※この作品はR-18です。

〜兎と鴉と女神達〜   作:坩堝の騎士王

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ハル・ハスラーの渾名一覧
・黒い烏
・支配の天敵
・龍殺し
・最後の烏
・人類種の到達点<<NEW
・星が産んだ生物のバグ<<NEW
・小さな偉大な英雄<<NEW



鴉と鋼の女神達(閉幕)

 

クラス対抗戦…一年生の部に乱入をぶちかましてきた無粋な侵入者。

其れは、襲撃者が良く知るIS学園生徒会の良心[布仏姉妹]の片割れ布仏虚が手引きした事で巻き起こり、襲撃して来たのは[インディリビア]・[トーカティブ]が率いる機械蜘蛛の大軍…それ等の脅威に、[ハル・ハスラー]を筆頭に[鳳鈴音]、そして[カイネ・ゲルトルート][織斑一夏]の四名が奮戦。

 

…イレギュラーのバーゲンセールとはこの事。

 

更に、観客席では1年3組が独断で動き救助活動に専念。

1年3組の[小鳥遊ホシノ]と[キリノ・バレンシア]がシールダーを務め見事に避難者達を防衛。途中、参加してきた[EDEN]と名乗る組織に属する日本刀を所持する黒スーツの女性達に蜘蛛の対処を任せるまでの引き付けと誘導を行った。

キリノとホシノ曰く、何やらニンジャめいたシャウトと共にずんばらりと斬り捨てていく様は暗黒メガコーポかヨロシサン製薬が裏にいるんじゃないかと思われる程に苛烈だったそうだ。

 

 

 

 

現在のアリーナでは……

 

 

 

余りの熱量と衝撃に耐えきれず観音開きとなった砲身を携えた[ハルコンネン]を構えたハスラーと、その斜線上でぶち抜かれて地面に落ちてきたトーカティブの残骸が事の顛末を物語っている。

やがて[ハルコンネン]をパージすると[オルトゥス]を解除したハスラーが地面に倒れ込む。其の様子を見たのか一人のNIKKEが武器を放り出して、ハスラーの元に駆けつけると医療キットを取り出した。

 

ーヒュゥゥオォォォ……

 

ーコロロロロロン……

 

ーコロロロロン……

 

独特の音を響かせながら、上空に陣取っていた青いドレス姿の女神が舞い降りた。

スラスター無しに航空能力を維持しているのは何気にヤバいが、回る4枚のシールドが迎撃体制の如く砲口をチラつかせ、[シンデレラ]の周りを旋回し続けている。

 

寄れば撃つ。まるでそう言ってるかのように、降り立った白磁の女神は一人のNIKKEの元に軽やかに歩くとハスラーを看護しているNIKKEが親指を立てて良いよと示したのを確認。にこりと微笑むと、ハスラーの頭を持ち上げ、自らの膝にそっと乗せた。所詮は膝枕というやつかもしれない。

 

『♪…』

 

『…よう、シンデレラ…元気そうだ。』

 

そんな中、ペローナと名乗るNIKKEがハスラーの容態を述べる。

 

『…無茶しすぎ(´△`)…肋骨と右腕の骨にヒビ…暫く戦ったらダメだよ?……』

 

『ドウゾ……冷ヤシタ水ト…アーク謹製のビタミン剤デス。』

 

旧世代的なロボットアームでペットボトルと薬を差し出したのは、先程[パスカル]と呼ばれたロボット?だった。

ハスラーは薬を左手で受け取り…其れを飲むと、渡された水で薬を流し込む。

 

…一旦落ち着いたのか、ハスラーはパスカルを見る。

自立的な思考で単独行動の成せるロボットなど、[NEST]や前世では[ALL MAIND]

以外で直に見た事が無かった。アークという都市は自立型ロボットの開発にも成功しているらしい。

 

『……君はパスカルと言うのかい?』

 

『アナタハ?』

 

『失礼。私は[カイネ・ゲルトルート]…欧州貴族ゲルトルート家の一人娘…そしてドイツ代表候補生…序列は二位だ。宜しく。』

 

『アァ……コレハドウモ……?カ(・)イ(・)ネ(・)??モシヤ、エ(・)ミ(・)ー(・)ル(・)サ(・)ン(・)ノ言ッテイタ友達……デスカ?』

 

『……そうか…居るのか。その月(・)の(・)涙(・)と(・)呼(・)ば(・)れ(・)る(・)花(・)…私が彼にあげたものだ。』

 

『ソウデシタカ……[彼]ハ、元気デスヨ?何時カ、オ逢イニナリマスカ?』

 

『ッッッッ…そうか…良かった……本当に良かった。是非とも頼む。』

 

『ハイ……』

 

パスカルに話しかけたのはカイネだった。どうやら旧友にあげたアクセサリーを何故お前が持っていると疑問だったが、彼は生きてると知らされほっと胸を撫で下ろした。すると、アリーナのピットから飛び出してきた計10機のISが、中空を浮遊しながら此方にライフルの照準を合わせ始めたのだ。

 

『…総員、構え!!』

 

"蕾花"という名のNIKKEが号令をかける。彼女は[EDEN]の盟主Gs.Ⅱドロシー・ヨハンの次に命令順位が上らしいのである程度の命令は出来る。

蕾花について来ていた一人の近接タイプのNIKKE…2Bと呼ばれた同系統のNIKKEは鍔口をきり、更にはペローナ・シンデレラまでもが教員部隊に向けて照準を合わせる。

 

『…大人しくしろ!!お前達にはテロ幇助の疑いが掛けられた。…速やかに武器を捨てろ!』

 

『そんな横暴が許されるはずないわよ!!!』

 

鳳・鈴音が駆る[黒龍]は両腕のガトリング砲を一人の教員に向ける。

安全装置は解除…トリガーに指をかけた鈴音を見て、一夏は慌てたがその後に続けられた鈴音の言葉に少しだけとどまった。

 

『…大体、あくびが出るくらいに対応が遅いのに今更がん首揃えて出てくるなんて冗談じゃないわよ!…そして私(・)の(・)大(・)事(・)な(・)友(・)達(・)に覚悟も無い不細工な代物向けてんじゃないわよ!ぶち殺すわよ!』

 

激情のまま、教師陣に対してすごい不満を述べる鈴音。

その後ろに立つカイネは鈴音の元へ歩み寄って肩を叩き、引き留める。

 

『?カイネ…アンタも何か言いたいのね……いいわ』

 

『済まないな鈴音……コホン…責任の取り方を知ってんのかボケ共が!生意気言ってるとその××××××××××(ゲシュタルトスラング)を剥がして××××××××(ゲシュタルトスラング)してやるからな!!解ったら潰れた面子とプライドをゴミ箱に捨てて引き返しやがれ!!!』

 

『『『『『( ゚д゚)』』』』』

 

鈴音からバトンタッチしたカイネは咳払いをすると、リンドヴルムのスピーカーをMAXにして……次の瞬間、オマエ貴族だろ?!と総ツッコミが聞こえてきそうな勢いの怒鳴り声と罵声のオンパレードが飛び出した。

そこに……

 

「お待ちくだされ!!」

 

IS学園の学園長の声が響く。

その後ろには山田先生と、[小鳥遊ホシノ]・[キリノ・ヴァレンシア]……果てには[クロエ・クロニクル]・[ナインボール・レプリカ]が追従していた。

 

「学園長!?」

 

『おや?話のわかる方が来ました。総員、武器を下ろしなさい。』

 

一触即発の危機を防いだのは、IS学園のトップ…[轡木重蔵]だった。

そして、ドロシーの合図でNIKKEは得物を降ろし、直立した。軍隊の様に統率の取れた動き。ざわめく雰囲気を他所にドロシーはシンデレラの方を見るが……当のシンデレラはハスラーを正面から抱きしめていた。

しかも、爆乳とも言える胸にハスラーの顔が沈み込む形でギュッと抱きしめていたのだ。

 

『……ッッッッ!?!?……』

 

『〜♪♪〜』

 

『…ハァ……シンデレラ……貴女は今すぐエデンに帰還を。それと、"レイヴン"を連れて行くのは"今"は辞めて下さい…』

 

『Σ(꒪д꒪II……(´・ω・`)…』

 

『…そんな顔してもダメですよ。……何れ、私(・)達(・)の(・)友(・)と(・)成(・)り(・)う(・)る(・)んですよ。』

 

『…- ̗̀ ( ˶'ᵕ'˶) ̖́-…』

 

いつの間にか立ち上がったシンデレラがハル・ハスラーを抱き抱えて駐機していた事に釘を差したドロシー。そんなドロシーに抗議する様な顔を向けるが、素っ気なくあしらわれた……が、出会うくらいなら後でも良いと言われ其の顔を喜びに綻ばせるシンデレラ。

その光景に周囲は……

 

(((((…なんか…デカイ妹だ……)))))

 

身体がでっかい(色んな意味で)末の妹の様な雰囲気だったと思われていた。

シンデレラは、ハスラーを名残惜しそうに下ろしカイネ達に預けると、シールドを飛翔形態に変形させて自らの周囲に円錐状のバリアを形成すると……

 

『またね♡"レイヴン"』

 

『お、おい!!まだ話は……うぐっ!?』

 

ドォォォンンン!!!

 

誰かが何かを言おうとしていたが、雷鳴と聞き間違う程の凄まじい衝撃音と共に、シンデレラは飛翔。その後も、空気を切り裂く突破音を数回轟かせながら彼方に消えた。

 

シンデレラが真っ直ぐ、エデンに帰還する様子を見届けたドロシーは、IS学園の方に向き直る。正確には、ハスラーを抱えたカイネに対してだが…

 

『…初めまして……人の身で、人を越えて尚も、人で在り続ける…小(・)さ(・)な(・)偉(・)大(・)な(・)英(・)雄(・)ハ(・)ル(・)・(・)ハ(・)ス(・)ラ(・)ー(・)…貴方の助力もあり、私達の抵抗は意味のある生存となっています。』

 

『…俺は俺のやるべき事を成しているだけだ。』

 

『えぇ解りました。ですが、貴方の様な方は報われなければいけないんです。責任の取り方を知らない世界の代わりに貴方が負債を精算し続ける光景はもう見たくないんです。』

 

『…耳が痛い、クロエにも言われたな…ソレ…努力しよう…』

 

『『『(((する気ゼロだなアレ)))』』』

 

ハスラーをそう呼んだドロシーの言葉を謙遜するハスラーの言い方にドロシーは、とんでもねぇ鋭利なグサグサ言葉を言う。それがどこに飛んでったのかは知らないが、そのせいでハスラーに傷ついて欲しくないと言われ、本人はバツが悪そうにそっぽを向いた。どうやらクロエ・クロニクルにも言われたらしい。一夏、カイネ、鈴音は絶対その努力はしないなと思っていたが……

 

「もしや……、近年目撃される[絶対天敵(イマージュ・オリジス)]は貴女達が屠り続けているのですか?!」

 

ドロシーは、ニコリと微笑むと…可愛らしい仕草で目を指さしながら答えた。

 

『えぇ…誰にも気付かれず、気取られず、非合法な形ではありますが、[絶対天敵]やラプチャーを見つけ次第、屠り続けてきました。宙には、貴方達が不要と切り捨てた[眼]がありますので、発見は容易いのですよ。』

 

「…おやおや、[軍事衛星]の借用とは……いたいけな少女がするには過ぎたイタズラですねぇ(*^^*)」

 

『…借用…棄てられていたのを再利用…リサイクルしただけですよ?まぁ少々、軍事施設のクラッキングもして…』

 

……俗に言う淑女と老獪の会話…話の中身は犯罪のオンパレードな内容だが、それ以前に邪悪そうな雰囲気が場内を覆い始めていた。

 

『……怖ぇ…笑顔なのに蝮がとぐろ巻いて屯ってる様に見える…つーか、あの桃色の髪の女の子は誰だ?更識楯無みたいな声してるけど、何か圧…というか格がある凛とした声…というか……』

 

『…一夏、あの人はドロシーって言うんだけどね?[アーク]での強さ的にあの人二番目なのよ…そこにいるハスラーよりくっそ強いお人……』

 

鈴音が零した一言に場の空気が凍りつく。

メガトンレベルの重量の鋼鉄蠍を右ストレートだけでぶっ飛ばした件の少女が[アーク]と呼ばれる組織で二番目の強さを誇るという、なら[アーク]の最強格はどんだけ強いんだと疑問も産まれる。

 

『そして…『ねぇちょっと!?』…コホン…[独立傭兵:レイヴン]として、貴方にご依頼がございます。』

 

ドロシーは、ついで話しかけるが、途中の横槍を見事に無視して話し始める。ハル・ハスラーでは無く、独(・)立(・)傭(・)兵(・)レ(・)イ(・)ヴ(・)ン(・)としての依頼…其れが何を意味するか、クロエ達は即座に察知。

 

『…近々、大規模な作戦があります。其れに貴方を参集したいと……リリーバイスが仰っており、指(・)揮(・)官(・)曰く貴方が居れば其れを成せる確率が上がると後押しした事で、貴方を指名する事にしました。…それからクロエお嬢様には後方からのご支援を…』

 

『ペアで依頼とはなぁ…内容は?』

 

『ふふ♪貴(・)方(・)の(・)因(・)縁(・)…ドラゴンスレイヤー等はいかがでしょうか?…勿論報酬も何もかもたっぷりとご用意致します。』

 

『ほぉ…随分と思いきったな…もしや、対応出来るラストチャンスが"今"だからか??』

 

『…その通りですね。ヘレティック:ニヒリスターは我々の予想を越える速度で攻撃的な進化を遂げつつあります。……恐らくですがこの一戦で与太だと思われた私達の存在は、完全に表に露見します。アークには世界に散った同胞達の召集がかかっております。』

 

『……ふむ、持てる全ての力で事にあたるということか?』

 

『はい♪その為に、貴方にご協力を…人類の中でも真っ当に上り詰めた最強種である貴方と我々ならば成せます。』

 

『……受けよう!その依頼。何時かはぶち当たる事になるんだ。"今"済ませた方がいい!』

 

『有難うございます。』

 

ヘレティック……それは今まで一般の中で生活していた一夏でもあれはダメだと豪語できるレベルの殺意を持つリバーレリオとインディリビア……その2人しか知らないが、その中でも最強にヤバいとされるニヒリスターとアークの最高戦力達が一堂に会し立ち向かう。恐らくは最大級の激戦になるその真っ只中にレイヴン…ハル・ハスラーは参戦する。

誰に言われるまでも無く自分の意思で。

カイネはハスラーを取り巻く人間模様が垣間見え、鈴音はハスラーの決意と覚悟の深さに絶句、織斑一夏はハスラーの印象に対してどこかの漫画で見た[最期の勇者]と云う言葉が当てはまるなと思っていた。

 

『さて……そっちの要件は後で決めるとして』

 

ハル・ハスラーは更識楯無の方向を向くと……

 

『こっちのケジメは改めて払わせないとな?』

 

 

 

織斑一夏曰く、それはそれは最高にいい笑顔をしていたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここの作品のNIKKE達は迷いとしがらみがほぼ無くなった最強メンタル状態。仲間意識が強く、指揮官とアークを護ろうとした時には最大級の力を発揮する。


すんげ〜久しぶりに再起動✋
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