「先生!もっとあたしらに構って!」 作:アキラゼミ
「か〜ッ! 相変わらず
「カフェというものは、得てして普通のモノを置くものですから。そういう、一般層から見てゲテモノというか普通でないモノは、そういうコンセプトのカフェにでも行くべきでしょう。ありませんけど」
「無いんじゃあ意味も無いでしょーがよ!」
「それはそうですが、そこは生徒会であるあなたの仕事では? レイコ?」
「いーやー! 何が悲しくてリエと話し合ってまで仕事を増やさなくちゃいけないのよ、ヴァ〜カ!」
「口だけなのは情けないから行動を起こせ──と、そう言ってるだけなんですけどね。……はぁ……」
「あ゙ぁ゙!? もっかい言ってみなよゴラァッ!」
シャーレのカフェにたまたま訪れていたレイコとルビー。レイコはその相変わらずのワガママ気質でカフェのラインナップにケチを付ける。
いつもの事なのでルビーも適当にあしらっていたものの、それが良くなかった。ルビーも、レイコの対応に慣れてきていると自負していたが、それが、最近は鳴りを潜めていたルビーの本来の口の悪さを露出させる原因になったのかもしれない。
唐突に胸倉を掴まれ身体を持ち上げられ、目線の高さを強制的に合わせられる。
レイコの方が、ルビーよりも背が高い。ルビーが背伸びしてやっと同じくらいの目線になるかどうかという身長差だ。
胸倉を掴まれ宙ぶらりんにされた彼女はどうにかつま先だけでも床に触れようと足掻くが、ルビーの足は虚しくも宙を蹴るだけである。
「フンッ、アンタじゃ抜け出すのは無理でしょう? 力も身長も私が上で戦闘力も私が上。勘違いしてるようだから忠告してあげるけど。──アンタさぁ、この私に意見できる立場だと思った……?」
「〜〜〜ッ……!!」
「どーやらこの数ヶ月間で馴れ合い過ぎたようね。だからそんなマヌケな勘違いしちゃったんでしょ。この私と対等に話せる立場だ……ってさァ?」
「────はッ!!」
「はっ……?」
小さな掛け声と共に、軽くぶつかるような衝撃がレイコの顔に走る。一瞬視界が揺らぎ、身体の力が抜け、ルビーはレイコの胸倉を離してしまう。
その隙を逃さずルビーはレイコの手を払い、その筋肉質で大きな翼で空気の面を捉えふわりと身体を浮かし──。
「でやァッ!!」
空中で前転するように回転すると、回転の勢いを乗せた踵落としを、レイコの顔面にお見舞いする。床に頭がめり込む程の強さで蹴られた事でレイコはちょっぴり鼻血を出しながら、身体を起こす。
「あ、アンタ……!」
「少しは目、覚めましたか? ──全く、この私に近接戦を挑むなんて、バカな事をしましたね」
「あぁ……?」
「──知らないようですね。実は私、近接戦だけで言うなら、
「ハァ……? 何をワケの分かんないことを……」
ルビーの趣味はボクシングである。普段の、銃を使用する戦闘においてはスズにも劣るルビーだが、こと近接戦──特に徒手格闘においてルビーの右に出る者は、ハドマには居ないのである。
これについてレイコが知らないのは無理もない事だった。ルーシィの立案したハドマとゲヘナの併合作戦まで、博愛レイコという存在自体、飂熾冘巫髏という組織によって秘匿され続けていていたし──何より彼女は元から真面目に登校していなかった。
ルビーへの飂熾冘巫髏勧誘は吸血鬼部隊の生徒がしていたし、普段の戦闘は銃火器を使うので、知る機会がそもそも無かったのだ。
それに加えて、そもそもの話であるが「趣味」はそう表に出すものでもないというのもある。何より彼女の性格上、リエやリンコすら上回る力量があるという事実をひけらかすような事は、しないのだ。
「殴り合いの喧嘩なら買いますよ?」
「
シャーレのカフェ内で、殴り合いの喧嘩を今にも始めそうになったルビーとレイコ。しかし、そこに割り込んだ人影が2つ……いや、3つ。
「ちょ〜っと待ったぁぁ〜〜〜っ!!」
「その戦い、ちょっと待ってください……!」
「これ以上暴れると言うのなら、まずはシャーレの外に出てもらおうか」
2人の間に割り込んだ生徒とは────。