ふと目を覚ますと、そこは見覚えのある広い台地だった。
ドリームランドって名前だけ聞くと……なんかファンタジックで綺麗なイメージがあったけど、全然そんなことなくてただただ広いだけの空間が広がっているだけなんだよね。
夜の空気を割くように、目の前には巨大な台地が、大きな月に照らされてさらに大きく広がっている。
「……ここが、ドリームランドか」「そうだぜ、ここがドリームランドだ」
感慨深いといった様子で雄平は呟く。
ここへきたのは俺だけじゃなくて、雄平、そして……水晶体のセンパイ。
ここにセンパイを元に戻す方法が……あるんだろうか。
「さて、どこ行くんだ拓也?」「まずは...そうだな」俺は視界の端に石像の城が見えていることに気がつく。
「あの城、行ってみないか?なにか手がかりがあるかも」
雄平は首を傾げるが、俺はそれを無視してその方向へと歩き始めた。
……この石像の城の近くで目覚めたってことは、何か意味があるはずだから。
「拓也、何か考えがあるのか?」「いや……別に。ただ、あの石像の城が気になってさ」
俺は雄平にそう答えながら、ゆっくりと歩みを進める。
そして、その石像の城の前まで来たところで、この建物が何なのかってのがやっとわかる。
その城は、ほとんど廃墟と化した、古城。
薄暗くボロボロで、壁や床の至るところがひび割れてひどいことになっている。
とても人が住んでいるような場所にはもう見えない……その残った壁には小さな人間に似た石像が飾られていて、それが何体も並んでいる。
まるで……城の番人のように。
「この城、なんか不気味だな……」ここで一体誰が暮らしていたのかはわからないけど、なにか良からぬことがあったんだろうな。
「拓也、あそこに何かあるぞ」
雄平が指差した先には、広大な丸天井のホールが広がっていた。
その空間の真ん中には大きな穴があって、その傍にはブサイクな小汚い生き物が座っている。
「なんだ、あの変な生き物は?」「さぁな、とりあえず話しかけてみるか?」「そうだな……」
俺と雄平はその生き物に近づいて行く。
小汚いけど……なんだか愛嬌があるような顔立ちだな。
もしかして、この城に住んでいた人……?その生き物は俺たちに気が付くと、ゆっくりと立ち上がった。そして、無言でフルートを取り出し、その音色を響かせる。
「この音楽……」
星間ガと同じような、懐かしい感覚。
その音色を聴いていると……やっぱり脳内に直接向こうの言葉が届く。
『ようこそ、我らの城へ』「この生き物がしゃべったぞ!」「いや……お前には聞こえるけど、俺は一気に野獣モードたちには聞こえないって感じだな」肩を落としながら話す雄平の返答を聞きながら、目の前の小汚い生き物を改めて観察した。
ブサイクだけどなんか愛嬌があって、ちょっと可愛いかも……?それが俺の抱いた第2印象。
『トート様、お待ちしておりました。ここは夢見る旅人が至る世界、ドリームランドと呼ばれる場所のひとつ、「夢見る石像の高原」です。』
奴はそう言うと、フルートをしまいながら俺たちにお辞儀をする。
『拓也様、赤の女王様からの言伝を預かっております』「赤の女王様から……?」あいつまた先回りしてたのか……まぁいいや。
「それで、その言伝っていうのは?」『はい』
そいつはゆっくりと息を吸い込み、落ち着いたブス顔で俺に本と手紙を渡す。
『拓也様、この手紙をお読みください』
その本は、『フランケンシュタイン』と書かれた本。
淫獣拓也はそれを受け取り、ページをめくり始める。
作者は……『メアリー・シェリー』内容はざっとまとめるとこんな感じ。
「生命の謎を解き明かし自在に操りたいという野心に憑りつかれた主人公、ヴィクター・フランケンシュタイン。彼は「人造の生命」の創造という禁断の研究に手を染め、墓を暴いて人間の死体を手に入れ、それをつなぎ合わせて「理想の人間」を造る。誕生した怪物はひどく醜い容貌となったが、ヴィクターは「これで生命の秘密は解かれた」と歓喜。
だが、その怪物の醜さはヴィクター自身の心の醜さを映し出し、ヴィクターへ伴侶を作ってくれと要求した。ヴィクターはこれを拒み、「生命」を造り出したのに伴侶が出来ないという皮肉から、怪物はヴィクターを殺害。しかし、怪物もヴィクターの呪いで自死を遂げるために去ってゆく」
……という物語だ。
「ふーん、なかなか趣味の悪い話じゃねぇか」
雄平は興味深そうに俺の持つ本を覗く。
「で、この手紙にはなんて?」すべてを読み終えてから、流れるように手紙へと移る。
『拓也へ』「まぁやっぱり拓也宛だよな」
雄平は雄膣の穴から精液垂らした俺から少し距離を取る。
俺はその配慮にうなづきつつ手紙を読み始めた。
『ニャルラトホテプの雛、彷徨うアリス、あるいは私の造物、様々な呼び方があるけれど。私は拓也と呼んでいるわね。望む場所を思いながら眠りにつけば、あなたはドリームランドの門をくぐりどこへでも望むまま辿り着くことでしょう。ドリームランドで眠りにつくとき、あなたは覚醒の世界で目覚めることでしょう。そしてあなたは夢見るプロメテウスとして、この夢の世界から現実へ、あなたの望むものを持ち帰ることが出来るでしょう。アリスは旅路の果てに女王となりました。プロメテウスが夢の世界から力を持ち帰ったように、彼女は力を得たのです。あなたも彼らと同じように、力を得られることでしょう。四つの都市を尋ねなさい。おのおのの都市に、あなたの知りたいことがあるはず。」
要するに元の世界で眠りにつけば、ドリームランド内で自分の望む場所へ行けるということ。
そして……夢の世界から現実に持って帰れるものがある……?「……つまり、このドリームランドで色々と特別なアイテムを集めないといけないってことか」「まぁそういうことなんだろうな」雄平はそう言うと淫獣拓也をマジマジと見た。
「で……4つの都市ってどこだ?」
俺は手紙の続きに目を移す。
『1つ、夢見る都市「ナイトメア」。
二つ、愛なき死者の地「グレイブヤード」。
三つ、強欲な姫君の巨大な墓「アンダーランド」。
四つ、あなたの友人が待つ暗がり「オッドタワー」。この四つの都市を訪れなさい』
「なるほどな……じゃあ、まずは....目覚めるべきなのかな?」4つの都市はドリームランドのそれぞれに散らばっているっぽい。
ここは夢の世界だ。現実世界と比べれば多分時間は無限に有るけど、広さも無限に近い感じだから、4つの都市を足で回るのにどれくらいかかるんだろう。
きっと途方もつかないんだろうな……。
「たしかにここは一旦起きて、都市の場所を想像して寝たほうがいいかもしれないな」「それでその都市が目の前に出てきてくれれば楽だな……」雄平と俺はそう会話しながら、ふと拓也は自分の身体を見下ろす。
今は……夢の世界。もし長時間更けていたら……夢精やお漏らしをしてしまうかもしれない。
それは嫌だし……それに、雄平にこんな恥ずかしい姿を見られるのも嫌だから。
「……じゃあ、そろそろ起きるか」俺がそう切り出すと、小汚い生き物が床の大穴を指差し「ここにあるこの穴はオッドタワーへ繋がっています」と教えてくれた。
「マジで?」「はい、この穴を通ればすぐにでも到着するでしょう」
……それなら話は早い。
「わかった。じゃあな」俺は小汚い生き物に手を振る。
「拓也様、お待ちください。
次の場所に進まれる前に、ひとつ質問をさせていただいてもよいでしょうか」
「なんだよ、質問って」
小汚い生き物は拓也の目をまっすぐ見て「ここは無数の現実性の集まる場所、人と神、人と獣、そして……、夢と現実様々なものが交わり曖昧となる場所です。わたしは曖昧さについて研究をしているのですが、もしよろしければ、そのお姿をよく見せていただいてもよろしいでしょうか?」
「敏感な拓也の姿……?」少し戸惑ったけど、すぐにうなづく。
「……ウッス」
敏感な拓也はそう答えると……ゆっくりと服を脱ぎ始める。
そして全裸になると、その小汚い生き物の目の前で、自分の肉体を淫らに動かし始めた。
「ウッス!ウッス!」
「ありがとうございます」
小汚い生き物はそう言うと、ハァハァ喘ぎ続ける拓也の身体に触れながらじっくりと観察を始める……。
「ウッス!ウッス!」ハァハァ喘ぎ続ける拓也はそれに答えながら、さらに激しく淫らに自分の身体をくねらす。
「ウッス!……ウッス!」
「拓也様、神の雛よ、あなたは人であり神であらせられる。曖昧な存在である現在について、どうお考えでしょうか?どちらかに完全になりたいと望まれますか、それとも曖昧な境界に留まりたいですか?」小汚い生き物はそんなことを言いながら、拓也の身体を触り続ける。
……俺はその間にもハァハァ喘ぎ続けながらその問いの答えを考える。
「ウッス!……ウッス!俺は……」
俺がそう言いかけたところで、小汚い生き物が拓也の乳首に触れる。
その瞬間、俺の脳に電撃のような快感が走る。
「ウゥッ!!」
思わず声を上げると、小汚い生き物はさらに激しく拓也の身体に触れ始める。
「ウッス!ウッス!ウッス!」ハァハァ喘ぎながらその快感に悶える拓也は、もう何も考えられなくなっていった。
「ウゥッ!……ウッス!……ウッス!ウゥッ!」ハァハァ喘ぎながら身体をビクビク痙攣させる拓也。
すると、小汚い生き物は突然立ち上がると、その尻尾から紫色の毒々しい触手を何本も伸ばし、拓也の四肢に絡みつかせる。
「な……なにを……?」雄膣の穴から精液垂らした俺が戸惑いながらそう聞くと、小汚い生き物はゆっくりと答える。
「あなたは人でありながら神と交わり曖昧な存在であるが故に完全にはなれない。
よってあなたは不完全である」
そして小汚い生き物は、拓也の乳首や股間にその触手を這わせる。
「ウッス!……ウッス!」ハァハァ喘ぎながら、拓也は小汚い生き物の行為を受け入れるしかなかった。
「いつまでそんなことしてるんだよ拓也!早く行こうぜ」
雄平がそう言って、俺の腕を引っ張る。
「ウッス!……ウッス!」ハァハァ喘ぎながら、俺は小汚い生き物の愛撫に身を委ね続ける。
結局俺は神と人の中間なんていう中途半端な存在のまま、曖昧さの中に沈殿していたいわけじゃない。
確かにこの世界は俺に知らない快感を教えてくれるけど、でも俺はやっぱり……。
「ウッス!……俺は……ウッス!」ハァハァ喘ぎながら、俺は小汚い生き物の触手から逃れようとする。
しかし、その触手は拓也を締め付けるように絡みつき離れない。
「ウッス!……ウゥッ!!」ハァハァと淫らに喘ぐ拓也の身体を弄び続けながら、小汚い生き物はゆっくりと口を開く。
「あなたはこのドリームランドに一生居続ければ、現実世界へ帰る必要はないでしょう。
」「ウッス……俺は……俺は神である前に、ある人のペットだ。
だからその下に、はっきりつかなければならないんだ」
俺はそう小汚い生き物に答える。
すると小汚い生き物は、拓也を拘束していた触手を解き、「わかりました。わたしは拓也様のご回答について、研究を進めていきます。」
と言い、祭壇のひとつに近づくと、緑の火をカンテラにともし、それを俺に手渡す。
「ご回答いただきましたお礼といってはささやかなものですが、どうぞお持ちください」
「ありがとう、小汚い生き物……さん?」
俺はなんだかよくないことを言いながら、カンテラを受け取る。
「このカンテラで照らす道を行けば、すぐにオッドタワーへ到着するでしょう」「ウッス!」そうして俺たちは、大穴の、暗闇の中へ進んでいく。
この穴はどこまで続くのか、地下にいる俺のダチとはいったい誰なのか。
不安は尽きないけど、俺はこのドリームランドを旅する。