また、死ぬほど捏造設定があり、原作の隙間を縫うような部分がいくつも散見されますが、これは個人の好みでありそういった作風であるとご理解いただければと思います。個人的にはその隙間は想像の余地のままになってたらうれしいな!
また、当作品は恋愛小説です
版権キャラクターとの恋愛描写や性行為描写が苦手な方は回避をお勧めします
主人公が大怪我したり戦闘したり場合によっては修行するかもしれませんが誰がなんと言おうとこの作品は恋愛小説です。ご理解いただければと思います
カップリングは「吉良イヅル×オリジナルキャラ」になります。ハーレム等の予定はありません、悪しからずお願いします
「動転」
「…これ何?」
「これは涅副隊長が渡しつけていったものです…」
休みの最中貴方が急に現れて、見つかってしまった怪しいあれこれ
小さな座卓の上に置かれているのは涅副隊長が女性死神協会の時に渡しつけてきた小箱の中身。中に入っていたいくつかの紙によると、これは現世で使われている"性具"だそうで。ご丁寧に一つ一つの説明書きまで添えられていた
小箱を渡されたのは少し前のことで、正直仕事で忘れてたんだけど、この間の休みで急に思い出して中を確認したところこれらの道具が入っていた。最初は訳も分からずといった感じだったけど、中に入ってる紙を確認して顔が真っ赤になって一回は箱を閉じた。でも…
「へぇ…」
貴方は箱の中に入っている紙を確認し始める。涅副隊長の言伝を確認してそこは納得してくれたみたいだ
「ならどうして今箱を開けてるのかな」
「そ、それは…」
今は夜の九時。まぁみんな定時で帰ってればこの辺に人は寄りつかないわけで、それならと箱を開けたら急に貴方がきたわけで…
きたらいけないなんて事はないけど、ちょっと巡り合わせが悪かったかなって…
「は、恥ずかしくて相談できなくて…」
「どうして?」
貴方に嘘はつけないけど恥ずかしさのあまり言葉が濁る。貴方の視線が痛い
「普段から一人で慰めてるみたいで恥ずかしいじゃないですか…」
「してないの?」
「してないですよ!」
じと、と貴方が私をみる。蝋燭の光だけしかない、薄暗い部屋の中で私は顔が真っ赤になった
「で、でも一つだけ…練習に使ってたのがあって…それもあって言えなくて…」
「それで今開けてたってこと?」
「う、はい…」
何だろうこの尋問。練習さえ終わったら恥ずかしいけど言うつもりだったのに見つかってしまった。隠し事してた私が悪いけど
「どれを何に使ってたの?」
「ひぇ…」
言わないといけないのか、恥ずかしすぎる
羞恥のあまり尋問から拷問になってきた
「…言えないってことはないよね?」
「あうあうあ…」
目を回しながら張型を手に取る。それは表面は柔らかいけど芯があるような作りのもので、どこにつけるのか底は吸盤になっている
「こ、これです…」
「何に使ってたの?」
許して、許してください。恥ずかしくて死んでしまう
「…貴方のを、また咥えるってなった時に…き、気持ちよくしてあげたくて…その練習に…」
「…」
少し沈黙があった
待って何この空気死んでしまうほど気まずい
そこから貴方のため息が聞こえて、私の体が跳ねる
恐る恐る貴方を見ると、呆れを絵に描いたような顔で私を見ていた。何か気を悪くしてしまったみたいだ。うう…この手のは使わないようにしよう…
「ご、ごめんなさい…」
「何が?」
「黙ってたこと…」
自発的に土下座した。そもそも相談しなかった私が悪いし
「確かにそうなんだけど…そうたな、罰を与えようか」
「罰…?」
その言葉にとても、とても嫌な予感がした
「これとこれ、使ってるところ見せてくれたら許さないこともない」
「えっ…」
そう言って貴方が取り出したのは張型と小さな振動機。紙には…なんだっけ、ディルドとローターって書いてあったような…現世ではそう呼ぶらしい
「せっかくあるんだ、使わないと勿体無いだろ?」
「でもそれ…一人で使って貴方は見てるって事ですよね?」
「そうだけど? もしかして僕の言うことがきけないのかい?」
それを言われたら逆らえない。それどころか反応してはいけないところが反応してしまう
ときめいてしまう
怒ってる貴方も素敵…
「…わかりました」
貴方が手に取った玩具を受け取って着流しを脱ぐ
裸体になってローターに電源を入れた。そのまま胸先に当てるといつもとは違う感覚がある
「ん…っふ」
なんだろう、やわやわと気持ちいいと言うか。確かに電源最高まで上げてないけど、不思議な感じ
胸先が反応してくると気持ちよくなってくる。勃った先端にローターの先端を押し付けると震えて気持ちいい
「んっ…んん、ぁ…」
気が乗ってきたんだと思う。手が自然と下腹部に伸びる。秘部に触れるともう濡れそぼっていて、貴方の視線を思うと締め付けられるほど胸が痛い。恥ずかしくてどうにかなりそうなのに、座卓に肘を置いて見てる貴方を意識してしまう
ローターも下腹部へ下がっていって、膝立ちの太ももの隙間を抜けて陰核に当たる。陰核への快楽は凄くて、耐えきれず声が出た
「あっ、あぁ、ああぁ…っ」
思わず上半身が前のめりになる。今までなかった刺激に戸惑っていると、不意に貴方の手が私の肩に触れた
「そんなのじゃ見えないだろ」
そう言うと貴方は私を少し押し倒す。バランスを崩した私の体は尻餅をついて膝が前に出ると、貴方が私の脚を大きく開いた
「まっ…イヅルさんこれは恥ずかし…っ」
「罰なのに拒否権があると思ってるのかい?」
「…っ、ごめんなさい」
開かれた脚の真ん中にある秘部が曝け出されている。そこをさらに引っ張ってローターを陰核に当てると、耐えがたい快楽があった
「あぁっ、あっあっ…ああぁっ」
振動は剥き出しの陰核を激しく責める。今まで感じたことのない快楽が上り詰めたかと思うと、近くで私を見ていた貴方が傍の電源装置に触れた。ダイヤル式で振動を操作するその機械を手に持つと、最大まで振動を上げる。
「——っひぁ! ああ、あっ、あぁぁーっ!」
動揺と快楽であっさり果てた。痙攣する陰核にまだローターの振動が当たって痛いくらいの快楽を生むので離そうとすると、貴方の手が上から私の手を押さえつけて離せなくなる
「あ゛ぁっ! いづるさ…なんでっ! あぁっ、んぁぁ!」
痛い、痛いのにどこか気持ちいい。こんなのダメだ、すぐにまた…
「あぁぁあぁあっ!」
すぐにまた果ててしまう。そこまでしてやっと手が離れて解放された
「はぁ、は、はぁっ…」
「君は本当、どこまでしたら大きく嫌がるのかな」
上がった息で貴方を見ると、貴方はいつもより私を試すような視線を送ってきていた。そんなに嫌がられたいもの?
「嫌がる私が、見たいんですか…?」
「気になるよ」
嫌なことなんてたくさんあるけどな、貴方が私を見ないとか。過度に痛いこととか
「…秘密です。これ以上意地悪されたら泣いてしまいますから」
嫌な事は知られたくない。貴方にこれ以上意地悪されたら耐えられないもの
「いつも泣いてるのに?」
「…そうです」
それを言われると恥ずかしい
「ならもっと泣いてもらわないとね」
貴方の言葉に嫌な予感がする。腕を掴まれるとそのまま膝立ちに起こされ戸惑っていると太腿の間に冷たいものを感じた
「ひぁ…!?」
下を見ると何故か畳に対して吸盤で張り付いてるディルド。いやなんで畳に吸盤か張り付いているのか
「ここに腰下ろして」
「えっ」
驚いて貴方を見上げると有無を言わさぬ目で私を見ている。そこにときめいてしまう私も私だけど、貴方が美しいのもいけないと思うの
「…はい」
ゆっくりと腰を下ろす。中に迎え入れると貴方のとは明らかに違うのがわかってすごく嫌で、冷たいのが伝わってきた
「う…」
思わずうめいてしまう。こんなものを見られるなんて泣いてしまいそう
「どうしたんだい、そんな不服そうな声を出して」
「だって…貴方のじゃないんですよ…っ、嫌に決まってる」
私は貴方を睨みつけるけど、貴方が臆した様子はない
「やっと"嫌"って言ったね…じゃあこういうのはどうかな」
そう言って貴方はへたり込む私の前に膝立ちになるとそそりたった自身を袴の隙間から取り出して私に向けた
「ほら、練習の成果とやらを見せてみなよ」
「わかりました…」
舌を出して口内に貴方の自身を迎え入れる。熱い熱いそれは、いつもより芯のある硬さを持ってるように感じた
「ん…んん」
舌を平らにして、唾液で滑らせる意識で咥えれるところまで深く受け入れる。そこから抽送を始めた。裏筋を舌で舐め上げつつストロークをつけていく
時折亀頭周りや裏筋を舐めて快楽を追い込むイメージで…
そんなことをしていたら、貴方の手が私の頭に触れた。嬉しくて表情を緩めると貴方の声が聞こえる
「…っ、僕は君を普通に愛してあげたいのに、君がなんでも受け入れるから…調子に乗ってしまうんだ」
私のせい、と言うことだろうか
咥えながらそんなことを考えたけど、それはそれで構わない。貴方のしたいことが見える方が私としては嬉しいから、それが見れるならいくらでも私のせいにしてくれていい
時折まだ水音が立つ。これはいいのか悪いのか
「んぐ…」
だんだんと抽送を早めていく。それでも舌で裏筋を刺激するのを忘れないようにしていると、貴方のそれが大きくなった。あぁ、そろそろだ
「…っ」
「!」
その時だ、少し激しくしようと前のめりになってしまった瞬間膣内のディルドがずれて変なところに当たった。少しだけリズムが崩れたけど、その感覚に抗いながら続ける
「ん、ふ…っ」
「っ」
「んんっ…」
勢いよくそれは口内に熱を放った。相変わらず独特な…慣れない味がする。それを飲み込んで口から貴方の自身を出すと「本当に上手くなって…」と呆れ気味に言った
「こんなの使わなくても、僕のをしてくれれば良いのに」
「驚いてもらおうと思ってですね…」
「そんな驚き肝を冷やすだけだ」
「う…ごめんなさい」
浮気を疑われると言うことだろうか。確かにそれは嫌だな…そう考えるとこの段階でバレてよかったかもしれない
「!」
なんて話していたら、何気なく動いたせいでまたディルドの先が感じる場所に当たった。一瞬動きが止まったからか、貴方にそれをすぐ見透かされてしまう
「感じてるの?」
「…変なところに当たってですね」
こんな時だけは嘘がつけないというのが疎ましい。こんなので感じてるなんて悔しいもの
「へぇ、少し動いて見せて」
「!?」
「ほら、見ていてあげるから」
「…っ、わかりました」
羞恥を毎度受け入れてしまう私も悪いとは思う。でもどこかでこんなに支配されるのが嬉しいと思ってしまうからもっと見られたくなる
畳に手をついて腰を振り始める。変なところに当てないように気をつけつつ…
「ん…んん」
声は抑えられる。時折擦れるのが快楽につながりはするけど問題なさそう
貴方の以外で感じてるとは思われたくない
「…こうして見てると、君は本当に犬のようだ。首輪でもつけた方がいいんじゃないかな」
「それは犬まで堕ちろという意味ですか?」
「どうだろうね」
確かに私は貴方の犬だけど、それは貴方をお守りし貴方の命に従う従順さを示しているのであってこんなところでまで犬と同じ扱いをされたいかと問われると複雑だ
貴方がそれを望むならとも思うし、そんなものはごめんだとも思う
不意に、貴方が私を止めた。なぜか横になるように言われたので言われた通りにすると、足を開かされそのままディルドを捩じ込まれる
「まっ…イヅルさんそれは」
私の制止を聞く気は無いのか、貴方の手がそのまま抽送を始めた。貴方が私の急所を理解してないはずもなく、そこばかりを責められる
「やぁ、まって、いづるさ…っ、これいやぁぁ…」
こんなもので感じてる自分が嫌だ。貴方のものじゃ無いのに、嬌声が上がることに虫唾が走る
「どこが嫌? こんなに感じておいて」
貴方のじゃない、貴方のじゃない。こんなの嫌、怖い
「やだやだ、あなたのがいい…っ! ぁ、ふぁっ、やぁ…っ」
こんなの泣いてしまう
私の前にいる貴方の死覇装を掴んで必死に訴えるけど、貴方が受け入れてくれるかどうか
私の嫌がるところが見たいって、言ってたわけだし
「どうして僕のがいいんだい?」
「こんな、こんなおもちゃいやですっ、あなたが、貴方の熱が欲しいの…っ!」
それでも矯正が上がる。いやだ、いやだ。こんなもので支配しないで、貴方の手が、貴方の目が、貴方の全てがいい
「…仕方ないな」
そう言って貴方は玩具をずるりと引き抜く。私が涙に顔を歪めていると、秘部に熱いものがあてがわれるのを感じた
「!」
ず、とその熱は挿入ってくる。そこには強い喜びがあった
「ああぁ…っ」
貴方の、貴方の熱を感じる。あんな玩具の冷たさではなくて、確かに貴方の重みと熱がある。こんなに嬉しいことってない
「あぁっ、あ、ひぁ…っ」
今度は素直な嬌声をあげた。貴方の首に腕を回してキスを強請ると答えてもらえてさらに嬉しくなる
「これが欲しかったんだろ…っ」
そう言う貴方も少し余裕がなさそう。どこが哀れな私で興奮してくれたんだろうか、そうだったらいいのにな
「そう、そうですっ! 貴方がいい、あなたがいいの…っ、〜〜〜〜っ!」
貴方の熱で膣内が溶けそうに感じる。抽送が早まってるのに、ずっと快楽が止まらない
「あぁ、あっあっ! いく、いきます…っ、ああぁあぁぁぁっ!」
大きく果てた。意識が一度遠くにいきかけるけど抽送が終わらなくてすぐ引き戻される
「っあ! らめ、まらいく、いくからぁっ」
ここまでの刺激が強かったせいで膣内が過敏になってて、奥を少しこづかれただけなのに逝ってしまう
「あ゛ぁぁ、あっだめ、すぐいっちゃ…〜〜〜〜〜っ!!」
貴方も一度私の口に出したせいか今日は長い。それが苦しくもあり、嬉しくもある。何も答えない貴方が私を見てる、見てる…嬉しい、嬉しいから目を合わせてしまう。こんな崩れた顔見られたくないのに
「いづる、さんっ、いづるさん…っ、すきすき、すきです、もっと、いづるさんをくださいっ」
「…っ」
「あ゛ぁぁぁっ!」
素直な気持ちを言っただけなのになぜか奥を抉られた。嬉しいと思ってくれたなら、私も嬉しいけど
いつもよりも終わらない、終わらない快楽。残業の時は何度もされたけど、今回みたいな一回が長いのも良いな、好きだな
「はっ、ぁ、あ゛ぁあっ、ぉ…っあぁっ!」
まともな声が出づらくなってきた。喉が掠れてきてるのに止まらないのが幸せで
このまま壊されてしまいたい
あんな怖い思いをもうしないように
「…流石に無理だな」
「ふぇ…っ?」
確かに貴方の声が聞こえた。そしたらさらに押し込まれてそれだけで果ててしまう
「ぁあぁぁあぁ…っ」
何度か押し込まれて、その度に意識を弾けさせているとどろりとした熱を感じた
やっと終わったのかと言う気持ちと、終わってしまったのかと言う気持ちがどちらも胸にある
貴方でないものを感じてしまった故に、貴方を感じられることが嬉しくて仕方なかった
「は、ぁ…はぁ…は…」
呼吸が荒い。指一本動かす余裕はないし、喉が少しだけ痛い
あぁ…だめだ、これを幸せに感じているのダメ人間だと思う
「はぁ…」
貴方のため息が聞こえる。これは久しぶりに自虐タイムとみた
「いかがしました…?」
すこし間を置いたのでなんとか起き上がって貴方を見る。やっぱり貴方は背中に暗い影を背負っていたので後ろから抱きしめた
「いーづるさん…」
返事がない。やっぱり落ち込んでるなこれは
「そんなに落ち込むことありました?」
貴方が嗜虐的なのはいつものことだと思うけど
「さっき言ったじゃないか…僕は君を普通に愛してあげたいのに」
やっぱりかぁ…それはいつか言うんだろうなって、どこかで思ってた
でも、それだけが愛じゃないし
「普通って言っても…私は今が幸せですよ」
「!」
ぴくり、と貴方の肩が揺れる。何か思うところがあったのなら嬉しい
「貴方は前に言いましたよね"私の道を歪めてしまった"と。それは本当にそうでしょうか? 私は貴方を見て初めて誰かを心から愛したいと思ったのに」
羨ましいと、思ったのだ
貴方に思われる人が羨ましいと
この人に愛されるのは私がいいのにと
「今日だってそうです。これが私たちの形だと思うし、貴方が後悔するほど私は貴方の中に私を残せたと嬉しくなります。私はそう言う人間なんです」
背筋がぞわりとするほど心地いい
貴方が私を思ってこの世界に咎と思うことを増やすことが
貴方はいつも罪も咎も見ている人だから
…私はそんな、傲慢な人間だもの
「貴方に支配されることが、貴方が私を見ることが、私の幸せです。貴方がそれを望むのならば犬になってもいいと思えるほど」
「…」
貴方は答えない
でも私は貴方がわかってくれるまで何度だって伝える。私の幸せは貴方のそばにあるんだって
「貴方が私を見てくれるということは、貴方を見ている私を見てくれると言うこと。その見方がどんな形かなんて、それは些事ですよ」
こうして私は貴方を言葉で縛ろうとする。高潔な貴方なら私のところに堕ちてくるその姿も、きっと美しい
「…それは欺瞞だ」
「?」
「確かに君から見てそれは間違いないんだろう。だけどそれだけが君の望みではないはずだ」
「…っ」
どうして、どうして貴方はそう簡単に見抜いてしまうのかな。私の本当の望みを
私は貴方に絡めた腕で、貴方を強く抱きしめる
少しだけ、泣きそうになった
「君が僕の犬だと言うのなら、僕が望むものが何かもわかっているんだろ? それなのに堕ちろと言うのは、君の心に対する欺瞞だよ」
「…嘘は、ついてません」
嘘じゃない。貴方が堕ちる様はそれはそれは美しいだろうし、貴方が愛してくれるなら形なんて些事だ
でも私が守りたいのは、貴方の穏やかな幸せ。貴方はそれを私の目線からも、叶えようというの
「君は僕のことを考えるあまり自分自身を蔑ろにするところがある。僕はそれを望まない」
「…」
思わず目を逸らした
貴方は答えられない私の腕を解いてこちらに振り向くけど、私はその表情を見ることができない
「…こっち向いて」
恐る恐る貴方を見る
「君のしたいことは何?」
「私の、したいこと…」
そんなのたくさんあるよ。どれを言えばいいの?
「答えて」
「…貴方が」
そこで少し息を吸った。言うのがどこか怖くて
「貴方が、貴方のしたいように私を愛してくれること、貴方の日常を守れること、貴方と共にあること」
その形はなんでもいい
貴方のしたいように私を愛して、貴方の日常を護り抜いて
貴方の隣に在れること
それ以外なんて、要らない
でも私の答えに貴方はため息をついた
「…そう言うことじゃなくて」
「?」
「君が"今"したいことは? 君が好きなことは? それを教えて」
「あ…」
そう言う、こと?
私が、今したいこと…
「貴方の隣にいるのが好きです。貴方に優しく愛されるのも手酷く愛されるのも好きで、貴方と触れ合えるのが好きです。イヅルさんが好きです」
そこで一つ、また息を吸った
今度はなぜか、泣きそうになったから
「…今したいことは、抱きしめて欲しい、です」
そう言ったら、貴方が抱きしめてくれた
力強いようで優しい抱擁はなぜか私の涙を誘う
「君は不器用なんだね」
「…そう、かもしれないです」
おかしいな、貴方の悩みをとってあげたかったのにどうして私が慰められてるんだろう
いつだって貴方に寄り添える私でいたいのに
どうしてこんなに上手くいかないんだろう
こんなに貴方を愛してるのに
「そういうところ、嫌いじゃないよ」
「…複雑です」
貴方の前にいるのだから、いつだって綺麗な私でいたい。それが正であれ負であれ…
そのどちらもできていない私は中途半端だ
「とりあえず湯浴みするかい?」
貴方が私の背中を優しく叩く。それを合図に離れてそれから私は、少し視線を逸らして言った
「貴方さえ良ければ、もう一度愛してください。今度は、貴方の言うように優しく」
きっと物足りなくて激しく求めてしまうんだろうけど、それでも欲しい。あんな意地悪じゃない愛され方も
「…嫌がる君は見応えがあったけどな」
「…っ! 意地悪!」
「そうそう、そう言う顔が可愛い」
「〜〜〜〜〜〜っ!」
やっぱり意地の悪い人だ! 貴方は!
顔を真っ赤にしてそっぽを向くと腕を引かれる
「仕方ない、今度はちゃんと布団敷こうか」
「…わかりました」
今度は優しく抱かれるだろうか
貴方の言う当たり前も、覗き込んでみたい
終