※この作品はR-18です。

〜兎と鴉と女神達〜   作:坩堝の騎士王

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〜[44ー143:HMMR]〜
エニックの開発したプラズマ機雷投射器。
回転体を投射して遠心力とスラスター補助による打撃を行う。

チャージでは軌道上に機雷を散布しプラズマ爆発を引き起こす。


〜燻る火種〜

 

〜ルクセンブルク・エルカノ社 敷地内〜

 

……ゴォォォォォォォ…………

 

ー二番ハッチ解放……

 

ナイトブレイカーを受け入れる為に本社のカタパルトハッチ周辺には、大きな黒翼を広げたナインボールシリーズの最初機:セラフが万が一の為に待機していた。

 

『ハル・ハスラーノ帰還ヲカクニン。速ヤカ二、ハッチヲヒラキ、迎エ入レルノダ。』

 

ハッチが開きその中にナイトブレイカーが格納されたのを確認したセラフは、ハッチを塞ぐ様に駐留。扉が閉まりきった後、本来の立ち位置へと帰還した。

 

ナイトブレイカーをガレージに固定したハルはそのまま社長室に今回の仕事に対しての報告をする為足早に向かった。

 

・

・

〜《鴉移動中》〜

・

・

〜社長室〜

 

『てな事がありまして〜』

 

『…お疲れ様♪ハル君』

 

先の防衛戦にて起こった出来事……知られざる楽園…インティビリアの到来…その最中、[更識楯無]がカタフラクトと呼ばれた亡国の遺産を纏い現れた事…其れに対して楽園の面子との共同戦線を組み、沈黙させることに成功した事を報告した。

するとハンドラー・ハーゼは暫く考え込み…ハルにある問いを投げた。

 

『いい加減に抗議の文書叩き付けて来る?』

 

『其れは今(・)は辞めた方が良いな…やるなら然るべき時に徹底的に…クックックッ…』

 

いい加減に更識に抗議しようと言うハンドラーだが、ハルはその考えを撤回。やり返す時は最高のタイミングでやろうと進言した。

やられたらやり返す…プライドも何もかも…をモットーにしているハルは、次に絡んで来た瞬間が楽しみだと言わんばかりに怪しい笑みを浮かべていた。

……すると報告を聞いていたハンドラーが思う所があったのかあるメモリーカードを取り出す。

 

『其の…インティビリア?だっけ?どこかで聞いたなと思ったら…この間、侵入して来た[ミステリアス・レイディ]のアーカイブをサルベージしてみた時に凄い音声記録を見つけて抜き取ったんだ〜。それでね?聞いたらビックリな事が納められてたんだよ?』

 

そう言ってメモリーカードに入れられた音声ログを再生し始める。

……そこには……

 

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[音声ログ]

 

ー『トーカティブを下しますか。中々やるモノです』

 

ー『アノ鴉ノ攻撃ハ予想以上ダッタ…未ダ、甚大ナダメージガ身体二残ッテイル……』

 

ー『そういやリバーレリオはどうした?』

 

ー『ニヒリスター…あの子は、時期が来たら首輪を外すと言っていますよ?。』

 

ー『ドウアレ、巡(・)礼(・)者(・)共(・)ト組マレルト脅威ダ。ドウスル?インディビリア…場合二ヨッテハ、此方ガ屠ラレルゾ?』

 

『そこはいがみ合っている屑(・)籠(・)の奴等をリバーレリオに扇動してもらいましょうか。』

 

『成程なww…発言だけなら利用価値があるからなぁ』

 

『?…待テ…ソコダ!!』

 

ドガン!!!ーーーガガッ……ブツッ…………………………

 

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音声ログはここで途切れていたが断片だけでも有益過ぎる情報を得られた。

 

『時期が来たら首輪を外す?どっかに潜り込んでるのか…あの無表情コミカル女……つーか生きてやがったんだな…アイツ…』

 

ハルは頭吹っ飛ばされても生きてたトーカティブのタフさに少しばかり引いていたが、甚大なダメージを叩き込む事が出来たという結果に一応、安心した。そして次は必ず仕留めると云う決意を新たに固めた。

一方のハンドラーは自分の知識をフル回転させて、音声ログの内容を整理して結論を出そうとしていた。

 

『……(話を聞くに…リバーレリオと云う奴はどこかに潜り込んでいて、…時が来たら首輪を外すと言っていた……人を隠すには人の中…考えたねぇ…更にトーカティブは頭を消し飛ばされても生きてる…或いは、頭の代わりを務める器官がある?…『屑籠』の連中を利用……発言力だけの利用価値……成程…)人間sideの事情を解ってるだけあるのかな?』

 

…自分の頭の中である結論を仮定したハンドラーは、考察を終える。

これは後に厄介な事になるなと嫌な確信を持ちながら……

報告を終えたハルにハンドラーはこう告げた。

 

『そう言えばさっきマ〜ちゃんが呼んでたよ?多分新しいパーツが出来たんじゃないのかな?それか…何時もの…とか?』

 

『了解!』

 

そう言うと社長室から出ていったハスラーを見送った後、ハンドラーはある準備を始めた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜《鴉またまた移動中》〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

〜[エルカノ]地下区画・研究棟〜

 

『マキナ〜?…どこ行ったんだろ……』

 

研究区画ないのハンガーにはブラックグリントとコアを抜かれたALBAが鎮座していたが、ALBAフレームの腕部パーツがやけに艶かしい銀色の腕部に入れ替えられていたのだ。そのパーツはいつぞや達成した[インテグレーション・プログラム]の達成報酬である機体パーツだった。

 

『…[MAINDーa]の腕部パーツじゃないか…確か支援システムのエニックが手懸けたフレームパーツ1式をこの前貰ったんだったな…』

 

『…ようこそぉ…私のラボへ…』

 

『ひぇっ……』

 

ハスラーの背後から囁きながら現れたのは、赫灼色の長髪を靡かせたマキナ・タチバナ。

[エルカノ]の社員の中でもぶっちぎりの190cmの身長とハンドラーに匹敵するナイスボディの彼女は其のままハスラーの周りを歩きながら眼前に躍りでる。

 

『…あの…[オルトゥス]…あっ、マキナ博士…コレ…レポートと戦闘ログです。』

 

『おぉ!済まないねぇ…私でやると束ちゃんに怒られるからね〜』

 

『仕方ないですからね…MGS適性高いとはいえ、あの[プロトネクスト]機にはあまり乗って欲しくないのが現状ですし……』

 

ハスラーは[ナイトブレイカー]の拡張領域に入れていた戦闘ログと武装に関するレポートをマキナに提出した。

そして快くソレを受け取ったマキナは自分で試すと怒られる事を愚痴る。何とも言えない微妙な顔をするハスラーにマキナ博士は今の[オルトゥス]の現状を説明しようと口を開く。

 

『それで?呼んだ理由は?』

 

『明後日辺りから学園に戻るのだろう?なら[ナイトブレイカー]と[ALBA]のコアの入れ替えをしておこうと思ってね?後、[ALBA]の腕部はエニック?とやらから貰った[MAINDーa]の腕部を装着させたよ…これで射撃補正と反動抑制が高くなる。……そして、左右の武器を[IBーC03W2:WLT 101(軽リニアライフル)]で統一。

で、肩武装の左は[ IAーCO1W2:MOON LIGHT(ライトウェーブ・ブレード)]を搭載。

右肩は[BMLーG2/P17SPLー16(二連八分裂ミサイル)]にして……インナーパーツは

ジェネを[VPー20C]・ブースターは[USー01:SILVER SOL]・FCSはIBーCO3:WLT 00]に設定してチューンする予定だよ?』

 

マキナの持っていたタブレットPCを受け取り[オルトゥス]のアセンブルを確認するハスラーはそのままソファーに座り見直し始めた。

タッチ画面を操作しながらアセンブルを丁寧に熟考していく。

 

『……[ IAーCO1W2:MOON LIGHT(ライトウェーブ・ブレード)]を……この間、エニックから購入した[44ー143:HMMR(プラズマスロアー)]…アレを使おう。買っておいて、レポートを出さないのは失礼だからな。』

 

……[MOON LIGHT]の代わりに積もうと選択したのは、[44ー143:HMMR]…珍しいフレイル型の近接武器……何気にENジェネと出力で噛み合い、遠距離・中距離に近接補正が乗る謎過ぎるウェポン。存外、[MAINDーa]に一番噛み合うように造られた逸品なのかもと思い詰めたが、使ってみてのお楽しみだとハスラーは期待した。

 

『へ〜……癖の有るモノが好みなんだね♪じゃ、[ IBーCー03W2:WLT101(軽リニアライフル)]も変えてみようかな?…』

 

『…じゃあ、[HGー003:COQUILLETT(ハンドガン)]でお願いします』

 

『OK〜…じゃ、明日には仕上がってるから楽しみにしたまえ〜』

 

ハルからある程度の要望を聞いたマキナは[オルトゥス]のアセンブル・コア移植の為、研究室の奥に行ったマキナを見送り研究室から出たハスラーは自室へと戻ったが、ベッドの中心辺りにこんもりと小山が出来ていた。

 

ーパサ…

 

『…スゥ…スゥ…』

 

シーツを捲ってみると、クロエが可愛らしい寝息をたてて眠っていた。

起こすのもアレな為、ゆっくりとシーツを戻すと自分も就寝しようと着替え始めて…暫くしてちょっと困った状態である事に気付いた。

 

『…ベッド…まぁいいか…何(・)時(・)も(・)の(・)事(・)だ(・)か(・)ら(・)。』

 

そう言うとクロエを抱っこするように背後の方に潜り込み、そのまま2人で1枚のシーツを共有する様に被り、就寝し始めた。

 

『…おやすみ……(-_-)zzz…』

 

『…スゥ……ンミュウ……』

 

 

因みにこの時の束は2人の部屋の様子を監視カメラで見ており二人の緩く甘い関係をにこやかに見ていたという…鼻血ダラダラは少しだけ遠慮してもらいたいが…

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

〜《ハンドラー・ハーゼside》〜

 

『さ〜て…こっちも仕事始めるか〜♪…セラフ』

 

ハンドラーは伸びをして指を解してから目の前のパネルに問い掛けると、パネルが点灯し、女性と男性の声が混じったボイスが鳴り響く。

 

ー[オ呼ビデショウカ…"マザー・ハンドラー"……]

 

『各地に張った"アンテナ"の情報を此方で清算するからサポート宜しく♪』

 

ー[了解シマシタ……統制サーバー、"NEST"ノ接続ヲ開始…マザー…気二ナル情報ヲ見ツケタ……』

 

『ん〜?どれどれ…世界各地で観測された"未確認生物"が発する"音響力学"の規則性…南米に何かいるの?…"ラプチャー"の新種かな?…絶対天敵より酷いのが居るって言うし…セラフ!コレの情報を精査して!…オーバードウェポンの制作も急がないと…多分近い内にヤバい事になる。』

 

ハンドラーが何かに気付いたのか情報整理を急ぐ様にセラフに要請した。そして自分は、オーバードウェポンの製作を急ごうと図面を開き調整を始めた。

その声は切羽詰まった様な感じだが何処か楽しんでいる様な気もしていた。

 

『(…どこの誰か知らないけど私達の世界を踏み躙る気ならそれなりの歓迎をしてやるよ♪)』

 

そう思いながら図面を引き、時間も置き去りにしながら制作を続けていた。

 

そして……

 

『出来たー♪』

 

極限に集中して書き上げたのか、ハイテンションで叫ぶハンドラーの両手にはとある図面が一つ。そしてこの図面にはこう書かれていた。

 

ー[OWーTー05:ヒュージブレード]と……

 

そして白んでいる空を見たハンドラーはそのままソファーに座り込むと背もたれに体を預け、爆睡を始めた。

尚、一部始終を見ていたセラフはハンドラーの傍に目覚ましを設定したタブレットPCを置き静かにその場を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ハル・ハスラー
乗機を[オルトゥス]に乗換える。尚、武装面は多才で小技に溢れた技量寄りのアセンとなる。

ハンドラー・ハーゼ
クロ×ハルの恋路を見守るが自分もソコに滑り込んだ強かな女……更識楯無にいい加減ピキってる。多分何しでかすか分からん。

クロエ・クロニクル
添い寝をして貰ったので今の所満足してる。

マキナ・タチバナ
メンテを請け負う為に[ナイトブレイカー]を受け取りコア移植をする事に……



〜とある地点〜

『………』

『虚ちゃん…有難うね…』

更識本邸の離れに突き刺さった棺桶の中から従者の布仏虚に引っ張り出された更識楯無は未だに超がつくほどのGにより過激にシェイクされた三半規管を擦りながら、自(・)分(・)と(・)声(・)が(・)似(・)た(・)悪(・)魔(・)の(・)様(・)な(・)女(・)と世界の敵(レイヴン) に対しての怒りを募らせていた。

『くっ…今度あったら絶対に証拠を抑えてやるわ!!』

その楯無に対し虚は、手話により自分の意志を主人に伝える。

『…[貴女は間違ってない]…えぇ!そうね♪虚ちゃん。私(・)は(・)み(・)ん(・)な(・)の(・)為(・)に(・)やってるのよ!悪いのはアイツらなのよ!!……ふぅ…虚ちゃん…ちょっと悪いけど、[エルカノ]についての情報を集めといてちょうだい。』

楯無のお願いにぺこりとお辞儀をして虚は快諾の意で答えた。
其の顔はクスクスと何かを嘲笑う様な表情だったが。

そうして、屋敷の中へと戻ろうと歩を進める楯無は気付かない。
何時もは能面の様な虚の顔がおぞましい笑みを浮かべていた事・薄紫の長髪の内側が波打つ様に虹色の明滅を繰り返していた事・ほんのりと海の匂いを漂わせていた事を…極めつけは判断能力の低下を促す毒が己に注入されていた事さえも……
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