「先生!もっとあたしらに構って!」 作:アキラゼミ
「あっ、先生〜! おひさー!」
「元気にしてた? ──って、聞くまでもないか。相変わらず元気そうだね」
「うん、相変わらず元気っ! 昼も夜も暴走中!」
「あはは……。『ゲヘナ部隊』の方向性は、
「決まり! みんな、ついてきてくれるってさ!」
「そっか。じゃ……行こうか、
「うんっ……!」
──ハドマ学園にて、ハドマ部隊の今後について話し合った数日後。レティと話し合ってある程度の方針を固めた私は、マコト率いる万魔殿に話し合う場を設けてもらい、レティと乗り込むことにした。
議題はもちろん、飂熾冘巫髏の解散に伴うゲヘナ部隊の今後の処遇についてだ。
◆
「キキキキッ! なんだそんな事か! 解散するも再結成するも、好きにしろ!」
「「……え?」」
「お前達のような不良生徒は程よく、そして適当にのさばらせておくんだ。ゲヘナ部隊──だったか? 飂熾冘巫髏を解体するのであれば、お前達にはもう針村ルーシィのような優秀な頭脳も無くなる。なら残されたお前達にできる事など無い。以前のような学園の乗っ取りなど、当然ながら不可能になるな。残った者は、適当に騒ぐ事しかできないだろう?」
「ムゥ……そーだけど……」
「ならば、飂熾冘巫髏の解体など万魔殿には関係のない事だな。何故なら、不良生徒の鎮圧などは全て風紀委員会の仕事だからなぁ! キヒヒヒヒッ!」
そういう事か。どうしてこうも、マコトの頭脳はヒナに──風紀委員会に嫌がらせする方向には早く働くのだろう。
私は、ヒナ達の負担を増やしたいワケじゃない。しかし、レティ達が「自由」を望んでいるのなら、私は可能な限りその手助けをしたいと思っている。
マコトもそれを公認しようとしている──だからこれは私達にとって最高な状態だと言える。しかしどこか……どこか、釈然としない。
言葉にできない感情が、胸の中で燻っている。
レティもそんな想いは同じらしく、口をへの字に曲げてマコトを睨んでいる。マコトはそんなことはお構い無しに、ニヤニヤした顔でレティを見返す。
「……分かった。とりあえず、ゲヘナ部隊はそのまま学園公認の組織になる、って事でいいね?」
「あぁそれでいい。顧問は先生だとして、部長だか委員長になるのは……お前か?」
「あ、うん。このままゲヘナ部隊幹部の私がやる」
「なら正式に認可してやるから、最低限、書類だけ提出しろ。組織を創立する届出だから、忘れるな。それを提出して始めて『公認』の組織に成るのだ」
「……!」
「……分かったらさっさと行くがいい。私はイブキと遊ぶのに忙しいんだ。書いたら提出だけしておけ。あとでサツキが適当に判を押しておく」
「え、私?」
◆
「お、思ったよりサクサク進んだね〜……反対されるだろうと思ってたんだけど……」
「二つ返事でOK貰ったようなものだったね」
それも仕方ない。マコトの言う通りゲヘナ部隊にルーシィ程の頭脳の持ち主は愚か、レイコ程の強さの持ち主も居ない。学園としては、脅威ではないと判断するのは何もおかしくない。
ましてや頭脳や戦闘力のみならず部員が少ない。飂熾冘巫髏大決戦前は今の倍以上の生徒が居たが、あの大決戦の際に温泉開発部に引き抜かれ、今ではたったの100人程度。危険視する必要性は薄い。
「ね、先生はこれからどうするの?」
「予定よりもちょっと早いけど、シャーレに帰って仕事かな。クロノ、マトイとの打ち合わせもあるしティーパーティーへの打診もあるし……」
「そっか。じゃあさ、近くの駅まで送ってこっか? 丁度、駅前に用事あるんだけどさ」
「それならお願いしようかな」
「は〜い、じゃあ乗って乗って! メットは先生が被っていいからねっ!」
「いいよ、ヘルメットはレティが被って。大丈夫、しっかり掴まってるから」
「そう……? んじゃ、トバすよぉっ!」
「お゙ッ!?」
半ばウィリーのようになりつつ、ゲヘナ学園から最寄りの駅へ直行。信号は守るが、速度は守らず。車の間を糸を縫うようにして走り抜けて、ひたすらトバしまくる。バイクが心配になる程にアクセルを開けっ放しにしている。
やっぱりヘルメット借りた方が良かったか──と後悔し始めた頃に、やっと速度が落ちる。ひたすらトバしてきたおかげだろう、ものの数分で駅前まで辿り着いてしまった。
「わ……すごい、改造バイクだ……」
「凄いよね……かなりお金掛かってるよ、アレ!」
駅前広場には、明らかに改造されている、奇妙な造形のバイクが何台も何台も停まっていた。
明らかに掴みにくそうな、鬼の角のような角度のハンドル。
大型バイクだからか2人乗り前提の改造らしく、後部座席には背もたれなどが備え付けられている。
ヴォンヴォン、バルンバルン、と明らかに普通と異なる、ヤケに音が大きく響くような改造マフラーなどなどバイク素人が見ても分かるほど手の込んだ改造が成されていた。
しかも一部の生徒は大きな旗を持っている。畳で例えると3枚分程度の大きさはあるだろうか。旗は風に吹かれて、綺麗な波模様を作っている。
「それじゃーね、先生! 気を付けて帰ってよね! 私はこれから集会だから……!」
「集会……? うん、レティも気を付けるんだよ」
「は〜い! ……お待たせ〜っ! そろそろ行こっか!」
「!?」
私と別れたばかりのレティが、早速誰かと合流を果たした。飂熾冘巫髏の誰も近くには居なかったと思ったが──違っていた。ずっと近くにいたのだ。
駅前広場で待機していた、改造バイクの集団。
あれこそが、レティの率いるゲヘナ部隊──の、現在の姿らしい。
「まっ待ってレティ! レティっ!!」
「んー? どったの? 忘れ物でもしちゃった?」
「まさかレティ──ゲヘナ部隊を、
「あはははっ、ゾッキーって! 死語じゃん!」
「!?」
「でも間違ってないかもね。エンジンを唸らせて、キヴォトスを縦横無尽に駆け巡る! それが私達、ゲヘナ部隊改め──『ゲヘナガールズ』よ!」
「ゲヘナ……ガールズ……」
「書類は提出したから承認貰えたようなもんだし、本日付けで部活として
「わ……わァ……」
飂熾冘巫髏の幹部の中で一番「普通」だと思った生徒が今のところ一番ブッ飛んでいる件について。顧問はこの私こと「シャーレの先生」が勤める事になっているが……本当に大丈夫なのだろうか。
なんというか、既に不安しかないのだが。
「そろそろ行きましょう、総長!」
「風を浴びにッ!!」
「そーだね、行こっか! それじゃーね、先生〜! ホント、気を付けて帰るんだよ〜!!」
「………………」
他の生徒達に「総長」と呼ばれた彼女は、笑顔を私に向けながら手を大きく振って、旗をなびかせ、駅前広場を
旗に刺繍された「暴走族ならでは」といった風の字面を見て、レティが
──暴走師団・
先生のメモ帳
ル・シュ・フェル組織一覧
吸血鬼部隊→吸血鬼調査隊ヴァンピール
ハドマ部隊→グリゴリ(ライム脱退)
ゲヘナ部隊→暴走師団・
トリニティ部隊→?
レッドウィンター部隊→?
暴走族も絶対キヴォトスに存在する。
いつかブルアカ原作にも出る。私は詳しいんだ。
まぁ私は族じゃあないので、暴走族については佐木飛朗斗さん、田中宏さんの漫画でしか知らないが。
その方々の作品で好きな漫画は、
これらは中高生の頃に読んじゃダメだったな。
カッコ良すぎて憧れてしまうから。