した通りだよ。滅茶苦茶になってママに拾われた」

 

「...」

 

気が付けば俺はめぐり先輩の手を握り返していた。

 

「ひゃっ...ひ、比企谷くん...?」

 

...それだけでは足りずに、めぐり先輩を抱きしめていた。

 

「...ちょっとだけ...妬けますね」

 

「...ちょっとだけなの?」

 

胸元から丸い瞳に見つめられていた。

 

「...滅茶苦茶嫉妬してます」

 

むき出しの本心だった。

 

「うん...ごめんね...」

 

彼女は...優しく抱き返してくれた。

 

「もう...代用品なんかに頼らないでください」

 

「うん...でも、良いの?わたし...甘えん坊になっちゃうよ?」

 

何とも可愛らしい注意勧告だった。

 

「寧ろウェルカムです。その...俺は頼られる方が向いているみたいなので」

 

小首をかしげているめぐり先輩の頭を撫でた。

 

「比企谷くんに依存しちゃうかもしれないよ?」

 

今度は反対に首を傾げためぐり先輩。勿論、引き続き頭を撫でた。

 

「めぐり先輩がイヤと言うまで構い倒しますよ」

 

構い倒すなんて初めて口にした日本語かもしれない。

 

「ふふふっ...構い倒すなんて初めて聞いたかも」

 

どうやら同じ意見らしい。

 

「俺も初めて言いました」

 

至近距離で笑い合った。

 

「ふふふっ...でも、嬉しい...♡」

 

背中に回っている腕に力が入り、めぐり先輩の柔らかい双丘がより強く押し付けられた。

 

「...喜んでいただけて光栄です」

 

そんな彼女の細い身体を抱き返した。

 

「ふぁっ...♡」

 

甘い声が漏れている。

 

「...」

 

...暖かい。

 

シャンプーの香りと...ミルクのような甘い香り。

 

細い身体は柔らかく、いつまでも腕の中に閉じ込めていたい。

 

「ねえ...比企谷くん...」

 

とろん...と、蕩けた瞳で見つめられている。

 

「...はい...」

 

言葉は交わさずとも、何を求めているのか理解できた。

 

「比企谷くん...♡」

 

「めぐり先輩...」

 

瞳を閉じて、ゆっくりと顔を寄せ合う。

 

そして―――

 

「んっ...♡」

 

「ん...」

 

―――しっとりと重なり合う唇。

 

心から満たされている気分だった。

 

...こうして、俺とめぐり先輩の甘い夜は過ぎていくのだった...

 

 

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