※この作品はR-18です。

サーシャ・メイは動かない   作:ちいさな魔女

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触手の王 その4

サーシャは触手王ことニルの料理を食べようとした。しかし、触手のテーブルにお腹がつっかえる。

 

サーシャ「ん。お腹が大きいと座りにくいわね」

 

ニル「調整したぞ」

 

ニルが料理の乗るテーブルの位置を変えた。食べやすい高さと距離になり、サーシャは「ありがとう」と言った後に食べ始める。フォークで刺した後にナイフでステーキを切り取り、口に運んで食べ始める。

 

サーシャ「ムッ………んん!?何これ!?外はサクッと香ばしく、噛めば中がジュワッとジューシー!!噛めば噛むほどに肉汁が溢れ出て来る!!美味しい!!」

 

サーシャはステーキを食べ続ける。ナイフで切り取った部位からは、肉汁が溢れ出ていた。

 

サーシャ「ハンバーグも良いわ♥中もしっかり火が通ってる♥」

 

ハンバーグもナイフで切り取り、フォークで口に運ぶ。

 

ニル「焼き肉も堪能出来るぞ」

 

サーシャ「何これ?色々な肉があるわね」

 

ハラミ、タン、ホルモン、カルビ等、数々の肉の部位が焼き肉の形で味わうサーシャ。

 

そして、骨付き肉に齧り付いていく。どれだけ食べてもお腹一杯にならない。

 

ニル「順調だ。赤ちゃんは成長してる」

 

サーシャ「ムグムグムグムグ………どれだけ食べてもお腹一杯にならないなんて。お腹の子に全部吸収されてるみたい」

 

ニルはサーシャの膨らんだお腹を撫でる。バランスボールの2倍もある大きさにも関わらず、サーシャは重苦しく感じてない。サーシャが動く度にお腹が揺れる。

 

サーシャ「ふう……んあっ!?」

 

ドクンッ!!

 

サーシャはお腹の中から鼓動を感じた。

 

サーシャ「赤ちゃんが!?」

 

ニル「おおっ!さあ、早速産んでくれ!!私達触手族の未来を担う、子供達を!!」

 

サーシャは感じた。子宮から出て、腟内を通る赤ちゃんの生きる意思を。

 

本来痛みを伴う出産だが、サーシャに走るのは快感のみだ。

 

ズリュウウッ!!

 

サーシャ「んああああっ♥!!」

 

サーシャのおマンコから、赤ちゃんが産まれる。しかしその姿は、小人族のように小さな身体に、背中から触手を生やしたサイドテールのロングヘアーをした少女の姿だった。髪の毛の代わりに、髪型のような形をした触手が頭髪の代わりになっている。

 

赤ちゃん「ああっ………おかあさまぁ♥」

 

赤ちゃんがサーシャに抱き着く。そして、胸に吸い付いて母乳を吸い続けた。

 

サーシャ「ハァ……ハァ……♥私の赤ちゃん♥可愛い♥もっともっと産むわ♥」

 

サーシャは愛しさのあまり、赤ちゃんを抱き締めた。

 

赤ちゃん「んむっ。ほら、おかあさまのおっぱいだよ」

 

サーシャ「そう?私も飲んでみたかったのよ♥」

 

赤ちゃんは大きなサーシャの胸を掴み、乳首をサーシャは元へ寄せた。サーシャは自身の乳首へ吸い付き、母乳を飲み始めた。

 

サーシャ(自分の母乳♥美味しい♥)

 

そして、次の出産も気持ち良いまま行われた。

 

ズリュリュッ!!ブシュッ!!

 

サーシャ「イかせて♥ママを喜ばせて♥」

 

サーシャは快楽を堪能する。出産する度に気持ち良くなり、ニルはその光景を見て微笑んでいた。

 

ニル「よしよし♥サーシャ、ありがとう♥私も何だか、解放された気分だ♥」

 

この洞窟に封じられてから、ずっと待ち侘びていた感覚。それがサーシャと交わり、子を成して、漸く訪れた。

 

長かった。500年だったか。

 

ニル「思えばあの日………この世界に転(・)生(・)してからだったな」

 

ブリュッ。

 

サーシャ「最後の出産………ハァ…ハァ…ハァ……ふぅ。ん?転生?」

 

サーシャは赤子達に囲まれていた。全員が少女の姿をしており、サーシャと同じ赤髪だ。但し髪の毛が生えてるのではなく、赤い触手が髪型の代わりとなっているだけだ。そして既に、14から18歳の年齢レベルにまで成長した子供達。知性もかなり高く、性格もそれぞれ異なっている。それでも、サーシャやニルに愛情を注いでくれる。

 

そしてサーシャは、ニルの発言を聴き逃さなかった。

 

サーシャ「転生って………確か、死んだ人が新たな生を受けるっていう………まさか、貴女は転生者?」

 

ニル「ああっ、そうだ。私は元々触手族の女王ではない。この世界とは別の世界で育った、元人間だ」

 

ニルは語る。自身の過去を。

 

――――――――――――――――――――――――

 

前世ではどんな名前だったかは忘れた。

 

しかし、その人生は良くも悪くもないといった感じだ。

 

小学校では孤立しないよう生徒達の知りたくない事も知り、自分が興味のない事も知り、馴れ合いたくもない相手とも無理にでも友達になった。中学生になってからはそれなりに楽しい青春を送るも、親からは成績の良さしか見られず、イジメが起きても見逃すように促す大人達。高校生になっても大して変わらず、自分は何も変える事が出来ない、ただの傍観者だった。

 

社会に出た後も、勤めた先は三流企業のブラック並な職場。仕事第一とされ、上司にへつらい、パワハラやセクハラだって受けて、取引先におべっかを言うも相手にされず。

 

満員電車で痴漢に遭い、残業をしてもボーナスも残業手当も与えてくれない。

 

それでも耐えて生きてきた。軈て会社でそれなりの地位を築いたが、それでも部下には嘗められるし、上司からのセクハラもパワハラも止まらなかった。

 

そんな自分が変わろうとしたのか、ひもじい孤児院を見かけて、其処でギリギリ以下の生活を送る子供達を見た。

 

彼女は資金援助を惜しみなく行い、食料寄付をして、メディアも通して支援を呼び掛けた。

 

彼女の立場は、会社や社会においても安定していき、セクハラもパワハラも無くしていった。

 

漸く何かを成していき、やっと本当の意味で幸せな人生を掴める筈だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女に冤罪が掛けられるまでは。

 

 

 

 

 

 

それは、些細な切っ掛けだった。

 

彼女の立場が良くなり、自分の立場が危ぶまれた上司がなんと、自分が犯した罪を、彼女が全てやった事にした。

 

それは、上司の妻や子供達を、家諸共焼き払うという、あまりにも鬼畜な所業。しかし、上司は金と権力で警察も何もかも買収し、冤罪を着せたのだ。

 

彼女は逮捕され、何もかも全て失った。

 

裁判の日。検事側からは有りもしない罪を次々と投げ掛けられ、弁護士達や孤児院の皆、彼女に味方するメディアは鬼気迫る表情で無罪を訴えるも、全く聞き入れられず、彼女は無期懲役の刑となってしまった。

 

彼女は絶望した。この世界に自分の居場所は無い。話を聞いた囚人達は仲良くしてくれたけど、もう我慢の限界だった。

 

彼女は食事用のナイフで、自分の首を斬った。手首を斬っても即死に至らないので、頸動脈のある首の部位を斬って自殺。囚人達が涙ぐみながら自分を揺さぶる光景を最期に、彼女は意識を失った。

 

そして目が覚めた時、自分は産まれたのだ。触手族の王族として。

 

触手族は、前世の人間達とは比較にならない程に温厚かつ自由な種族で、多種族とも交際可能で、産んだ無精卵は万能の食材にもなり、自分の身体を削って食べる事も可能という、万能の種族だった。

 

彼女は前世で見たことのある料理を、何故か調理出来た。自分の身体を削り、卵を産み、様々な料理にアレンジした。その味は絶品で、触手族だけでなく多くの種族にも好評だった。

 

そして、多種族と交わり、多くの子孫を残した。好きでもない相手との性行為は苦手なのだが、触手族は皆温厚で優しく、自由な種族だ。嫌いにならない訳がなかった。

 

自分から交わり、そして多種族の女と交わり、多くの子孫を産み出した。何時しか自分は触手王と呼ばれるようになった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

ニル「………しかし、例の帝国人共が襲来。我々は地下に移り住んだが、私だけは帝国人共によってこの地へ封印された。私は殺す事が出来ないからな。この不死の肉体、何故か私だけは頭が消えようが量子分解されようが、再び再生する。プラナリアのように再生するし、肉体が消滅しても何故か蘇生された。魂や精神自体が不死の可能性もあるけどな」

 

サーシャ「………そうだったのね」

 

サーシャは元の細くてムキムキな腹筋を撫でる。ボテ腹は元に戻っていた。

 

ニル「しかし、此処へ戻って来ているという事は、封印が解けたのだな。500年ぶりの外だ。早く出てみたい」

 

サーシャとニルが居る場所は、3日前にサーシャが入り込んだあの部屋だった。肉壁の部屋から戻って来たという事は、ニルの封印が解けたのだ。

 

サーシャ「そうね。それに、私の旦那様になるんだもの♥」

 

ニル「ああっ。ん?」

 

ニルは耳を疑う。

 

ニル「旦那様?」

 

サーシャ「そうよ♥私、色んな男や雄とも交わるのが趣味で、異種妊娠だって数多い経験者よ。でも、本当の意味で、私が好きで愛しいと思える人に出会った事が無かったの♥その上私のこんな性格に付き合ってくれそうな伴侶なんて居るとは思えなかった♥そんな相手はニル、貴女だけよ♥」

 

サーシャはニルの口にキスをした。短いキスだったが、不思議とサーシャとのキスは濃厚に感じた。

 

ニル「いや、私はお前が楽しいならば別に構わないし、エロい事してるお前も、私と性行為をするお前も、全部好きだ。だが愛してるの意味は知ってても、まだ実感が………」

 

サーシャ「なら、此れから教えて上げる♥私と結婚してください♥」

 

ニル「……私だって、昔は多くの男女と交わって来たんだ。そんな私で良いのか?」

 

サーシャ「ええっ♥それに、『愛』の意味が知りたいなら、私と一緒に、そして皆と知る為に生きましょ。私がたっぷり、教えてあげるから」

 

ニル「……ああっ。そうだな。此れからも、宜しく頼む」

 

サーシャとニルは手を握り合う。

 

子供達「パパー!ママー!早く行こう!」

 

子供達「ええっ、お母様。お父様、早く外の世界に行きたいです」

 

子供達に促され、二人は外に向かった。サーシャにとっては3日ぶり、そしてニルにとっては500年ぶりの、外の世界だった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

そして、病が治まったサーシャは、ニルと子供達と共に聖国へ帰還した。サーシャはジルフリーデに触手王ニルの受け入れを申請した所、新生聖国騎士団を悩ませる後遺症を治すよう提案した。ニルはサーシャにしたやり方を提案した所、ジルフリーデは渋ったものの許可した。

 

ニルは新生聖国騎士団全員を触手で犯し、妊娠させた子の力で後遺症を治し、触手料理を振る舞った。今度は彼女が元居た世界の『刺身』と、この世界の米で作った『寿司』を振る舞い、それが彼女達に大好評。彼女達の中には夫や子供達も居り、彼等からも感謝の言葉を受け取るニル。

 

そして、ニルは正式に聖国へ受け入れられ、今はサーシャと結婚。二人で遊郭兼食事処を経営するようになった。ニルの触手や様々な食材を使った食文化は、聖国の食文化の発展に大いに貢献する事になり、外国から触手料理や未知の料理を食べたいと訪れる観光客も増えて来た。

 

そして、各国の首脳達にも振る舞われ、ニルとサーシャは聖国の百合夫婦として知れ渡るようになった。

 

それから3ヶ月後。

 

サーシャ「見てニル♥私、また孕んだわ♥今度はカマキリみたいな魔物からよ♥」

 

ニル「ああっ。私も顧客が多く入るようになった。指名が増えて忙しいが、色んな人と話せて幸せだよ」

 

サーシャ「ふふっ♥この子を産んだら、またお願いしちゃうわ♥」

 

ニル「ああっ。また産ませてやる♥その代わり、私にもちゃんと孕ませてくれよ♥」

 

サーシャ「勿論♥」

 

お互いにラブラブなサーシャとニル。二人の生活は、此れから始まるのだった。




次回、『無人里』

サーシャはある日、ニルが昔見つけた山奥にある別荘の話を聞かされる。ニル曰く、その土地にある別荘は山奥に建てられた無人の里であり、人が住んでいる痕跡は何一つ無い里だった。しかし、その土地に足を踏み入れた瞬間、二人は思わぬ出来事に遭遇するのだった……。
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