※この作品はR-18です。

開拓宇宙人のトロイ星人 地球を余すこと無く楽しむそうです   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

1 / 4
トロイ星人のヒューズ、宝くじに当たる

 宇宙大開拓時代

 

 宇宙人の間でそう呼ばれている世界的トレンド

 

 とある国家が技術革命に成功、1個人が1つの惑星を持てる様な素晴らしい時代が到来した

 

 俺もそんな宇宙開拓員の1人であり、名前はヒューズ・バライブ

 

 国営の宝くじに応募したら太陽系という惑星系への開拓権利が運良く当たり、1年間で開拓に必要な技術を叩き込まれて3等級の宇宙船と一緒に開拓の旅に出発した

 

 開拓員は俺1人だが、ロボットが多数いるし、

 

『ヒューズ良かったな。宝くじが当たってよ』

 

 宇宙ネットワークで宇宙に居ても友達や家族と映像通信ができるので寂しくないし、ワープを使えば片道1週間で母星に帰ることもできる

 

「いやーこのままだと宇宙運送とかロボット製造とかの仕事くらいしか就けないかな~と思ってたのにまさかの一発逆転よ」

 

『良いなぁ。ただド辺境だけどね』

 

「そうなんだよなぁ。娯楽もあるとは思えねーし」

 

『ヒューズ、どんなプランで開拓するんだ?』

 

「とりあえず危険生物が居るのは地球って星だけっぽいから、比較的住みやすい火星って星をテラフォーミングしようかな。エネルギーは木星ってエネルギーの塊みたいな星があるからそこからエネルギーは抽出して……まぁ住めるようになるのには1ヵ月あれば火星の地下に生産施設とかはできるだろ。1年あれば地上に出れるくらいにはしたいがな」

 

『まぁ頑張れよー、そのうち遊びに行くからな』

 

「おう、楽しみにしてろよ。金持ちになってみせるからな!」

 

『死なない程度になー』

 

 

 

 

 

 1週間の宇宙船での生活をしながら惑星探査機とか採掘マシーンを作ったりしながら時間を潰し、太陽系に到着した

 

「ワープ込みとはいえ1週間の航海はやっぱり長いが、遠すぎるし、辺境故に宇宙海賊とかも居ないからそこら辺は良いよな」

 

 3等宇宙船……全長20キロの半球型宇宙船であり、宇宙生物や植物も一部搭載している

 

 もし惑星にて食べられる物が無かった場合、宇宙植物を栽培したり、テラフォーミング後に宇宙生物を解き放って住みやすい惑星に変える必要がある

 

 そもそも宝くじで当たったから3等級宇宙船なんて高価な船が貰えたが、普通ならば全長5キロサイズの5等宇宙船で宇宙海賊と戦闘しながら開拓するのがザラだ

 

 そもそも宇宙開拓が始まって今や外宇宙に進出した我が祖国にとって1惑星系の開拓で出る利益などたかが知れているって話である

 

 まぁそのたかが知れているって利益でも俺達一般人からしたら大金であるが……

 

 というか地球について調べ、価値観を擦り合わせたら地球人が家を持つ感覚よりも車を買う感じに宇宙船購入は近い

 

 ローンを組んで5年しっかり稼げれば返済できる金額だ

 

 まぁ大抵は採掘惑星とかで資源採掘して地道に返すのだが、俺の場合は惑星系だ

 

 資源採掘の星なんか色々な所にゴロゴロしているし、僻地で瞬時に換金できないとか、頼んだ物資が1週間後にしか届かないとかそういう不便なのはあるが開拓成金くらいには稼げるだろう

 

 ガゴンと音と共に地表に着陸した音が響く

 

「火星到着か」

 

 宇宙服に身を包み、外に出ると見渡す限りの荒野が広がっていた

 

「うん、何にもねーな……」

 

 とりあえずビーコンを設置して採掘ロボットを出動させ、採掘を始める

 

 ガガガガと地面がどんどん掘られ鉱物資源が宇宙船にて錬成される

 

「酸化鉄が多いな、やっぱり惑星で採掘するより金属に関しては金属小惑星を採掘した方が効率が良いか」

 

 飛行型採掘ロボットをミサイルの様に上空に発射して宇宙空間の火星と木星の間にある小惑星帯でも採掘を開始する

 

 他には木星のガスエネルギー採取装置の発射や火星や地球を観察するための小型衛星の発射も行っていく

 

「あとは自動だから拠点ができるまで宇宙生物の相手でもして遊んでますかねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 数日後地球の様子を観察すると驚くべきことがわかった

 

「原住民達服薄すぎだろ……思った以上に社会が成熟しているが、知能高そうなのに露出が多いな? そういう民族なのか? いや、気温が高い所は逆に露出が少ないな。コイツらあれか? ファションとしてこれなのか? ……あと思ったより美形だな。もっとモンスター的なのをイメージしていたが」

 

 地球人からヒューズを見たら巻き角と細く先端が尖ったしっぽが生えているので悪魔と言われそうである見た目だが、地球人からしたらヒューズも美形に見えるが、ヒューズが地球人を見ても美形に思えた

 

 特に気に入ったのが地域によって肌の色や髪の色、瞳の色が様々で、単一民族のヒューズの母星とは違い華やかに見えた

 

「寒い所は流石に厚着だな。というかこの人間という種族は耐えれる外気温が狭いな。我々のトロイ人は100度からマイナス200度まで普通に生活することができるが……あぁ、遺伝子操作をしていないんだろうな」

 

 ヒューズの種族トロイ星人は遺伝子操作を繰り返してきた人種であり、一番近い例えが鬼舞辻無惨である

 

 勿論寿命は250年だし、太陽光に当たっても死なないが、脳ミソが角の内部に収納されているので2つあったり、臓器が1つではなく複数個あったりする

 

 それでいて2メートルの身長に収まっているので超生物であるが

 

 ちなみに生殖器も大きく、優性の性質があるため人型であれば母体問わずトロイ星人が産まれてくる

 

「地球人か……種族が多くて面白そうではあるな」

 

 もっとも地球人の生態調査は後々行うとしてまずは拠点作りである

 

「最近は拠点テンプレートのデータが転がってるから有りがたいな」

 

 宇宙ネットワークで検索していたところ、地下拠点のテンプレート……設計図がアップロードされていた

 

「やっぱり飲料水の自動生成装置はコスト高いなぁ……地球の海から引っ張ってきた方が安いな。でも塩分を抜かないといけないからその濾過装置も作らないとか……となるとそれ専用の部屋が必要か?」

 

「光源どうしようかな? 地下だし、人工太陽みたいなのにすっか、植物とかも増やさないといけんし」

 

「あぁでも暗いところで育つやつもあるからそれ専用の部屋も必要か」

 

「鉱石資源を貯蓄しておく倉庫とかも必要だな。エネルギーはどうするかな~太陽光で発電するかな?」

 

 テンプレートから更に改造案を組み換え、ロボット達に作業指示を送る

 

「ロボット工場も作らないと……と、流石にコストオーバーか、貯金も少ないし、流石に全部とまではいかないか」

 

 携帯栄養食で空腹を満たす

 

「何か売れる物がねぇかな?」

 

 

 

 

 

 

 

『各地で出没、未確認飛行物体の謎について専門家を交えて議論していきたいと思います。専門家の杉林先生です。よろしくお願いします』

 

『ええ、よろしくお願いします』

 

「未確認飛行物体ねぇ」

 

 テレビにてUFOとかの宇宙人の特集がやっていた

 

 なんでも火星から何かが発射される様子をNISAが発表した

 

 NISAは直前に隕石が衝突したことを受け、火山が噴火したのではないか、その時の衝撃で噴出した岩石が打ち上げられたかのように見えたのではないかという見解を発表した

 

 ちなみにその映像を撮影した数分後に周囲を飛んでいた探査衛星が異常を示して墜落したことも発表された

 

『杉林先生、これは宇宙人によるものという噂もありますが』

 

『確かに不自然な物が多いです。火山の噴火にしては小規模ですし、噴煙も極微量、これはなにかを打ち上げたというのが正しいと思いますね』

 

『何かとは』

 

『居るんですよ宇宙人が』

 

「いるわけ無いって宇宙人なんか」

 

「冬美はそういうの信じないわよね」

 

「母さんは信じるの?」

 

「宇宙人が居たら面白そうとは思うわよ? 宇宙との交流とか種族を超えた恋愛とか素敵じゃない?」

 

「馬鹿馬鹿しい。ご馳走さま」

 

「忘れ物無い?」

 

「無いよ! 学校行ってくるから」

 

「気をつけてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが地球人によって作られた探査機か……こんな化石みたいなので探索しているとは地球人の科学技術はこんなものか……」

 

 撃墜して壊れた探査衛星を解析した結果、科学技術は技術革命前の更に数十世代前の技術でしかないことがわかる

 

 そもそもこんな効率の悪いソーラーパネルを使っている時点でヤバい

 

「電気変換率23%……俺がお遊びで作ったのでも98%だぞ? 素材のレベルからして低いなぁ」

 

 ボロクソに言っているがそれくらい科学技術に差が存在する

 

「でもこれを飛ばせるだけの科学技術が存在するってことは俺を簡単に殺せる兵器がない訳じゃないか」

 

 流石の超人でも小火器は耐えれても重火器や対物ライフルみたいなので狙撃されたら普通に死ねる

 

 まぁロボット兵を送り込めば制圧はできるだろうが、そしたら原住民が作り上げた社会や文化が死ぬ

 

 そういうものに価値が存在するのをヒューズは知っていた

 

「科学技術だけが全てではないからな。そこに存在する植物とかそういうのも価値があるかもしれないし……お? なんだこの店は?」

 

 深夜となり、地球の探査機を低空飛行させていたら書物が大量に保管されている施設を見つけた

 

「書物を取り扱っている店か? にしては服とかもあるな……1つくらいこっちに持ってきても問題ないだろ」

 

 探査機に命令を送ると探査機が壁に引っ付き、ビーコンを店の四方に飛ばした

 

 カチっとハマる音がした瞬間に書籍店は綺麗に消え去っていた

 

 

 

 

 

 

『先日BO○KOF○曽田前店が消滅した事件において警察が調査を続けており……目撃者も無く、突如消滅したということに専門家達は……』

 

「冬美、これ家の近くじゃない?」

 

「うわ、本当だ。通学路のとこじゃん」

 

「建物が一夜に消えたんですってね……怖いわね……宇宙人の仕業じゃないの?」

 

「無い無い」

 

 でも不思議な現象なのには間違いない

 

 でも……なんなのだろうか……

 

 

 

 

 

 

 

 書籍店には書物だけでなく絵柄の付いた物があり、言語解析をかけてから読んでみたら面白かった

 

「面白いな……これはマンガと言うのか……これは小説……文庫本に雑誌、ムック……おお、地球人の料理本かぁ」

 

 地球人の科学力は残念かもしれないが、文化面はとにかく面白かった

 

 音楽のジャンルも豊富であり、聞いたことの無いような音楽が骨董品のCDと呼ばれる記録媒体にから聞こえてくる

 

「ヤバい耳が幸せ過ぎる……地球人は皆このように素晴らしい音楽や読み物を手に入れられるのだな……」

 

 カルチャーショックを受けるヒューズであったが、音楽を流しながら、漫画を読むのが楽しくてしょうがなかった

 

「絵柄も色々な種類があるんだな。AIで出力するとどうしても絵柄が似通ってしまうし、指定したらそれに似せた物になるが……味があるな。ククク、料理を食べたら全裸になったぞ。なんだこの漫画は……しかし、自由だな。我が国だと性行為とかのAVを見るが、どれも単一でマンネリ化した物ばかりで味気ないが……文字だけの読み物でも想像を掻き立てる様な……こんな素晴らしい物があるんだな」

 

 俗に言う官能小説を読み、感動するヒューズであった

 

「料理にも様々な種類があるのだな……紙媒体の写真は初めて見たが、食欲をそそる色合いをしているな……食事は栄養を摂るものと考えるうちの種族とは根本的に違うのか? いや、昔はうちの母星でも料理を楽しむという文化はあったらしいが、栄養が良く、安いペースト状の食品ができてから徐々に無くなってしまったと聞くな……しかし、文明レベルがここまで低いのに料理と娯楽に関しては素晴らしい物を持っているな……地球人は」

 

 他にも映像作品を楽しんだりすると地球に遊びに行きたい欲がムクムクと湧いてきた

 

「いやいや待て待て、生態や社会の調査を続けてからだな。焦りは禁物、これでミスって死んだら笑い者だ」

 

 そう言いつつも漫画の次の巻を手に取るヒューズだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。