開拓宇宙人のトロイ星人 地球を余すこと無く楽しむそうです 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
火星での拠点作りが一段落し、宇宙に放った資源回収機から続々と資源がテレポートして集まってきた
「いやぁやっぱり資源が大量に集まるのは良いな。視ていて気分が良い。これを銀河系の物流支部に流して……かぁ、1日の採掘量で俺のアルバイト2ヵ月分の収入かぁ」
『良かったじゃないか。親として心配していたんだぞ、このままフリーターでズルズル未婚のままでいくんじゃないかって』
『そうよ、大学行ったのに物流倉庫のアルバイトからの社員登用を目指すとか卒倒ものよ』
「わりーって親父、お袋、でもギリギリでなんとかなったろ? 親父達とは物理的に距離が離れちゃったけどさ」
映像通信で両親と話す
純トロイ星人の人口は全星系合わせても50億人もいない
混血だと1000億人程になるが、混血者はトロイ星に入国することができない為トロイ星では他から見ると純血のエリート達の巣窟だと思われているが、俺みたいな脱落者もそこそこいる
そういうのはアルバイトして金を稼いで開拓に出かけるという流れができていた
まぁ本当にドロップアウトして宇宙海賊に転落する者も居るが
『太陽系の原住民はどんな奴らだったんだ? やっぱり文明レベルも低いのか?』
「うーん、思ったよりは高いけど科学力は低いけど文化面は面白いし、地球人はトロイ星人から見ても見た目が綺麗な人種だと思う。顔の判別が用意なくらいには個性もあるし」
『映像とか無いのか?』
「あるよ」
偵察機からの映像を送る
『すごい肌を露出が多いのね。太ももや二の腕が見えているわ』
『水遊びとはいえ胸と股しか隠さないのは凄いな』
「この国では今夏という太陽の角度によって暑くなる季節らしくて素肌を露出が増える時期らしい」
『色々な服装があるのね。柄が凄く多いわ』
お袋は町の人々の服の種類について触れた
トロイ星ではパワードスーツを着るのが当たり前であり、色の違いは多少あれど、地球の漫画のGANTZという作品のピチピチスーツの様なのを着るのが一般的だ
というか当たり前であり、ファッションという色々な服を着る文化が廃れている
「今調査した映像はこれくらいだな」
『楽しかったわ』
『まぁでも混血とはいえ孫が見れそうで良かった。原住民との性行為は可能なんだろ?』
「可能だけど生態サンプルが無いからなんとも言えねー」
『まぁこの程度の科学技術なら大丈夫だと思うが、死ぬなよ。家はお前しか子供が居ないからな』
「親父もお袋もまだまだ現役バリバリだろ? まだ60前後じゃん。弟とか妹作れよ」
『嫌よ。子育てから解放されてこれからようやく自由に人生謳歌できるのに』
『俺はまだ会社を辞めるわけにいかねーからな。10年くらい引き継ぎとかしねーとそっちの手伝いには行けそうに無いから……友達のミネタとかガロン君はどうなのさ?』
「雇うほど金がねーよ。会社となると税金も馬鹿にならねーし、友人とはいえ雇うとなると会社になるから、今の状態だと破産するからな。親父やお袋誘ってるのは家族なら会社じゃなくて自営業で済むからな」
『うーん、まあ俺は10年は無理だ』
『私も辺境に行くのは今は嫌よ』
「しゃーねぇ、とりあえず自力で頑張るよ。じゃあな」
『『バイバーイ』』
通信は切れた
「とりあえず火星基地は出来上がったから宇宙船の基地機能や生産プラントを火星基地に移転させるか」
「おお、地球人の服っての悪くは無いな」
映像資料や写真から基地にある繊維で服模倣してみた
パワードスーツの上から着てみたり、パワードスーツを脱いで触り心地を確かめたが、パワードスーツに慣れているからか悪くは無いが少し違和感があった
ただ面白いのでパワードスーツが完全に隠れるので原住民の冬服コーデを数種類着て撮影したのをブログに書き込んだらプチバズりしていた
服の種類が豊富にあるという文化が他の星人達にも稀らしく、機能美を捨てたその姿に新しさを感じたのだろう
太陽系の資源は俺の管轄なので資源も文化品の販売も俺経由でしか売れない
なのでブログに数種類の衣類の製造データを転売不可で売りに出したところそこそこ良い値段がするのに1万ダウンロードされていった
『パワードスーツばかりで飽き飽きしていたから助かります!』
『個性が出て面白い』
等の声がメッセージで届く
お遊び感覚で販売したが、俺のアルバイトの年収5年分を軽々と超えていった
「えぇ、どんだけ売れるんだよ……10種類のセット品しかアップロードしてねーのにマジか」
ちなみにだがパワードスーツは安いが自分達で造るのを禁止されているのでトロイ星か各支部から購入するしかない
なのでパワードスーツ以外の衣類データはヒューズが思っているよりも周りは熱望していたのをトロイ星にずっと住んでいたヒューズは知らない
「よーし、基地もある程度できたし、地球に遊びに向かうか!」
角やしっぽを隠し、服装を調査で集めた日本という国のビジネススーツという物にする
「ネクタイの結ぶのムズいな……こうか? ……こうだな。よし」
パッと見2メートルの身長はあるものの美形の白人系外人である
茶髪、青い瞳、高い鼻……地球人から見ても100人中99人がイケメンと答える容姿である
「えっと翻訳機を取り付けてっと……うんうん、似合ってるんじゃないか?」
「後はお金だったな。電子通貨以外は初めて触るが財布に入れてっと……どれぐらい持つのが普通なんだ? とりあえず1万円て一番高いのを50枚くらいと500円玉を50枚持てば大丈夫かな? おお、ずっしりするな。結構重い」
「あ、そうか、危ない危ない。文字の翻訳のためのコンタクトを忘れていた。これを着用しないと何を書いているかわからないからな……よし、これで大丈夫だろう」
テレポート用の指輪を着用し、指輪をなぞる
するとビュンと音と共に景色が変わった
「ビーコンの地点から誤差2センチ、テレポート成功……ん?」
「う、うわ! い、いきなり人が!! デカ!」
どうやら俺のテレポートが日本人の女に見られたらしい
ここは穏便に
「こんにちは! 良い天気ですね」
「ひ、ひぃ!?」
なんか女は逃げ出した
何かマズかったのか?
逃げ出した女に指輪を向け、マーキングを付ける
「怖がらなくて良いですよ……行っちゃった。まぁ大丈夫でしょう。マーキングは付けました。よし、少し歩いてみましょう」
「何あれ何あれ何あれ」
「冬美どうしたのいきなり帰ってきたと思ったら……顔真っ青よ?」
「家に帰る途中の青山不動産の看板がある空き地あるじゃん……そこにいきなり2メートル近くある外人が現れた」
「現れたって……そこに最初から居たんじゃないの?」
「いや、さっきまで居なかったのに本当にいきなり現れたの!! 声かけられてめっちゃ怖かった」
「声って?」
「こんにちは、良い天気ですねって」
「……アハハハ」
「な、何がおかしいの」
「冬美の見間違いよ。そりゃ大きな外人がいきなり現れたら怖いかもしれないけど、最初から居たのに見逃していて、現れた様に見えただけよ」
「そ、そうかなぁ」
「きっとそうよ。部屋でゆっくりしていれば落ち着くと思うわよ。私はこれから買い物行くけど何か食べたい物は有るかしら?」
「心臓バクバクでそれどころじゃない」
「じゃあほうれん草とベーコンのバター炒めとパスタで良いかしら?」
「何でも良いよ……」
「じゃあ行ってくるわね。鍵閉めておいてね」
「は、ハーイ」
私は冬美の母こと真田昌子
シングルマザーだ
冬美が中学の時に夫と死別したが、公務員だった夫のお陰で亡くなってからも遺族年金と死亡保険、それに私のアルバイトで暮らしていけている
夫の両親も私の両親も既に亡くなっているし、私は冬美のことだけ考えれば良いので少し気が楽だ
「あら?」
近くのスーパーに歩いているとキョロキョロと何かを探す大きな外人が居た
「あの、すみません」
話しかけられた
ただ日本語で話しかけられたので良かった
英語なんて挨拶くらいしかできないから
「どうかしましたか?」
「食品が買えるお店を探しているのですが、近くに有りますか?」
「でしたら私も今から行くところなので一緒に行きますか」
やだ、凄いイケメンじゃない
「ありがとうございます。助かります」
「いえいえ」
外人さんと話すとヒューズさんと言い、仕事の関係で来日したらしく、色々と散策していたら道に迷ったらしい
「ずいぶんと日本語が上手ですね」
「母国で勉強してから来ましたのである程度は喋ることができますが、読むのもできますが書くのが苦手で」
「そうなのですね? 母国とはどこで?」
「言ってもわからないと思うので欧州の小国とだけ」
「あら、そうなのね? どんなお仕事で?」
「日本の文化品の輸出入を」
「へぇ、そうなんですね……あ、着きましたよ」
「おお、ありがとうございます。もしよろしければお礼に買い物の品を買わせてください」
「いえ、悪いですよ」
「いえいえ、昌子さんと話していて面白かったですし、本当に助かったので……お礼の気持ちを受け取ってください」
問答が続きそうだったので私が折れた
ヒューズさんは色々な物驚いていた
カートや陳列している食品の多さ、魚も始めて見るらしくどう料理すれば良いのか聞いてきた
ほうれん草も葉っぱにしか見えないと言い、どんな食生活を送ってきたのか聞いたところ、ゼリー飲料の様なのを毎日食べていたらしい
「うちの国では食文化が乏しくでそういうのを食べるのが当たり前になっていましたので」
「そうなのですね」
何か保存が効いて美味しい物は有りますか? 聞いてきたので缶詰めを紹介した
ゼリー飲料ばかりと言うことは料理経験も乏しいと思ったので開けて暖めるだけの缶詰めなら最適だろう
後はパックご飯とかインスタント味噌汁とかカップ麺も教えた
「お湯を注いで3分で本当に美味しくなるのですか?」
「なるんですよ」
半信半疑と言う感じだが色々な種類のカップ麺や缶詰めをかご一杯に入れていた
「結構(金額が)しますが大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。お金いっぱいあります!」
いきなり財布を取り出そうとしてきたので財布を見せるのはマナー違反ですよと教えてあげると感謝された
「お会計1万9800円になります」
「これで」
私のも合わせて2万近くになってしまったが、ヒューズさんは普通に支払った
「不思議ですね。お金を支払ったらお金が増えた」
「いや、増えたわけではないですよ」
「でも硬貨が増えたじゃないですか? 不思議だ」
「そちらの国ではどうだったのですか?」
「電子通貨が一般的でして」
「あー、海外は電子通貨が進んでいると聞きますからね。なるほど」
買い物を終えると
「ありがとうございました! 助かりました! 俺はこっちなので行きますね」
「ええ、奢ってくださりありがとうございました」
「また会ったらお話しましょう。じゃあ!」
そう言って彼は別の道に両手一杯の袋を持って進んでいった
不思議な人だったけどまた会いそうな気がした
人気の無いのを確認して荷物をテレポートで基地に送り、散策を続ける
服屋に入るとマネキンのコーデを撮影したり、服の種類の多さに興奮したり……
自動販売機なる物に触ってみて飲み物を購入したりしてとにかく面白い経験をした
基地に帰り、缶詰めの食べ物を恐る恐る食べてみたが
「なんだこれ!? めちゃくちゃ旨いぞ!!」
栄養食も美味しいが別ベクトルの美味しさである
というか味覚が栄養食ばかりで退化しているので何を食べても美味しく感じる馬鹿舌になっているのだが……
「しょっぱい肉とこの暖めたご飯美味しい! お味噌汁だっけか? これも旨い! ただ栄養価が足りないから俺らだと地球人の3倍の量を食べないといけないか」
パックご飯5号と様々な缶詰めを開けてからフムフムと考える
「この程度のお札なら偽札を作るのも容易いが、地球人を混乱させたくはないからなぁ……何か交易みたいな事ができれば最高かな? せっかく文明があるんだからそうだな交易すれば良いじゃないか……でもあれだな。地球人には地球人じゃないと何が売れるのかさっぱりわからんな。やっぱり人を拐うしかないか?」
となると協力者が必要である
「色々試してみるかぁ」
ヒューズはご飯を食べながら考えるのだった