[エルカノ]が開発したブースター。
ブースター系統ではぶっちぎりのブースト距離・間隔時間・供給性能を誇る。
玄人向けに製作されたのかそれなりの技量が要求される。
(4faのクイックブーストとOBが可能になる)
ーガガガガガ!!!!!
ーボボボボボッッッ!!ズガガガガァァンン!!!
ードッカァァァァンンン!!
ガトリング・ミサイル・バズーカ砲・レーザー砲から放たれる圧倒的な弾幕。
たった1機の機体が放つには余りにも過剰な暴力が[
従来のカタフラクトとはかけ離れ過ぎた様相に、思わず出た言葉が状況のイカレっぷりを表していた。
『アハハハハハハ!!!!!』
『誰だ!!3割増で改造しやがったの!!!』
(((((アレで3割!?)))))
乗ってるあのアマ公のせいで余計に拍車がかかった[カタフラクト・カスタム]は、嘗て何度も相対したその時よりしつこさが増した状態で迫り来る。
にしても、可笑しい。テンションの振り切れ具合が冗談抜きで薬中のソレだ。
『貴方もッッ!!各地で暗躍するテロ屋共も!!!火種をばら撒くなら皆死ねばいい!!!』
『現在形で火種ばら撒いてる奴に言われてもなぁ…』
狂った様に泣き喚き暴れるのはいい。ミサイルとガトリング……レーザー砲とバズーカを撒き散らしながらその巨体であちこちを引き潰しながら暴れ狂うのは如何なものかと思われる……
[着☆剣バズーカ]と[SONGS BIRD]の砲弾を直で喰らっても猛進してくる様はその辺の兵器では一網打尽にされかねない程で、連鎖する爆発と弾幕が破壊跡を拡大させる光景は戦争だ。…恐ろしいくらいに戦争だ。
そして、この状況を黙って見つめる影は三つ。
『(…( ´ᗜ`)ニコニコ…)…どうしてくれましょう…』
エデンの主、ドロシーは最早キレ具合が上限突破しており、満面の笑みを浮かべながら噴火寸前の怒りをどうにか抑え込んでいた。
一方のレイヴンは、カタフラクトから撃ち出されるミサイルやバズーカ砲を逆に撃ち落とし、レーザー砲は機体で受ける事でエデンの施設を護りつつ、なるべくカタフラクトを停止させようと尽力。打ち上げたプラズマミサイルを上空から降らせるが、プラズマ爆破の中でもお構い無しに暴れまくるカタフラクトは最早、弾丸戦車に等しかった。
『…キレすぎて、笑顔に成ってらっしゃる!!!』
『……(ヤバイよヤバイよ)…( ゚д゚)…』
すると、カタフラクトからの弾幕が途絶え、その代わりに冷却と再装填が始まった。どうやら装填分を打ち切ったらしい。
が…カタフラクトにはまだ鋼鉄の巨体が残ってる。
前脚の履帯を駆動させ飛び掛って来たが、その瞬間…
『独立傭兵:レイヴン…
……ドロシーから告られたのは救援が来たという報告だ。…だが助けに来たのなら兎も角、
エデンに居るならともかくコチラに来るまでは相応の時間が居るはずだ。
並ば、ピルグリムの誰か?若しくはゴッデスの誰か?…知り合いの中から恐らくの当たりを付けようとしていると…
……平地と化した向こうから砂埃が…
『…あ゛…』
かつて聞いたことの無い声が自分の喉から零れたのを感じとった。
遠目だが、
そしてその3人組は跳躍…其の姿は…………
『見付けたぞーー!!レェェェイヴゥゥン!!!』
『い゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!』
ーウカツ!!救援と思ったがジッサイ違う!!鴉が一番嫌うサムライが戦場にアンブッシュして来た!!。
そして刀を抜いた彼女は上段に構え、レイヴン…否!カタフラクト諸共に両断する勢いで振り下ろす!!!
『断風・錦!!!』
『ガッッッはァァ!?!?!?』
しかしレイヴンも手練だ……すぐさま身を捩りブーストを吹かせて回避!然し突進し続けたまま速度が落ちぬカタフラクトの中心部に直撃!!ISも叩き折らんばかりの一撃が襲う!!
『ワッショイ!!』
魂のシャウトと共に、振り降ろした時の回転力を利用!更にもう一回転する事でより唸りを上げた斬撃がカタフラクトの左前脚を叩き折る!!!
凄まじいワザマエ!!
……カタフラクトは負荷限界により硬直!!その隙を見逃す鴉に非ず!!
正面に躍り出た直後、[ディトネーティングバズーカ]
…[SONGS BIRD]の榴弾を同時に叩き込む!!なんと言うワザマエであるか!!そして鴉は後ろへと飛ぶが入れ替わる様に、残り2人が疾走した勢いのまま左右へと跳躍!柄に手をかけ勢い良く抜刀。其れは飛ぶ斬撃が繰り出す咆哮!!
超高密度金属により作られた刀の紅き斬撃波は、殺人的な加速を乗せ、超重量且つ高密度であるハズのカタフラクトを両断!!移動手段の無くなったカタフラクトは鋼鉄の棺桶と化した!!
……トドメと言わんばかりに紅いヘイローを持った子はカタフラクトのコアとなったISを引っ掴むと、自身の身体能力を解き放ち、カタフラクトを持ち上げ……反対の地面に勢い良く叩きつけたのだ!!
何という剛力!!何というワザマエであるか!!
ー[…[亡国企業 特務機体:カタフラクト]…[搭乗者 更識楯無:ミステリアス・レイディ]……沈黙…]
『…状況終了…お疲れ様…で良いのかなコレ?』
『良い訳無いと思うなぁ…』
広域通信で聞こえるボヤキを他所に、あちらこちらに散って防衛を行いきったNIKKE達が集まって来た。
際どい服装のNIKKE達はボロボロ具合のおかげか、更に悲惨な事になっていた。
『…さて皆様…ご苦労様ですと…言いたいところですが…』
そう言って見つめるドロシーの視線の先にはボロボロの[エデン:南エリア]が果てしなく拡がっていた。
ドロシーは呆れながらもどこからか取りだした安全ヘルメットをレイヴンに手渡すと、にこやかに告げた。
『手伝ってくださいますか?換金手続きもその合間に済ませましょう。』
『…うっす……』
……えも言われぬ迫力に頷く事しか出来なかった。
……………………………………
…………………………………
………………………………
ーバタバタ…ドタドタ……
ーカンッ!カンッ!カンッ!カンッ!
ージジジジ…
『そっち持って〜』
『ねぇ、この廃材はどうするの〜』
『誰か〜スキルミオンの予備バッテリー無い〜?』
黄色のヘルメットを被ったNIKKE達があっちにこっちに駆け回りながら、瓦礫を運び、
建築資材を用いて急拵えの家屋をあっという間に造っていく。
働く時はネームドも量産型も関係無い。今は人力が必要な為に動ける皆が働いている。
そこに訪れるドロシーは作業をしてるNIKKE達へ吉報とも言えるべき報告をした。
『皆様…アークより"パーフェクター"を1台ですが、お貸し願うことが出来ました。そして、アンリミテッド隊隊長:ルドミラ様が外界探索にて得た物資と実用品の取引をもちかけており…今から取引を行いますが皆様どうですか?。』
『『『『待ってました〜!!!!』』』』
…そこから数分後……
『さぁ!これが今回の探索で得た代物よ!』
…アンリミテッド隊がポーチから何処に入ってた?!というレベルの物資を取り出し並べる。
……途端に活気が湧き、辺りには取引の声やキャーキャーと物資に大喜びするNIKKE達がひしめいていた。
ー『ねぇねぇ!この服幾ら?』
ー『〜ホローポイント弾のマガジン2つと!!』
ー『…あっあと…これも欲しいな〜』
それを少し離れた場所から眺めるハスラーは、見た目にそぐわぬ剛力を持ち合わせつつ相応の感性をしている彼女達を見ながら、尋ねたい疑問の数々を堪えていた。
『……つい数時間前まで戦いをしていたはずだが……あっという間にプレゼント交換に早変わり…見た目と違って精神が成熟してるな…いや?割り切りが出来てるのか…』
そしてアンリミテッド隊が物資を取り出した手品に合点がいった。
『!アレは…そうか!"
…ISに使われる拡張領域…其れをただのポケット扱いしているのは、クロエ含む[エルカノ]社だけでは無かった事に暫く笑いが抑え切れなかった。
その横では……
『これが、[HCー2000 SHADE EYE]…何かの頭を戦闘用に改造した奴かな?』
『このCOREパーツの名称は[BDー011 MERANDER]…って言うんだ。かなり頑丈だね…でも軽量化も施されている…考えられてるね〜』
『…[ARMS]パーツもCOREパーツと同型、[ARー011 MERANDER]…遠距離に適正が有る…』
『…[ACー3000 WRECKER]…ゴツイね…ファイルは…コレで作業用?!…言われてみれば重機みたいなデザイン…』
分解が容易く行えるのか[ナイトブレイカー]の部位を取り外して詳細を見ている明らかに技術専門のNIKKE達…
それ故に気になった事を問うてみる事にした。
『……無礼を承知で聞くが…君達って結構…怪力?』
ーピタッと全てが止まった様な気がした。
やらかしたみたいだと独りで後悔に耽けるが、一転、重い雰囲気から軽めの空気になった事に更に困惑する羽目になる。
『フフッ…"渡り鴉様"?叩かれても文句言えませんよ?ソレ…』
『…何か渾名めっちゃ増えてる気がする………』
ーこの戦いで"火龍殺し"・"企業の天敵"と様々な渾名を聞いたハル・ハスラー。
多分……まだまだ名はいっぱいあると予想して困った顔をするハスラーを見てお嬢様らしくクスクスと笑うNIKKE:ドロシー。
そして後になって知る事になるが彼女がこの楽園の主だと言う。
なんとビックリ…この楽園は彼女と志しを共にするNIKKE達が集いながら作り上げた様だ。
『…では先程の質問についてですが…私達は、
『成程、女神と呼称する訳だ。別に区別はしない。その力で今まで
『…成程……貴重な評価を有難うございます…』
…凄まじく強力な力、ソレは彼女達と関わる上で念頭に置かないと行けない事実…それでも尚物怖じせずに対等に話せるのも濃密過ぎる傭兵家業の末かと思っている。
『私達は、元来、人に向けて身体の暴力は望みません…例外を除けば…。故に、市政に混じる時はコレを掲げますね♪』
そう言いながら肩から提げた白く神々しい雰囲気のライフルを掲げる。
なるほど……内に秘めた暴力よりも、今すぐ振るえる暴力という名の[銃]は有る意味で抑止にも繋がるし、余計なトラブルを減退させるには打って付けの手段だ。
『……君達の力に耐えられる様に、共通の規格じゃなく独自の製法が存在する?…
『……?…!でしたら、相応の金額は頂きますよ?』
『…ちゃんと支払うよ…未払い問題引き起こしてズルズルと引き摺る連中じゃあるまいし…』
ハル・ハスラーはしれっと身に纏う[ナイトブレイカー]に付属させる専用武装の開発依頼の約束も上手く取り付ける事に成功。
当然の帰結として、契約は信頼が物語る。特に金が絡んだ場合はソレが顕著に現れる。……裏切るか逃げた場合は手酷いしっぺ返しと信頼の喪失という代償を支払うことになる。
『あっ!そうでした。体の汚れや汗を落とす為に此処には大浴場があるんです。良ければご利用なさりますか?』
『!!まじ!?…お風呂戴きます!!』
……年相応のはしゃぎ振りを見せたハスラーだったが、致命的な点を一つだけ忘れていた事に気付かなかった。
と言うより気付けと言うのが無理難題かもしれない。
此処に来てから
……続くよ!!……
ー[拡張領域]ー
物体を登録して量子変換することにより保存が可能となったISの馬鹿げた能力のひとつ。因みにIS一機一機"個性"が存在する為、仕舞い込める武装にも好き嫌いが現れるらしい。
……エデンやアークの連中はコレの機能を持った肩掛けカバンやポーチを開発してるらしい。特許を取ったらそれだけで市場に乗り出せるじゃんか?!凄いな……