※この作品はR-18です。

ようこそセクハラ至上主義の教室へ   作:セクハラ任三郎

3 / 4
第三話

 

 あれから清隆の自己紹介が無(・)事(・)に終わり、入学式も滞りなく終わった。

 教室に戻って来た俺達は駄べりながら、グダグダとした時間を過ごしていた。

 

 俺は帰る準備を終え、左隣の席に座る美少女に声をかける。

 

 「俺は鷹司龍臣。君の名前は?」

 「…複数の女性と関係を持とうとする、最低な男に名乗る名前は無いわ」

 

 彼女は帰る準備をしながら返事をしてくれた。こちらに視線すらも合わせないか。素っ気ないが可愛いな。

 

 「なぁ…」

 「ねぇ、龍臣くん!」

 

 俺が彼女に話し掛けようとすると、千秋が話し掛けてきた。その後ろには金髪ポニテの軽井沢と、セミロングの明るい茶髪に薄水色の碧眼を持つ少女、確か…佐藤麻耶だったか。

 

 「どうした? 千秋」

 「んふっ♥ あのね、この後私達三人でカラオケ行くんだけど、来ない?」

 「行こうよ龍様!」

 

 千秋は高揚の表情を浮かべながら、遊びに誘ってくれた。

 佐藤も「龍様」と呼び誘ってくれる。勿論行くつもりだ。

 …俺達四人だけか? これは楽しみだ!

 

 「あぁ、勿論行くよ」

 「まじー? ヤッター!」

 

 可愛いな。

 にしても、本当にこの学校は顔面偏差値高いな。不細工に全然会ってない。

 

 俺達はスクールバッグを持ち、教室から出る。

 するとそこには、今朝キスをした坂柳有栖と、サイドが刈り上げの金髪をオールバックにした男が居た。恐らく、連絡先を訪ねに来たのか?

 

 俺と坂柳の目が合う。

 相変わらず美しい紫瞳だな。それから数秒程見つめ合い、坂柳の頬が朱に染る。そのまま、またキスをしようと近付いたら…

 

 「ちょ、ちょっと待った! こんな人前ですんのか!?」

 

 坂柳と同行していた金髪オールバックが止めてきた。いい感じだったのに。

 

 「…何ですか橋本くん。発言を許可した覚えはありませんが?」

 

 坂柳は不満をありありと浮かべ、杖で橋本をペシペシと叩いている。可愛いな。

 ……こわ! お前らどんな関係? 「発言を許可した覚えがない」同級生にかける言葉か?

 坂柳も暇なら、一緒にカラオケ行くか?

 

 「この後暇か? 坂柳。暇ならカラオケ行こうぜ」

 「……貴方達四人で行くのですか?」

 

 坂柳は俺達を眺め、思考を巡らせている。ポーカーフェイスを貫いているが、俺の目は誤魔化せない。本心は行きたい、四人だけ? 止めなくてよかったのに、と言った所か。

 数秒の思考を続けていた坂柳に、軽井沢が声を掛ける。

 

 「そうだけど? 来たいなら来る?」

 

 俺が先頭に立っていたから、軽井沢の表情は分からない。だが、声色は挑発的な感じだった。

 それにムカついたのか、売り言葉に買い言葉。

 坂柳もまた、挑発的に返す。

 

 「初日から遊び呆ける程に愚かでは御座いませんので。行きますよ、橋本くん」

 

 坂柳は踵を返し、橋本を引き連れて廊下を歩いて行く。…連絡先交換してないじゃん。

 俺は千秋達と坂柳に声を掛ける。

 

 「千(・)秋(・)。坂柳を誘っちゃダメか? 一緒にカラオケ行きたいんだけど」

 「私は全然構わないけど…」

 

 いい子だ。…なんだ、坂柳が振り返り、此方に歩いて来る。

 坂柳は不敵な笑みを浮かべている。

 

 「…龍(・)臣(・)くん。貴方がどうしてもと言うなら、カラオケについて行って上げます。…そして、私の事は有栖と呼びなさい。これは命令です」

 

 不敵な笑みを浮かべてはいるが、本心は違う。焦り、戸惑い、喪失感。…凄い絶望感を味わっているな。感受性豊かだ。

 積極的な有栖も可愛いな。…俺はこういう状態の女を知っている。俺を奪われそうになって焦っているんだな。可愛い。

 「龍臣くん」。か、いい響きだ。

 

 「ははっ。一緒に楽しもうぜ、有栖。…橋本も来るか?」

 

 俺が「有栖」と呼ぶと、表の表情は変わらない。だが、嬉しさと興奮が滲み出ている。…本当に可愛いな。

 橋本に関しては、来ても来なくても構わない。彼は、そんな態度は微塵も出さないが、俺に取り入ろうとしている。…桔梗クラスで表情が読みづらい。逸材だな。

 

 「橋本くん。来ても来(・)な(・)く(・)て(・)も(・)構いません。貴方の好きにしなさい」

 「…ごめんな、姫様。この後用事あんだわ。今日は連絡先だけ交換して、お暇させてもらうよ」

 

 こっわ。

 千秋達は気づいてないみたいだが、暗に、来んな、って言っている。

 それに気が付いた橋本は、申し訳なさそうな表情を作り、断りを入れる。

 そして、俺達の連絡先を自然な流れで手に入れた。優秀な男だ。

 

 「今日は悪かったな! また次の機会に誘ってくれ!」

 「またねー! 橋本くん!」

 

 軽井沢を筆頭に、好意的な返事を受けた橋本は、足早にこの場を後にする。

 

 さて、行くか。

 俺達は歩き出す。

 

 「そういえば、何処のカラオケに行くんだ?」

 「何処って…その辺の?」

 

 決めてないのか。なら、鷹司系列で出している、バーにでも行くか。

 鷹司家は、この『東京都高度育成高等学校』には多額の出資をしている。うち系列の店舗もたくさんある。…系列なら、VIP待遇してくれるだろうし。

 俺が、そう提案しようと口を開く前に、有栖が口を開いた。

 

 「それなら、鷹司コンツェルンの個室カラオケにでも行きますか?」

 「…そっか! 龍臣くんっ、財閥の息子だもんね!」

 「所謂VIP待遇とかあるの?! ていうか個室カラオケ? ってなに?」

 「てか、何で坂柳さんが知ってるの?」

 

 有栖の言葉に、佐藤、軽井沢が反応する。いい反応をするな、気分が良い。

 千秋の疑問の答えは簡単。この学園の理事長は、有栖のお父さんだ。

 そして理事には鷹司家の関係者がいる。親子の会話かなんかで知ったのだろう。

 

 「ふふっ。何故でしょうか?」

 

 マウントを取っている。可愛いな。

 

 俺達はたわいない話を続きながら、靴箱で靴を履き替え、バスに乗る。

 この学園は六十万平米もある。コンビニ、ショピングモール、映画館、スーパー、ホテル、ゲームセンター、高層ビル、何でもある。

 俺達が向かうのは、この敷地内の端の方。生徒向けでは無く、この学園で暮らす大人向けの施設だ。

 

 それから十分ほどバスに揺らされ、俺達は高層ビルが立ち並ぶエリアに来た。

 一通りが多いな。

 俺達は目的の高層ビルに向かっていく。

 

 「へー。凄いねー! 人も多い!」

 「ふふっ。殆どがこの学園の関係者ですよ」

 「…確か、この辺か」

 

 着いたな。俺達の目の前には、高さ二百八十メートル、地上六十五階建てのビルがある。

 このビルそのものが、鷹司コンツェルンの所有物だ。地上二階から六十階までを他の企業に貸し出し、六十一階から六十四階には、鷹司家の関係者専用の施設。

 最上階には、鷹司本家とその招待者しか入れない、完全会員制の個室バーがある。バーは、カラオケ、ボウリング、映画、その他諸々の娯楽は揃っている。…ベッドもある。

 親父が享楽で建てさせたビルだ。最上階は数度しか使ってないらしい。この学園に俺がいる間は、有難く使わせてもらう。

 

 家の力を使う事に思う所は無いか? …全く無い。俺が芸能活動で稼いだ金額は、年収で十億ちょっと。コンツェルン全体で見ると微々たるものだ。

 それ以外に、俺が関与した事業で、これまで傾いていた『鷹司家』の総資産を倍以上に増やした。

 親父…鷹司家現当主も、俺が卒業したら家督を譲るつもりだしな。

 この学園でもバッチリ稼いで、程々に女を抱こう。

 

 「うぇー!? こ、こんなビルに入るの初めだよ。…制服でいいのかな?」

 「…これが、権力者…」

 「ふふっ。堂々としていればいいんですよ」

 

 千秋は一々リアクションが可愛いな。

 軽井沢はブツブツ何か言っている。

 有栖の言う通りだな。こういう所は堂々としてればそれなりの対応をしてくれる。

 

 俺達は所々がガラス張りになっている、ビルのエントランスに入る。

 

 白を基調としたロビーだ。何個もの受付があり、人もポツポツ居る。

 俺は受付嬢に声を掛ける。

 

 「ちょっといいか?」

 「はい? なんでしょうか?」

 

 うん。黒髪ショートの美女だな。良い受付嬢を雇っている。彼女は俺に顔を向け、驚いた表情を浮かべる。

 鷹司系列の店舗には、上から末端まで、本家筋の人間の顔を覚えさせている。…便利だが、時間の無駄だ。俺が家督を継いだら辞めさせよう。

 

 「鷹司龍臣だ。最上階に通してくれ」

 「は、はい! 只今!」

 

 俺達は受付嬢に先導され、エレベーターに乗る。幾つか並んでいる内の、一番真ん中にあるやつだ。これじゃないと最上階まで行けない。

 エレベーターをどんどんと上階に向かっていく。

 

 「…揺れを全く感じない! 良いエレベーターだ!」

 「はー。凄いね、グングン上がってくよ」

 「…」

 「ふふっ。私もこのバーに入るのは初めてなので、少し楽しみです」

 

 佐藤は揺れの無さに感動し、千秋は上昇するスピードに驚いている。有栖は初めての施設に心躍らせている。…軽井沢は何かを考え込んでいるのか、無言だ。

 お、着いた。

 エレベータの扉が開かれ、短い一本道と、その奥に扉がある。

 

 「私はここまでです。あの扉を開けたら、最新ロボットが施設の紹介をしてくれます。では、お楽しみを」

 

 冷静さを取り戻したな。優秀な人材だ。

 俺達はエレベーターから降りたが、受付嬢はそのまま下の階に降りていった。

 

 「最新ロボット? ロボットが店員さんなの?」

 「あぁ、最新鋭のAIを搭載していて、無駄な感情を持たずに淡々と説明をしてくれるやつさ」

 「確か、モードを変えると疑似人格を獲得するんですよね?」

 

 有栖はよく知ってるな。ここ数年でようやく形になったばっかりなのに。

 俺達は扉を開ける。

 扉の奥には、重厚感のある黒と、真紅を中心に揃えられた、カウンタータイプのバーの様なものが見える。バーテンダーには、人型のロボットを置いて。

 

 「あー、カラオケしたいんだが、案内頼めるか?」

 「はい。こちらです」

 

 俺達は無言でロボットに着いていく。扉の前に着いた。

 

 「食事やドリンクは何時でもお申し付けください。では、楽しんでください」

 

 ロボットはそう言い残し、カチャカチャと戻って行った。うーん。まだ動きがぎこちないな。要改善だ。

 動いて喋るロボットに感銘を受けたらしい千秋が口を開く。

 

 「すごいね。ロボットが歩いて喋ったよ」

 「うーん。もうちょい自然にしたいなぁ」

 「充分でしょ! 殆ど人間じゃん!」

 

 俺の言葉に、軽井沢がそう返した。あのロボット、ちょっと違うんだよなぁ。

 

 「ふふっ。早く入りましょう? 実は私、カラオケ初めてなんです」

 「そうなの!? 勿体ないよ! 一杯歌おうね!」

 「…そうですね」

 

 佐藤と有栖が仲良く話していたが、途中で有栖の表情が曇った。…成程、脚が悪いんだと思ってたが、心臓が悪いのか。

 程度にもよるが、心疾患を持つ人は激しい運動がダメだ。心拍数上がるからな。

 …エッチな事は良いのか? 心拍数上がるけど。…うーん。何とかして治さないとな…

 

 俺達は扉を開け、カラオケ室に入る。

 そこは、正面の壁にそこそこ大きいモニターが掛けられ、一見普通のソファが壁から少し離して置かれている。中央にはガラスのテーブルがあり、曲を設定するタブレットが置いてある。全体的に薄暗い。

 まぁ、普通だな。

 

 「…思ったより、普通?」

 「ねー。もっと金ピカだと思った」

 

 軽井沢と佐藤はそう言いながら、ソファに座る。

 

 「うわっ! 凄いよこのソファ! めっちゃ沈む!」

 「…あたしが使ってたベッドより柔らかいかも」

 

 そんなに良いのか? 早速俺達も座る。

 程よい沈み込みに背もたれ、座るだけでリラックス出来る。うん、いいソファだ。

 

 「…良いですね。気持ちいいです」

 「…すご。超柔らかいじゃん」

 

 坂柳も、千秋も、そこそこ感動しているようだ。さて、歌うか!

 

 

 それから暫く、俺達は順番で歌い続けた。

 途中、有栖の先天性心疾患についても説明し、歌えない事を納得して貰った。当たり前だが、それを咎める人間は居なかった。

 

 そして現在。千秋、軽井沢、佐藤で歌を歌っている。熱中しおり、コチラには欠片も注意を向けていない。室内は爆音で包まれている。

 

 俺のすぐ隣には、ジュースをストローでちょびちょび吸いながら、音に乗って体を少し揺らしている、有栖が居る。

 口や態度では気にしてない感を出しているが、ほんの少し、「私も歌いたい」の気持ちがある。

 …俺が治す方法を見つけるまでの辛抱だが、初めてのカラオケがこれで終わるのは寂しいだろう。…ちょっとやるか。

 

 俺は有栖に顔を近づけ、小声で声を掛ける。

 

 「なぁ、ちょっとこっち寄れよ」

 「…? 何ですか? 何時からそんなセクハラ上司みたいな言動を…って、ふふっ。最初からでしたね」

 

 …セクハラ上司か。言い得て妙だな。

 有栖は小さい口をこれまた細く小さい手で隠しながら、くすくすと笑っている。だが、コチラに寄ってきてくれた。

 

 手も、顔も。少しと伸ばせば届く範囲だ。

 俺は右腕を有栖の背中から回し、コチラに引き寄せる。

 有栖の汗と使っているシャンプー、リンスが混ざった独特の甘い香りがする。最高だ。

 

 「きゃっ。もう。何ですか? 急に」

 「すーーーーーっ。…あぁ、いい匂いだ」

 

 俺は有栖の項に鼻をうずめて、深く深呼吸した。…この匂いは、何時か万病に効くだろう。

 俺の相棒が臨戦状態になりそうだ。

 いて、有栖に右手の甲を摘まれた。

 

 「…♥ 変っ態ですねっ。良いですか、貴方は、頭も顔も体も良いんですから、もうちょっと性格をですね…」

 

 …有栖が言えるか? それ。

 俺は項から顔を離し、有栖の顔をコチラに向ける。

 平静を装おうとしているが、頬が染まっている。…暗いせいで良く分からんな。

 俺達は見詰め合う。

 …D組の生徒も見たが、顔が一番良いのは有栖だな。胸は小さいけど。

 有栖の顔がどんどん蕩けて…行かないな。本格的に耐性を持ったのか? 俺は割とマジで驚いている。

 なら次は…

 

 俺は有栖の耳に顔を近づけ、耳元で囁く。耳もちっちゃいな。食べたい。

 

 「ちょっと動かすけど、声出すなよ」

 「えっ? きゃ…」

 

 俺は、左手で有栖の右腰を持ち、背中側から通していた右手で左腰を持った。小柄な事もあって軽い体重を支え、有栖の向きを変えて俺の膝の上に引き寄せた。

 所謂対面座位みたいな体勢だな。服は着てるけど。

 俺と有栖は至近距離で向き合っている。

 小柄な有栖でもこの体位なら、同じ目線で目を合わせられる。

 

 この距離なら、いくら部屋が暗くてもよく見える。

 有栖は、流石に恥ずかしいのか、頬を真っ赤に染め、キリッとした眉を八の字にし、少しツリ目気味な瞳をトロンとしている。

 そんな表情をしたまま、弱々しく口を開く。

 

 「あ、あの♥ 当たってるんですが…♥」

 

 …今朝も思ったが、このレベルの美少女を至近距離で見詰めると興奮するな。

 

 「…有栖が可愛いからね」

 

 俺の言葉を受けて有栖は、少し口角を上げ、俺の首に腕を回してきた。

 …腕を回した関係上、更に顔が近くなった。

 

 「んふ♥ そうですか♥ まぁ。龍臣くんも、…かっこいいんじゃないですか?♥」

 

 有栖は喜びも、興奮も隠さず、褒めて来た。この攻撃は俺に効く。

 ちょっとツンデレっぽいのが更に良い。

 有栖は目を閉じて、小さな口をコチラに差し出している。恐らく初めてのキス顔だろう。これで合ってるのか不安なのか、稀に薄目を開けて、俺の表情を、確認している。可愛いな。

 可愛い子には意地悪するのが男の性。

 俺は、キスしたい欲望を抑え、背中に回していた腕を下げていく。

 

 心配になるほど細いウエストを通り過ぎる。

 更に下げる。

 

 するとそこには、さっきまでとは打って変わって、肉付きの良い桃尻があった。両手で覆える程に小さいが、ムチムチと、むにむにと、不思議な感覚を感じる。

 

 キス顔を無視してお尻を撫でられた事が不満なのであろう。

 有栖は両目を開き、ジトッとした目を向けてくる。…この表情も良いな。

 そのまま、苛立ちを隠そうともせずに言葉を発する。

 

 「んっ♥ …あのですね。今、私はキスをしようと…っ♥」

 

 ――ちゅーっ♥ ちゅ♥ ちゅ♥ ちゅっ♥ ちゅーっ♥

 

 俺は講義してきた有栖と目を合わせ、そのままキスをした。有栖の飲んでいたりんごジュースの味と、有栖本人の唾液の味が混じりあった、甘く、癖になりそうな味がする。

 やっぱりキスは、目を見てなんぼだ。

 有栖は、最初は驚いていたが、直ぐに気を取り直し、積極的に求めてきた。

 

 それから十数秒程、見詰め合いながらキスをしていた。

 だが、結局舌は入れてこなかった。俺から入れよう。

 

 「ぷはぁ♥ もう、何なんですか♥ …っ♥」

 「ははっ。俺は、キスする時は目を開いてするんだよ」

 

 俺はそう言いながら、有栖のお尻を撫でていた手をスカートの内側に潜らせる。

 手の平で布部分を撫で、指では、ショーツが覆い切れていない尻肉を揉む。…めっちゃ柔らかいな。触り心地最高だ。

 だが、ガーターベルトが邪魔だな。俺は、タイツに嵌められていた留め具を外し、ガーターベルトの背中側にあるホックを外して抜き取った。

 

 有栖はお尻を揉まれ、気持ちいいという表情を取り繕うとしているが、蕩けた表情を全く隠せていない。

 少し嬉しそうな感情を声に乗せて有栖が、俺に尋ねる。

 

 「んっ♥ …私のお尻を触って♥ 何が楽しいっんですか?♥」

 「まず、触り心地がとても良い。次に、尻を揉むと同時に変わる表情が可愛い。次に…」

 

 ――ちゅー♥ ちゅっ♥ んちゅーっ♥

 

 俺が有栖を褒めていくと、見る見るうちに顔が真っ赤になり、それを誤魔化すように、有栖から口付けをしてきた。うーん。最高。

 …ん?

 

 ――こす♥ こすこす♥

 

 「もう…♥ 私の…女性器に擦り付けないでください…♥ まぁ、貴方がどうしても言うのなら? …これくらいならいいですけど♥」

 

 …有栖はコチラを見つめながら、腰を前後に動かし、自身の女性器を、俺の息子に擦り付けてきた。…無意識か? 飛んだ変態だな。

 …女性器か、エロくない言い方だな。俺はそう言うが、相手にはもっとエロい言い方をして欲しい。我ながら我儘だな…。

 にしても、ズボンが邪魔だ。脱ぐか。

 俺は俳優業で鍛えた早業で、瞬時にベルトとズボンを脱いだ。

 まだパンツがあるが、ズボンを履いていた時よりはマシだ。

 パンツだけになっても、有栖は相変わらず、俺の息子に擦りつけている。

 

 「ん…♥ 大きい、ですね♥」

 「なぁ、女性器じゃなくて、もっとエロい言い方しないか?」

 「…んっ♥ 『エロい言い方』、と言われましても♥ 私、知りませんし♥」

 

 ――こすこす♥ くちゅくちゅっ♥ こすこすこす♥

 

 有栖は激しく腰を前後させる。

 有栖の愛液と俺の我慢汁で、俺達のパンツはドロドロだ。

 

 「もう濡れてるじゃん」

 「…♥ それは、貴方もでしょう? この♥ 厭らしい音は何ですか?♥ 腰、動かしすぎです♥」

 

 有栖は勝ち誇った様な顔でそんな事を言う。だが、

 

 「…良いか有栖。対面座位の時は、下に居る方は動けないんだ」

 

 「…え?」

 

 有栖は強い衝撃を覚えたのか、羞恥心で顔を真っ赤にしている。可愛い。

 焦った有栖は、取り敢えず誤魔化そうと、俺の唇を奪った。

 

 ――ちゅ♥ ちゅー♥ べろ♥ ぺろぺろ♥ んれろぉ♥

 

 「んっ!?♥」

 

 俺はカウンターとして、有栖の口内に舌を入れる。…口の中も小さいな。

 最初は焦っていた有栖も、直ぐに自分から舌を絡めて来た。

 有栖は舌を絡めながら、腰を擦りつけている。…本番はダメでも、素股は行けるか?

 

 俺は、俺と有栖の間に手を入れパンツから、全長三十cm、竿の直径六cm、亀頭の直径八cmを誇る、自分でも自信がある相棒を取り出す。

 有栖はそれを眺めている。

 

 「きゃっ♥ …でかい? ですね♥ それにとても熱いです♥」

 

 有栖はそう言いながら、俺の相棒をつんつんと、つついている。

 俺はソファの背もたれを倒し、それに寝転がる。

 

 「へぇ。良いですね…んしょ♥」

 

 有栖は、横になった俺の息子の上に乗り、腰を前後に動かしている。

 高級ショーツを履いているのだろう。相棒に肌触りの良い感覚が伝わる。ベタベタしてるけど。

 その奥にある、ふにふにとした感覚も心地よい。

 

 有栖は俺を見下して少しの加虐性を孕んだ、恍惚とした表情を浮かべている。

 …本当に良い表情をする。

 

 「ふふっ♥ この体勢良いですね♥ 貴方を支配してる気になります…♥」

 「…有栖みたいな、美少女に支配されるなら本望だよ」

 

 俺は、前後に動いている有栖の腰を支える。

 

 「…っ♥ ん…♥」

 

 有栖は喘ぎ声を漏らしながら、只管に快楽を味わっている。

 俺も気持ちがいいが、手持ち無沙汰だ。

 …腰から少し下げ、お尻を揉む。

 うーん。やっぱり柔らかいな。良い揉み心地だ。

 

 有栖はそれに反応し、ただでさえ蕩けていた顔をさらに崩す。

 

 「…そんなに揉んでっ♥ 楽しいのですか?♥」

 「なぁ、有栖。素股って知ってるか?」

 「…?」

 

 俺の言葉に対し、疑問の表情を浮かべている。知らないっぽいな。

 

 「知らないか。素股って言うのは…」

 「…知ってますが?」

 

 俺は説明しようとするが、有栖の不満げな声に遮られた。知らないなら説明するのに。

 

 「いや、知らないなら…」

 「知っていると言ってるでしょう。執拗いですよ」

 

 …有栖は、不満をありありと出した表情で、知っていると言い張る。

 知ってるならやって貰おう。本当に知ってるかもしれないし。

 

 「じゃあ、やってくれ」

 「………(すまた、寸又峡? 刺股? いいえ、違う。考えなさい。今の状況的に、もっとエッチな事…素股? 素と股? 素の股で性的な事をすること? …かっこいい…。違ったらどうしよう。嫌われる? 変態だー、って言われないでしょうか? …今更ですね、この状況を楽しみましょう)」

 

 有栖は数瞬、思考に潜り恐らくだが、素股の意味を考えていたのだろう。腰の動きも辞めて。…その数瞬だけ、蕩けていた瞳に知性が宿っていた。

 …素股の意味を考えるって何だよ。

 

 恐らく何か確信を得たのだろう。

 有栖はしたり顔で、スカートに手を入れて、右脚から先にショーツを脱いだ。

 それは、小さいリボンがアクセントの、白いショーツだ。

 …可愛いパンツだな。

 有栖がそれを、その辺に置こうとした時、俺と目が合った。

 有栖は不思議そうに、手で持ったショーツを左右に揺らす。…そのショーツには、不思議な魅力があり、目を離せない。

 

 「ふふっ♥ そんなにコレが気になるんですか?♥」

 「…あぁ」

 

 有栖は勝ち誇った表情を浮かべ、コチラに挑発的な目を向けている。…本当に良い表情をする。

 

 「…変っ態ですね♥ んっ♥ …何で更に大きくしてるんですか♥ …どうしてもと言うなら、貴方に上げても良いですよ?」

 「どうしても!」

 

 有栖は軽蔑の表情を欠片も見せず、ショーツの内側をコチラに向けて、俺の顔に被せた。 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。